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再会

※事案表現があります。

 夜になって宿場町と呼ばれる場所についた。


 その名の通り宿屋が軒を連ねている。オリスティアさんたちの定宿はこのあたりで一番いい宿だったらしい。

 でも今回は別の宿にします、とオリスティアさんは言った。

 いつも使っている宿だと何か不都合があるのだろうか。


 受付でロバートさんが料金を支払って上の階へ上がる。部屋は一番上の階とのことだった。ちなみに御者をしていたバーンスさんは馬番の部屋に泊まるらしい。


「……お客さん、トイビーヤに行くの? あそこは今変な病気が出てるっていう噂ですよ」


 人のよさそうな受付のお姉さんが、ちょっと眉をひそめてロバートさんに言った。


「変な病気ですか?」

「そう、なんだっけ、どこかの貴族の息子が、大トカゲみたいな化け物に変わったって」

「えっ」


 このあたりの温度が下がったかのように、ヒヤッとする空気が流れる。

 お姉さんはそのことに気が付いていない様子だった。


「そこの貴族は前にも別の息子を死なせているらしくて、何かの呪いじゃないかって、みんな言ってます。うつる病気じゃないかもしれませんけど、気をつけてくださいね」

「そ、そうですか。ご忠告感謝します」


 ロバートさんの声は震えていた。

 ああ、宿を変えた理由はこれか。


 オリスティアさんがどこの誰なのかを知っている定宿だったら、たぶん宿の人たちが嫌がるだろうと思ったんだ。

 事実、今のオリスティアさんはすごくつらそうな顔をしていた。彼女は人に見せないように壁を向いていた。私はその横顔を見てしまったのだ。

 彼女の握った拳がブルブル震えている。そこには悔しさと悲しさがこもっているように見えた。

 しかしこんな風に貴族の噂話を平民がするというのは普通のことなのだろうか。



「……今日は、驚きましたか?」


 部屋に運んでもらった夕食の煮込み料理を食べながらオリスティアさんは聞いてきた。

 私は一瞬何のことを聞かれているのかと思い悩んだ。

 トカゲのことか?  お嫁さんのことか?


 ここはあえてトカゲのことには触れまい。


「あの、私はまだ子供なので、お嫁さんは無理だと思うんです」

「まあ、ホホホ。早くからの結婚は貴族ではよくあることです。子供であろうと、とりあえず結婚させてしまうのですよ。その方がいい場合がありますから。……ただ、その……」


 オリスティアさんは視線を落とし、スプーンを持った手を食卓において口ごもった。


「リリアは、……ト、トカゲのことは……どう思います?」


 私があえて触れなかったトカゲの話題を臆さずに出したのは素直に尊敬したいところである。

 私は真摯に答えることにした。


「あ、トカゲは、見てみたいです」

「え?」

「ん?」


 しまった。

 「見てみないとわからない」と言おうとしたのに、なんか動物園に行きたい子供みたいになってしまった。これはまずい。私はしどろもどろになりながら説明しようと口を開く。


「ああ、あの、見てみたいっていうのは、えーと」

「リリアは……怖くないのですか?」


 オリスティアさんが不思議そうな顔をしている。

 お? おお、そういう意味か。いや怖いかどうかも見てみないことにはわからないんだけど。

 ここは気合を入れて答えなくては。


「呪いは、少し怖いですけど、その人とお話ができたら、いいなと思います」

「そうですか……。リリアは、優しい子ね」


 オリスティアさんは瞳を潤ませながら、スプーンを置いて、私の頭を撫でた。


 んんん?

 こんなふうに撫でられたことって、前の人生でもなかったような気がする。ちょっと照れくさくて、顔が赤くなるのがわかった。気持ちがふわふわして、なんか恥ずかしいな。

 子供じゃないのに。



 そんな感じでほのぼのした夕食が終わって、宿の人が食器を下げに来たあとのことだった。

 宿に異変が起きたのである。


 突然部屋のドアがガチャガチャ鳴り出し、バンと大きな音を立てて開いた。同時に黒い覆面のようなフードで顔を隠した全身黒い服の人たちが5人くらいまとめて部屋に入ってくる。黒い影がサッと動いたようにしか見えないくらい素早かった。


 ドアの大きな音に驚いた私とオリスティアさんは固まってしまった。あとで思ったのだが、こうやって驚かせるためにわざと音を立てたのかもしれない。


「娘だ」

「金髪じゃない」

「かまわん」


 短く言葉を交わしたあと音もなく3人が私のほうに向かってきた。ぎょっとして逃げようとしたが、気がついたら両手を縛られ猿轡を噛まされて大きな袋に入れられて運ばれていく。


