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第五十二話 妖楼温泉街編(9) 水楽祭ノ章

広大なプール施設にて、ギールとシャルの二人が楽しく遊んでいる頃。


"灼熱湯ノ間"で、カオスな展開を繰り返していた桃馬たちはと言うと、タコ丸先輩による淫靡なマッサージが終わり、現在は色々あってリール以外の全員が床などに倒れ込んでいた。


※床に倒れている者。

マッサージを受けた脱力した者。

(小頼、リフィル、晴斗、エルン、ディノ。)


マッサージを受けた五人の姿を見てしまった事により、興奮のあまり鼻血を多量に噴き出しながら気絶してしまった者。(桃馬、直人、ジェルド。)


桃馬たちから少し離れた安全地帯には。


先の作戦で、裸姿のリフィルに抱きつき、そのままリフィルに抱き締められながら、大量の鼻血を噴き出し気絶した憲明。


そして、桃馬に唇を奪われたショックで気絶してしまった"桜華(様)"の二人が、寝かされていた。



リール「うーん、困ったな〜。タコ丸さんを帰したのは、やっぱり失敗だったかな〜。」


一人でも何とかなると思い、マッサージを終えたタコ丸先輩を帰してしまったリールは、思っていた以上に静まり返った空間に少し寂しさを感じていた。


リール「う〜ん、どうしようかな。ここは大量出血で倒れた直人を起こすべきか……。う〜ん、んっ?」


リールが、"ブツブツ"と独り言を(つぶや)いていると、近くで気絶している直人と、マッサージの影響で蕩けているエルンに視線を向けた。


するとリールは、少しいい事を思い付いた。


リール「ごくり、も、もしかして、い、今なら誰にも怪しまれずに直人の隣で寝られるのでは!?」


いい事と言っても添い寝程度ではあるが、直人の彼女兼嫁となった事でリールは、少し恋に関して意識する様になっていた。


するとリールは、敢えて直人とエルンの間に入り込もうとせず、空いている直人の右隣に寝転ぶなり、そのまま右腕にしがみついた。


すると先程まで蕩けていたエルンが、何かを察したのか、突然我に返るなり声を上げる。


エルン「はっ!?わ、私は今まで何を……んっ?って、こ、こらリール!?ね、寝ている直人に何をしているんだ!?」


リール「ふっふっ、やっぱり食いついて来たね~♪やっぱりエルンは、直人の事になると凄く敏感になるね〜。」


エルン「なっ///そ、そんな事は……って、あ、あれ?」


リール「ん?どうしたの?」


エルン「あ、いや、あれ程まで蕩けきっていた体が、瞬時に動ける様になったのが不思議でな。」


先程まで味わった事のない快感に負けて蕩けきっていた体が、一瞬で自由に動ける様になっている事にエルンは驚いていた。


普段の周期的な発情期の際でも、サキュバスとしての本能を抑え込むために、かなりの時間を要するものである。


そのため今回受けたマッサージの様に、サキュバスとしての本能を(くすぐ)らせ、全身の力が入らなくなるまで蕩けてしまったパターンは、普段のエルンでも、数日程はまともに動けないはずであった。



リール「ふむふむ、なるほどなるほど〜。もしかしたらエルンは、直人が私に取られてしまうかもしれないと言う初心(うぶ)な嫉妬の力で、超回復をしたのかもね〜♪」


エルン「なっ///ば、バカを言うな!?わ、私がリールに嫉妬など……。」


リール「そう隠さなくてもいいよ♪今までエルンは、ずっと直人に一途だったんでしょ?それに比べて私は、親友以上で恋人未満みたいな関係だったから、愛の重さはエルンの方が上だよ〜♪」


