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第五十話 妖楼温泉街編(7) 惚気ノ章

豹変した桜華様を元の桜華に戻した桃馬たちは、先の一件で裏切ったリフィルと小頼を捕らえると、今回の事態を招いた晴斗と共に、楽しい楽しい罰ゲームを執行しようとしていた。


桃馬たちの目の前には、両手両足を縛られた三人がその場に座っており、罰ゲームの瞬間を待たされていた。


桃馬「さてと、お楽しみの罰ゲームの時間だ。」


小頼「あ、あはは〜、ね、ねえ桃馬〜?桜華ちゃんも無事に戻った訳だし、今更いがみ合わなくても良いんじゃないかな〜?」


桃馬「う〜ん?まあ、確かに一理あるけど‥、それとこれは別だよ♪」


苦し紛れに出た小頼の交渉も虚しく、桃馬に嘲笑(ちょうしょう)されながら受け入れを拒否された。


小頼「そ、そんな~!?ほ、ほら敵を(あざむ)くにはまず味方からって言うでしょ?だから、許してよ~。」


確かに、先程から小頼の言う意見も一理ある。


それなら共に裏切ったリフィルにも事情を聞きたいところだが、桜華様から高度な責めを受けた快感の余韻が抜けないのか、未だに蕩けてる状態であった。


そのため、今のリフィルにいくら質問したとしても、的確な答えが返って来るのは難しいと思われた。


正直、今更リフィルに事情を聞き出さなくても、あの時の表情を思い返せば、完全に悪意のある裏切りであったと断定ができる。


そのため、こんなリフィルでも到底許す訳にはいかなかった。


桃馬「すまんな、我慢して罰ゲームを受けろ。」


小頼「そ、そんな~!?」


ジェルド「それより直人?三人を縛り付けたのはいいけど、どんな罰ゲームをするんだ?」


直人「それは見てのお楽しみだよ。こほん、タコ丸先輩、出番ですよ〜、お願いしま〜す。」


桃馬&ジェルド「た、タコ丸先輩?」


直人の呼び出しに、関係者以外立ち入り禁止の所から巨大なタコがぬるりと現れた。


想像を越えた罰ゲームの執行人に、直人を除く全員が驚いた。


小頼「ふぇ!?」


桃馬「…ごくり、こ、これは、エロゲー展開になるやつかもな。」


ジェルド「さ、流石にそれは、やり過ぎな気がするけど……。」


ディノ「く、クラーケンが、ど、どうしてここに!?」


エルン「ま、まさかこれは、触手責めでもする気なのか!?」


リール「ふぁ~、美味しそう…じゅる。」


巨大なタコを見た桃馬たちの感想はバラバラではあるが、直人は気にせず話を進める。


直人「お久しぶりです、タコ丸先輩。やはり、人型の姿は慣れませんか?」


直人がタコ丸と言う妖怪に語りかけると、タコ丸は華麗に宙返りを決めると、タコの見た目とは想像もつかない様な、モデル級の赤髪青年へと姿を変えた。


タコ丸「いや~、最近ようやく慣れて来てはいるんだけど、やっぱり、いつもの姿の方が何かと便利なんだよな。」


直人「まあ確かに、使える手は多いですからね。」


タコ丸「まあ、そう言う事だ。んで、この三人を指圧すれば良いのか?」


直人「はい、お願いします。」


タコ丸「よし、あと一つ聞きたいんだけど、何で手足を縛っているんだ?」


直人「雰囲気を出すためです。」


タコ丸「雰囲気?ま、まあよく分からないが、まずは下見だな。」


少しかっこいい顔をしたタコ丸は、三人に近寄ると体の隅々を調べ始める。


小頼「あ、あの…。」


タコ丸「ん?なんですか?」


小頼「わ、私たちに、ど、どんな恥辱プレイをするのですか?」


タコ丸「えっ、恥辱?あぁ、なるほどね。雰囲気ってそう言う事か。」


小頼からの質問で、ようやく直人が言っていた意味を理解したタコ丸先輩は、直人の方に視線を向けた。


タコ丸「おい直人?俺のマッサージは、そんな風に見えるのか?」


直人「"見えない"から縛っているんです。……すみません、普通にマッサージするだけで良いですから。」


