真相
彼女が消えたあと、ベッドには彼女の衣服だけが残った。その懐の部分に何かが入っているようなふくらみがあり、めくってみると、そこにあったのは黒い石だった。うっすらと黄色い光をまとっている。
この石、あの黒い石だ。しかも何か魔法が込められているのかもしれない?
私がそれを手にした、その瞬間。
急に部屋の空気が圧縮されたような、奇妙な圧力……のようなものを感じた。
これは何だ。何かの魔法の影響なのか。軽い車酔いのような気分の悪さを感じる。
「手間のかかる小虫が……死ぬ時に出す波動を追わされるとはの。任意の転移は一度使えば10日は使えぬというのに」
冷たくて低い声が、私の後ろの方から聞こえる。
ドアの近くに誰かが現れたんだと思う。でもドアを開ける音はしなかったし、さっきの変な感じからすると、テレポート的な魔法を使って来たんじゃないか。
便利な魔法あるんじゃないの。羨ま……いやもういいわ。
おそらくこいつが、ヴィエナリリアを何度も殺して、“ヴィエナレーリィ”を魔物の体に変えた“ある男”。
「フガイーク、か」
私が振り返ると、青白い顔をした冴えない中年のオジサンがいた。頭髪がちょっと寂しい感じで、猫背で、瘦せ型で、あごが細い顔。
うつろな目だけがギョロギョロしていて、ちょっと気持ち悪い。
なんか想像と違った。
もう少しビジュアル的に大物っぽいのが出てくるかと思っていたのに、これじゃ目つきの怪しい中間管理職じゃん。野暮ったい感じのメガネをかければ完璧だ。
「貴様は……。小虫は体だけを持って逃げたと思っていたが、魂も戻っておるのか。あの小虫、本当に余計なことを」
「え、本当にフガイーク?」
素で疑問が先に出てきてしまった。フガイークは意外そうに目を見開いている。
「ほう、わしを恐れていないようだな。貴様、逃げ出す前は、見苦しく泣いてばかりだったが」
あ、やっぱりこいつが諸悪の根源だったのだ。
「あの、お久しぶりですね?」
絶対そんなに仲良くないことはわかっているが、あえて朗らかに挨拶してみた。挨拶って人間関係構築の基本だというじゃない。やって怒られることはないって、新入社員研修でも言ってたし。
しかし、目の前の冴えない感じのオッサンは、わかりやすくギリギリと歯ぎしりをした。
えっ、まさか、挨拶して怒られるんですか!? 初対面でそれはちょっと、地雷ってレベルじゃない。なんて常識のない人間なんだ。
「ふん、いい気なものだ。偶然持って生まれた魔法で調子に乗りおって」
しかも嫉妬マンだった。欲しいものがだだ洩れじゃん。いいオジサンが挨拶もできない方が恥ずかしいわ。
「いやいや、人を不幸にすることしかしない人の方が、どうかと思いますが」
この私の表現はソフトなものだったと思う。しかしフガイークのおっさんは顔色を変えた。もはや何を言っても地雷なんじゃないかと思うくらいのピンポイント率だ。
私は自分がある意味天才なのかもしれないと思った。
「……それは貴様の方だろう。貴様などという存在がいるから、ティファーナ姫は反逆者の妻とみなされるのだ。貴様さえいなければ……」
ヴィエナリリアがいなくても、ティファーナさんがフィヴライエ伯爵の妻だった事実が変わることはないのに、こいつは何をうだうだ言っているんだろうか。
どうもこのオッサンの脳内は100年前からアップデートされていないような印象を受ける。
「ヴィエナレーリィは私の養女となり、ティファーナ姫は私の伴侶となった。反逆者の子はお前だけだ、ヴィエナリリア!」
フガイークが意地の悪い顔で大声を出し、私に人差し指を突きつける。
その顔を見て私はこのオッサンが何を言いたいのか、なんとなくわかった。
フガイークが言っているのは、このヴィエナリリアの髪と瞳の色のことだ。反逆者とされたフィヴライエ伯爵と同じ色だから、その母親であるティファーナさんが反逆者の妻だと言って歩いているようなものだと言いたいんだろう。
オッサンに言われる筋合いのない話ではあるけど。
100年前のヴィエナリリアにとってはつらい言葉だっただろう。
彼女は自分の持つ色が嫌になったかもしれない。
「人のものを欲しがってばっかりの人に言われたくないわ。なんか乞食っぽい」
「……乞食……乞食だと……きさま……」
軽く言い返しただけなのに、なんかオッサンが怒り出した。自覚があったのか。
「わしは元々貴族の出だったのだ……父親が無能だったせいで平民へ落ちたが……それを……」
そんな悲しい過去があったのか。そりゃつらいね。女の子を虐めちゃうくらいつらいね。
同情なんかできるか!