エルン「し、親友以上で恋人未満か‥‥。な、何か複雑だな。」


リール「まあまあ、簡単に言えば背中を預けられる相棒みたいな関係だよ♪」


エルン「っ、相棒か……。」


リール「ふっふ〜ん♪、ちなみにこの座だけは、例えエルンでも渡すつもりはありませ〜ん♪」


エルン「わ、私は……、ただ愛されるだけは嫌だな。」


リール「あはは、相変わらずエルンは真面目だね~♪」


静かな空間で二人の美女が話をする中、するとここで、少し離れた安全地帯に寝かされていた桜華が目を覚ました。


桜華「んんっ、はへっ?ここは…。」


桜華様から元の姿に戻った桜華は、片手で目元を擦りながら辺りをキョロキョロと見渡し始めた。


すると目の前には、桃馬たち全員が床に寝転がっており、桜華のすぐ隣には、鼻の穴にティッシュを詰められた憲明が眠っていた。


ぼんやりながらも、"桜華様"になっていた時の記憶が脳裏によぎる中、果たして"その"記憶が夢であったのか、それとも現実であったのか、正直あやふやな状態であった。


そのため桜華は、現状を確認するため、隣で寝ている憲明を叩き起こそうとする。


桜華「の、憲明!起きてください!起きてください!」


現状を知りたいがために、憲明の肩を掴んだ桜華は、憲明の首が前後に激しく揺さぶられる程の強さで起こそうとした。


すると、憲明の首が"ゴキッ"と鈍い音が鳴った瞬間、憲明は声を上げながら目を覚ました。


憲明「あたたっ!な、なんだやめろって!?」


桜華「っ、ご、ごめんなさい!?」


憲明が目を覚ましました事で、桜華は慌てて憲明の肩から手を離した。


憲明「うぅ、いってて……、いきなり何するんだよ?」


桜華「うぅ、ご、ごめんなさい。目が覚めて辺りを見渡したら、みんなが床に寝ているものだから…つい……。」


憲明「みんなが床に?」


桜華「うんうん!」


桜華の話に少々疑問に感じた憲明は、視線を桃馬たちが寝ている方へと向けた。


確かに桜華の言う通り、桃馬たちは床で寝ているが、リールとエルンの声が聞こえるのを察するに、一部は起きている様であった。



憲明「…た、確かにそうだな。うーん、ん?そう言えば俺……、どうして寝てたんだっけ?」


裸姿のリフィルに抱き締められ、大量の鼻血を噴き出し気絶していた憲明は、桜華様の一件を忘れてしまっていた。


そんな憲明に対して桜華は、夢か現実か、あやふやになっている記憶について尋ねようとする。


桜華「っ、ね、ねえ憲明。ちょっと聞きたい事があるんだけど……。」


憲明「ん、何かな?」


桜華「えっと、その〜、ほんのちょっと前の事だと思うんだけど…、わ、私の様子が"おかしく"なったりとかしていませんでしたか?」


憲明「ん?様子がおかしく……、おかしくか……。あっ、そうだ桜華!も、元に戻ったのかい!?」


桜華の話を聞いた憲明は、先程まで慌ただしくなっていた"桜華様"の一件を思い出した。


すると憲明は、慌てた様子で桜華の両肩を掴むなり、桜華が元の姿に戻ったのか確認し始める。


これに対して桜華は、あやふやになっていた記憶が現実の記憶であったと認識するなり、顔を真っ赤に染めた。


桜華「や、やっぱり、こ、この記憶は現実の記憶……はわわ!?ご、ごご、ごめんなさい///」