 もの凄い早技で瞬きする間もなかった。


 袋の中でオリスティアさんの叫んでいる声が小さく聞こえたが、運ばれている途中でその声は消えた。

 彼女はどうなったんだろう。まさか殺されてはいないはず。不安で心臓がドクドクと音を立てる。


 あーあ、また私さらわれてるよ……。

 私は自分自身にもこの世界にもがっかりした。


 こういう扱いばかりをされるのは、本当にもううんざりだ。この世界は子供に対して厳しすぎるんじゃないの。


 さっきの男たちの会話からみて、どうも犯人は今朝絡んできたアロデスという人のような気がする。金髪碧眼の孤児がどうのってオリスティアさんに文句言ってたから。


 ……でもそれなら私は金髪でも青い目でもないのにどうしてさらわれているんだろう。

 オリスティアさんの連れている子供なら誰でもいいということなのか。

 それとも、本人を見ずに情報だけでその特徴を持っている子供だと思い込んでいるのか。


 もし彼が朝からずっと私たちを追いかけていたのだとしたらすごい執念である。今さらながら怖くなってきた。


「!」


 一瞬体が宙に浮いて、私は入れられている袋ごと乱暴に投げ出された。

 床に落ちて打ったところがものすごく痛い。この体は肉があまりついていないから、骨に響いて痛みが三割増しになったように感じる。

 しみるように痛い。青タンは確実の痛さだ。これは回復するからいいっていう問題ではないわ!


 ここに運ばれるまでに時間はそんなにかかっていない。ということはあまり遠くまで移動していないということか。

 それはよかった。もう早く帰りたい。

 痛がっている暇もなく、袋がズルズルと取られ猿轡と両手の縄が解かれた。とりあえず息が楽になって助かった。


 部屋の中は小さなランタンのような灯りが1つだけしかなく、薄暗くて周りがよく見えない。


 どうして拘束を解いてくれたのかわからない。これくらいの子供一人くらいはどうにでもなると油断しているのだろうか。

 私が転がされている床の近くに大きなテーブルがあり、その向こう側に衣服の一部とブーツのような靴を履いた足が見えた。しかしその人物の全体の姿はテーブルに隠れて見えなかった。


 ささやくような小さな声が聞こえる。


「さすがはローグレイで活躍している傭兵団だな。金を払った甲斐があったというものだ」

「……いいから早く後金を渡せ」


 テーブルの上でガチャッと「硬貨があります」みたいな音が鳴り、手の平くらいの大きさの袋が黒フードの人に手渡されるのがチラッと見えた。


「もうしばらく護衛を頼めるか? 相手は一応あれでも領主の奥方だからな。用心をしたい」

「…………」


 チッ、というあからさまな舌打ちが黒フードから聞こえた。


「……少しならな。料金は倍になるぞ」

「ふむ、構わんよ。金ならいくらでも払おう」


 さらにもう1つお金の入った袋を受け取って、黒フードの男がサッと手を払うと他の黒フードたちは音も立てずに部屋から出て行った。



「ふーん、叔母上が買った孤児がお前か」


 床に手をついて起き上がった私にドカドカと靴を鳴らして派手な男が近づいてきた。

 叔母上という言葉を聞いて、私はやっぱり犯人はこのアロデスだったんだと思った。朝の時は声しか聞こえなかったからこれが初対面ではあるのだが。


 体型は少し太め。二重アゴで口髭がある。天パの濃い金髪と青い目で、顔は思っていたほど醜悪ではないが甘えの滲み出た顔つき。全体的に甘やかされて育った子供がそのまま大人になったという印象だ。

 ひと目見て貴族と分かるような、キラキラボタンがたくさんついた派手な上着を着ている。


 アロデスは私を上から下まで舐めまわすように見て、私のあごに手をかけて顔を上げさせた。


「私の祖母はそれは見事な金髪でね、非常に美しい人だった。だから私は金髪しか愛でられないのだよ。お前は金髪ではないのが惜しいな。しかしこれはこれでなかなかだ。なぜこれをあのババアにくれてやるのだ?」


 朝と同じように、ネチャネチャして気持ちの悪い喋り方だ。あごに触れている手も脂っぽい。


 そんなに金髪が好きなら他の子を当たれ、こっちはお前に用はないんだよ。

 顔を背けてあごから手を離させようとしたら逆にその手に力を込めてきた。ウザくて仕方がない。


「おお、その顔、たまらんなぁ。泣き顔も楽しみだぞ」


 アロデスは舌なめずりして、意地悪く顔をゆがめている。


 旅の疲れか、理解できない展開が続くことに対しての疲れか、私は少し頭がぼうっとしていた。

 私にも油断があったかもしれない。


 アロデスはいきなり左手だけで首を絞めてきたのだ。あわてて座ったまま後ろにさがるとすぐ壁があり、壁に押し付けられる格好になってしまった。


 息が苦しくて、顔に血が集まっているような感覚があった。目に涙が浮かんでくる。首を絞めているアロデスの腕を両手でつかんでみたが、予想外に筋肉質でびくともしない。


 私は殺されるんだろうか。苦しさに頭が朦朧としてきた次の瞬間、ワンピースの胸のボタン留めの部分が、ビィッという音と共に大きく引き裂かれた。ワンピースの下にはもちろん下着をつけているのだが、それも一緒にである。


