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閑話 フロスト地方 雪山にて

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時間は少し戻る。

フロスト地方の雪山、標高が高いその場所はフロスト地方の中でも寒く、吹雪いていた。フロスト地方の平地は年中寒いが、ずっと雪が降り続いているわけでなく、冬でも、昼ならば、外でギルドの仕事を普通に出来る日もあるのだが、標高が高い雪山では、常に雪が降り劣悪な環境であった。そして、そこには数10人の騎士の姿をした人物がいた。帝国軍を名乗っていたがその実態は、ライトの兄であり、次男のカール=ロイが、フロスト地方を得るためにライトが持っている土地の権利書を奪いに来たロイの私兵であった。真っ直ぐ直線状に彼らは進んでおり、私兵のモチベーションはまちまちなのか、後ろの方の人々はやる気はなく無駄話をしていた。そんなような感じで進んでいた彼らの前に、突然、美しい宮殿が現れた。その場所は何故か、吹雪も収まっており、その宮殿はただひたすらに美しかった。氷の宮殿がそこにはあった。そして、その宮殿の中央に何がいた。宮殿の中は暗くて、よく見えなかったが光る何かが見えたのだ。始め、先頭の数人が、神殿の中に歩みを進めた。それで、返ってこなかった。声も何も聞こえなくなった。


「…………誰か魔法で神殿を見えるようにできる人はいるか。」

そう騎士団の一人が叫んだ。一人の騎士が手を挙げて魔法を使い暗い神殿を照らした。


神殿の中は、地獄だった。中央にいる吹雪の塊のような何かを中心に氷漬けの人が死体があった。先ほど宮殿の中に入っていった人たちも凍っていた。


しばらく無言であったが。

「…………逃げるぞ。近づかなければ」

誰かがそう叫んだ。彼らは感じたのだ、宮殿の中央にいるそれが、自分たちの思惑通りに動くものでないことを。

「ですが、作戦が」

そう誰かが叫んだ。

「あれを作戦に使えると思うか?死にたいのか?」

そう誰かが叫び返した。この時に一部の人は、既に逃げ出していた。

「それに、さっき入っていた人は。」

誰かがそんなことを言った。

「無理だ、もう助からない。それに、この作戦が不可能であることを伝えなければならない。」

その言葉を皮切りに彼らは、一斉に走り出した。


「ギャアアア」

次の瞬間そんな咆哮が響いた。その咆哮は、中央にいる厄災級の魔物の叫びであった。それは、次の瞬間動いた。逃げ出した彼らを追いかけ始めたのだ。


「なんで」

そんな叫び声が響いた。厄災級の魔物が動かないというは勝手な思い込みだあった。今まで厄災級の魔物がフロスト地方の街に来ることがなかったので動かないものだと考えられていたが、正確に言えば違ったのだ。それは、一度見た生物を殺す性質があり、ただ逃げる前にすべてその神殿付近で殺していたから、動かないだけであった。


「走れ、死ぬ気で走れ、無理だ。」

そんな声とともに一人の人物が凍った。


それでも、厄災級の魔物は止まらなかった。人ほどのサイズだったそれは徐々にサイズを増していきながら、大きな吹雪の塊に成長しながら、ただ逃げる、人々を狙って、追いかけていた。



厄災級の魔物は、大きな吹雪の塊のような、大きな災害になりながら、逃げた人々を追いかけてフロスト地方の街の方向へ向かい始めたのだ。




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