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第四百十九話 異世界皇女戦記英雄譚その42

何とも厄介な古都古"の一件で、取り敢えず桃馬たちに相談を持ち掛けたギールとシャルであったが、結局ろくな意見すらもらえなかった。


桃馬、憲明、ジェルドの三人に至っては、呪霊三女である古都古にビビって話にならない状態。


更には、可愛らしい古都古への物欲に続き、ギールとシャルの関係性に恋情を悟った小頼によって、好き放題引っ掻き回される始末……。


そのため…、話が全く進まず、終始ライン越えの小頼に対して、とうとう怒ってしまったギールは、要求された古都古の身柄を引き渡す事もなく、シャルと共に"京骨とルシア"を探しに出て行ってしまった。



リフィル「こ、小頼ちゃん?このままギールとシャルちゃんを行かせて大丈夫かな?」


小頼「ふふっ、そう心配しなくても大丈夫だよ〜♪」


リフィル「で、でも…。もし京骨とルシアちゃんを探している最中(さなか)に、呪霊三女の古都古が起きてしまったら……。」


小頼「うーん、まあ、リフィルちゃんの気持ちは分かるけど……、そもそも、せっかく来てくれた小生意気そうな呪霊三女に対して、何もせずに逃がす訳ないよね〜♪」


リフィル「ふぇ?ま、まさか小頼ちゃん。な、何か(ほどこ)したの?」


小頼「ふっふっ〜、危険な"もの"に対しては、しっかりと首輪を付けておかないといけないからね〜♪ちょっと、ギールに近寄った時……、"主従契約"をね……。」


リフィル「ふぇっ、しゅ、主従んんっ!?」


どさくさに紛れてとんでもない事をしでかした小頼に、リフィルは思わず声を上げてしまった。


小頼「こらこら、リフィル?これは内密にしてもらわないと困る話だよ?。」


リフィル「んはぁ、はぁはぁ、た、確かにそうだけど……、でも、どうやって主従契約をしたの?」


小頼「ふふっ、そんなの簡単な事だよ♪五秒以内に返答しないと強制的に主従契約を結ばせる魔法を使ったんだよ♪」


リフィル「っ、で、でも、その魔法って…、た、確か一日しか持たなかった様な……。」


小頼「ふふっ、例え相手が呪霊三女の古都古だとしても…、性的な快楽は人並みのはず……、私とリフィルの手に掛かれば…、一日…、いや、二時間もあれば……、簡単に落とせるはずよ。」


リフィル「っ、な、なるほど…、契約が切れる前に落として本格的に服従させる……。ごくり、さ、流石は小頼ちゃんだね!常人では思い付かない事を当たり前の様に実行しようとする姿勢……、本当に凄いよ!」


小頼「ふっふっ〜♪いいよ〜♪もっと褒めなさい♪」


小頼(ふふ〜ん♪例えどんなに強い女性であっても、激しい恥辱プレイの前では所詮は無力……、相手が淫魔じゃない限り、余裕で落とせるって物よね〜♪…ふふっ、ついに…、数々のエロゲーで(つちか)って来た知識が役立つかもね〜♪)


呪霊三女に対して、性的な恥辱プレイで落とそうとしている小頼の発想は、はっきり言って常軌(じょうき)逸脱(いつだつ)していた。


更に、今回の標的である"呪霊三女の古都古"は、どこからどう見ても幼女の容姿をしているため、(はた)から見ても犯罪臭を漂わす発想であった。



その一方で、小頼とリフィルのとんでもない密談を後方から伺っていた桃馬たちは、少し嫌な予感を察していた。



桃馬「はぁ、全くあの二人は…、まさか、あの呪霊三女の古都古を手懐け様としてないか?」


憲明「っ、そ、それは十分に考えられるな……。現に身柄の要求までしていたし……、何より二人のテンションが物語ってるよ。」


ジェルド「うーん、あの欲望に満ちた小頼の目……、下手に止め様とすれば、ほぼ間違いなく同人ネタの参考資料にされるぞ。」


桜華「っ、さ、参考資料……ですか?」


シャルド「あぁ、現にヤバい事を考えている時の小頼は、大抵エロ同人の事で頭が一杯だからな。」


桜華「っ、え、エロ同人……、うぅ、小頼ちゃんらしいですけど……、こんな非常時に悠長な……。」


桃馬「ま、まあ、例え非常時に見える展開であっても、小頼に取っては然程の事じゃ無いんだろうよ。それより俺は、小頼が真面目になった時の方が怖いよ。」


桜華「っ、た、確かに……。」


憲明&ジェルド「うんうん。」


何気なく発した桃馬の一言に、思わず納得してしまう桜華に続き、憲明とジェルドは無意識に頷いた。


桃馬「さてと、これからどうしようかな……。元あと言えば、ギールの話をろくに聞こうとしなかった俺たちが悪いんだけど……、流石に呪霊三女の古都古を抱えた状態で京骨を探しに行かれると…、何だか心配になるな。」