「そうなんだ。じゃあ大司祭になれて良かったじゃない」
「ふざけるな! 貴様のような生まれつき何でも持っている人間に、何がわかる!」
様式美といえば様式美なセリフがオッサンから飛び出す。
けなしても褒めても怒り出すんだな。血圧が高いよ。
というより……こいつはヴィエナリリアのことが、たぶん嫌いなんだ。
「じゃあ何にも持っていない人間は、人を魔物にしたり殺してもいいの?」
こんなに美少女なのに嫌いだなんて、悲しいなあ。私は首をかしげて流し目をくれてみたが、案の定このオッサンには効かなかった。
この世界には、美少女のあざといポーズが効かないオッサンが多すぎる。
「ほざけ小娘」
オッサン、じゃなかったフガイークは床に手のひらを向ける。
何かの魔法を使うつもりなのかと身構えたら、私の立っている床の上に、一瞬だけ白い光が浮かび上がった。
今のは何……と思って足を動かそうとしたら、靴がまるで床にくっついているかのように動かなくなっていた。
しまった。これでは身動きが取れない。
「……時間魔法を対象に作動させるには、接触が必要なのだろう」
フガイークは不気味な笑いを浮かべている。
「だが、わしのこの……「人格換えの魔法」も、触れた瞬間にその人間を乗っ取ることができるのだ」
いや、もうそれ「乗っ取り魔法」ってつけた方が良くない?
こいつが100年前から生き続けられていられるのは、そういう魔法を持っていたからなんだ。今の体が死にそうになっても、次から次へと人を乗っ取り続けていけば、死ぬことはないってことか。
ていうか、これはまずい。魔法の発動条件が私の時間魔法と被っている。
こいつと接触した瞬間に、私も全力で魔力をぶっ放せばなんとかいけるのかもしれない。
でも私はまだ自分の魔力コントロールを信じることができない。もしうまく魔力が出なかったら、触った瞬間に乗っ取られてしまうだろう。
状況が一気に悪くなった。
曇った私の表情を見て、フガイークは満足そうに声を出して笑う。
「100年前はできなかった。念には念を入れて、貴様を切り刻んでみたというのに。侵食系の魔法は上位の魔法使いには効かぬというが、貴様がわしよりも上位などと、到底認められんわ」
著しく人間性が欠けている内容の発言だ。自白しているのに罪の意識のかけらもない。どういう育ち方したらこんな発言ができるようになるんだ、親の顔が見たいわ。
「ふん、今こうして見てもその歪んだ人格など消えておらんし、あの日記は嘘を書いていたのかも知れぬな。しかし今回ばかりは失敗せんよ。そのためにずいぶん実験してきたからのう」
そうだった。
相手は100年以上権力を保ち続けて、その間にいろいろ魔法の研究だってしてきているはずだ。100年前は無理だった魔法でも、今はできるようになっているかもしれない。
対して、こちらは三週間くらい前にこの世界に来たばっかりで、魔法については魔力の操作すらあやしい素人なのに、勝てると思う方がどうかしている。
背中に嫌な汗が流れていくのを感じた。
「今度こそ……わしは時間魔法を手に入れるぞ」
フガイークは動けない私に向かって、まっすぐ大きく歩いてきた。
自信があるんだろう。少し触りさえすればそれで相手を乗っ取れるんだから、負けるなどとは露ほども思っていない。そういう態度である。
見た目は冴えないオッサンだけど、こうなるとその外見はむしろ強者の持つ後ろ暗い部分を凝縮しているようにも見えてくる。
私はベッドの側に立って動けないまま、近付いてくるフガイークを見ていた。
私の時間魔法は直接触らなければ効果が出ない。それは薄々気付いていたことではあったが、改めて言われると使い勝手の悪さにウンザリする。
