表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【改訂版】呪いを解いた代償は、恋人の心でした~神に反旗を翻します~【第二部】  作者: 七宮叶歌
第6章 使い魔

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

16/89

使い魔Ⅱ

「私、てっきりスティアの神様だとばっかり……」


「あぁ、オレもだ」


 私とアレクが話をしていると、クラウとフレアもうんうんと頷く。


「神様じゃないんだとしたら、他に誰がいると思う?」


 まだ情報が少なすぎる。聞いたとしても、答えは返ってこないだろう。そう思っていたのだけれど。


「……まさか、オパール?」


 クラウが小さく呟いたのだ。


「オパールってーと、異世界の神だったか?」


「うん。スティアの神様の仲間だったって言ってた」


 クラウの返事に、フレアが首を傾げる。


「ってことは、オパールも元はスティアの神様だったってこと?」


「それは……」


 クラウは「うーん……」と唸り声を上げて考え込み始めてしまった。


「ホントにオパールだと思うか?」


「そんなの分からないよ」


 アレクとフレアも疑心暗鬼になってしまったのだろう。

 そうこうしている間に、使い魔たちの話し合いが終わったらしい。四人とも真剣な面持ちでこちらに来て、床に膝を着いた。


「正直に申し上げます」


 アリアの凛とした声が会議室に響く。


「口止めをなさっているのはオニキス様なのです」


「オニキス?」


 その名を聞いた瞬間、室温が僅かに下がったような気がした。

 オニキスという名に、全く心当たりがない。ただ、嘘を吐いていないことは使い魔たちのまっすぐな瞳から感じ取れた。


「オニキスって誰?」


「それは……」


 ここまで言っておきながら、アリアは口ごもる。はっきり言ってしまえば良いのにと思っていると、クラウが「あっ!」と声を上げた。


「俺、オパールと話した時に、その名前聞いたよ」


 『オパールと話した』という言葉に、使い魔たちは驚いたように顔を上げる。


「クラウ様、オパール様にお会いになったのですか!?」


「うーん、そんなとこかな。それで、オニキスっていうのはオパールと仲間だったってことくらいしか、俺は知らない」


「他にはオパール様と何を話したんですか? どんな話をされていましたか?」


「質問してるのはオマエらじゃねぇ! オレらだ!」


 アレクが痺れを切らしたのだろう。ピシャリと言って退けると、使い魔たちは「申し訳ありません」と言いながら項垂れる。アレクは気まずさを払うように「あー……」と漏らし、小さく咳払いをした。


「で、そのオニキスってヤツが、何でオマエら使い魔に口止めしてんだ?」


「魔導師様の根幹に関わる重要事項だからだそうで」


 そんなことまで言われては、好奇心を刺激されない筈がない。前のめりになり、口を開いていた。


「根幹に関わることって?」


「ですから、私たちの口からは、そのようなことはお伝え出来ないんです。命令されたとしても、それだけは無理なんです」


「……使い魔って何?」


 会話の合間を縫い、クラウがぼそりと呟いた。


「俺たちに仕えてる筈だよね? でも、それは仮の姿で、本来の主はオニキスってこと?」


 クラウは「うーん」と深く唸る。私までもが思考の渦に捕らわれていく。オニキスに口止めされているから、私たち魔導師には伝えられない。私たちが命令をしたとしても、それは覆らない。ということは、私たちの上にオニキスという存在があるということになる。


「使い魔は……何者?」


 追い打ちをかけるかのように、クラウは質問を重ねる。


「私たちは、私たちは……」


 口ごもるアリアの瞳は大きく揺れていた。


「はっきり言ったらどう?」


 今まで黙っていたフレアも、流石に苛立ちを隠せない様子だ。声に棘がある。

 使い魔も覚悟を決めたのだろう。ぐっと拳を握り締め、信じてと訴えかけるように私たちを見詰める。最初に切り出したのはロイだった。


「私たちは……オニキス様に創られた者、なのです」


「ただ一言、『魔導師を守護しろ』とだけ命令されました」


 続けてカイルが説明を加える。


「オニキスは何者だ」


「元はこの世界であるスティアの神様で、今は異世界である地球の神様をなさっています」


「そいつも鳥なのか?」


「鳥……?」


 使い魔たちはきょとんとした表情でアレクを見る。


「魔導師様たちの中で、そうなっているのかも」


「話を合わせよう」


 カイルとロイの密話は、こちらまで筒抜けだ。アレクは眉をしかめ、拳を握る。


「鳥じゃねぇってことだな」


 しまったと言わんばかりにカイルは口に手を当て、ロイは天を仰ぎ見る。


「……まぁ、これ以上は詮索しねぇ。その異世界の神であるオニキスが、何でオレらを守ろうとした?」


「……何かよからぬ事態を察知したらしいです。詳細は私たちからお伝えするよりも、オニキス様が説明される方が的を得ているかと」


「どーやってオニキスに会えってんだ」


「それは……」


 使い魔たちは口ごもる。その中でロイだけが私をじっと見詰めていた。

 「何?」と聞こうとしたのだけれど、それよりもロイが口を開く方が早かった。


「ミユ様なら……異世界にもスティアにも関わっていらっしゃる。もしかしたら」


「へっ?」


 確かに、私は地球で生まれ、今はスティアで生きている。それは否定しようがない。


「でも、私、どうやってオニキスに──」


「一つだけ方法があります」


 私の言葉を遮ったのはカイルだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