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厄災のユーラシア  作者: もとふ みき
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第四章 一二一九年、秋 トリポリ(其の二)

第四章 一二一九年、秋 トリポリ(其の二)


 一二一九年の三月、メルとイアンはトリポリ伯国の王室騎士隊の騎士見習いの入隊試験に臨んだ。二人は無事に合格した。

 騎士見習いはトリポリ城内にある宿舎に住まなければならない。孤児院で過ごす最後の日の夜、ジョンはメルとイアンを二階の自室に呼んだ。

 部屋にはこれといった私物はなく、壁を飾る絵もない。古びた机の上には葡萄酒の瓶と陶器の盃が三つ置いてある。ジョンは葡萄酒を盃に注ぎ、メルとイアンに持たせた。

「メル、イアン、おめでとう。お前たちは騎士となる道を歩み始めた。新しい門出に乾杯だ」三人は盃を合わせて葡萄酒を飲んだ。

 ジョンは、メルとイアンに椅子に座るよう促した。ジョンも杖を机にもたせかけ椅子に座った。懐から薄茶色に色褪せた小さな皮袋を取り出して机の上に置いた。

「お前たちがここを離れる時には、ぜひとも話さなければいけないと思っていた」ジョンは神妙な表情で話し始めた。

 何だろうか、メルとイアンはジョンの顔を見つめた。

 ジョンは皮袋から緑色の玉を取り出した。「この玉をお前たちは覚えているか?」

 メルもイアンもまったく覚えがない。二人は首を横に振った。

「そうか、覚えていないか。この玉はメルの母ソフィーが幼いメルに与えていたものだ。十六年前の大火事で、この玉はお前たちを守ってくれた」

 二人とも幼かった頃の大火事の記憶はない。メルとイアンは不思議そうに顔を見合わせた。ジョンは自分の盃に葡萄酒を注ぎ直し、大火事の話を始めた。


 十六年前の一二〇三年の冬、トリポリ市内は朝から強い海風が吹いていた。石畳の中央通りに並ぶ露店では、陽射し除けの天幕が強風ではためいていた。

 その日、聖フランシスコ教会に仕えるジョンは、クロード司祭に頼まれた香料や蝋燭の買い出しのために中央市場へ出向いていた。中央市場は教会から遠くはない。それでも、杖を頼りに歩くジョンには時間のかかる仕事だ。

 中央市場は海岸通りに面した町の中心にある。干煉瓦造りの大きな建物の中には、地中海で獲れた新鮮な魚介類、内陸から取り寄せた干し肉、野菜や果物、衣服、日用品が売られていた。ヨーロッパの雑貨も時折売られていた。

 その日はイングランドの民芸品である木彫り人形が売られていた。ジョンは、幼い頃に同じような人形を両親から与えられて遊んでいた。懐かしさの余り、ジョンは足を止めて見入った。フランスのリヨンから来たと言う初老の交易商人が売っていた。しばらくの間、ジョンは交易商人の老人と会話を楽しんだ。

 老人は、イングランドのレスターで二年間暮らしていたと話した。レスターはジョンの故郷ノッティンガムからも近い。朝靄に覆われた春の村々、緑あふれる夏の丘陵地、紅葉が美しい秋の森、雪が舞い暖炉に薪をくべる冬、老人との会話にジョンは深い郷愁を覚えた。

 ジョンは木彫り人形の値段を聞いてみた。高くはなかった。自分のお金に余裕はないが、ジョンは木彫り人形を買った。メルシィ、老人は笑顔で答えた。

 老人と話し込んだため、買い物を済ませると昼近くになっていた。教会への帰り道を急ぐションは、教会から東の方角に黒い煙が立ち上っているのに気付いた。もうもうとした黒い煙は強い海風に流されている。周囲でも黒い煙に気付いた人々が騒ぎ始めていた。

 黒い煙の立ち上る方角はスコットとアンドリューの店がある通りだ。ジョンは心配になった。ジョンは痛む足を引きずり急いで教会へ戻った。買い物を置くとすぐに火事の現場へ向かった。

 トリポリ市内にある建物は白い干煉瓦で造られている。干煉瓦は地中海から吹く強い海風を遮り、夏の暑い陽射しを跳ね返してくれる。火事になっても建物全体が燃えたりはしない。煙に巻かれずに逃げれば命は助かる。みんな、無事でいてくれよ。