「…………!!」


 私は驚きすぎて声が出なかった。


 全くためらう様子もなくアロデスの手が胸の破れた部分へ伸びてくる。無遠慮で品のない手つきだ。


 私は首を絞められたまま変態男の手をつかもうとした。悔しくてせめて抵抗しようとしたのだが、つかんだつもりが力が入らず手をかけるくらいにしかならなかった。


 私は今、この世界に来て一番頭にきていた。


 かわいいワンピースだった。

 前の人生ではイメージに合わないと言われてこんな服は着られなかった。

 これは大事に取っておこうと密かに思っていたのに、それを破くなんて!!

 女の敵!!


「何を、……ギャッ」


 アロデスがカエルみたいな声を出して体をビクつかせる。

 私はその時、指先に魔力が通ったのを感じていた。どのくらいかはわからないけど、ズルっと何かが指先を通った感覚がした。


 その直後、首を絞めていたアロデスの手が離れて息ができるようになった。

 ゴホゴホとむせながら絞められていた首に手をやると、熱を持っているように熱かった。


 もう少しで死んでしまうところだった。この男は私を殺すつもりだったのか。この世界は私にとって恐ろしいところだと改めて思う。

 

 呼吸が荒れて非常に苦しい。しばらくゼイゼイと肩で息をする。自分の体力のなさが情けなかった。



 ようやく私が顔を上げると、アロデスが床にうつぶせに倒れているのが見えた。


 何も考えられない。

 泣けるものなら泣きたいが頭がぼうっとして泣くこともできない。


 世の中の男が全員こんな人間だとは思わない。でもこのオッサンってどう見てもいい歳しててそういうのが我慢できないほど若いわけでもないのに何でこんなことするんだろう。

 しかもこんな子供相手に……。そんな大人がこの短期間に二人も出てくるなんて、この世界はどうなってるのかと問いたい。


 ……それで、私の魔力が当たって、こいつはどうなったんだろうか?


 直接触るのは抵抗があったので靴の先でオッサンをつついてみた。

 ピクリとも反応がない。


 まさか死んでるなんてことはないわよね。

 そんなの私が殺したみたいじゃない。


 私は仕方なく、髪をつかんでアロデスの顔をこちら側に向けてみる。息があるかどうかを……。


「……!!!!」


 驚きすぎて思わず手を放してしまった。


 金髪だと思っていた髪は白くなっていて、つかんだ髪がそのままバラバラと抜け落ちていく。

 決して私が強く引っ張って抜いたわけではない。

 そしてその顔は……見たことのない、シワだらけの老人の顔だった。床の上に歯が何本か落ちている。よだれのついた口の隙間から、フシューと細く息をする音が聞こえた。


 一応生きているみたいだけど、これ誰?

 マジックショーみたいに、あの下品なオッサンと瞬間入れ替わりをしたのかな?


「…………」


 いや、これはたぶんアロデスだ。だって着ている趣味の悪い服が同じだし。


 まさか、まさか……時間魔法? これは時間魔法によるものなのか。


 私がやったということ?

