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冒険者の仕事をしてみよう4

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ライトが町の門につくとそこには、エマがいた。

「ライト君…………なんで町から出てくるですか?それは、今はどうでもいいです。」

エマは、巨大な赤色の熊の魔物の死体を引きずりながら、涙目で、そして、全身返り血でべちゃべちゃになっていた。


「…………何があったんですか?」

ライトはとりあえずそう尋ねた。ライトも言わないといけないことがあったが、明らかにエマの事情を先に聞くべきだった。


「それが、ライト君と別れた後で、ですね。森を探索しててですね、それで」

全て説明しかけたエマの話を、ライトは遮り


「とりあえず、何があったかを簡潔に言ってくれませんか?そのあとで話は聞くので」

そう言った。とりあえず、ライトは何があったかを知りたかった。


「……分かった。森の中で赤い熊の魔物に攻撃されて、魔物を勝手に殺すのはダメだって聞いてたから、避けてたけど、町のほうまで来てしまって、避けるのが無理だったので倒しちゃいました。」


(なるほどな、まあ仕方ない、謝りにいくか。さっき、あんな風に啖呵を切って、魔物の管理の話をして……恥ずかしいけど、まあ仕方ない。)

ライトは、そんなことを考えながらも、謝りに行くことを決めた。恥ずかしいがそれは、それ、これはこれである。


「まあ、それは僕が謝りに行きますよ。エマは一回、家に戻って着替えたりしてくればいいよ。」


「でも、ライト君のせいじゃないので、ここは私が謝るべきなので……先に謝りにいきます。」

エマは、しっかりしていた。こういうところはしっかりしていた。


「じゃあ、僕が先にこの熊を持ってギルドにいって事情を説明しておくので、エマは、着替えてからギルドに来てそれで、一緒に謝りましょう。」

ライトは、そう言って笑顔を浮かべた。ライトが特に笑顔になった理由はなかったが、強いて言うならエマを安心させるためだろう。


「……分かりました。ありがとう、ライト君」

そう言ってライトに向かって来た。それから、ライトに抱き着こうエマは手を広げて近づいてきたが。ライトはいろいろ考えたのちに華麗に後ろに避けた。


「なんで避けるの?ライト君、感謝の包容ですよ。レアですよ。普段こんなことしないですから、激レアですよ。」

エマは冗談っぽく、少し下を向いて拗ね気味にライトを睨んだ。


「いや、だっていや、エマ、血まみれじゃん。」

確かにレアだった。でも、エマは血まみれなのだ。血まみれは嫌だし、それにライトが先に冒険者ギルドに行くプランが破綻するのだ。


「………そうでした。では私は着替えてギルドに、ああ一応言っておきますけど、私は薬草を手に入れること出来なかったよ。ライト君は?」


「大丈夫。僕も出来てないので……ああこれ冒険者の仕事も失敗してますね。」


ライトはがため息交じりに言うとエマは少し笑った。

「…………次はどこに薬草があるか聞きましょうね。ライト君」


そのエマの発言にライトは激しくうなずいた。それから、ライトもエマに言うべきことを思い出して

「まあ、エマがクマを倒してしまった時に僕も問題を起こしてしまって。ギルドで決闘?蹂躙?まあうん、迷惑かけるかも知れないよ、エマにも」

自分の事情の方も軽くライトは伝えた。


「何があったの?後で教えてくださいね。まあ、お互いさまってことですね。ライト君。」

エマは、そう言って笑って受け止めた。


「そういうことです。」

そうとりあえず話を切り上げて。それぞれの目的地に向かうことにした。



場面転換

ライトはクマを魔法で浮かせて、ギルドまで運んだ。ギルドの前にはもう人はおらず、騒ぎとかあの空気はなくなっていた。ライトは、ギルドのドアには、サイズ的にクマが入らないことから、とりあえず外に置き、ギルドのドアを開けた。


ギルドの中では何かすごい盛り上がっていた。

「兄ちゃん、カッコよかったよ、スカッとした」

「すまんな、兄ちゃん昨日は」

「強いですね」

「兄ちゃんも飲もう。今日は俺たちがいくらでも奢ってやる」



(うわあ、なんか盛り上がってる。)

ライトは、そんなことを思いながらとりあえず、丁重に誘いを断ってギルドの奥のほうに進んだ。それから、陽気なおじさんを見つけると

「少しサリさんきてくれませんか?聞きたいことがあって」

そんな言伝をして、ギルドのサリを外に呼び出した。


ギルドの外に来たサリは、ギルドの前にいるクマを見て目を数度パチパチさせた。

「なんですか?これ。」

それからそう少し叫んだ。


「申し訳ないです。魔物は勝手に倒さないほうが良いんですけど。でもいろいろあって、エマが、倒しちゃって、本当にすいません。」

ライトは、そう頭を下げた。とりあえず、謝るしか選択肢が無かった。


サリは、ライトに顔を上げることを促して、少し怪訝な目でライトを見ながら

「ああ、えっと、どうして、この魔物が?」

サリはそう尋ねた。


(聞こえてなかったのか?それとも怒っているのか、いずれにしても、もう一度いうしかない。)

ライトは、サリの意図や思惑を考えて見たが分からないのでもう一度同じことを言うことにした。

「だから、エマがいろいろあって倒してしまって。」


サリは、大きく深呼吸をした。

「それは、分からないけど分かりました。魔物の数は、多少は、仕方ないことですので、大丈夫です。エマさんは、いませんけど、無事ですか?」


(怒ってないのかな。分からない。)

「返り血を浴びたので今、着替えてると思いますよ。」

サリの考えなど全く読めないのでライトはとりあえず、事実を伝えることにした。


「それは、良かったです。それで、どうやって、倒したとか分かりますか?」

サリのテンションは少し可笑しくそれなりに大きな声であった。


「多分、ですけど。剣で斬ったんだと思いますよ。」

ライトは、そう予想を述べた。


そのライトの言葉を聞いて、それからサリは、しばらく赤色のクマを眺めて

「…………そうですね。その魔物の方は、私が処理するのでそこにおいておいてください。報酬は、明日支払うので、また明日ギルドに来てください。それと薬草の方は」

その後、そう言ってサリは愛想笑いを浮かべた。


ライトは深呼吸をして

「薬草は見つけらませんでしたね。…………はい。すいません。」

ライトは、少しバツが悪そうにつぶやいた。


「分かりました。では、また明日ギルドに来てください。」

そういうとサリは考え事をしながら、ギルドの建物の中に戻った。ちょうどその時にやってきた、エマにライトは、事情を説明して、とりあえず借りている家に2人で戻ることにした。

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