第七十話 春の大戦乱祭(10) 聖母と魔王とショタっ子と
春の大戦乱祭もいよいよ終盤、
各生徒たちには、力の限りベストを尽くしてもらいたい所である。
しかし所によっては、淫靡な行為など、
やりたい放題な展開もしばしば。
そんな中でも、
戦に負けたが、
戦いには負けていない御影が、
個人的な願望から暴走。
妹である椿を始め、
ルビア、スザクといちゃつくために、
付近の生徒たちを捕らえては目隠をさせ、
口と耳を水魔法で塞いでいた。
東軍臨界生「んんっ!んんっ!」
東軍二年くノ一「んんっ‥んんっ!」
椿「お、お姉様‥何をするのですか!?」
ルビア「ふへぇ~♪おねえひゃま~♪」
椿とルビアは木に磔にされ、
椿の彼氏であるスザクは、まわりの生徒たちと同様に拘束され、二人の目の前に座らせられていた。
御影「クスッ‥、みんな油断しすぎよ♪私は戦に負けたけど‥、戦いには負けてないからね♪」
椿「そ、そんな!?」
ルビア「はぅ~♪言われてみれば脱落してませんもんね~♪。」
御影の言う通り、
確かに部隊が敗れたからと言って、
そのまま部隊の全員が脱落するとは、
ルール上提示はされていない。
強いて言えば、
総大将を倒される事で全員脱落だが、
その時点で決着である。
しかし実際、
西軍の総大将こと、新西荒儀は、東軍二年五組の"ガチムチ"留学生のベリー・レリフソンに討ち取られるも、審判団はこれを黙殺。
勝敗は決まっているが、
臨界生の到着によりルールが変更。
絶滅戦乱へと変わった。
話は戻し‥。
御影「クスッ‥、スーくんに今の椿の姿見せようかな?ちょっと、その"ヒラヒラ"をたくし上げれば下着は丸見えよね?」
椿「なっ!や、やめてください!?」
御影「クスッ‥いいわ~♪その反応‥はぁはぁ、たまらないわ♪」
御影の心は歪んでいた。
大雑把にまとめると変態と言わざる終えない。
すると御影は、嫌がる妹のくノ一衣装の"ヒラヒラ"をたくし上げると、スザクの拘束を全て解いた。
何の前触れもなく拘束を解かれたスザクは、
御影に下着を丸見えにされ、木に縛られながら恥ずかしがる椿の姿が目に入った。
スザク「んんっ、ん?」
椿「ひぅ!?」
御影「ほら、スーくん♪可愛い恋人よ~♪」
スザク「っ!?」
スザクはあられもない椿の姿に目を逸らした。
御影「あぁん♪だめよ~♪しっかり見ないと?」
椿「み、みないでくれ‥スザク‥はぁはぁ。」
スザク「‥み、御影さん‥な、何してるのですか//つ、椿をこんな風に辱しめないでくださいよ//」
御影「クスッ‥、どうして??もしかして、椿のエッチな姿を見て、暴走しそうなのかな?」
スザク「っ!」
御影「図星みたいね♪可愛い悪魔くん♪」
からかうかの様に、
いやらしくスザクの体を触り始める。
スザク「うぅ、椿‥みないでくれ‥うぅ。」
ルビア「おねえひゃま~♪私にもごほうびを~♪」
御影「ルビアちゃんはそこで見てなさい♪」
ルビア「ふへぇ!?ひょんな~。」
まさかの放置プレイにルビアは、
サキュバスとしての本能が爆発しそうである。
御影がスザクと椿で遊ぼうとした時、
タイミング悪く、こちらに近づく三人の気配を察知した。
御影「あら?こんな時に誰かしら?まあ、いいわ。三人ともちょっと待っててね♪」
御影は水魔法で無数の触手を作り出し、
御影流の束縛術で三人を拘束し、その場を去った。
独特すぎる御影の拘束は、
無数の触手が現れ、容赦なく三人を襲った。
特に椿には強引に口に押し込まれたり、
恥ずかしいところを積極的に責められる事になる。
対してスザクとルビアは、とにかくまとわりつくだけで、恥辱よりもひんやりして心地よいものであった。
椿「ひっ!んんっ!」
スザク「なっ!?つ、椿!?や、やめろ!この!なせ!」
ルビア「ふぁん♪ひんやりひてるぅ~♪」
まさにエロゲーの様な展開、スザクも"やめろ"とは言うものの、内心御影に感謝してしまうほど良い光景であった。
触手の動きは激しく椿の喉奥まで責めた。
椿「んんっ!んはぁ‥ちゅる‥。」
スザク「‥や‥やめ‥‥うぅ、ごくり。」
あまりにも可愛い椿の姿に、スザクの抗議も徐々に大人しくなる。苦しそうに責められる椿の隣には、楽しそうに触手に食らいつくルビアの姿があり、スザクの下半身にダメージが入る。
ルビア「んはぁ~♪この触手おいひぃ~♪」
