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第九十九話 帝都ノ変(8) 風来と来光

その頃、

異世界に踏み込んだ三年生はたちは、

早くも亜種族奇襲部隊を三部隊を蹴散らし、帝都に向かっていた。


御影「ふぅ~♪弱いわね♪」

忠成「油断するな御影?近くに本体がいるかもしれないだろ?」

御影「それもそうね~♪」

忠成「帝都まで‥ふむぅ、かなり遠いな。」

御影「よくゲームとかで、空を飛んで目的地にひとっ飛び~、見たいなものはないかしらね?」

忠成「そんなものがあれば、楽なものだな。」


冗談混じりで二人が話していると、黒い龍の尻尾に短パン、半袖シャツ、短髪水色髪の男の娘ショタ"水毅(すいき)"が現れた。


水毅「あ、あの御影様‥ぼ、僕でよければ送りますよ?」

御影「クスッ水毅~♪あなたはほんと優しいわね♪」


御影は春の大戦乱祭以降、水毅を弟のように溺愛していた。それはもう妹の椿が引くくらいに甘やかし、ご飯の時もお風呂の時も寝る時も一緒である。


忠成「水毅を連れてくるとは‥溺愛し過ぎだな。」

御影「クスッ、この子がいないと生きられないわ♪」

水毅「んんっ~、御影ひゃま~♪」

放漫な体に水毅を押し込むと、三年男子たちは水毅に羨ましがり、三年女子たちは御影を羨ましがる。


三年男子「うぐぅ、羨ましい‥。」

三年男子「ごくり、水毅くんを弟に‥いや、妹‥いや‥食べたい。」

三年男子「メイド服とか着せたら言いかもな。」

三年女子「ちょっと男子!変な目で水毅くんを見ないでよ!」

三年女子「そうよ!水毅くんは半袖短パンが一番似合うわ!」

三年男子「女子たちも変な目で見てるだろ!」

三年男子「半袖短パンしか認めないとは‥三流だな。」

三年女子「へぇ~♪言ってくれるわね♪」

三年女子「ここで白黒つけようかしら?水毅くんは男子たちに渡さないわよ。」


三年生の間で流行っている。

男の娘ショタと言う神の申し子"水毅"をめぐって争い。男子でも求めてしまう"へにゅっ"とした顔立ちと純粋な性格。


三年男子の人気理由としてアンケートを取るとこうなる。

弟にしたい。70%

お菓子を上げまくりたい。 15%

結婚したい 5%

養子にしたい 8%

押し倒したい 2%

一部危険な意見もある。


ちなみに女子たちは

弟にした 70%

襲いたい 20%

着せ替え人形にしてもふり倒したい 10%


あくまでアンケートの数値であり、時と場合では変わる可能性がある。


とまあ、こんな感じである意味女子側も男子と変わらないのが現状だ。


そんな余韻に浸っていると、一人の三年男子が忠成に駆け寄ってきた。


三年男子「やったぞ忠成!忍と時奈が校長の説得に成功したみたいぞ!」


忠成「おぉ、そうか。これで大半の学園生徒たちが立ち上がる。あとは帝都が持ってくれるかどうかだな。」


三年男子「あはは!防衛陸軍もいるんだ。早々に落ちないだろう。」


朗報に勢いづく三年義勇軍。

だが、とある情報員の報告で一瞬で崩壊する。


三年男子「喜んでるところ悪いが‥、まずい知らせだ。今、帝都の防壁が爆破されたようだ。」


忠成「っ!」

三年男子「はっ?爆破?」

三年女子「ま、またまた~♪誤報でしょ?」


三年男子「防衛ログの情報だから間違いないと思う。しかも、白兵戦してるみたいだな。これは今日か明日で決着しそうだな。」


三年男子「今日か明日って‥全然間に合わないぞ!?」

三年男子「一番帝都に近いゲートを通ったが、帝都まで二日はかかるぞ。」

三年女子「でもそれって、休まず歩くってこと?」

三年女子「えー!もしそうなら疲れたまま戦うの!?」

三年男子「まさか、街経由でだよ。」

三年女子「街って言っても‥宿が問題だね。」


長旅宣告に動揺する三年義勇軍。

街経由でも百人を越える義勇軍を泊められる宿があるだろうか。勢い任せで来たのは良いが、予想外の問題が浮き彫りとなる。


忠成「落ち着け、防壁が崩れたからと言ってすぐに陥落するとは思えない。取りあえず今日は近くの街で宿を取ろう。」

御影「賛成~♪と言いたいけど、お金は?」

忠成「亜種族からせしめたのがある‥恐らく足りるだろう。」

三年男子「おぉ!そう言えば結構倒したからな~♪たんまりあるだろう!」

三年女子「よかった~♪野宿からは解放されそうね♪」


こうして三年義勇軍は帝都方向にある街へと向かったのだった。




帝都防壁が崩れた知らせは、電撃のごとく各国、街へと広まった。