それにこの時間魔法って色がないから出たかどうかが魔力の感覚でしかわからないし、この魔力をニルンくんの黒い石に込めた時も色は付かなかった。たぶん無色なんだと思う。
他の魔法は、種類によって魔力や魔法結晶に色が付くらしい。それを知って非常に残念な気持ちになったものだ。
フガイークが手を伸ばしたその瞬間、私はその手を力いっぱい叩いた。
叩かれた手から青白い光が波紋のように広がり、衝撃が強い風となって部屋中を舞う。
「……何だそれは」
攻撃されることを予期していなかったのか、フガイークは手を押さえてうめいた。額に汗が浮かんでいるのが見える。
「これ? 魔法の……打ち出の小槌かな?」
私の右手にある小さなカナヅチが、青白い光を放っていた。
********
神殿にいたときに、廊下の突き当たりで見た青白い光。
あれは大広間の「水の女神像」が振り上げているカナヅチから出ているものだった。
キースの襲撃後、どうしても気になって深夜にもう一度大広間が見える窓へ行った私は、そこからすぐ下に見える女神像のカナヅチが青く光っているのを見たのだ。
これが光っていたのかと驚いていたら、どこからか「持っていけ」と声が聞こえたような気がした。
カナヅチは石像に後からはめ込むような作りになっていた。そして窓につかまって手を伸ばせばギリギリ届く位置だった。だから私はその青く光るカナヅチを取って、市場でもらったレプリカのカナヅチと交換しておいたのだ。
断じて盗んだのではない。借りただけである。いつか返しに行くから無罪のはず。
私は神話のカナヅチについて「物理的には何も壊せない」という感想を持っていたのだが、その「物理的には」にわずかながら引っかかりを感じていた。
ひょっとして神話のカナヅチは物を壊しているのではなく、対象物に込められた魔法だけを壊しているのではないか。それなら別に大きくなくてもいいというわけだ。
私はそう仮説を立てた。
そして検証を兼ねて、トカゲだったロニウスくんに握りこんだカナヅチを軽く押し当ててみたところ、彼の身体の中の「呪い」は壊れたように見えた。しかしそのあと彼がなかなか目を覚まさなかったのは、おそらく完全には「呪い」を壊しきれていなかったものと考えられる。
おそらくこのカナヅチの形には意味があるのだ。接触させるだけではなく、打撃、つまり「壊す」という意思を持って打つことが必要なのではないか。
そもそもどうしてこのカナヅチがあの神殿にあったのか。それはカナヅチに小さく書かれた「アディラジーン」という古代文字の署名から推測される。
しかし、またこいつか。もはや耳タコの域である。
あの神殿はフィヴライエ伯爵が建てたもので、その妻であるティファーナさんは古代の大魔道師アディラジーン・マーストゥンを魔法の先生にしていた。
その魔法の先生が作った魔法効果のある道具を、弟子が譲り受けるのは不自然なことではないはずだ。結婚祝いのプレゼントでもらったのかもしれない。
普通に考えれば国宝級のお宝であるこれを、その持ち主は何かに備えるためかもしくは隠し場所にちょうどよかったのか、女神像に持たせていた。
それをティファーナさんの子供の体を借りている私が使うのは、たぶんアディラジーンも許してくれるんじゃないかな、と私は超ポジティブ解釈をしたのである。
********
押し殺したようなうめき声を出して、フガイークは床に転がった。
苦しそうだ。そういえばロニウスくんも苦しそうな声を出していた。体の中にある魔法が壊れる時は苦痛を伴うのかもしれない。