 さっきの魔力の感覚は間違いじゃなかったと。

 私すごくない? こんな短期間で魔法が使えるようになるなんて、もしかして天才じゃなかろうか。


 いやいやいや。

 喜んじゃいかん。

 これはとんでもない魔法だ。変態とはいえ一人の人間の一生に影響を与えてしまった。


 でもこいつを野放しにしたらまた新たな被害者が出てくるはず。こいつはいつかこういう天罰を受けなければならなかったのだ。


 しかも今回の場合はこんないたいけな娘が首を絞められていたのだから、命の危険があったとして正当防衛を主張してもいい。

 それにこいつはまだ生きている。


 私が落ち着いてきたのを見計らったようにギイっという音を立ててドアが開く。

 現れたのはさっきの黒フードの男だった。

 アロデスに雇われていた人だと気づいて、私は再び緊張感で身をこわばらせた。


「……おい、これはどうしたんだ?」


 黒フードの男が私に聞いてきた。この状況では何を答えても不自然になると思い、私はただ首を横に振った。

 男は埒が明かないと思ったのか、その老人の体を軽い動作でひっくり返して仰向けにする。


「こりゃあ、……どうなってる? 同じ人間か? まるで、いきなり歳をとったみたいじゃねえか。あんた……」


 黒フードの男は私の顔を見たとたん、目を大きく見開いた。


「あんた、あの時のお姫サマか」

「……え?」


 誰の事だろうか。お姫様と呼ばれるような身分になったことは一度もないけど。


「……そうか、やっぱりあんたが本物の聖女様なんだな。あの崖から落ちて死んでないってことは……あいつが言っていたことは本当だったのか」


 男は小さくつぶやく。

 もしかしてこの男は、最初に私をさらった男女二人組の、男の方なのか。

 それならあの「聖女様」の行方が分かるかもしれない。自分でも心臓がドキドキしてくるのがわかった。


「あん時は悪かったな。あの女は、あんたが生きているはずだから探せってうるさかったんだが、俺たちも追われてるってのに、死んじまった奴に時間をかけられねえからよ。逃げきれるところまで逃げるってのを最優先にした。それから何日か後に、あの辺りの住民にあんたのことを聞いて回ったんだぜ。でも誰も知らねえってんで、まあ俺としては諦めてたわけだ」


 私はピンときた。

 もしかしてマーサさんがいきなり私を神殿に行かせるって言い出したのは、この人のせいだったんじゃ……。


「なあ、こいつからは、『横取りされた孤児を取り戻せ』っていう依頼だったんだけどよ、あんたまさか孤児扱いされてんのか?」


 黒フードの男はなぜか私の近況を知りたいようだったが私はそんなことには構っていられなかった。


「……あの、あの時、一緒にいた黒髪の女の人は、今どこにいるんですか」


 私の質問に黒フードの男はあっちこっちに視線をやりながら、言いにくそうに答える。


「あー、あいつは……今はハードゥーンか……そのあたりの町で暮らしているんじゃないか。あの女は俺の依頼人だったんだが、肝心のカネを持ってなくてよ。そこで契約は終わりになった」


 この男は傭兵団の一員で、あの時「聖女様」に雇われていたと。

 共犯者だと思っていたがただの雇われだったのだ。道理で「聖女様」に対する態度がおかしかったわけだ。


「ま、本来俺らがこんなことを教えてやることはないんだぜ。口が軽いとか勘違いするなよ。ただの罪滅ぼしだ。本物に逆らうとおっかねえからな」


 男はヒヒヒと声を出して笑う。その黒いフードの奥から青い瞳が私を観察するようにチラチラと覗いていた。


「あんたがそうしたいのなら、今からあの女のところに連れて行ってやってもいいぜ。どうする?」


 男の手が目の前に差し出される。

 その手を取りたいと思う気持ちはあった。けれど私は意識して首を横に振る。


 このまま私が消えてしまったらオリスティアさんが心配するかもしれないからだ。情が移ったわけではないけど、あんなに傷ついている人にさらに追い打ちをかけることはしたくなかった。


「そうか」


 男はあっさりと手を引っ込める。


「そうだな……気が変わったら、ここで服買ってくれって頼んでみろ」


 言い終わらないうちにカードのようなものが目の前に飛んできた。店の名前が書いてある紙だった。ノ……ノリス、って読むっぽい。


 用は済んだとばかりに男はドアの近くまで移動し、そこで振り返って私を見る。


「あと言っとくが、あの女にはあんま時間ないぞ」

「え?」


 それはどういう意味、と聞こうとした私に男は別れを告げるかのように腕を上げ、ドアを開けた瞬間に姿を消した。ドアの外に何人かいた仲間も同じように消えている。


 恐ろしく速い退却。

 まったく目で追えなかった。奴は何者……。


 まるで逃げたみたいだ。考えてみれば逃げるのは当然だった。これは貴族が関わっている事件になるはずである。傭兵団的には面倒ごとは避けたかったのだろう。


「リリア!」


 今度はオリスティアさんが部屋に飛び込んできた。それに続いてロバートさんと、革鎧に兜という格好の集団が、足音をバタバタさせて走ってくる。


「奥様! 危険です、まだその黒い集団がいるかもしれないのですよ!」

「あなたが兵士を呼ぶのが遅いからです!」

「しかし、早馬でもこれが精一杯で……」

「ああ、リリア!」


 オリスティアさんは私を見つけるなり一目散に走ってくると、膝をついて私を抱きしめる。横に転がっている「アロデスだった老人」を蹴ったことにも気がついていないようだった。


「リリア、あれに何かされていませんか? わたくしは心配で気が狂いそうでしたよ」


 そりゃあされましたよ、とは言えなくて。

 その代わりのように涙がボロボロ出てきた。


 気がゆるんだのかもしれない。ワンピースが破かれてしまったことや、その他諸々に対する悲しみの感情が一気に出てきたのだ。


 私はオリスティアさんの胸に顔を突っ込むように抱きついて泣いてしまった。

 彼女は少し驚いたみたいだったけど、さらにぎゅっと抱きしめてくれた。私はそれで安心してしまい、彼女に体を預けるとあっという間に意識を失った。


すごく疲れた一日だった。


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