第八十三話 処理場事情
"フルロジカル"の街で討伐班を待つ桜華様たちは、迎えに来た憲明とギールと合流した。
リフィル「あれ?他のみんなはどうしたの?」
憲明「えっと‥色々あってね‥でも、安心してくれみんなは先に待ってるから。」
ギール「取り敢えず来ればわかるよ。」
時奈「ふむぅ、相当な大物を討伐したようだ?」
ギール「大物‥ま、まあ確かに大物ですね。」
憲明「さすが先輩、鋭いですね。」
時奈「たまたま分析した結果が当たっただけだよ。」
討伐よりは再会なんだけど。
そんなことを思ったいると、ルシアの元臣下、スタイル抜群姉御風の鬼人、キリハが前に現れた。
キリハ「へぇ~?この二人のどちらかが桜華が言っていた桃馬って子かい?」
妖艶な着物から胸の谷間を大胆に開け、二人に迫る。
ギール「わ、わふっ!?ど、どなたですか?」
憲明「‥うわっ‥えっろ‥‥。」
キリハ「ふーん、なかなか可愛いじゃないか?」
ルシア「ちょっとキリハ!その二人はどっちも桃馬じゃないわよ!」
早くも手を出そうとしているキリハ、ルシアは割ってはいる。
キリハ「そうなのか?でもな、この二人のレベルはなかなか上手そうだしな‥じゅる。」
憲明&ギール「ごくり。」
キリハの誘惑とも言える口説きに思わず生唾を飲んだ二人。その瞬間、如何わしい真の服従と言うものを体に感じた。
その証拠に憲明は、無意識に前へと歩み出す。しかし、不穏に感じたリフィルに肩を掴まれ阻止された。
リフィル「の~り~あ~き~♪」
かわいい笑顔で憲明の名前を言うが、憎悪を纏った綺麗な美声と一文字ずつ伸ばしながら呼ぶパターン。リフィル特有の怒りである。肩を掴んだ手は少しでも抵抗しようとすると徐々に力を込めて逃げないようにする。憲明は微量な力加減を肩で感じていた。
リフィルが発した言葉の意味もまた別の意味にも聞こえる。
の~り~あ~き~♪
翻訳
それ以上向こうに行ったら‥わかるわよね?
憲明は大人しく後ろへ後退する。
すると、リフィルは大胆に憲明に抱きついた。
愛が重いカップルではあるが、当然エルフと言う美女がありながら浮気に走る輩は下の下である。学園に広まれば死刑は確実だ。
例外に双方の了承のもとで刑を免れた両津直人をはじめとする、数人のハーレムがいる。
だがそれは、後頭部に銃をつけられてるのと同じ状況である。
二学年生徒条例
ハーレム規定
第一条
女子を除く男子生徒は二人以上の恋人を持ってはならない。
第一条第一項
二人以上恋人を持つ場合、女子側の了承の元であれば刑に値しない。
しかし、別れる行為、厳かにする行為、平等に接することのできない行為を明らかになった場合、学年ハーレム撲滅運動異端審問会にかける。
例外として、女性の方に否がある場合は除外とする。
第二条
第一条で認められたハーレムカップルの恋愛に対する妨害行為を行う者は、男女問わず許されない。
第三条
学園内の過度な不埒な行為は問答無用で死刑。
など。厳しい規則がある。
だが、外であれば別の話である。
リフィルは嫉妬から暴走してしまい。
公の場で憲明に濃厚な接吻をし、憲明に自分が誰の物かを教え込んだ。
ギール「‥うわぁ、ひくわぁ‥。」
小頼「完全にエロゲーイベントね♪」
桜華様「全くこんな公の場で何をしてるのやら‥‥ちらっごくり。」
時奈「ま、まあ、時間も時間だし早く先生たちと合流しよう。」
その頃‥ヤマタノオロチ"サタン"の口の中。
桃馬「んんっ‥あれ‥ここは‥どこだ。」
目を覚ますとそこは暗くねばねばした狭い空間に桃馬はいた。
桃馬「うっ、ねばっこいな。なんだここは‥ま、まさか‥俺何かに食われたのか!?」
突然襲いかかった死の恐怖にパニックになる。
だが、身動きもとれない空間にどうすることもできない。
だが、不思議なのは意外にも心地よい空間という事だ。温い毛布のような感じにパニックに陥っていた心も自然と和らいでいく。
そして、下半身がやけに気持ちが良い。
ズボンを脱がされ何かに"自主規制"されているような感覚だ。
桃馬「うぅ、なんだ‥この空間は‥心地よすぎるだろ。くひっ!?」
突然感じた下半身に感じたことのない強烈な刺激を感じた。
桃馬「はぁはぁ‥な、なんだ‥この空間は‥まさか、俺の精気を吸い取る気か‥く、くそぉ‥こんな得たいの知らない空間にしごかれてたまるか‥。」
お馴染みの強い意思を露にするも、五分も持たなかった‥。
その後は吸い取られるだけ吸い取られた。