不安と動揺にかられる異世界の民たちは救世主を求めそして祈った。



桃馬「帝都の防壁が爆破って‥裏切り者がいたってことか。」

直人「草津事件の生き残りか‥あるいは、」

桃馬「黒幕‥か。」


桜華「ふ、二人とも顔が怖いですよ?」

リグリード「ふっ、今の状況ならあのくらいがちょうどいい。」

桜華「リグリードさん‥落ち着いてますね。」

リグリード「魔界大戦と比べれば、そう深刻でもないからな。」

リール「確かに、"あれ"と比べればそう深刻でもないね♪」

エルン「魔界崩壊‥人界滅亡の可能性があったからな。」

桜華「そ、それって、世界滅亡並みですね。」

エルン&リール「うんうん。」


十二代続いた亜種族時代の魔界、

亜種族の力が弱まり魔族の力が強くなると、魔界の源平合戦が勃発。亜種族は補給路を確保するため人間界に進出。だが、人間と亜人の決死の抵抗により補給路どころか退路を断たれ亜種族は衰退の一途を辿った。

亜種族が滅ぶと魔界群雄割拠に突入し、第二次魔界大戦が勃発する。その結果、魔界統一は誰も果たせず、各国独立のもと連合国を樹立した。


リフィル「魔界大戦か~♪私も迫り来る亜種族と戦ったな~♪」

小頼「そんなにすごかったの?」

リフィル「すごいレベルじゃないよ♪やばいよ。」


懐かしそうに話すリフィルに、一人の男は触れては行けないことを黙々と考えていた。


憲明「‥‥。(そう言えば‥リフィルっていくつなんだろう。エルフは千年も生きるから‥五百歳はいってるよな。)」


ジェルド「どうした憲明?リフィルをじっと見つめて?」

シャル「とうとう現実を見始めたか?」

ギール「こらシャル‥それ以上はパンドラの箱だ。」

ディノ「あ、あはは‥歳の詳細はやめておきましょう。まして‥この中で最年長はシャルさま‥。」

シャル「あぁっ?」

ディノ「ごめんなさい‥。」

豆太「はわわ、こ、怖い‥。」


とまあ、異世界あるある歳の壁である。

妖怪、魔族、亜人は人間より長命であり、成長にも個人差がある。

例をあげるなら、シャルだ。

実際寝ていたとはいえ、歳はとうに千を越えたロリばば‥。



少々お待ち下さい。

お待ちの間、見えない美女たちを想像してください。



歳はともかく‥、ご立派なお歳のお嬢様方、

これ以上は‥言うまい。



ジェルド「エルフとの恋人は大変だな。」

憲明「‥ふっ、ばあちゃんより歳上でも構わないさ。例え五百でも二十歳相応ならそれでもいい。」

ジェルド「人間の偏見を棄てれば、いつも通り過ごせる。変に考えるな。」

憲明「分かってる。ただ、そんな激戦に参加してるとは思わなかった。」

リフィル「えへへ~♪それほどでも~♪」

小頼「褒めてないと思うけど‥。」


帝都の危機に呑気に話す学生たち、

そんな時、リグリードがシャルに近寄った。


リグリード「そなたはシャルと言ったな?まさか、八代目魔王‥シャル・イヴェルアか?」

シャル「むっ?いかにもそうであるが?」

リグリード「‥やはりそうか。」


リグリードは片膝をつき、魔族式の敬礼をする。


シャル「‥なんじゃお主?余の臣下か?」

リグリード「いえ、我が父ガルヤドールが世話になっておりました。」

シャル「‥ガルヤドール‥おぉ!まさかお主は、剣豪ガルヤドールの娘か!?」

リグリード「はい、お会いできて光栄です。」


シャルにとっては、ディノに続いて敬意を表した人物であった。

信仰は未だ極めて低い。


晴斗「向こうも楽しそうだな~。」

奏太「帝都の危機は何のそのだな。こっちも()め外してるからな。」


三組男子は大暴走の末、模擬戦、ハリセンしばき合い対決などの行為に及んでいる。


海洋「ごっつぁん!」

男子「ごはぁ!?」


女子「やれやれ~♪男子たち~♪」


もはやある意味狂喜だ。


直人「さてと、明日は各地の亜種族を討伐するか、帝都に急ぐか‥どちらにしようかな。」

桃馬「二つに一つだな。俺は早く帝都に向かいたいが‥いかんせ、距離がな‥。」

直人「‥今の俺ならすぐに迎える自信はあるがな。俺一人行ったとて‥なぁ?」

桃馬「ル○ラとか使えないかな。キ○ラの羽でもいいが。」

直人「あーないない、そんなの使えたら苦労はないさ。」

桃馬「ドラコニアクエスト見たいには行かないか‥。」

直人「あはは、口は閉じとけ桃馬~♪」



天国と地獄。

理想と構想。

戦争と平和。


望む先に何を待つか。

結末の歯車は止まらず動き続ける。



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