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厄災のユーラシア  作者: もとふ みき
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第一章 一二一九年、晩春 サフリム(其の四)

第一章 一二一九年、晩春 サフリム(其の四)


 グラトフの話は終わり、二百人の騎馬兵はそれぞれの部隊に戻った。しばらく待てと言われたキタイはグラトフの天幕の前で待ち続けていた。

 キタイは三十二歳。父のアハイは、大ハーンの父であるイェスゲイの部下だった。アハイは、イェスゲイ亡き後の若き大ハーンを支え、草原の諸部族の戦いに身を投じた。息子のキタイも大ハーンと一緒に戦い、モンゴル統一に貢献した。

 キタイは傲慢ではない。それでも、自分が大ハーンの副参謀にまで出世したのは自分の能力だと信じている。もちろん、そう自負するだけの結果を残してきた。それだけに今回の人事命令は納得が出来ない。どうして自分がこのような不遇とも思える命令を受けなければならないのか、まったく理解出来ない。

 今朝、キタイは大ハーンの命令書を受け取った。部隊長として二百人の騎馬兵と共にこの地に留まれ、グラトフ万人隊長より指示を受けろ、という内容だった。その後、グラトフの天幕に出向き、キタイはこの地で何をすべきかを教えられた。

「サフリムで馬と羊を増やし、ここを第二のモンゴルとせよ」グラトフはそうキタイに指示した。

キタイはまったく面白くなかった。抗議しようとしたキタイをグラトフは両手を上げて制した。「詳細は今夜話そう。それまではおとなしくしていろ」

 そう言われたものの、キタイの不満は収まらない。大ハーンの命令とあれば部隊長に格下げになるのも受け入れよう。それでも、馬や羊を増やすだけなら自分の知識や経験は必要ない。とは言え、第二のモンゴルを造れというのはいかにも大ハーンらしい発想だ。キタイの口元は少し緩んだ。

 自分が選ばれた理由を捜せば捜す程、キタイの疑問は膨らんだ。本当は違う目的があるのではないか、キタイはそう考えていた。大ハーンに直接会って真意を聞きたかった。

 実際には、この半年は大ハーンと会っていない。いや、会えていない。今年に入ってから大ハーンは体調を崩しがちだ。今や、大ハーンの取り巻きは医術師と占星師ばかりになっている。

 奴らが大ハーンの心を惑わしているに違いない、キタイにはそう思えた。


「キタイ、待たせたな。入って良いぞ」天幕の中からグラトフの大きな声が聞こえた。

 キタイは天幕に入った。中に入ると、中央に椅子が三つ置いてある。その内の二つにはグラトフと若い男が座っている。

 若い男はモンゴル軍の騎馬兵の皮の胸当てを身に着け、騎馬兵の武具を身に付けている。ランプに照らされた肌の色は白く、長い髪の色は金色だ。男は明るい緑色の瞳でキタイを見つめている。キタイにとっては初めて見る顔だ。

 モンゴルへ忠誠を誓えば異国の者でもモンゴルに受け入れられる。その者が優秀な技能や技術を持っていれば重用される。大ハーンは、官僚制度に詳しい金王朝の行政官を占領地域の統括顧問に任命している。イスラム諸国から逃げてきたネストリウス派の騎馬兵をモンゴルの騎馬兵に編入し、彼らの多くはアフマドのように部隊長にまで昇進している。

 だから、異国の者がモンゴル軍の騎馬兵の武具を身に付けていても珍しくも何ともない。ただ、男が腰に据えた剣は騎馬兵の剣ではない。刃幅が広く、刃に厚みがあり、柄から剣先まで直線で仕上げられている。見るからに重そうな剣だ。

「この者は遥か西方のヨーロッパからの使いだ。名前はフランソワ・ドリュー、フランソワは大国フランスに生まれた」

 グラトフに紹介された男は椅子から立ち上がり、キタイに向かってぎこちないお辞儀をした。「初めまして、キタイ殿」

 流暢とは言えないがモンゴル語は話せるらしい。キタイは返事もせず、フランソワを無視した。

「フランソワはローマ教皇に仕えている。ベネチアの交易商人と一緒に一年二カ月前にモンゴルを訪れた。十字軍とモンゴル軍が軍事同盟を結び、一緒にイスラム諸国と戦おうと記したローマ教皇の密書を大ハーンへ届けた。大ハーンはローマ教皇の提案を受け、今回の遠征を決められた」グラトフは淡々とキタイに説明した。