小頼「ま、マッサージ?」


意外な罰ゲームに桃馬とジェルドが、直人に詰め寄り始める。


桃馬「マッサージだと!?それでは罰ゲームにならないだろ!?」


ジェルド「そうだ!俺達は熱い思いをしたってのに、小頼たちにはご褒美か!?」


直人「ま、まあまあ、見れば分かるよ。タコ丸先輩、気にせずお願いします。」


タコ丸「ふむぅ、まあ、いつも通りで良いのなら…。」


タコ丸先輩が再び宙返りをすると、直ぐにタコの姿へと戻った。


するとタコ丸先輩は、太い触手を小頼に向けて伸ばすなり、小頼の全身に太い触手を絡みつかせ、更には、触手についた無数の吸盤が小頼の肌に吸い付き始める。


小頼「ふぁ!?な、何これ!?」


触手に巻き付かれた小頼の姿に、傍観者たちは固唾を飲んだ。


あの小頼でさえも絵になる光景だと言うのに、もしここで、蕩けきったリフィルにも同じ様な目に合わせたらどうなるのか……、想像するだけでも危険な予感を感じさせた。


しかし、普段通りのマッサージをするタコ丸先輩は、至って真面目に仕事に励んでいた。


時折漏らす小頼の色っぽい声に、桃馬とジェルドが注目する中、タコ丸先輩は一切反応を見せなかった。


これが、思春期の少年と大人の差であった。


直人「全く、この二人は……。」


だらしのない二人を見る直人は、思わず(ひたい)に手を当てた。


エルン「あ、あれが、マッサージなのか?」


リール「あう、凄く気持ち良さそう。」


ディノ「あ、悪意は無さそうですね。」


直人「そりゃそうだ。なんせタコ丸先輩は、この温泉街の中で一番腕が(たつ)"ほぐし屋"だからな。もしよかったら三人もしてもらうか?」


エルン「い、いいのか!?」


リール「ふぇ!いいの!?」


ディノ「よ、よろしいのですか?」


直人「まあ、聞いて見てだけどな。」


四人が悠長な話をしていると、小頼の色っぽい声が激しく響いた。嫌らしい音を奏でながら、全身を揉みほぐされている小頼は、今まで感じた事のない快感を教え込まれた。


するとタコ丸先輩は、小頼のマッサージをしながら次に大本命とも言えるリフィルに太い触手を伸ばした。


既に蕩けているリフィルは、迫り来る太い触手に対して何の抵抗も無く受け入れた。


これにリフィルは、小頼と同様に太い触手によって全身を絡みつかれた事で、無数の吸盤がリフィルの透き通る様な白い肌に吸い付いた。


予想通りリフィルは、少し触れられただけでも(つや)やかな声を漏らし、思春期の男子たちの本能を刺激させる様な声を上げまくった。


やはり、いけないスイッチが入っている分、歯止めが効かない様であった。


そのため、何回も"ビクン!"っと体を跳ねては、甘い吐息を漏らしながら震えたりしていた。



さて、お次は戦犯者にして"野郎"の晴斗である…。


未だに気絶しているとは言え、病弱キャラとして腐女子層から人気のある晴斗ではあるが、果たしてどんな声を出すのであろうか。


さあ、美男子拘束触手プレイのお時間である。


晴斗もまた、タコ丸先輩の太い触手に巻き付かれるなり、極上のマッサージを受けた。


しかし、気絶している事もあり反応は小さいが、時折漏れるエロい美声は、想像以上に破壊力があった。


この光景にリールとエルンはもちろんの事。


晴斗に対して、何の期待もしていなかったはずの桃馬とジェルドは、思わず生唾を飲み込みながら、エロい美声を漏らす晴斗の事を可愛いと思ってしまった。



それから三十分後‥。


タコ丸「よっと、これで終いだ。」


直人「ありがとうございます。あと、タコ丸先輩、大変申し訳ないんですけど〜、もう三人ほど、追加で頼みたいんですけど良いですか?」


タコ丸「三人?まあ別に構わないけど、今度は誰をすればいいんだ?」


直人「っ、は、はい、こちらの三人です。」


タコ丸先輩の了承を得た直人は、早速エルンたちを紹介した。


するとタコ丸先輩は、三人の体をじっくりと観察し始めた。


