表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Strange・Army  作者: 翁蓮華
羽鳥巡:上
1/54

プロローグ

作者の世界感に、不快に感じられた方は、バックボタンを推奨します。

この作品はフィクションです。

実在する、人物、団体ではございませんので、その部分を考慮いただければ幸いです。



暴力描写などの部分は、全年齢公開となっておりますが、未成年の方におきましては、R15タグはありますので、各々の判断でお進みください。




それでは、お一人様ご案内致します――――





がた…がたがたがたがたがたがたがた………

――戦慄が、体中に走り抜けた。

少年、羽鳥巡はとりめぐるは後ろを振り返り、恐怖に声を枯らす。

どんなに、叫んでも。

どれだけ、少年の絶望が木霊しても誰ぞ助ける者は居ない。

其れは、正義の惨殺者。

神に作られぬ聖女さながらの姿で、死神はその追走劇の終幕に口を開いた。


断罪人形ヴァルキュリアNo.2、スピリチュアル」

鈴を鳴らすよな愛らしい声は無感情に名乗る。

後ろから忍び寄った中学生ほどの見た目の少女は、

半ズボンに血のように紅いポンチョを着ていて。


その冴えるような人ならぬ美貌からは、今は底なしの恐怖しか呼び起こさない。

この空間に満ちた殺気の中、動くこともできずに、巡は彼女が目の前に立つのを腰を抜かしたまま凝視していた。

無言で立った彼女は、巡を見下ろす。

終わりの一瞬、巡はその姿を見て息を、止めた。

永遠とも思える間に見つめ合った彼女の。

長い睫毛が縁どった眼は、どこまでも果てしなく死んでいて。

驚くほどに何も、何も、なにも映してやいなかった。


「アナタは、変異しました」


「―――――――――――――――――――――――――――――断罪を執行します」


ああ、その声が。


僕の最期の記憶。












――――――――――――――――――――パアンッ




人でなしの少女は、色を亡くしていく彼の眼を見つめていた。

何も感じず、何も考えず、唯、無造作に。

一つの命の終焉を弔うことさえ、しなかった。






2012,10,10

修正


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