憲明「うっ、う、うん……。ど、どうするよ桃馬?この際だから、跡を追い掛けた方が良いんじゃないか?」


桃馬「うーん、とは言ってもな〜。もし仮に、ギールとシャルの跡を追い掛けても、運悪く古都古が目覚めてしまったら…、俺たちだけで押さえ込めると思うか?」


憲明「そ、そうだよな……。」


桜華「そ、それは厳しいかと……。」


ジェルド「うーん、草津で暴れていた"貞美(さだみ)"だったかな?もし、あれと同じ力を持っているのなら、明らかに戦力が足りないな。」


桃馬「…そうなると、目覚める前にトドメを差した方が得策か。」


憲明「だ、だとしても、誰がトドメを差すんだ?幼女に手を掛けるとなると相当度胸がいるぞ?」


ジェルド「…あぁ、浄化魔法で冥界に送れるならともかく、直接手に掛けるとなると……、俺は無理だな。」


桜華「わ、私もちょっと……。」


桃馬「……そ、そうだよな。(はぁ、なるほど…、あの時のギールもこんな心境だったのか。)」


ここへ来て桃馬たちは、ようやくギールの複雑な心境を理解し始めた。


本来なら、トドメを差すべき大罪人ではあるが、幼い容姿の古都古にトドメを差すのは、精神的にも苦痛であり、また悩ましいものであった。


桃馬「……な、なあ、正直今更かもしれないけど、もう少しギールの話を真面目に聞いて、解決策を考えて見ないか?」


憲明「そ、そうだな……。例え京骨に尋ねたとしても、トドメを差して燃やせと言うのがオチだろうしな。」


ジェルド「うんうん、仮に向こうの世界に戻って、死神に引き渡そうにも、ルクステリアに戻っている間に目を覚ますだろうしな……。」


桜華「うーん、今はトドメ以外で済む方法はないものでしょうか?」


桃馬「っ、うーん、難しいな……。このまま生かしては厄災をもたらす危険性があるし……、かと言って、古都古の身柄を欲しがっていた小頼とリフィルに渡すのは、それはそれで嫌な予感しかしないしな……。」


憲明「だよな〜。あぁ〜あ、もしここに"晴斗"が居てくれたらな〜。スパッと死神の大鎌で刈り取ってくれるんだろうけど……。」


ジェルド「まあ、仕方ないさ。現に決起した学園の生徒たちは、殆ど帝都グレイムに向かったからな。」



混迷する最善策……。


頼みの吉田先生に相談しようにも、宮殿内で作戦会議をしているため、安易にできない状態である。


そのため四人の結論は、意を決してトドメを差すか、危険を承知で小頼とリフィルに託すかで迷っていた。


するとそこへ、やたらと上機嫌な小頼が声を掛けて来る。


小頼「やあやあ、幼女にビビって後方から様子を伺っていた諸君♪」


桜華「しょ、諸君?」


桃馬「っ、な、何だよ変態?」


小頼「おやおや、声を掛けただけで変態扱いとは心外だな〜♪」


桃馬「今の小頼に取っては、相応しい呼び名だと思うけど?」


小頼「ふふっ、言ってくれるね〜。まあ、いいさ。それより桃馬たちは、ギールとシャルちゃんの跡を追い掛ける気なの?」


桃馬「あ、あぁ、その事なんだけど、ちょっと話し合っててな。」


小頼「ふ〜ん、まだ話し合い中なのか〜♪うんうん、もし良ければなんだけど〜、この場は私とリフィルに任せて貰えないかしら?」



桃馬「…えっ、二人だけ?」


小頼「そうそう♪」


桃馬「……ちなみに、どうしてだ?」


小頼「ふふっ、実は古都古の首筋に、ちょっとした魔法を施したんだよ…。だから、その経過観察をと〜。」


桃馬「お、おまっ、いつの間にそんな事を……。」


小頼「ふふっ、細かい事はいいじゃないか〜♪そもそも、私が施した魔法には、古都古の力を抑制させる目的と、"私的な実験"も兼ねているからね〜。」


桃馬「おいおい、"私的な実験"って…、小頼は呪霊三女の古都古に対して、一体何しようとしているんだよ。」


小頼「ふふっ、それは内緒だよ〜♪今ここで明かしてしまったら詰まらないでしょ?」


桃馬「……そ、そうだな。ふーん、それで本音は?」


小頼「絶対的な地位に君臨している小生意気な幼女の心を……、この手で犯してやりたい♪」


桃馬の誘導尋問を待っていたのだろうか……。


小頼は涼しい顔で本音を漏らした。


桃馬「……うわぁ、歪んでるな。(やっぱり、こいつに任せちゃダメかもな……。)」


小頼の変態染みた願望に桃馬が呆れ返る中、憲明とジェルドは黙って(うなず)いた。


一方で、小頼のペースに付いて来れない桜華は、ポカンと口を開けながら呆けていた。



その後。


小頼の横暴を止めようとした桃馬に対して、極上の"賄賂"を渡して黙らせた小頼は、同志であるリフィルと共に、ギールとシャルを追い掛けた。


ちなみに、桃馬に渡した"賄賂"とは……、以前行われたの納涼祭の時に……、とある木造校舎内において、桜華様に押し倒され…、そのまま蹂躙(じゅうりん)されてしまった時の写真であった。


※222話参照……。



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