タコ丸「ふぅ~む、これはこれは‥。…直人の女友達たちは、本当に可愛くて美人揃いだな?」


エルン「なっ!?そ、そんな事は…///。」


リール「わーい♪美女って誉められた♪」


直人「あはは、そりゃそうさ。二人は俺の自慢の彼女だからな。」


タコ丸「えっ、二人?じゃあ、この子は?」


ディノ「……えっ?」


まさかのディノまで数に入れていたタコ丸先輩。


確かにディノは、可愛い部類に入る"男の娘"属性を持っているとは言え、まさか数に入れられているとは、直人とディノも想定外であった。


直人「ディ、ディノは違いますよ!?それにこの子は、男の子ですから!?」


タコ丸「っ、そ、そうだったのか、それはすまない。だけど、驚いたな…、あれだけ一途って言い張っていた直人が、今では二人も彼女を作るとは、意外と早い心変わりだったな。」


直人「っ、こ、これには、訳があるんだって…。」


タコ丸「訳?うーん、なるほどな。もしかして稲荷さん絡みか。」


直人「な、なんでそれを…。」


タコ丸「恋沙汰の訳なら、十中八九そうだろよ。確か、稲荷さんは"ぶらこん"って言う恋煩(こいわずら)いだったかな?」


直人「ま、まあ、そうですね。そ、そんな事より早く三人のマッサージをしてください。」


タコ丸「はいはい、全くお前も物好きだな。」


直人の催促(さいそく)により、タコ丸先輩は自慢の太い触手をエルンに向けて伸ばした。


エルン「っ、ちょっ、そんないきなり……きゃっ!?」


直人「どうしたエルン?待ちに待ったマッサージだぞ?」


エルン「い、いきなりやるとは聞いていないぞ!?し、しかしこれは‥ひゃうん!ど、どこを触って…ふあっ、」


直人「ちなみに今更だけど、マッサージをしてる時のタコ丸先輩は、どんな声を上げても全く聞こえてないから安心しろ。」


エルン「んあっ、そ、そんな情報はいいかりゃ……くひぃん♪りょこさわっへぇ~♪」


敏感な尻尾と胸を刺激され、思わずエロい声が漏れてしまうエルンは、やはり、堅物で真面目と言っても中身はサキュバス……、快感の感度は人の数倍以上であった。


リール「ほぉ~♪可愛いぞエルン♪」


桃馬「ごくり、さ、流石はサキュバスのエルンさんだ……。堅物くっ殺属性も重なって……、凄くエロいな……。」


ジェルド「うーん、特異体質のエルンだからこその良い反応だな。サキュバス族全員が、みんなエルン見たいな堅物系だったなら、俺は間違いなくサキュバスに尻尾を振っていたな。」


エルンの乱れっぷりに、桃馬とジェルドが釘付けになる中、一方の直人は無言のままエルンを見つめていた。


桃馬「そ、それにしても直人。お前も凄い彼女…いや、凄い嫁を(めと)ったな……。」


直人「……。」


桃馬「ん?おい、どうした直人?」


エロい声を上げ続けるエルンの姿に、相当気を取られていたのだろうか。桃馬の軽い呼び掛けを無視したまま、恋人のエルンから視線を外さなかった。


これに違和感を感じた桃馬は、直人の前に立って見ると、そこには鼻血を垂れ流しながら白目を向いて気絶している直人の姿があった。


更に桃馬は、恐る恐る直人の下半身を見てしまうと、なんと完璧な直立状態であった。


どうやらエルンのエロ過ぎる光景に、理性が暴走を超えてショートしてしまった様であった。


リール「あはは、もう〜、直人ったら~♪あんなに乱れたエルンに見蕩れちゃって~♪」


嫉妬すらしない純粋無垢なリールは、楽しそうに気絶している直人に抱きついた。


すると直人の下半身が、更に大変な事になった。


気絶しても反応している直人の姿に、桃馬とジェルドは複雑な思いで直人を見つめるのであった。



十分後。


エルン「はぁはぁ♪はぁはぁ♪」


マッサージが終わるとエルンは、汗だくの状態でその場に倒れ込みながら蕩けていた。淫らな体をピクピクと跳ねさせ、更に瞳の奥には、ハートマークを浮かべながら甘い吐息を漏らしていた。


