第六十六話 春の大戦乱祭(6) お待たせしましたくノ一爆誕です。
突如、要であるはずの京骨とルシアの失踪により、東軍右翼部隊の戦局は一転。西軍優勢へと傾いた。
例え、東軍の三年生たちが向かってるとはいえ、
合流する前に崩壊する可能性があった。
ギール「ちっ、一旦引くしかないか。」
エルン「それも良いかもしれないですね。」
同胞たちが次々とやられていく中、一時後退した上、三年生と合流後、反撃する案を二人は考えた。
不思議と西軍の先輩たちを何人倒しても減らない事に疑問はあるが、立て続けに攻勢を緩めない相手に、そこまで考える暇などなかった。
しかし、後方のリフィル率いる部隊は、
一つの共通点に気づいた。
二年生エルフ「リフィルちゃん‥もしかしてこれって、」
リフィル「うん、これは間違いなく、先輩方は分身を使ってるかもね。」
二年生エルフ「ど、どうしよう。それだとキリがないよ!?」
リフィル「‥策はあるわ。ギールたちも一旦退く事は考えているはず‥。ここは、後退の援護をしつつ、先輩と合流して立て直した方がいいわ。」
二年生エルフ「‥な、なるほど!では早速後退の合図を‥。」
ルビア「その合図ちょっと待った~♪」
どこから現れたのか、エチエチな忍姿をしたオレンジ髪の短髪サキュバスが現れた。
ルビア「いや~♪想像以上に相手が多くて大変だったよ♪」
リフィル「お疲れ様ルビアちゃん♪ちょうど良いところで帰って来たね♪それで相手の戦略は分身戦術かしら?」
ルビア「ピンポーン大正解♪それより、リフィルちゃん、ここは一旦後退した方がいいよ。このまま戦っても私たちが疲弊するだけだよ。」
リフィル「やっぱり、そうだったのね。そうなると、この戦術は相手一人の仕業ではなさそうね。」
ルビア「うんうん、少なくても十人以上で大量生産してるよ。」
リフィル「十人‥これは直ぐにでも後退をさせましょう。急いでギールたちに後退の合図を!私たちは援護に回ります!」
二年生エルフ「はい!すぐに伝えます!」
ルビア「リフィルちゃんカッコいい~♪」
リフィル「‥クスッ、ルビアちゃんのくノ一姿も可愛いよ♪」
ルビア「えへへ~♪あいたっ!?」
誉められて気が緩んだルビアに、背後から茶髪ポニーテールの美しいくノ一が、ハリセンで渇を入れた。
?「ルビア笑ってる暇はないぞ?」
ルビア「ふぇ~、椿ちゃん痛いよ~。」
痛がる素振りを見せるルビアの前には、
露出度が高く、薄い黒色の忍び服と挑発的な黒ニーソを身につけ、サキュバスであるルビアに負けず劣らずのスタイルとエロさを感じる美女、四風椿が立っていた。
既に、お気づきかもしれないが二年四組は、サキュバスやくノ一などのエロキャラが多いクラスである。
そのため、四組に入った男子たちは、各クラスから羨ましいと思われている。しかし、実際蓋を開けてみれば、男としてのプライドがズタズタにされるデメリットばかりのクラスである。
四組のくノ一は全員戦闘力が高く、普通の男‥いや、魔族、異界出身の人でさえも簡単に倒してしまう程の強さを持っている。
更に追い討ちに、サキュバスたちに、トラウマを植え付けられ、ドレインタッチで色々力が吸われるため、男たちに取っては肩身が狭いクラスである。
おそらく、普通に幸せに暮らせてるのは京骨を含めた数名だろう。
椿「まったく、一早く逃げてリフィルに甘えるとは‥。」
リフィル「ふぇ!?逃げて来てたの!?」
ルビア「あ、あはは~ちょっとくらい良いでしょ?」
椿「だめだ、ほら、分身を生み出している相手を倒しにいくぞ!」
ルビア「えっと、それなら椿ちゃんだけで楽勝かと‥。」
椿「時間無制限ならな。だが、今は急がないといけない時だ、お前も来るんだ!」
ルビア「うぅ、は、はーい。」
くっころタイプの椿は、
容赦なくルビアに圧をかけ連れ出した。
東軍右翼部隊は、後退の合図を出すとギールたちは迅速に後退し始める。後を追う西軍に、リフィル率いる弓隊が全力で援護する。
しかし、相手の人数は減ることはなく、
倒れては消え、倒れては消えを繰り返した。
西軍はこの気に乗じて最後の攻撃に転じた。
目指すは東軍の本陣と聖籠忍の首である。
忍の割合が多い三年四組は、分身作戦を強化のため増員。更に攻勢に勢いがかかる。
既に勝敗が決まってる事と、
東軍が総攻撃に来ていることも知らずに‥。
そして、西軍の分身術を止めるべく三年四組の陣に乗り込んだ二年四組のくノ一たちは、三年生の四風御影率いるくノ一と交戦した。
御影「よっと♪みんな殺気が強いわよ~♪一人前の忍になりたいのなら、気配を消しなさい♪」
