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愛とは  作者: 島崎知佳
2/5

一人目の愛

「最近人気ありますよねー。久保さん。」

「ほんとね。いつから男に媚びうるような子になったのかしら。」

「ああいうの、ちょっといやだな私。」

「でも、うらやましいんでしょ?」

「そんなことありませんよー!」

「そう?そのわりには嫉妬してるように見えるけど?」

「気のせいです。」

「はいはい。」


「なつみさぁーん!」

「来た来た。次は私に媚び売ってくれんのかね。」

「久保さんのペースに乗せられちゃだめですよー?」

「わかってますよー。篠原は早く仕事終わらせな。そこだけは久保に劣ってるのを認めざるおえないね。」

「はーーい。」

「なつみさん!!どうしたんですかー?なんか沈んでるように見えますよー?」

「気にしないで。全然元気だから。」

「ほんとですかー?篠原ちゃんはいつも通り元気だねっ!」

「はいはい。あたしはどーせいつも馬鹿みたいに元気ですよー。」

「篠原!」

「すみません。」


「なつみさん!早く行きましょうよー!」

「はいはい。じゃ、後頼むね、篠原。」

「了解でーす。」


「みなさん!お疲れ様でしたー!」


「あんた、ほんと男から人気あるね。さっきもほとんど全員挨拶してたし。」

「えー?そんなことないですよー。皆優しいだけです。」

「よくいうわ。まあいいや、で?なにあんたがいきなり話ししたいなんて。」

「それがですねー。聞きたいことあるんですよ!」

「なに?」

「愛って何ですか?」

「は?あんた頭でもおかしくしたの?」

「なんでそうなるんですかー!!私は真面目ですよ!」

「え。てか、そんなのは私よりあんたのほう理解してるんじゃない?」

「なんでですかー?」

「経験上。」

「全くわかりませんよ。だから、こうして聞いてるんじゃないですか!」

「ふーん。」

「なににやにやしてるんですか?」

「いいや。あんたがそんなこと疑問に思うとは思わなくてね。」

「なんでですか?」

「あんたみたいな子は、愛はお金です!とか愛なんてこの世にありませんよー。とか平気でいいそうだったから。」

「ひっどーい!そんなこと絶対言いませんよー。」

「ごめんごめん。でも、なんでそんなこと急に?」

「急なんかじゃないですよ?ずーと昔からの疑問です。」

「へえ。まだこの国も捨てたもんじゃないねー。」

「さっきから!なつみさん失礼ですよー!!!」

「ごめんごめん。」

「で、なつみさんはどう思うんですか?」

「なにが?」

「だから!愛とは何か。」

「んー。愛か・・・」

「なんですかその、意味ありげな。」

「家寄ってく?」

「え!本当ですかー?初めてだ!!なつみさん家!」

「普通少し遠慮するでしょ。」

「なんでですかー?」

「なんでもない。じゃあ、話の続きは家でね。」






「なつみさあーん。もうギブー。飲めませんよー。」

「なに言ってんの!!これからよこれから!」

「なんでそんなに強いんですかー。」

「覚悟もせずに私についてきたあんたが悪い。」

「そんな覚悟しませんよー」

「あんたみたいのがね、男の家にのこのこついてってはいバーンってなるのよ。」

「バーンってなんですか、バーンって。」

「とーにかく、あんたは危なっかしいってこと。」

「大丈夫ですよ。私男の人の家に上がったことないので。」

「うそ。」

「ほんとですよ。」

「私は騙されないわよ。一番そういう経験多そうなあんたがあがったことない?馬鹿言わないで。」

「本当です。それに、私まだそういう経験してませんから。」

「嘘よ。」

「本当です。」

「へー。そうやって先輩を騙して何が面白い?」

「だから!騙してませんって。いいです。もうこの話題やめましょーよ。」

「はいはい。そういうことにしてあげますよー。」

「というか、なつみさん。そろそろ話してくれません?」

「なにを?」

「はあ、やっぱり忘れてた。愛ですよ!愛!」

「はあ?愛?馬鹿じゃないのあんた。」

「またそれですか?なつみさんが酔っ払ってからもう13回はそのセリフ聞きました。」

「何言ってんのよ!私はまだ酔ってないっつーの。」

「それも、何度も聞きました。早く話して下さいよ!愛って何なんですか?」

「愛・・・ね。」

「はい。」

「ちょっと、酔い覚ましてくるから待ってて。」

「ああ、なんだ。今は話してくれると思ったのに。」

「ちょっと待ってね。」




「ただいま。」

「おかえりなさい!酔いはさめましたか?」

「だいぶ。」

「では、本題に!」

「まあまあ、そう焦るな。」

「焦るなって。なつみさん家きて何時間経ってると思ってるんですか?!」

「知らん。聞きたくもない。」

「はいはい。とにかく話してくださいよ!」

「いいわ。」


愛ってね、やっぱり皆の言うとおり言葉にするのはとっても難しいものだと思うの。

でも、できないわけじゃない。

人それぞれの愛があるから、愛は人それぞれの言葉で表すことができるの。

私の場合はね、「信じる」この一言で表せちゃったりするの。

え?くさい?ああ、お決まりって感じするってことね。

そうね。でも、それでいいのよ。

愛って感情じゃない?

感情って言葉にするのが難しいから、表情で表現したり、行動で表現するんだと思う。あと、雰囲気とかね。

でも、それを言葉にするのは無理じゃないの。

私にとっての愛とは「信じる」って言ったでしょ?

愛するってことは信じるってことになるの。私の場合は。

愛って、want to にはならないよね。

だから、愛したいってならない。

だって、愛するっていうのは自然にできるんだもの。

私はこの人を愛している。または愛していた。とはいう。

私はこの人を愛したい。って絶対おかしいのよ。

辞書に愛は「物事を好みそれを大切に思う気持ち」って書いてある。

好き嫌いって自然に別れるでしょ?それに、大切って思うのも自然とそう思うもの。

だから、愛は want toには絶対ならない。

愛したい。と思っているなら、それはもう愛してるんだと思う。

信じるも私の中では同じなのwant toにはならないの。

私はあなたを信じている。信じる。信じていた。とはいうよね。

でも、私はあなたを信じたい。

これって、信じたいって思ってるならすでに信じてるってことになると思わない?

感じ方は人それぞれだから、そう思わないならそれでいいけど。

説明が下手でごめんね。

私にとっての愛は信じるってこと。

それだけしか言えないな。

あれ?寝てるの?ひどいなー。久保が話してって言ったから話してたのに。

一人で話してるなんてばかみたいじゃん。

って、馬鹿だよね。

まあ、いいや。何か不思議な気分。

私も寝ようかな。

おやすみ。久保。


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