一方外では、
サタンは上機嫌に尻尾を振っていた。
シャル「やけにご機嫌が良いのだ♪」
豆太「きっと、先生に会えて嬉しいのでしょう。」
吉田「よしよし、俺も嬉しいよ紗曇♪」
その時サタンから嬉しそうに話した。
うまいうまい。
豆太「ふぇ?うまい?」
シャル「何か食べたのか?」
ジェルド「‥食べた?‥っ、まさか。」
ジェルドは八首を一首一首と見る。
そして、桃馬の頭がないことに気づく。
ジェルド「い、いない!?桃馬がいないぞ!?」
シャル「なぬ!?」
豆太「ふえっ!?」
吉田「さ、紗曇!?桃馬はどうした?!」
紗曇は"ここだよ"と言わんばかりに蕩けて粘液まみれの桃馬が顔を出した。
桃馬「んはぁ‥はへぇ‥。」
ジェルド「と、桃馬‥ごくり。」
桃馬の蕩けきった表情にジェルドの心は滾った。
今すぐ吐き出してほしいと深く願った。
吉田「よかった、食ったかと思ったよ。悪いが桃馬を下ろしてくれないか?」
サタンは満足そうに桃馬を吐き出した。
すると、下半身裸で粘液まみれの情けない男が横たわった。
シャル「うわぁ~、うまいと言う意味は精気でも吸ったのか。」
ジェルド「はぁはぁ。(今しかチャンスはないな‥。)」
豆太「はわわ!?と、桃馬様があられもない姿に‥。」
ディノ「は、早くズボンを用意しないと。」
吉田「そうだな‥このまま女子と合流したら大変だ‥。」
ジェルド「先生俺に任せてください!」
やはりと言わんばかりの名乗り出に、京骨は心配そうに見る。
吉田「おぉ、ジェルド頼めるか?」
ジェルド「はい!」
蕩けた桃馬を抱えて茂みに連れていこうとした時‥。
桜華様「やっと着きましたか‥どうしてここまで歩くのですか‥ん?」
ギール「すまない、色々と訳があるんだよ‥えっ、なっ!?。」
吉田「あっ‥。」
ジェルド「あっ‥。」
最悪なタイミングであった。
桜華様の目には下半身全裸の桃馬の情けない姿と‥ビッグボーイがそそり立っていた。
桜華様「は、はわわ///い、いやー!は、はは、破廉恥な!め、目が腐ります!」
耐性のない桜華様は慌てて目を逸らして
容赦のない罵倒を発した。
しかも初めて見るのが目の敵にしている桃馬であることにショックを受けた。
時奈「ふむふむ、見たところぬるぬる桃馬を食べる気か?」
ジェルド「わふっ!?えあっ‥それは違うよ!?俺はただ桃馬のために‥ために‥。」
当然図星であり、徐々に声が小さくなっていき、尻尾も垂れ下がり始めた。
本来かっこいい犬なのだが、見た目によらず子供っぽくかわいい仕草がたまらない。
最終的には認めることになった。
ジェルド「‥わふぅ‥俺の匂いを上書きしようとしました‥ついでにやれたらと思って‥。」
ギール「折れるの早いな‥。まあ、俺がいる限りそんなの許さないから懸命な判断だな。」
小頼「えっと、その前に下を早く履かせた方が良くないかな?」
ギール「うーん、と言ってもな‥。」
キリハ「へぇ~なんか面白い男がいるな。ん?おや?ヤマタノオロチとは珍しいな。」
時奈「‥えっ?うわっ!?」
桃馬に気を取られて女子たちは一際目立つサタンの存在に気づかなかった。
リフィル「はわわ!?な、ななっなんでこんなところに!?」
憲明「落ち着けリフィル?この子は安全だから。」
リフィル「の、憲明は知ってたの?」
憲明「ま、まあな。街で話すと騒ぎになるからな‥黙っててすまない。」
吉田「ん?げっ!き、キリハ!?」
キリハ「ほ~、よく見れば鷹幸じゃないか~♪久しぶりだな~♪」
吉田「こ、こっち来るな!」
キリハ「なんだよ~、つれないな?元ギルドの仲だろ~♪」
吉田「何が仲だ!ほとんどエロいことしかしてないだろ!?」
キリハ「失礼だな?恋人よりもサタンに執着していたお前に女を教えてやろうと思って親切にしてやってたんだぞ?」
吉田「ぐあぁぁ!やめろ!生徒の前で過去をえぐるな!?」
京骨「先生にもそんなことがあったのか。」
シャル「ぬはは!これは面白いのだ♪」
ここで小話
吉田先生とキリハさんは、数年前まで同じギルドで共にしていた間柄で、キリハは序列二位、吉田少年は序列五位とキリハの方が上でした。
そのため、弱い男ををからかうのが大好きで、吉田少年はいつも被害を受けてました。本来は女の子としかイチャつかないキリハですが、吉田少年だけはおもちゃ兼精処理に使われていました。そのため、サタンと別れるまで週に三回以上、皮肉にも贅沢な日々を送っていたと言う。