憲明「そ、その様子だと元の桜華に戻った様だな。パープル色だった髪も、いつものピンク色に戻っているしな。」


桜華「うぅ〜///わ、私は、みんなに何て酷い事を〜///はっ!?も、もも、もしかして……、と、とと、桃馬からされたあのキスも本物!?」


夢であって欲しい記憶が、現実の物であると分かった俊寛、桜華は今までに無い程に慌てふためいた。


憲明「ふ~ん、豹変していた時の記憶があると言う事は、桜華が二重人格なのか……。それとも混乱による一時的な変貌だったのか……。あるいは……。」


桜華「れ、冷静に分析しないでくださいよ〜!?うう、ふぇ〜ん、桃馬に嫌われちゃうよ〜!」


憲明が冷静に分析を始める中、桜華の泣き声に反応したリールとエルンが、急いで桜華の元へ駆けつけた。


これに対してリールは、憲明が親友である桜華を泣かせたと勘違いをしてしまい、憲明に目掛けて飛び蹴りを入れる。


リール「こら〜!憲明〜!桜華ちゃんを泣かせるな〜!」


憲明「ん?よっと。」


リール「ぬわっ!?へぶっ!?」


勢いよく飛び蹴りを仕掛けたリールであったが、憲明の冷静な対応で"しゃがみ"込まれてしまい、リールはそのまま壁に激突してしまった。


憲明「ん?何してるんだリール?」


リール「‥や、やる……な……。ふにゅ‥。」


桜華「り、リールちゃん!?し、しっかりして!?」


勢いよく壁に激突したリールは、そのまま気絶してしまった。


もはや収拾が全くつかない中、少し頭を抱えた憲明は、桜華とエルンと共に、色々な理由で寝ている者たちの介抱を始めた。


特に桜華は、お詫びの気持ちを込めながら寝ている者たちに、精霊の力を注いだ。


これにより桃馬たちは、色々な面において全回復を遂げた。


すると桜華は、すぐにみんなの前で頭を下げた。


桜華「み、皆さんごめんなさい!こ、この度は、大変なご迷惑をおかけしました!」


かなり責任を感じているのか、桜華はペコペコと頭を下げていた。


桃馬「だ、大丈夫だよ桜華♪それより元の桜華に戻ってよかったよ。」


リール「うんうん、桜華様モードも"かっこよかった"けど、やっぱり桜華ちゃんは、今のままが一番良いね♪」


桜華「うぅ、は、恥ずかしいですよ///」


色々な感情に耐えられない桜華は、顔を真っ赤に染めながら両手で顔を隠した。


小頼&リフィル「可愛い~♪」


小頼「恥じらいの乙女と気高いお嬢様を持ち合わせる桜華ちゃん……、はぁはぁ、堪らないわ。」


リフィル「うんうん!この二つのギャップが実に堪らないわ♪」


桜華「うう〜///」


小頼とリフィルは、恥じらう桜華の姿に目を奪われながら、桜華を(じく)にして"ぐるぐる"と回り始めた。


桃馬「うーん、クールな桜華も悪くなかったけど、やっぱり俺は、いつもの"おおらか"で元気な桜華がいいかな。」


ジェルド「まあ、それはそれで桜華らしいけど……。やっぱり俺は、クールな桜華も捨て難いな。もし出来る事なら"桜華様"に豹変した桜華に、一度でいいから俺の大切なリードを握らせて、そのまま散歩に連れ出して欲しいな〜。」


憲明「……はぁ、(流石は駄犬…。全く懲りてないな。)」


桃馬「……。(相変わらず自分より上だと思った相手には、とことん尻尾を振りたがるよな……。どうせジェルドの事だ、桜華様を引き出した後の事なんて……、全く考えていないんだろうな。)」