 ところが、火事の現場へ着いたジョンは自分の目を疑った。通りに並ぶ二十軒程の商店が炎に包まれている。

 ジョンは少し離れた場所で話をしている二人のイスラムの男に気付いた。火事場から逃げてきたのか、二人の男の服や顔に黒い煤がたくさん付いている。

 ジョンは二人に近付き尋ねた。「燃えているのはどの辺りですか?」

 あぁ、と二人はジョンを見た。「通り一帯が燃えている。まさか、あんなに燃えるとはな」「おそらく、助かった者はいないだろうな」

 ジョンは驚いた。「助かった者はいないって?火事になってもすぐに逃げれば助かるでしょう」

 二人の男はそれぞれ首をゆっくりと横に振った。「あれは火事なんてものじゃなかった。何かが大きく爆発した。その爆発で通りは一気に炎に包まれたのさ」

「それにな、炎が出た後に数人の男女が剣を振り回して逃げ惑う人々を刺していた。火事で死んだより、剣で殺された人数の方が多いだろうな。いったい、何がどうなっているのか」

「では、逃げてきた者はいないのですか?」

「ああ、俺たち以外は一人もいなかったよ」

 ジョンは目の前が真っ暗になった。「あいつらが死ぬはずがない。サラディンとの戦いでも怪我一つしなかったんだ」

 炎の勢いが弱まったのを見計らい、周囲が止めるのも無視してジョンは通りへ入っていった。

 ジョンは俯せに倒れている一人の女を起こした。後頭部の髪は焼け焦げ、背中の服も焼けて酷く火傷しているが、地面に接していた顔や胸は火傷もしていない。その胸には剣で深く刺された跡が三カ所ある。つまり、この女性は剣で刺されて俯せに倒れ、それから後頭部と背中を炎に焼かれた。

 ジョンが通りの奥に進むと、あちこちに多くの男女が死んでいる。何人かを調べると、火事ではなく剣で刺された傷が致命傷になっていた。お互いの身体に剣を突き刺したまま一緒に倒れている二人の女の死体もあった。ジョンは周囲を見回した。まるで戦いが終わったばかりの戦場だ。

 ジョンは建物の燃え方がひどい辺りへ歩いて向かった。近付くにつれて、人間の身体が燃えた嫌な匂いが立ち込めていた。

 アンドリューの靴屋までジョンは来たが、店の中はすべて焼けていた。陳列していた靴が黒く炭化した状態で転がっている。店の奥にはまだ炎が残っており、熱くてとても入れない。

 誰もいないだろうと思った瞬間、ジョンは店内に炭化した黒い大きな物が転がっているのに気付いた。よく見ると人の燃えた残りだ。顔と思われる部分には目と口が黒い穴になってぽっかりと開いている。歪んだ身体からは炭になった腕が不自然に伸び、手首には装飾品の金属の腕輪がある。

 その腕輪を見てジョンは息を飲んだ。アンドリューがクラウディアに贈った結婚記念の腕輪だ。美しかったクラウディアがこんな無残な炭の塊になってしまった。

 ジョンは六つほど店を挟んで並ぶスコットの陶器店に行った。スコットの店の焼け跡は酷くなかった。しかし、隣の建物と共に壁も屋根も崩れ落ちて瓦礫の山だった。

 ジョンは思い出した。陶器店の隣は武器商人の倉庫だった。まさか、倉庫の火薬にでも火が移って爆発したのだろうか。

 ジョンは瓦礫の間から人の手が少し出ているのを見つけた。誰か生き埋めになっているのか。ジョンは杖を置いて屈み込み瓦礫を掘り始めた。

 瓦礫の下に埋まっていたのはスコットだった。背中には剣による刺し傷が何か所もあった。スコットは息絶えていた。

 瓦礫を取り除くともう一人の右腕が見えてきた。肘の近くに見覚えのある刀傷がある。アンドリューだ。手首の付け根を触ったが脈拍はもうない。ジョンは瓦礫を取り除いた。アンドリューの背中にもいくつもの刺し傷があった。

「スコット、アンドリュー、いったい誰がこんな酷いことをした?」ジョンは茫然として瓦礫の上に座り込んだ。

 と、スコットの身体の脇にある瓦礫ががさりと動いた。何だろうかと見ると、緑色の輝きが瓦礫の間から漏れている。ジョンは瓦礫を再び掘り始めた。

 掘り進めると、なんと、瓦礫の中に緑色の光の膜で膨らんだ空間があった。その空間の中に二人の幼子が守られていた。メルとイアンだ。メルが左手に握っている緑色の玉から緑色の光が放たれている。その光が膜を作ってメルとイアンを包んで守っている。

 ジョンは緑色の光の膜に被さっていた瓦礫を全部取り除いた。すると、緑色の光の膜はしだいに弱まり消えてしまった。ジョンはメルとイアンを順番に抱き上げた。二人とも火傷の跡も刺し傷もない。眠っているだけのようで、耳を顔に近付けると規則正しく呼吸をしている。

 ジョンには状況がまったく分からなかった。スコットとアンドリューは幼子二人を庇って殺されたのだろうか。いや、スコットとアンドリューが簡単に殺される訳がない。それに、緑色の光の膜は何だったのだろうか。