一方、堅物で真面目なエルンをここまで淫らにしたタコ丸先輩は、何食わぬ顔で次のお客を求めた。


タコ丸「さてと、次は君かな?」


リール「はーい♪お願いします!」


タコ丸「それじゃあ、楽にしてください。」


タコ丸先輩の太い触手が、リールの体に絡み付くと、そのまま淫靡なマッサージが始まった。


誰もが淫靡な光景を期待する中で、リールの場合は本来あるべき普通の光景を見せつけ始める。


リール「あはは♪そこそこ~♪」


変態的でスケベな前人者たちとは違い、天然だけど普通心を持つリールは、タコ丸先輩のマッサージに大変満足そうにしていた。


ちなみに普通の人が、タコ丸先輩のマッサージを受けると普通ならこうなるはずである。



つまり、タコ丸先輩のマッサージを受けてエロい声を漏らした小頼、リフィル、エルン、晴斗の四人は、スケベ属性を持ち合わせていると白日(はくじつ)の下に晒してしまった訳である。


リール「んんっ~♪これであんな声を出すなんて、エルンたちは感じやすいんだね~♪」


まともに聞こえるリールの意見に、スケベな事を想像していた桃馬とジェルドは、自分たちの愚かさに地味なショックを受けた。



更に十分後。


リール「いや~♪すごい楽になったよ~♪」


タコ丸先輩のマッサージに満足したリールは、その場でご機嫌よく飛び跳ねながら胸を上下に揺らした。


タコ丸「肩が辛そうでしたからね。楽になって貰えてよかったです。さて、次は君ですかね?」


ディノ「お、お願いします!」



タコ丸「よし、と言いたいけど。うーん、君のその姿は擬態かな?」


ディノ「ふぇ、よ、よく分かりましたね?」


タコ丸「長年の勘だよ♪さてと、君の場合はどうしようかな。」


ディノ「も、もしかして、できないのですか…。」


マッサージを拒否されたと思ったディノは、何とも悲しい表情を見せ始めた。


タコ丸「い、いやいや、できない事はないから安心してくれ。一応、君に適したマッサージはあるからね。」


ディノ「本当ですか!?」


タコ丸「本当だよ。だから、そんな悲しい顔をしないでくれよ。」


タコ丸先輩が触手でディノの頭を撫でると、宙返りもせずにタコの姿から人の姿へと変えた。


するとタコ丸先輩は、透かさずディノの背後に回り込むと、色々とディノの体を触り始める。


ディノ「んんっ…、あ、あの…。」


タコ丸「…ふむふむ、」


嫌らしい手つきに思わず声が漏れそうになるディノが、タコ丸先輩に声を掛けようとするも、既にマッサージに集中し始めているタコ丸先輩に、ディノの声は一切届いていなかった。


そのためディノは、擬態した体とは言え、身体観察のためだけに嫌らしく体を触られるのであった。


ただでさえ、女の子風の顔立ちのディノに対して、赤髪の青年が背後から触りまくる光景は、桃馬とジェルドからして見れば、何度目も生唾を飲む光景であった。


タコ丸「よし、決まった。」


ディノの体を熟知したタコ丸先輩は、再び宙返りをするとタコの姿に戻った。


すると直ぐに、ディノの体に太い触手が絡みつき始める。


ディノ「んあっ…。」


不意に出てしまった可愛い声に、桃馬とジェルドは思わず鼻血を吹き出してしまった。


更に、タコ丸先輩は他とは違うやり方で、ディノの手足と腰を絞るようにマッサージを始める。


ディノ「くあっ、んんっ…、す、すごい。」


桃馬(な、なんだこの男の娘は…、弱々しい声と共に、なんて蕩けた顔してやがるんだ!?)


ジェルド(くぅ、やばい……、今のディノを直視したら理性が飛ぶかもしれない……、で、でも……。)


男の娘枠で力を発揮するディノの姿に、不覚にも興奮している桃馬とジェルドは、片目を開けながらディノの蕩けた姿を凝視するのであった。



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