二年くノ一「はぁはぁ‥さすが千年の天才です。」
二年くノ一「うぅ、手も足もでないよ~。椿ちゃん‥助けてぇ~。」
ここで小話
四風御影は千年の天才と言われた最強のくノ一。ベージュ色のセミロングヘアーに、椿くらいの高身長と豊満な胸。そして、色々と溢れ落ちるのではないかと言うくらいのギリギリの忍び服。
最後に白ニーソと言う破壊力。
そして、四風椿の姉で、椿とは違いふわふわとした、おしとやかな天然お姉さん属性持ち。
ちなみに、去年の夏。
亀田映果に誘われ水着写真集を撮り、小頼商会に流したところ爆発的に売れ、男女問わず人気を出し、サキュバス写真集の売上を越えた伝説がある。
ただでさえ、普通の男なら見ただけで、
魅了されてしまう程のスタイルとカリスマキャラたと言うのに、写真集を出しては男女問わずに寄ってくるわけである。
だが、御影には優秀で堅物な椿がいるため、
相手が先輩であろうが、御影に近寄る男や女たちを蹴散らし、記憶を消すと言う恐ろしい行為により、この話を知る者は一部しかいない。
ちなみに、戦犯の小頼と映果はきついお灸を据えられ、敢えて記憶を消されずにしている。
そのため椿は、戦犯二人に取って天敵である。
御影「さぁ~て、次は誰かしら?」
鉄扇を扇ぎ余裕の構えを見せる。
三年くノ一「み、御影ちゃん‥。戦うのは良いんだけど‥味方まで巻き込まないでよ。」
御影「ほえ?」
天然お姉さんは辺りを見渡すと、
確かに五人くらい巻き込んでいた。
天才でも欠点はあるもの、御影の場合は戦いになると敵味方が分からなくなると言う致命的な欠点があった。
御影「あらあら、私ったら‥またやってしまったのね‥‥よよよ‥。」
三年くノ一「と、とりあえず、ここは私たちでやるから、少し待機しててね?」
御影「はぁ~い。みんな怪我しないようにね♪」
三年くノ一「うぐっ‥はぁ、これは将来、良妻ね‥。」
御影が陣に戻ろうとすると、
ちょうど椿とルビアが到着した。
椿「お姉さま!」
ルビア「よっと!ルビア参上~♪」
二年くノ一「椿ちゃん~遅いよ~!」
二年くノ一「よ、よかった‥これで少し安心するよ。」
要の二人の登場に、二年くノ一たちは安堵する。
御影「あらあら、椿ちゃん♪ようやく来たのね~♪ルビアちゃんも忍びなら簡単に逃げちゃダメよ?」
ルビア「ご、ごめんなさい‥あはは。」
優しい口調で語りかけられたルビアは、
少し怯えていた。
戦闘モードの御影先輩が怖すぎて逃げたなんて口が裂けても言えない‥。先輩は人間なのに、女神と鬼を兼揃えた‥ある意味‥神のレベルだよ‥。
御影「それじゃあ‥私はどうしたら良いかしら?」
三年くノ一「と、とりあえず控えてください。」
御影「はぁ~い♪」
椿「あっ、お姉様!?」
三年くノ一「おっと、椿ちゃんたちは、私たちと相手をしてもらうわ!」
椿「‥なるほど、なら早いところ片付けさせてもらいます!」
ルビア「にしし、先輩でも手加減しませんよ!」
三年くノ一「ルビアちゃんはまた尻尾を巻いて逃げてもらいましょうね!」
三年生のくノ一は、学園支給のクナイを投げて先制した。しかし、二人の前では意図も簡単に、クナイを弾き反撃に出る。この隙に、残り数名になった二年生のくノ一たちも動く。
くノ一同士の戦いはとてもエロい。
パンチラ、激しい胸の動き、色っぽい声、
柔らかな柔軟性、美しい剣技、破ける忍び服‥。
もはや、綺麗な華であると言える。
椿とルビアは、目の前の三年生のくノ一を蹴散らすと、急いで御影の元に向かう。
椿「お姉さま!」
御影「あらあら、もう来たのね?やっぱり椿とルビアちゃん二人相手だと荷が重かったみたいね~♪」
ルビア「いや~♪それほどでも~♪」
椿「ルビア!浮かれてる場合じゃないぞ!」
ルビア「あっ、そ、そうだった。こほん、御影先輩!私たちが勝ったら‥一日私のおもちゃになってもらいますよ!」
御影「いいわよ♪じゃあ、いつも通り私が勝ったら、二人は私のわがままに付き合うこと♪」
椿「なっ!わ、私は関係ないでしょう!?」
突然巻き込まれた椿は、慌てて対象から外そうとする。このまま御影が勝てば、ルビアの"コリコリ"とした尻尾を"しゃぶられ"、体も激しく責められた挙げ句、魔力を吸われ、御影の忍力に変えられてしまう。
椿の場合は、御影の自堕落な生活を一週間黙認した上、一日一回の姉妹のスキンシップに付き合うこと‥である。
御影「さぁ‥いくわよ!」
鉄扇を広げ、優しげに閉じていた目が開くと、
その瞳は、狂気的ではあるが、不思議と引かれてしまう様な瞳をしていた。