かなり淫靡な表現だが、それもそのはず御影の純粋な魔力から生み出される純水で清らかな水は、どこぞの山の水よりも美味なのだ。
だが、勿体ないと言えば使い方を大きく間違えてることだろうか。
そして‥触手が爆発する時‥。
椿「んんっ~!ごくごく。」
ルビア「ふぁ~ん♪はむっちゅるる♪」
勢いよくただの水が放出される。
スザク「‥え、えろ‥んんっ!?」
そしてスザクも餌食となった。
その頃、そんな十八禁展開が起きている近くでは、
ギール、シャル、ディノの三人が"こそこそ"と歩いていた。
ギール「なんとか、見合った服を借りれて良かったな。」
ディノ「演劇部が味方で良かったですね。」
シャル「ふむ、少し露出が多い気がするが?」
ミニスカートにヘソ出し半袖Tシャツ、
そして魔王風の黒いマント‥。
胸の谷間を大胆に広げ、
クールながら気品を尊重したエロさも取り入れた。
完全に演劇部に狙われている感じがするものである。
しかし、意外にもシャルは不満そうにしていた。
ギール「‥まあ、その格好だと仕方ないな。確か、その格好をギャルって言ったかな?」
シャル「ギャル??なんだか‥余の名前と類似してるな。」
ディノ「ま、まあ、ギャルと言うのは良くわかりませんが、私はその服はありかと思いますね。」
ギール「ま、まあ、似合わない訳じゃないな。」
シャル「っ!そ、そうか?な、なら、これでもいいな!」
さすがクールになっても、
掌返しはお手の物だ。
だが、ほのぼのもそこまでであった。
突如目の前に、御影が姿を現したのだ
御影「あらあら~♪誰かと思って来てみたら、後輩の"わんちゃん"じゃない♪」
ギール「‥げっ!?み、御影さん‥な、なんでここに‥。」
シャル「ん?知り合いかギール?」
ディノ「す、すごく綺麗な人ですね。」
ギール「ふ、二人とも逃げるぞ‥。勝てる相手じゃない‥。」
シャル「えっ?どうして逃げるのだ?」
ディノ「そうですよ、相手一人ですし三人なら勝てますよ?」
ギール「ほ、本当に相手が悪いんだって!」
御影「クスッ逃がさないわよ♪」
気づけば背後に迫り抱きつこうとする。
しかし、覚醒状態のシャルはそれを許さなかった。
道中拾った死神の鎌みたいな武器を巧みに扱い、ギールに"すれすれ"の攻撃を仕掛けた。
ギール「は、はひっ?」
何が起きたのかわからず硬直する。
だが、瞬時に感じたのは恐怖であった。
御影「よっと‥あらあら、危ない子ね?」
シャル「余のギールに気安く抱きつこうとは‥、良い度胸だな?」
御影「あらあらごめんなさい♪もしかして貴女はギーくんの彼女さんかしら?」
シャル「彼女ではない。ギールは私の兄さんだ。」
恐ろしいくらいの大人口調のシャルに、
ギールはある意味鳥肌がたった。
しかも兄として認め、家族愛を感じさせてくれる事はとても嬉しい事だ。だがしかし、どんな姿になっても所詮はシャルだ。やっぱり気持ちが悪い。
いつもなら、
余の犬なのだ!
お兄ちゃんは、余の奴隷ぞ!
ぬはは!ギールよ!お菓子をもてい!
などと、
この方が落ち着く時点で‥、
完全にいつものシャルに、毒されているのであろう。
御影「クスッ‥なら、そのお兄ちゃんをしっかり守ってみなさい!」
御影は無数の水手裏剣を出し、
四方八方とシャルに向け投げる。
シャル「ディノ!ギールを伏せさせろ!決してあげるでない!」
ディノ「シャル様!?危ないですよ!?うわっ!?」
ギール「うわっ!?あぶなっ!?」
シャルも無数の水手裏剣を弾き応戦する。
ギールとディノは、
ほふく前進をしながら茂みに身を隠した。
御影は想像以上のシャルの実力に遠距離での攻撃は取り止め、接近戦へと変えた。
鉄扇を華麗に扱い、攻撃位置を素早く変えては、また変え、何かを仕込んでる様にも見えた。
すると、鉄扇と鎌でつばぜり合いをした時、
展開の歯車が回る。
シャル「人間にしてはやりおるな?だが、余の敵ではない。」
御影「クスッ‥果たしてそうかしら?」
シャル「ほう?」
御影はつばぜり合いを止め後ろに下がると、
仕込みの成果を見せる。
御影「水術奥義!水焉龍!」
シャルのまわりから水が吹き出し、
水でできた龍が現れる。
シャル「ほう?面白いのが出てきたな?」
御影「クスッ‥これに耐えれるかしら?いきなさい水焉龍!」
勇ましい雄叫びをあげシャルに突っ込む。
しかし、水焉龍はシャルの手前で突然停止した。
御影「っ!ど、どうしたの?」
水焉龍「グルッ‥グルル‥。」