あれ程まで大変な思いをしたと言うのに、桃馬と憲明の前に居る駄犬は、ドM属性と変態駄犬属性を(こじ)らせ、桜華様との再会を望んでいた。


そのため桃馬と憲明は、心の中で呆れていた。


その一方、三人の話を耳にしてしまった直人は、思わず本音を口ずさんでしまう。


直人「全く、相変わらずジェルドの特殊な変態属性には困ったものだな。」


エルン「っ、と、特殊な変態属性……。」


"特殊な変態属性"と言うワードに、思わず反応してしまったエルンは、自分の淫らな一面を思い浮かべてしまった。


直人「ん?どうしたエルン?」


エルン「えっ、あ、いや……、な、何でもないぞ?」


直人「…ふぅ、そうか何でもないのか〜。」


エルン「あ、あぁ……。」


直人「うーん、でもどうしてかな〜?エルンは言いたくなくても、尻尾は何かを伝えたそうにしてるんだよな〜。」


エルン「なっ、〜っ///」


直人からの指摘に、エルンは顔を真っ赤にさせながら自らの尻尾を掴んだ。


そもそも、エルンの嘘は非常に分かりやすい。


まず、尻尾を出している時は、必ずと言うレベルで、尻尾をぎこちなく左右に振り始める。


また、尻尾の有無に関係なく、普段より話し方と表情が固かったり、所々戸惑いを感じるさせる仕草をする時は、大抵嘘をついているか、動揺しているかのどちらかである。


直人「ふぅ、何か言いたい事があるなら、素直に言えばいいじゃないか?」


エルン「〜っ///…え、えっと……その……わ……わた…………マッ………ジ…受け……。」


かなり言いずらい事なのだろうか。


エルンは、ボソボソとした小さな声で話していた。


直人「……??ご、ごめん、聞き取れなかった。もう一回頼めるかな?」


エルン「うぅ、えっ、えっと…、だな。その‥、わ、私が、マ、マッサージを受けている時…、お、おそらく直人は、わ、私の淫らな姿を見てしまったと思うが……、正直、私の淫らな姿を見て……、な、直人は、ど、どう思った……かな///」


直人「なっ///え、えっと‥‥、そ、そりゃあ、か、可愛いと思ったよ……。そ、その、つい抱き締めたくなるくらい///」


自ら"言いたい事があるなら遠慮なく言え"みたいな事を言っておきながら、実際エルンの話を聞いた直人は、少し後悔しながら恥ずかしそうに感想を答えた。


エルン「そ、そそっ、そうか〜///そうなんだな〜、あ、あはは〜///」


お互い恥ずかしい思いする中で、ここでエルンが無意識に思い切った行動を取り始める。


無意識とは言え、ジリジリと直人の右隣に移動したエルンは、そのまま自分の左肩を直人の右腕にくっつけた。


すると、直人も無意識なのか。右腕をゆっくりエルンの右肩へ伸ばすと、そっと右肩に手を置くなり、優しく自分の方へ引き寄せた。


エルン「っ!?」


思わず声が漏れそうになったエルンであったが、不思議と感じる安心感に身を委ねた。


そんな時、エルンの心の中では、直人の初恋である"魔界剣士"リグリードを思い浮かべた。


付き合いからしても、剣技にしても、未熟な自分では、色々な面においても程遠(ほどとお)いと感じていた。


それでもエルンは、直人と釣り合える相応しい女になりたいと願いつつ、改めて強い意志を固めるのであった。


しかし、その強い意志で固められた願いは、既に叶えられた願いであり、真面目なエルンが気付く事はなかった。


するとそこへ、二人のイチャラブな光景を後ろから見せられている晴斗が、咳払いをしながら話に割り込んで来る。


晴斗「こほん、こらこら二人とも?イチャつくのは構わないけど、少しは(うし)ろにも気を配った方がいいぞ?」


直人「うっ!?」


エルン「なっ!?」


晴斗の声に驚いた二人は、すぐに振り返った。


晴斗「ふぅ、油断は禁物だよ。もうすぐ"春の大戦乱祭"が始まるんだから、羽目を外して惚気け過ぎるなよ?」


直人「っ、そ、そうだな。……うぅ、な、なあ晴斗?」


晴斗「ん、どうした?」


直人「えっと、こんな事を言うのもあれなんだけど……。今年の"春の大戦乱祭"…、エルンとリールを人質に捕られたら……、俺はもうだめかもしれない。」


晴斗「うーん、まあ、そうだろうね。もし相手側に三人の関係性を知られたら、真っ先にエルンとリールは狙われるだろうし……、最悪は、大戦乱祭が始まる前に襲って来る可能性だってある。」