 周囲の炎は消えて黒灰色の煙に替わりつつあった。もうすぐ通りには救助の人々が立ち入り始めるだろう。あの緑色の輝きを誰にも見られなくて良かった。

 ジョンは背後に人の気配を感じた。振り返るとスコットの妻のイザベルが立っている。左腕が変に曲がっていて折れているらしい。長い金髪は焼け縮れ、顔は擦り傷だらけ。服もあちこちが大きく破れて胸元には大量の血が染み付いていた。

 ジョンは杖を手にして、瓦礫の中を立ち上がった。

「イザベル、大丈夫だったか。スコットが、」そう言いかけた言葉をジョンは止めた。

 イザベルの瞳は青いはずだが黒くなっている。まるで節穴のように生気のない黒い瞳だ。イザベルはジョンの後ろにいる二人の幼子をじっと見つめている。だらしなく開いた口元からは涎が垂れ、しゃーしゃーという荒い息遣いが聞こえていた。

 何か変だ、ジョンはメルとイアンを庇うように立ち位置を変えた。

 イザベルはジョンに視線を戻した。威嚇するように大きく開けた口の中に牙が見えた。その途端にジョンの頭の中に低く乾いた声が響いた。

 憎シミニ身ヲ委ネヨ

 ジョンは辺りを見回した。しかし、誰もいない。

 憎シミニ身ヲ委ネヨ

 二度、三度と同じ声が頭の中に響いた。ジョンを見つめていたイザベルの顔が醜く歪み始めた。顔は瓜のように細くなり、縮れた髪の毛は逆立ち、口端は裂けて牙が剥き出した。胸元の服は裂け、胸の傷に紅い輝きが見えた。

「お前が呼び掛けたのか?イザベルをどうした、化け物野郎!」ジョンは杖を剣のように構えた。

 化け物はジョンを見つめたままゆっくりと口を開いた。「オ前ハ、憎シミニ身ヲ委ネナイノカ?」

 この化け物は人間の言葉を話せるのか。「憎しみなど、とうの昔に捨てた」

 化け物は驚いた。「嘘ダ、人間ガ憎シミヲ捨テルナド出来ルハズガナイ」

「何とでも言え、お前は何だ?皆を殺したのはお前か?」

「違ウ、憎シミニ身ヲ委ネテ殺シ合ッタ、油ヲ撒イテ火ヲ放ッテイタ」

 人々はお互いに殺し合った?火を放った?ジョンは信じられない。「スコットとアンドリューは誰が殺した?お前か?」

「知ラン。ソコノ子ドモヲ寄コセ」

「さっきお前はイザベルに化けていた。イザベルはどうした?」

「子ドモヲ渡サナイ女、斬リ裂イタ」

 こいつがイザベルを殺したのか、ジョンは身体中の血が逆流したかのような憎しみを感じた。

「ソウダ、憎シミニ身ヲ委ネヨ」化け物の節穴のような黒い目がジョンを見つめている。

 この化け物は許せない。私の右足を不自由にしたイスラムの騎馬兵も許せない。誰かを殺せば右足はきっと元に戻る。そうだ、殺せばいい、殺すのだ、誰でもいいから殺そう!

 ジョンは眠っているメルとイアンを見降ろした。二人を守っていた緑色の光の膜はもうない。無意識にジョンの腕は杖を振り上げた。

 殺してしまえ、ジョンの心の中で誰かが叫んだ瞬間、メルが握っていた緑色の玉が眩く輝いた。ジョンは眩しさのあまり声を上げて目を閉じた。

 ジョンは我に返った、私はいったい何をしようとしていたのか。ジョンが化け物を見ると、化け物は虚を突かれた様に驚いている。

「ナゼ、オ前ハ憎シミニ身ヲ委ネナイ」信じられないとでも言うように化け物は尋ねた。

 ジョンは正気に戻っていた。化け物に心を操られそうになり、メルとイアンを殺めようとしていたとはっきり理解していた。

「お前はそうやって人の心を操るのか。だが、私は操られない」ジョンは自分でも驚くほど冷静だった。「私は憎しみに捕らわれたりしない。私はイングランドの誇り高き騎士だ」

 その言葉を聞いた化け物は牙を剥き出し、顔は歪みさらに醜くなった。化け物はぐわぁーと叫びながらジョンに襲いかかった。ジョンは避けなかった。避ければ背後にいるメルとイアンが無防備になってしまう。

