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第三百五話 兄妹愛or恋人愛

駆け出し冒険者の街"ルクステリア"の各地で、

桃馬たちが、茶番な草むしりと、淫靡な釣りをしている頃。


体育会系の狼たちは、

森林地帯にて、ペペ狩りに夢中になっていた。


ジェルド「エルゼ!そっち行ったぞ!」


エルゼ「わふぅ~っ!」


ジェルドの合図に、

茂みから小柄なエルゼが飛び出すと、

自分より大きなペペに対して足払いを仕掛ける。


ペペ「ぶおおぉぉっ!?」


片足を払われバランスを崩したペペは、

そのまま勢い良く大木に激突する。


ジェルド「よくやったエルゼ~♪すごいぞ♪」


エルゼ「わふぅ~♪今度のは大物です~♪」


見かけによらず獰猛(どうもう)で、立派な狼らしい一面を見せる妹に、ジェルドは嬉しさから頭を撫でた。


エルゼ「わふぅ~♪お兄ちゃん~♪ゴロゴロ~。」


ジェルド「こ、こらこら?それでは猫だぞ?」


しかし、

甘える面では狼らしからぬ仕草に、

思わずジェルドは骨抜きになる。



そんな様子を、

少し離れた所から一匹のストーカーと、

そのストーカーの監視を任されたスライムがいた。



犬神「わふぅ~♪エルゼ~♪今日もかっこよくて可愛いな~♪」


ディノ「はぁ、犬神様?昨日も遠くからエルゼ様を監視してますけど、本当に反省しているのですか?」


犬神「むっ?それはもちろんだ!今までは距離が近すぎて失敗してないたからな。それと、少しは距離を置けと、皆が口を揃えて言っていたではないか?」


ディノ「え、えっと、そうですけど‥、絶対に今やっている事と意味が違うかと‥。」


距離を置くと言う意味を完全に履き違えている犬神様は、言葉通り遠くからストーカーを(いそ)しみ、中身は全く変わっていなかった。


花火大会の一件で、完全にメンタルをやられたかと思ったが、予想を超える鋼のメンタルに、

さすがのシャルでさえも呆れる始末であった。


犬神「ふっふっ、これだけ距離を取れば、きっとエルゼは我の事を心配して、ギルドに戻った頃には、我の事で頭が一杯であろう~♪」


ディノ「あ、あはは‥。」


なんとも都合が良い妄想に、

ディノは、かける言葉もなく苦笑いをするのであった。



ここで小話。

ちなみに、ギルド申請をまだ受けていない、

シール、豆太、犬神、加茂の四人は、

昨日の内に申請を行っていた。


シール

レベル1

攻撃40

防御50

素早さ500

知能50

魔術20

魔防10

運100


特性 愛嬌



もと、亡霊とは言え、

種族に適したステータスであった。



豆太

レベル5

攻撃20

防御10

素早さ500

知能300

魔術100

魔防100

運500

特性 逆転


低レベルながらも、

基本ステータスがバグっていた。

後は、逆転と言う謎の特性が、

気になるところである。


そんな豆太のステータスに、

次のバカでも一応神である犬神のステータスに、

桃馬たちの注目が集まる。


がしかし‥。


犬神

レベル20

攻撃50

防御10

素早さ500

知能1

魔術0

魔防5

運5 (恋愛込み)

特性

メンタル 鋼級


初期のシャルに引けを取らないほどの、

くそステータスであった。


当然、犬神は抗議するも、

桃馬たちは、知能と運、特性の鋼級のメンタルを見た瞬間、正当性を感じていた。


そのため、ギールとシャルを筆頭に、

犬神を押さえ込んでは、無理矢理登録させた。


一方、加茂の場合は、


レベル50

攻撃20

防御50

素早さ120

知能500

魔術250

魔防500

運200


特性

巫女


犬神を越える高ステータスで、

特性の巫女とは素晴らしいものである。


(おんな)の子が巫女とは、

小頼を筆頭に毒された者たちが、

非常に興奮するのであった‥。


例ば、

巫女服を着た加茂様が、

魔物の触手に襲われるシーン。


幼馴染みの男子に、

境内で一線を越えるシーンなど。


(おんな)の子属性を、ふんだんに活かされた、如何わしい妄想が広がるのであった。




そして話は戻し、


実は、このペペ狩り、

ジェルドとエルゼの他にも、

ペペ狩りをしている組がいた。


そう、

ギール率いるフォルト家である。

ギールとシャル主軸として、豆太と加茂の四人がいた。


本来、犬神とディノもいるはずなのだが、

ご存じの通り、エルゼのストーキング中なため、同行はしていなかった。


エルゼが好きならば、

もっと、豆太を見習ってほしいところだ。



とまあ、それはおいといて、


フォルト家のペペ狩りは、

二手に分かれて競い合っていた。


ついでに進捗状況は、

依頼のペペ十頭に対して、

ギール、加茂ペア、三頭(大物)