直人「っ!?」


エルン「た、確かに可能性はあるな。下手をすれば、私たちのせいで直人に迷惑を掛けてしまうと言う事か。」


晴斗の危惧にエルンは深刻そうな表情を作った。


すると直人は、不安に駆られるエルンに対して声を掛ける。


直人「そう深刻な顔をするなよ?そもそもエルンの剣技は、リールも含めて俺より強いから大丈夫だよ。」


エルン「し、しかし、相手は勝つためなら、卑怯な手段を使ってでも勝ちに来るぞ。現に、去年の"秋の大戦乱祭"では、卑怯な手口を平気で使っていたからな。」


直人「うーん、確かに、校内と校外での襲撃……。学園内での賄賂(わいろ)脅迫(きょうはく)……。いやはや、考えるだけでも面倒だけど……、そもそも、俺の大切なエルンとリールに手を出そうとする輩が居るなら……、俺は容赦なくその輩を叩きのめして病院送りにしてやる。」


優しい表情を浮かべている直人であったが、腹立たしい想像をするに連れ、徐々に優しい表情から鬼人の如く恐ろしい表情へと変わり、黒い瞳は禍々しいしく真紅(しんく)色に光り出した。


この直人の表情にエルンは、恋心を超えてサキュバスとしての本能を掻き立たせてしまう。


エルン「っ、はぁはぁ……。その目…いい……。」


直人「ん?俺の目がどうした?」


思わず心の声が漏れ出てしまったエルンの本音に、全く意味を理解していない直人は、愚かにも聞き返してしまった。


何ともむず痒い光景を見せられている晴斗は、堪らず(ひたい)に手を当てながら呆れ返っていた。


エルン「ふぇ、あっ、んんっ、す、すまない、少し取り乱してしまった。」


直人の鈍感属性のお陰で、間一髪の所でサキュバスの本能を抑え込んだエルンであった。


一方、未だに禍々しい瞳を解除しない直人に対して、見かねた晴斗が指摘する。


晴斗「はぁ、ほら直人?そろそろ、その鬼人見たいな表情と、その禍々しい真紅色の瞳を元に戻せ。」


直人「えっ、あ、あぁ、分かった……。(やっべ、どうやって戻せるんだ……。)」


晴斗からの指摘を受けた直人であったが、どうすれば元の表情と瞳に戻せるのか分からなかった。


そのため直人は、取り敢えず心の感情による変動で作用しているのではないかと考え深呼吸を始めた。


直人「すぅ〜はぁ〜、ど、どうだ?」


晴斗「どれどれ、うん、大丈夫だよ。」


どうやら正解だった様だ。


鈍感な直人でも勘は冴えている様である。


直人「ふぅ、良かった。(やっぱり、姿を変える作用は、心の感情次第の様だな。そう考えると"鬼仏(おにぼとけ)"の力と似ているな。)」



晴斗「うーん、それにしても感情一つで人間から妖怪に変わるのか。ある意味、都合よく姿を変えられるのは便利かもしれないだけど、妖怪としては何か中途半端だな。」


直人「中途半端か……。」


エルン「で、でも私は、今のままでも魅力的だと思うぞ?」


直人「えっ?」


晴斗「エルンの言う通りだな。俺もそのままの直人がいいな。」


直人「……そ、そうか。今の状態が魅力的……か。」


何の変わり()えもしない本来あるべき現状を考えさせられた直人は、この言葉の大元でもある"本来あるべき価値観"と言う物を考えさせられた。


すると直人は、ここに来てとある重要な事を思い出す。


直人「あっ、そう言えば!まだ、ギールたちが来てないじゃん!?」


晴斗「た、確かにそうだな。えーっと、俺たちがここに来てから二時間以上経っているから、そろそろ来てもいい気がするけどな。」


直人「二時間か。うーん、もしかしたらギールは、プールの方に直行したかもな。」


晴斗「あ〜、確かにそれは有り得るな。」


直人「よ、よし、取り敢えず熱湯のお遊びはここまでにして、早速プールへ行って見るとしようか。」



その後、桃馬たち一行は、直人からの提案により、既にギールとシャルが居るであろうプールへと向かうのであった。


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