 今回の人事命令に不満一杯のキタイはグラトフの説明を冷ややかに聞いていた。そうか、この金髪の男は負け戦ばかりしている十字軍の仲間か。

 キタイも十字軍は知っている。軽装備により馬脚を最大限に発揮して戦場を駆け巡るモンゴル軍の騎馬兵と異なり、重くて身動きが不自由な鎧を身に着け、馬をよろよろと走らせながら戦う愚かな者たちだ。しかも、そいつらは馬にまで鎧を着けさせているという。馬を使った戦い方を知らない、本当に愚かな連中だ。

 キタイはフランソワをまじまじと見た。戦場で戦う兵士の雰囲気は感じられない。むしろ、諜報や策謀といった異質な危険の匂いがする。

「なかなか立派な剣だが、そのような重い剣は騎馬の戦いには不向きだ。十字軍の遠征ではローマ教皇直属の将軍が渡河の際に落馬し、重い鎧のため溺れ死んだとも聞いている。哀れだな」キタイは自分の不満をぶつけるように言い放った。

 フランソワはキタイの挑発に何も答えない。口元を少し歪めただけだ。まるでキタイを笑ったように見えた。キタイは不愉快になり、グラトフへ勢いよく振り向いた。

「この男の素性は分かりました。ですが、モンゴル軍と十字軍が軍事同盟を結びイスラム諸国と戦うという大ハーンのご決断と、私が受けた大ハーンの人事命令との間に関係があるとは思えません。少なくとも、この男と私には何の関係も無いはずです。それとも、人事命令の本当の目的をここで教えていただけるのでしょうか。もちろん、私はそのつもりでおります」

 キタイは捲し立てるように言った。キタイは、万人隊長であるグラトフに対して常に最大限の敬意を払ってきた。しかし、今夜は最小限の敬意しか払えない。

「相変わらず遠慮の無い物言いだな。まあ、そう言うと思っていた」グラトフはキタイとフランソワに椅子に座るよう促した。二人は仕方なく椅子に座った。

「もちろん関係はあるし、お前の言う本当の目的もある。それを伝えるためにお前を呼んだ」

「では、教えてください」キタイが詰め寄るように言った。

「まあ、待て。わしもどう説明すれば良いか、その、今でもよく分からんのだ」グラトフは戸惑うように答えた。

 キタイは怪訝に思った。グラトフが戸惑う姿など初めて見た。

「では、私がお話しいたしましょう」フランソワが口を開いた。

 思ったより高い声だ。しかも、アラビア語だ。しかし、とキタイは怪訝に思った。自分もグラトフもアラビア語は話せるが、どうしてモンゴル語で話さないのか。そうか、外の警備兵には聞かれたくない内容なのだな。

「キリスト教の聖地エルサレムを取り戻すため、ローマ教皇ウルバヌス二世がヨーロッパ各国の王に呼び掛けて十字軍の遠征は始まりました。もう百二十年も昔のことです」

 フランソワはゆっくりと話し始めた。キタイはフランソワを睨みつけながら聞いていた。

「第一次十字軍はエルサレムを占領しました。キリスト教徒の手にエルサレムは戻りました。しかし、イスラム諸国の反撃で四十年前にエルサレムは再び奪われました。その後、十字軍はエルサレム奪還に失敗し続けています」

「それは十字軍の戦い方が下手だからではないのか」話の途中だったかもしれないが、キタイは遠慮なくフランソワを問い詰めた。もちろん、アラビア語で。

「そうです、兵の数では優勢でしたが、戦い方が悪かったのです。ヨーロッパ各国から多くの騎士や民兵が集まりましたが、彼らは自分の国の王や領主にしか従いません。つまり、結局はただの寄せ集めです。これでは勝てるはずがない」フランソワも自虐的に小さく笑いながら答えた。

「その寄せ集めがモンゴル軍と共同戦線を組んで勝てると思っているのか?まさか、イスラム諸国の相手はモンゴル軍にお願いして、ローマ教皇は手を汚さずに悠々とエルサレムを手に入れようという魂胆なのか?」

 キタイはそう言いながらグラトフの顔を見た。グラトフの顔に驚いた様子はない。おそらく、グラトフも同じ質問をフランソワにしたのだろう。

「現在のローマ教皇はホノリウス三世です。教皇は十字軍の再編成を行いました。装備も戦法も改めました。十字軍は強くなりました。今は、イスラム諸国の本拠地であるカイロを目指して進撃しています。カイロを叩けば、エルサレムの奪還も夢ではありません」