私は屈んで足元の床をカナヅチで叩き、青白い光によって靴と床が離れたのを確認すると、床を蹴ってベッドの上に飛び乗った。
フガイークは苦しそうに顔をゆがめながら、目をむいて激しく私をにらみつけている。
「きさま、……ゆるさんぞ……」
「許されないのはそっちでしょ。自分で悪い事をしてる自覚はあるの?」
私はフガイークから向けられる憎しみをどこか他人事のように感じていた。
私はヴィエナリリアではないから、直接こいつの被害にあったわけではない。もしこいつが今の私に関わってこなかったとしたら、私にとってこいつはすごくどうでもいい存在だったはずだ。だいたいそのヴィエナリリアからもこいつをどうにかしろとは言われてないし。
まあ、こいつにもかわいそうなところはあるのよね。
自分の力ではどうしようもないところで家は没落して、努力して治癒魔法の使い手にはなれても、当時は戦争をしていて攻撃魔法の使い手のほうが地位が高かったというし、報われない思いはそれなりにしてきたのだろう。
戦争中であれば治癒魔法だって尊重されるべきなんじゃないかと現代人としては思うところだけど。
ただ、スポーツだって点が取れないチームが勝つことはないわけで、勝つことが求められる戦争において攻撃力は何よりも優先されるのかもしれない。
こいつは才能がありながらそれを認められないという環境に長く身を置いていて、ある種のストレスとコンプレックスまみれだったところに、このヴィエナリリアという能力と環境にたいそう恵まれた女の子のことを知ったわけだ。
そりゃもう嫉妬が大爆発しただろう。憎たらしかっただろう。
自分よりはるかに開けた未来を持つであろう小娘を前に、こいつは嫉妬に飲み込まれたのだ。
「……うう」
短いうめき声とともに、フガイークは動きを止めた。
体感としてはカナヅチで打ってからけっこう長かったと思う。マリーの呪いの時よりも時間がかかっている。
あの時は黒トカゲがロニウスくんの口から出てきたはずだ。このオッサンからは何も出てこないのだろうか。
……と思っていたら、オッサンの身体全体から、ゆらゆらと立ち上る黒い煙のようなものが出てきた。
うわ、ヤバい?
この煙が何なのかはわからないけど、とても嫌な感じがする。根拠のない勘でしかないが、フガイークはまだこのオッサンから出て行っていない……そんな感じがするのだ。
カナヅチの魔法破壊が不発だったとは思えない。
でも、何かがおかしい。
距離を取らなければ。
そう思った瞬間、私は黒い煙に周りを囲まれていた。
しまった遅かった。
この黒い煙は魔法によるものなのか、私の回りをグルグルと不規則に回転している。こうなるとカナヅチで打つのは難しい。
「……ふふふ、驚いたか。やはり備えはしておくものだ」
脂汗をたらし目を血走らせながら、いつの間にか立ち上がっていたフガイークはニヤニヤと笑っていた。
「貴様が100年前にできたことが、このわしにできぬはずがないだろう」
フガイークは司祭服の上着の前をはだけて、その胸元を晒した。
汚いもん見せんなと言いたいところだったが、私はその胸に直径5センチ程度の大きな黒い石が埋め込まれているのを見て、言葉を飲み込んだ。
「黒い石に魂を封じ込めるなど、どうせお前が考えたことではあるまい。アディラジーンめ、小娘ばかり贔屓しおって」
……あの黒い石には、魔法だけじゃなくて、魂まで込められるんだ。
私は、ヴィエナリリアに黒い石を持っているかと聞いた時のことを思い出していた。
あの時、彼女が答えるまでに少し間があったように思う。
彼女は石を「持っている」のではなく、その中に自分の魂を封じ込めていたんだ。
だから、私の魔力を込めた石で通信できた。