シャル「お主、良く見ると"うい"やつよの?」
シャルの瞳は深紅に染まり、宥めるように撫で始める。すると、水焉龍は心を許したのか頭を擦り寄せてくる。
水焉龍「グルル‥。」
シャル「物わかりの良い甘えん坊なドラゴンだな。」
御影「そ、そんな‥わ、私の奥義が‥、こんな風に止めれるなんて‥。」
初めて奥義が止められた瞬間。
直撃して無傷やギリギリ耐えられた訳ではなく。
手なずけられるという、想定外の結末であった。
シャル「ほう、なるほどな、お主はご主人が好きなのだな?ん?ふむふむ、最近使ってくれないから寂しいとな?」
水焉龍「グルル、グルル。」
とうとう、話までし始めた。
御影「こ、言葉がわかるの!?」
シャル「なんだ?お主、こやつのご主人なのに声がわからないのか?」
御影「え、えぇ‥。」
シャル「ふむ、まあ人にはわからぬか。仕方ないな。」
シャルは水焉龍の頭に手を当て、魔力を注いだ。
すると、技であるはずの水焉龍は光だし、
胴長の体は徐々に小さい人型へと姿を変え、黒い龍の尻尾に短パン、半袖シャツ、水色髪の短髪、女の子みたいな童顔を持つ、男の娘ショタが完成した。
御影「ふぇぇっ!?」
さすがの御影も驚きを隠せなかった。
目の前には、ちんまりとした可愛いショタが何が起きたのか理解できていない表情で首を傾けている。
水焉龍「‥‥?」
シャル「ふ~ん♪お主は豆太に続いて可愛いやつなのだ~♪」
魔力を使いすぎたのか、シャルの体はいつもの小さい姿へと変わり水焉龍に抱きついた。
御影「‥わ、私の水焉龍が‥ぎ、擬人化するなんて‥ゴクリ。」
思わず生唾を飲み水焉龍に近寄る。
水焉龍はシャルの過剰なスキンシップにも動じず御影をじっと見ていた。
ジーー。
水焉龍「‥‥。」
とにかく御影をひたすら見ていた。
御影はその場でしゃがみこむと水焉龍に話しかけた。
御影「えっと‥水焉龍?」
御影が名前を呼ぶと、水焉龍は小さく頷いた。
御影「はぅ‥んんっ‥かわいい。」
会心の一撃であった。
純粋無垢な男の娘ショタの小さな素振りは、爆弾より強いものだった。
シャル「であろう?おーい、ギール、ディノも出てきて触れてみろ~♪」
茂みに隠れていたギールよとディノが茂みから出てくると、二人は目の前の現状に目を疑った。
ギール「はぁ、これだから相手にしたく‥えっ、ちょっ、シャル!?いつの間に戻ったんだ!?」
ディノ「そ、そうですね‥、それよりその可愛らしい方はどなたですか?」
シャル「ぬはは!この子はこの破廉恥娘の使い魔なのだ!だが、今は生まれたての赤子みたいなものだから怖がらせるなよ。」
ギール「まさか、元に戻った原因がその子か?」
シャル「正解なのだ~♪」
ディノ「ふぇ!?せっかく元に戻ったのに!?」
シャル「‥うーん、この姿も気に入ってるのだ♪それに、服もちょうど良いのだ♪」
演劇部から借りたエロエロな衣装も、
小さくなった事により、良い具合に安定していた。
ギール「全くお前ってやつは‥本当に元魔王か?」
シャル「ふっ、余はここに来て色々学んだのだ!余の運命は余で決める。魔王の仕来たりに縛られる事では何も始まらぬ。余は、これから新たな余である事が大切なのだと学んだのだ。」
いつものシャルじゃないと二人は思った。
逆に真面目なことを話しているシャルを見ると皮肉にも気持ちが悪い。
ギール「あはは、化けの皮剥がれない様にな。」
シャル「ぬわっ!余が真面目な話をしたのに、なんじゃその反応は!」
ギールの心無い一言にシャルは食い付く。
やはりシャルはこれでいい。
ディノ「あ、あはは‥。二人とも、あ、相手がいるんですよ?大丈夫なのですか?」
シャル「大丈夫なのだ、もうあの破廉恥娘も余に勝てない事を悟ったであろう。ほら見よ、使い魔と遊んでおる。」
シャルが、御影の方を指差すと、
そこには楽しそうにふれ合う二人がいた。
だが‥、
これが大変な事態を引き起こすことになった。
水焉龍「あうあう~♪マ~マ~♪」
御影「はーい♪よしよし~♪ママはここですよ~♪水毅~♪」
シャル&ディノ「っ!?」
ギール「‥‥。」
まるで聖母、女神の様な光景を見た三人は、
一瞬で真っ白になった。
東軍
二年二組
ギール、シャル、ディノ
御影の聖母フラッシュにより、
戦意喪失のためリタイヤ。
西軍
三年四組
四風御影
水焉龍である水毅に溺愛し、戦意喪失のためリタイヤ。