「それならば、モンゴル軍の手助けは不要だ」

 反論するキタイに、今度はグラトフがアラビア語で答えた。「十字軍は強くなったが、イスラム諸国も連合軍を編成している。もはや数百人で戦う小競り合いではない。一つの戦いで双方数万人の兵が戦う大規模な戦いになっている」

 グラトフの説明にキタイは違和感を覚えた。「それは十字軍の事情です。私が聞きたいのは、十字軍とイスラム諸国の戦いに、モンゴル軍が介入する必要があるのかと言うことです」

 グラトフも深く頷いた。「十字軍がエルサレムへ侵攻した際に障害と考えている敵兵力は、モスル周辺に展開する十万人、ダマスカスに駐留する七万人、バグダッドの十万人の守備兵だ。カイロを陥落させてイスラム連合軍本部からの指揮命令系統を絶ったとしても、モスル、ダマスカスの兵力は独自にエルサレムを死守する。戦況が思わしくないとなれば東のバグダッドも即座に増援を出す。そうなるとエルサレム奪還のために西から侵攻する十字軍は厳しくなる。そこで、ローマ教皇は大ハーンヘ支援を頼んだ」

「そうです。モスルとダマスカスの兵力も、バグダッドの守備兵も、東から脅威が迫れば西へはむやみに動けません。西では十字軍がカイロを落とし、東ではモンゴル軍がバグダッドを脅かせばいよいよ動けなくなる。そこへ、十字軍とモンゴル軍がモスルやダマスカスを挟撃し、その後にエルサレムへ入城するのです」フランソワが補足した。

「ローマ教皇からの密書でも、イスラム連合軍を挟み撃ちにしようと呼び掛けている。勝利すれば、エルサレムはヨーロッパのものに、バクダッドはモンゴルに譲るとも記している。これは、かねてからバグダッド攻略を考えていた大ハーンにとっても意に叶うものだ」再びグラトフが説明した。

 そうか、そういうことか。キタイはランプの炎の揺らめきを見つめながら理解した。

 西では十字軍の相手をしながら、東ではモンゴル軍と戦わないといけない。なおかつ、エルサレム周辺の守りはそのままでなければならない。そうなると、イスラム連合軍の兵力は三方へ分散したままになる。イスラム連合軍がどれ程に強くても、兵力が分散したままでは勝てない。

「分かりました。ですが、まだ疑問はあります」キタイはグラトフへ向き直った。グラトフは先を続けるようにキタイを促した。

「十字軍のこの男がいる前で申し訳ありませんが、大ハーンはエルサレムも目指しています。その先のヨーロッパもです。つまり、遠からずして十字軍はモンゴル軍の敵となります。フランソワ、十字軍はその時どうするのか?」

 フランソワがどう反応するか、キタイは無礼を承知で質問した。フランソワもグラトフも表情一つ変えない。やはり、すでに話し合っているらしい。

「いずれはヨーロッパとモンゴル軍が敵同士となるかもしれません。そうならないかもしれません。それは、その時にならないと分かりません。お互いの当面の敵はイスラム連合軍です。協力すればイスラム連合軍は倒せます。敵の敵は味方と言うではありませんか」

 今まで見せなかったような不敵な笑みを浮かべてフランソワはキタイを見つめ返した。

「そうだな。では、今は味方だと考えておこう」キタイもフランソワを見返し、これ以上は無いくらいの冷たい口調で同意した。

「ところで、これでやっと私への人事命令の本当の目的を教えていただける入口に来た訳ですが、その前にフランソワにもう一つ聞いていいですか?」

「よろしい」グラトフは頷いた。

 キタイは再びフランソワに視線を戻した。ランプの灯りに輝くキタイの黒い瞳は冷たい光を放っている。「フランソワ、ローマ教皇は何を求めている?」

「聖地エルサレムをキリスト教徒の手に取り戻すことです」

「では、この百二十年、ローマ教皇は申し訳程度の軍勢を差し向けてはイスラムに負けているのはどうしてだ。ローマ教皇もヨーロッパの将軍もまったくの無能ではあるまい」

「それは、これまでの十字軍の戦い方がまずかったからです。キタイ殿も先程そう言ったではないですか」フランソワが戸惑いながら答えた。

 キタイは鼻で笑った。「モンゴルにはベネチアやバグダッドの交易商人も来る。彼らは言うよ、十字軍は勝とうともしない戦いを各地へ繰り広げている、とね」

 キタイは何を聞こうとしているのか。フランソワにはキタイの質問の意図が分からない。

「質問を変えようか。十字軍はエルサレムとは関係のないコンスタンティノーブルやザラにまで広範囲に遠征している。私からすれば、ローマ教皇は十字軍を使って何かを調べている、もしくは捜しているようにしか見えない」