 しゃーと叫びながら化け物は右腕を振り上げた。手の先には鋭い五本の黒い爪が見える。くっ、やられる、ジョンは杖を剣のように上段に構えた。

 その時、ジョンの背後で緑色の輝きが再び発現した。一瞬の内に輝く光は細く収束し、化け物の胸に紅く輝く玉に矢のように刺さった。紅く輝く玉は瞬く間に砕けて散った。

 化け物はぐぇぇと絶叫を上げて崩れ落ちるように倒れた。その身体はぶすぶすと嫌な音を立てながら泡のように消えていった。

「助かったのか」ジョンは全身の力が抜けてへなへなと座り込んだ。後ろを振り向くと、メルとイアンは眠ったままだ。メルの左手が僅かに開いて、握っていた緑色の玉が手からころげ落ちた。その途端に緑色の玉の輝きは消えた。

 地面に落ちた緑色の玉をジョンは拾った。イザベルがメルに持たせていた翡翠の玉だと分った。メルが生まれて間もなく、市内で有名な老婆の占い師が店を訪ね、赤子のお守りに使いなさいとイザベルに譲ってくれたものだ。

「不思議な玉だな」ジョンは翡翠の玉を懐にしまい、メルとイアンを両手で抱きかかえた。

「これでは杖が使えないか」ジョンは助けが来るのを待つことにした。通りの遠くから生存者を捜す救助の声が聞こえてきた。


「他に身寄りのないお前たち二人を私は引き取った。クロード司祭も許してくれた。その後、私はブリジットと孤児院を開いた。だがな、今の話はクロード司祭にもブリジットにもしていない。お前たちが初めてだ」話し終えたジョンは葡萄酒を少し口に含み、味わうようにゆっくりと飲んだ。

 メルとイアンは無言のままジョンを見つめていた。ジョンは嘘をつかない、作り話で人を騙したりしない。それでも今の話は余りにも途方もない。

 しばらくして、イアンが口を開いた。「今の話が本当だとして、その化け物は何だったのですか?いや、それ以前に、どうしてその場ですぐに誰かに話さなかったのですか?」

 ジョンは口に含んで転がしていた葡萄酒をぐっと飲みこんだ。「今の話は本当だ。だが、化け物がお前たちを奪いに来たなんて話せば、お前たちの身が危うくなる恐れがあった」

 それまで俯いていたメルが顔を上げた。「悪魔祓いですね」

 ジョンは感心したように頷いた。「知っていたのか、さすがだな。そうだ、お前たちは悪魔祓いを招いた者として処刑される恐れがあった」

 イアンがメルに尋ねた。「悪魔祓いって何だ?」

「十字軍の内部で騎士や民兵がお互いに殺し合ったという噂がたくさんある。生き残った者の話では、悪魔に心を操られて殺し合いが起こったらしい」

「ふーん、でも、生き残った者もいたんだ」イアンが顔をしかめて言った。

 メルは首を振った。「生き残った者もすぐに処刑された、悪魔を招いたとしてね。だから、悪魔祓いと言われている。そうですよね、おじさん」

 ジョンは頷いた。「そうだ。悪魔を呼び寄せたとして生き残った騎士や民兵は全員が処刑された。あの大火事で言えば、生き残ったのはお前たち二人だけだ」

「でも、メルの握っていた翡翠の玉が悪魔を倒したのでしょう?呼び寄せたのじゃなくて退治したんですよ」イアンは不満そうに言った。

 ジョンが答えた。「悪魔と対峙して生き残ったとか、悪魔を倒した力を持っていたとか、それ自体が人々にとっては悪魔と同じだ。魔女狩りと同じだよ、自分たちに理解出来ない者は排除する」

 そう言うことなのか、イアンは天井を仰いだ。

 メルは誰かに言うのでもなく独り言のようにつぶやいた。「十字軍だってイスラム教徒やユダヤ教徒を数多く殺した。宗教が違うという理由だけでだ。理解出来ない者を排除しようとする意識が人間の心の奥底にはある」

 イアンもメルの言葉は理解出来る。孤児院にはイスラム教徒の子どもたちもたくさんいる。皆、いい子ばかりだ。それでも市内を少しでも歩けば分かる。キリスト教徒とイスラム教徒の住む地区は分かれている。キリスト教徒とイスラム教徒が共存しているトリポリ伯国でさえ実態はそうだ。

「翡翠の玉を譲ってくれた占い師は何処にいるのですか?」メルがジョンに尋ねた。

 ああ、そうだった、ジョンは思い出したように答えた。「大火事の後、私は占い師を捜した。ところが、何処に行っても、誰に聞いても分からなかった。トリポリ市内を離れたのか、もうすでに死んでいたのかもしれん」

「そうですか」メルは残念そうに言った。

「いつの日か、またお前たちを救ってくれるかもしれない」ジョンは翡翠の玉をメルに手渡した。

 思ったよりも軽い。手に持てば輝くかもしれないとメルはじっと待った。しかし、何も起きなかった。何も起こらない玉を見つめてメルは考えた。悪魔は何をしようとしていたのか?僕らを奪いに来たのだろうか?もしそうなら、それはどうしてだろう。


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