シャル、豆太ペア、六頭(大きさバラバラ)


大小はともかく、

意外とシャル、豆太ペアが奮闘していた。



ギール「い、意外とシャルと豆太やるな‥。」


加茂「そ、そうですね。ま、まさかここまで狩られるとは‥僕も予想外でした。」


収集地点に積み重ねられた、

ペペの山に、二人が驚いていると、

そこへ、魔王たるに相応しい姿をしたシャルが、中型のペペを片手で担ぎながら迫ってくる。


シャル「ふはは♪見よギール!我の方が大量だぞ?」


ギール「っ///」


加茂「ほへぇ~。」


これで依頼は達成であるが、

ギールは、シャルの服装を見るや、

慌てて目を逸らし、加茂はそのまま魅了されて固まっていた。


今のシャルの服装は、

恐らく小さい服を着たまま、

大きくなったのだろう。


上半身の服は、胸エロを引き立たせる、

クロップドタンクトップの様になっており、

当然、お腹とおへそは丸見えである。


そして、短パンに至っては‥、

ピチピチになっており、前のボタンは取れ下着が見えていた。


シャル「ん?なんだギール?もしかして、悔しくて声に出せないとか?」


ギール「ば、バっカじゃねぇの!?そ、そんなんじゃねぇよ///」


ついには、背中を見せるギールに、

大人びたシャルは、何かを察してギールに迫る。


シャル「ほほぅ~、なら何だと言うのだ?」


ギール「だ、だからその‥、い、今の姿を見てみろよ!?」


大人びたシャルの声と共に、

年下をからかうような話し方に、

ギールは大混乱する。



シャル「ふ~む、確かにきついが‥、小さい姿より動きやすいからな。」



いや、そういう話ではない。

義理の兄妹とは言え、そんな破廉恥な姿で俺の前に立つなよ!?


ギールの心臓は、

バクバクと激しく鼓動していた。


シャルの魔王の姿を考えたりすると、

桃馬を求める時と同じくらい、

胸の辺りが締め付けられる。


信じたくはないが、

"俺は"シャルの事が好きみたいだ。


本当なら今からでも、シャルを押し倒したい‥。


そんな想いと、妹としての思いが、

激しく交差する中で、シャルは大胆にも背後から抱きついた。


ギール「わふっ!?」


加茂「はわっ!?」


思いもよらぬ事に、

ギールは耳と尻尾は直立させた。


クロップドタンクトップになっている事もあり、

ギールの背中に、胸の感触が伝わる。


まるで、恋人みたいな光景に、

ギールを慕っている加茂は驚愕する。


シャル「なぁ~、ギールよ?お主‥我の事‥意識しているであろ?」


ギール「‥っ、そ、そんなわけ‥。」


シャル「嘘を言うでない‥、初めて妖楼郭で、この姿を見た時‥ギールは意識したであろ?あの時の、我の胸を肩と間違えて揉みしだいた感覚は‥今でも残っているぞ?」


否定するギールの耳元で、

過去の話を持ちかけ、更にからかい始める。


ギール「そ、そそ、それと、これは関係ないだろ‥。」


シャル「ふっ、そうだな。これはいつものからかいだから安心しろ。だが、我は"お主"の事が好きだ‥。」


ギール「っ、な、ななっ///」


安心させてからの、

突然の告白にギールの脳内は、

ショート寸前であった。


ギール「ば、ばば、ばかっ!?何言ってるんだ‥、お、俺たちは‥兄妹‥だろ。」


シャル「義理でけどな‥。でも‥、ギールがそれを望むなら我も我慢しよう。だが、お主の貞操は我がもらい受けるからな‥。もちろん‥我の初めても‥。」


ギール「~~っ///‥きゅぅぅ~//」


とうとう、オーバーヒートを起こしてしまい、

ギールは、その場に崩れ落ちる。


すると、我に返った加茂が、

慌ててギールの元へ駆け寄った。


シャル「ふっ、なんじゃ?耳をふぅ~って、しただけでダウンするとは、耐性ないの~?」


これにより、ギールとシャルの恋愛フラグは大きく立ったのであった。



そうとも知らない加茂様は、

なかなか前に進めないギールへの想いを、

心の中で、引き続き慕い続けるのであった。



一方‥、

シャルと共にいるはずの豆太はと言うと‥。


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