囚われのライト1
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ギルドサイド
氷結の魔人を倒してしばらくしたギルドにライトはいた。
青ざめたライトは意識を失い鎖で縛りつけられていた。
ギルドには、カール=ロイの軍とライトしかおらず、他の人は既に他の場所にいた。
ライトは、剣を首に突き立てられてから、ライトは目的が、自身の命とフロスト地方の権利書だと言うことを聞き出して、残っていた搾りカスのような魔力で煙幕を発生させて、権利書を今持っているサリを含めた冒険者を逃がしたのだ。
「…………貴様、やってくれたなライト。…………ふう、2人は、ここに残って、この男の監視、2人は非戦闘員を人質に取りに行く。残りは、権利書を探しに行くぞ。」
リーダー格の人物が鎖で縛られて意識を失ったライトを睨みつけながらそう指示を飛ばした。
「そんなことをせずにさっさとこのふざけた男を殺しましょう。」
そう、真面目そうで熱心な騎士が言い返した。一人先走りライトたちに捕まっていた彼であったが、サリたちが逃げるときにおいて行かれたので解放されていた。
「馬鹿か、貴様はさっきの戦いを見てなかったのか?この男を盾にしなければ、竜人族の娘でこっちは壊滅する。」
そうリーダー格の人物が怒号を飛ばした。
「…………」
それを受けて真面目な騎士は黙った。見ていたのだ、ライトの強さをエマの強さをだからこそ黙った。それに先ほどは自分の行動でマイナスな状況に陥ったことから、これ以上何かを言うことが出来なかった。
しばらくギルドが無言になったのち
「では、私たちがここに残ります。」
そうライトと以前話した騎士の姿をした女性が手を挙げて、近くにいる男性騎士を見た。
「えっ……ああ、残る。」
男性の方は、少し慌てながらそう答えた。
「分かった。では、だれが非戦闘員が避難した場所に行く」
リーダー格の人物がそう言いなおすと
「私がいきましょう。」
眼鏡をかけた騎士が眼鏡を上げながら呟いた。
「では、私も」
それに続くようにもう一人の騎士が呟いた。
「では、行くぞ。」
そのリーダー格の人物の声でロイの軍団は一斉に動き出した。
フロスト地方の避難所サイド
そこには、いくつかのテントが立っていた。フロスト地方は寒さが過酷だったが、一時をしのぐ程度ならテントで十分だった。
そのテントの周りで自称未来の英雄、アーサーと武道家のアルベルトと修道服を着た少女アイがいた。彼らは事前にサリから頼まれて、フロスト地方の住人が避難している場所に来ていた。
「寒い、なんで俺が、クッソ俺は未来の英雄なんだぞ。俺が本気を出せば氷結の魔人程度…………なんで俺じゃなくてライトが」
そんな風に未来の英雄は呟いた。
「俺は、ここで満足だ。ライトが稽古をつけてくれると約束したから満足だ。俺の力の糧になる」
そういいながら筋肉隆々の青年は、筋トレをしていた。
「大丈夫ですかね?ライト様とエマ様。フロスト地方みんなを守るのが大事なのは分かりますけど。」
その流れをガン無視して修道服を着たアイがマイペースに呟いた。
「アイ、お前可笑しいよな。やっぱり、どうした信仰は?」
そう、未来の英雄アーサーが適当に無駄話を始めていた。
「私は気が付いたんです。神様助けてくれたことなかったですし、それに神が正しいって教えられてただけですから、意味ないなって。」
そう、修道服を着たアイは、真顔で返事をしていた。
彼らは暇だった。ライトとエマと仲間たちが氷結の魔人と戦っている間ただただその光景を眺めているだけだったからだ。
「どうでもいいけどさ、氷結の魔人を倒したなら、フロスト地方に戻っても良いのでは」
筋トレをやめたアルベルトは、まともなことを言った。
「そうですね。確かに、脳筋だと思ってたけど、知能あったんですね。アルベルトさん」
修道服を着たアイは失礼だった。
「おい、馬鹿にしすぎだろ。」
少しキレ気味に返すアルベルトに
「では、フロスト地方にこの人たちを連れ帰ろうか?」
そう言って格好をつけてつぶやくアーサーがいた。
「「勝手なことしたら、ギルドマスターにまた怒られますよ」」
それに、アルベルトとアイが言葉を揃えて苦言を呈した。フロスト地方の安全の確保が出来たら呼びに来ると言われていたのである。
「じゃあ、どうするんだよ。俺はな」
そう、アーサーがいつもの決め台詞を言おうとしたときに
「「未来の英雄ですね。凄いですね。」」
アルベルトとアイが遮った。
それから、しばらく無言になった後に、
「待っていればそのうち、連絡が来ますよ。」
そう言ってアイが伸びをした。