そして、そうせざるを得なかった理由は。
『あなたさまは、何度も殺されていました。元に戻るたびに、また殺されて、何度も……』
……なるほどね。
私は、自分でも気が付かないうちに、血がにじむほど唇をかみしめていることに気が付かなかった。
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この体は自動回復で、どんな小さなケガでも回復する。
時間魔法を使っての回復だから、正常だった状態の時間に「戻している」と考えられる。
そう、以前エリックさんが言っていた「無意識に魔法を使っている」状態なのだ。それは生物の「自己を守る」という本能の働きによって起きているのだろう。
でも人は、心にも傷を負うことがあるのだ。
痛くて痛くて、もう生きていけないと思うほどの心の傷を、人は負ってしまうことがある。
その痛みのために自ら死を選んだり生きる気力をなくして引きこもることは、日本の社会ではよくあることだった。この世界だってそこはそんなに変わらないはずだ。
しかしこの体が心の傷を受けて「自己を守る」ために「時間魔法で」正常だった状態に戻そうとした場合、何が起こるか。
つまり、記憶を消してしまうのだ。
つらい記憶、それに関連する人や物、出来事など、たぶん全てを消すことになるだろう。
あとに残るのは……言葉や文字以外は何も覚えていない抜け殻の体だけ。
だから、この体には記憶がなかった。
刃物で何度も切り付けられるというのは、大人でも相当な恐怖になるはずだ。
しかもこの体は無意識に回復をするので、まだ子供だったヴィエナリリアにとっては「ものすごく痛い思いをして、気が付いたらまた切りつけられてものすごく痛い思いをして……」という、終わりのない地獄のように思えただろう。
それに加えて、このオッサンから反逆者の子供だのと言われる精神攻撃まで受けていた。
元の世界でいちおう大人をしていた私でも耐えられないと思う。そもそも痛いの嫌いだし。
それなのに思春期くらいの不安定な精神状態の子がそんな目にあって、耐えられるわけがない。
その結果、100年前のヴィエナリリアは記憶を消されてしまうことに気が付いて、この体を捨てた。
彼女には心の傷を消すことよりも守りたいものがあったのだ。
きっと甘やかされてチヤホヤされて、誰かに傷つけられるような痛みなんて知らずに育ってきただろうに、そういう究極の選択が一瞬のうちにできるあたり、なかなか賢い子だと思う。
自分で持っていたのか、フガイークが持っていたのかはわからないが、ヴィエナリリアは黒い石に自分の魂を込めて、時間魔法を暴走させた。
ずいぶん思い切りがいい行動のように思えるが、あのアディラジーンあたりから事前に何か聞いていたのかもしれない。
時間魔法は「“アディラジーン・マーストゥン”が最後に到達したと言われる魔法」だとエリックさんは言ったが、見方を変えれば、「人生の初期に習得してはいけない魔法」とも言えるのではないか。少なくとも精神的に安定してくる年齢までは、習得できたとしても、するべきではないだろう。
しかしヴィエナリリアは生まれながらにしてこの魔法を持っていた。それが彼女の不幸だった。
フガイークは、この唯一ともいえる時間魔法のデメリットを知っていた。過去に時間魔法を習得した人間がいるのなら、こいつが知っていても不思議ではない。
こいつにはたぶん魔法を研究するタイプの才能があった。だからこそ時間魔法が欲しくてたまらなかったのだ。
これがティファーナさんの日記にあった「絶対に許すことが出来ないこと」だった……のかもしれない。