オリオンの七つ星と、冬青空の散歩道
頬を流れる
風冴ゆる道の先に
冬めく景色を
あたためるように咲く
サザンカの紅い
花に誘われるように
見上げた瞳は
冬青空の彼方を映して
紅い夕陽の
スポットライトに
浮かび上がる
アイビーの葉は
まるで
流れゆく星の河
やがて輝き出す
星の光の
クレッシェンド
冬青空の散歩道
流れゆく風のそよめき
スカーレットの
太陽が足早に西へ向かい
東の空に姿を現す
星空の狩人
ベテルギウスが
放つ真紅の煌めきと
リゲルが宙へと
踏み出す青銀の一歩
夜空を彩る
オリオン座の七つ星
星空の散歩道
聴こえくる星の響き
七つ星はまるで
ヴァイオリンのように
光が奏でる
季節の第四楽章
地上へと
舞い降りる星の
光る音符を
瞳に拾いあつめて
見つめる空は
明日へ続く道のように
やがて東雲色に
染まりながら
その先につながる
青い未来へと
道はきっと
通り過ぎるために
あるものではなくて
そこで何を想い
何を感じるか
その道にある
出逢いの一つひとつを
大切にできたら
駆け抜けていく
日々の中で
ほどけた靴紐を
また結び直すように
時に立ち止まることも
あるけれど
そのとき気づく
景色も、きっと
ベテルギウスのように
空をも染める情熱と
リゲルのように
やさしく寄り添う光を
瞳に映しながら
風冴ゆる道に
咲いたサザンカの花に
ひたむきさの
意味を心に感じて
宙には煌めく
オリオンの七つ星
未来をいま
奏でる冬青空の、明日へと
冬の星座で、狩人の姿のオリオン座は、12月頃から南の空高く上り、「冬の大三角」の一つのベテルギウスや左足にあるリゲル(アラビア語で「脚」)などの七つの星が夜空に映えます。
クレッシェンドは、イタリア語で「だんだん強く」を意味する音楽用語です。
サザンカ(山茶花)は、冬に紅や白の花が咲き、花言葉は「ひたむきさ」「困難に打ち勝つ」です。アイビーは冬も枯れず星形の青い葉がつき、「誠実」などの花言葉があります。
季節の星や花をモチーフに詩を描かせていただきました。お読みいただき、ありがとうございます。