 フランソワの表情がさっと硬直した。フランソワは即座にグラトフに振り向いた。グラトフは顔をしかめている。

「やはり何かあるのですね」二人の顔を交互に見ながらキタイは言った。

 フランソワかグラトフのどちらかが話し始めるまでキタイは待った。長い沈黙の中、ランプの灯りがぼっと小さな音を立てた。

 やがて、グラトフが観念したように口を開いた。「さすがだな、キタイ。いずれこの件はお前に話さねばならなかった。同時に、これはお前への人事命令の真の目的だ、心して聞くが良い」

「分かりました、覚悟は出来ております」

「よかろう。フランソワ、貴殿から話していただきたい」

 フランソワは大きく頷いた。狼狽した表情はすっかり消え去っている。

 フランソワは少し上目越しにキタイを見つめて話し始めた。「明日、私はローマ教皇庁へ帰還するためにここを出発します。ですから、この場で私の知るすべてをお話しします。信じていただけるとは思いませんが、信じていただくしかありません」

 キタイは遥か西方のヨーロッパから来た男の言葉に耳を傾けた。それは驚くべき話だった。信じろと言うのが無理だった。


 翌日、フランソワはモンゴル軍の野営地を後にした。西へ向かって馬を歩かせた。暖かい陽光に少し汗ばみ、フランソワは騎馬兵の兜を脱いだ。長い金髪が時折強く吹く風に揺れている。

 もう少し村を調べておきたかった。しかし、古の一族の者と不用意に接触はせず、サフリム到着後はモンゴル軍からも速やかに離脱せよとローマ教皇庁から命令を受けている。仕方ない。

 結局、あの村に何かあるという証拠は何も見つからなかった。古の一族のシャーマンも見つけられなかった。何も収穫は無さそうだと予想はしていたが、このまま手ぶらで帰還するのをフランソワは残念に思っていた。

 草原には緩やかな風が吹いている。黄色や白色の小さな花々が風で揺れている。遥か西で繰り広げられている十字軍とイスラム連合軍の激戦など、嘘のように思えるくらいにここは平和だ。

 ふと、フランソワは一人の娘に出くわした。娘は草原に屈み込みながら不規則に歩いている。まるで草むらに隠れた小動物でも追い掛けているようだ。余りにも夢中になっているのか、フランソワの馬が近付いているのにもまったく気が付いていない。

 やがて、馬の気配に気付いた娘はさっと立ち上がった。驚いたような、緊張したような、どちらともいえない表情をしている。目鼻立ちははっきりとしており、目は大きく黒い瞳が輝いている。モンゴルの顔立ちではない、イスラムの顔立ちに近い。着ている白い服も小さな翡翠を繋げた首飾りもモンゴルの物とは違う。おそらく村の娘だろう。

 物珍しく思ったフランソワは娘に話し掛けようとした。ところが、娘は慌てたように駆けて逃げてしまった。悪気はないフランソワは、まるで置いてきぼりにされたような妙な寂しさを覚えた。

 娘はずっと草原の中を駆けて行った。フランソワは走り去っていく娘の後ろ姿を見ていた。娘の長い黒灰色の髪が風に舞っている。

 綺麗だな、フランソワはふと思った。


 パールは草原をずっと走っていた。尾なしネズミを追い掛けるのに夢中になり過ぎていた。あんな所でモンゴル軍の騎馬兵に出会うとは思わなかった。でも、騎馬兵にしては不自然な感じもした。

 しばらく走った後、パールは後ろを振り返った。騎馬兵は追い掛けては来ていない。パールは安心して村の方へ歩き始めた。

 今日も天気がいい。でも、雨が降らないと村は困る。祠で対話の儀式がしたいけど、モンゴル軍の騎馬兵に見つかってはいけないので出来ない。ハシムは、このままでは冬を越す麦が無くなってしまうとずっと心配している。

 考え事をしながらパールは歩いていた。だから、草むらに屈み込んでいたハクレアに気付かなかった。ハクレアは尾なしネズミを見つけて捕まえようとしていた。

 お互いの気配を感じてハクレアは立ち上がり、パールは立ち止まった。二人は目を見合わせた。

「村の女の子?」ハクレアが戸惑いながら尋ねた。

「モンゴルの女の子?」パールも戸惑いながら尋ねた。

 それが、パールとハクレアの初めての出会いだった。


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