第三百話 淫らなエルフの家
慰霊と復興を願う信濃花火から一夜明けた。
昨夜は結局終電と言うこともあり、
各自"クタクタ"な状態で家に着く頃には、
既に時計の針は深夜を回っていた。
疲労と眠気が襲う中ではあるが、
各自寝る前に、汗ばんだ体を洗い流し、
即行眠りについた。
一部では、カーテンを閉めずに寝てしまい、
三、四時間後には、外から明るい光が差し込み、
寝ぼけながらカーテンを閉める"おちゃめ"さんもいた。
ジェルド「うぅ‥まぶっ‥。むにゃむにゃ‥すぅすぅ~。」
そして、ここで注目頂きたいのが、
リフィルと憲明視点である。
昨夜の憲明は、
既に夜も更けていることから、
安全にリフィルを家に送り届けるため、
共に行動していた。
その甲斐もあってか、
無事にリフィルの家まで送り届けた。
しかし、その帰り際、
背後から何者かに布で口を塞がれ、
抵抗虚しくリフィルの家に連れ込まれた。
その時憲明は、
よくアニメとかである、
布で口を塞がれ気を失う感覚を初めて経験するのであった。
一瞬で眠らされた憲明が目を覚ます、
そこは見慣れない天井が広がっていた。
憲明「んんっ‥あれ‥俺‥いつの間に眠って‥ん?」
頭が"ボーッ"とし、曖昧な記憶の状態。
憲明は体を起こして、
見覚えのない部屋を見渡す。
すると、憲明の真横に、
スタイル抜群の二人のエルフが、
全裸の姿で左右に横たわっていた。
憲明「‥‥っ!?」
天国並みの衝撃的な光景に、
憲明は、声を出す事すらできなかった。
しかも、
このスタイル抜群のエルフは、
リフィルにお仕えするメイドであった。
あのクールな二人が、
どうしてこんな淫らな姿に‥、
どう言う経緯かはわからないが、
一瞬だけ、嫌な予感が脳裏を走る。
そして徐々に思い出す昨夜の一件。
何者かに、布で口を塞がれ眠らされたこと。
まさか、二人の仕業ではないかと予想する。
この状況‥信じたくはないが、
寝込みを襲われた可能性がある。
いやいや、さすがに自意識過剰か‥。
憲明は、全裸の姿で現実逃避に走った。
考えれば考えるほど混乱する憲明に、
ここで、二人のエルフが目を覚ます。
銀髪エルフ「んんっ、あっ‥、おはようございます憲明様。」
金髪エルフ「んん~♪クスッ、昨晩はよくお休みになられましたか??」
憲明「っ!?お、おはようございますって、お二方!?前を隠してください!?」
リフィルもすごいけど‥。
それを越える完璧な姫騎士スタイルに、
憲明は動揺する。
銀髪エルフ「‥ふっ、その事ですか。それならお気に為さらず、私たちはリフィル様にお仕えするメイド。リフィル様の婚約者であれば、その婚約者にも仕えるのも私たちの役目でございます。」
憲明「そ、そそ、そういう問題じゃ‥。」
憲明は目を閉じながら、
無意識に手を前に出すと、
柔らかい何かを鷲掴みにする。
金髪エルフ「あん♪」
憲明「っ!?す、すみま‥いたっ!?」
金髪エルフの淫靡な声と柔らかな感触に動揺し、
直ぐに手を離して後退するも、勢い良く壁に頭を打ち付ける。
当然、二人のエルフは慌てて駆け寄る。
銀髪エルフ「の、憲明様!?」
金髪エルフ「だ、大丈夫ですか!?」
憲明「う、うぅ、す、すみません‥、取り乱してしまって‥。」
金髪エルフ「‥クスッ‥、可愛い‥。」
銀髪エルフ「ごくり‥、憲明様‥。」
動揺する憲明の姿に、
二人のクールなエルフは欲情する。
すると、彼女たちのお腹の下に、
嫌らしい紋章の様な物が浮き上がる。
二人の瞳は蕩け始め、その瞳の奥にはハートマークの様な物が浮き上がり、下半身を"もじもじ"させている。
この光景に憲明は、
完全に寝ている間に襲われたのだと確信する。
そして逃げ場のない現状に、
憲明は正気を保っている状態で、リフィル一筋なのに、二人の美女に犯されそうになっていた。
憲明「あ、あの‥お、俺‥リフィルとまだ‥したことが‥。」
寝ている間に、
どこまで越えたのか分からないが、
リフィルとまだ、体を重ねたことのない憲明は、弱々しい声で最後の抵抗を見せる。
しかし、
その行為は逆効果を招き、
二人の"お姉さん"心を刺激してしまい、
悪化の一途をたどる。
二人のエルフは、自らの胸を押し当て、
弟を弄ぶかの様に楽しみだした。
もう、終わったと思った憲明は、
心の中でリフィルに謝るのであった。
するとその時、
突如扉が乱暴に蹴破られ、
目を赤く光らせたリフィルが入ってくる。
銀髪エルフ「っ!?り、リフィル様!?」
金髪エルフ「え、えっと‥、どうやってここに?」
冗談が通じない覇気の前に、
二人のエルフは正気に戻る。
リフィル「はぁはぁ、リーゼ(銀髪)、アクス(金髪)‥、よくも柱に縛りつけてくれたわね。しかも勝手に‥私の憲明にまで手を出して‥。」
憲明「り、リフィル‥?」
リーゼ「あっ、えっと‥、も、申し訳ありません!」
アクス「‥ご、ご安心ください、一線は越えてませんので‥その、口ではしましたけど‥。」
リーゼ「お、おい!?アクス!?」
リフィル「へぇ~♪口でね‥。覚悟はいいかしら~♪」
金髪エルフのアクスが口を滑らせると、
リフィルは満面な笑みで二人に歩み寄る。
その後、
リフィルのきついお仕置きを受けることになり、二人のエルフは気持ち良さそうに喘ぐのであった。
そして、リビングにて、
リフィル「憲明ごめんなさい!突然、この子達が襲ったりして怖かったでしょ?」
憲明「あ、いや‥怖いと言うよりは‥驚いたと言うか。」
リフィル「うぅ、本当にごめんなさい。ほら、リーゼとアクスも謝りなさい!」
リーゼ「も、申し訳ございません。」
アクス「ご、ごめんなさい。」
二人のエルフは正座の状態で、
木製のプラカードを首にかけ反省していた。
木のプラカードには、
"私は主の恋人を襲いました"と、
日本語で書かれていた。
正直、憲明にしてみれば、
名前も知らなかった美女に襲われるなど、
大層贅沢なものだが、実際にされてみると複雑な想いになるのであった。
すると、リフィルから改めて紹介を受ける。
リフィル「えっと、それで‥ね。一応紹介するけど、銀髪の子がリーゼ、そして金髪の子がアクス。二人とも、私が王国で暮らしていた頃からの親衛隊で、一応優秀なんだけど、男性の方とはあまり面識がなくて‥その、禁欲が長くてね。本当は色々紹介してから、二人の事もお願いしようと思ってたんだけど‥、その‥今回こんな結果になっちゃって‥。」
憲明「な、なるほど‥。」
どうやらリフィルは、
ゆくゆく、メイドである二人の美女まで、
共に過ごしてほしかった様だ。
憲明にとって急展開な話に、
今が夢かと思うほど困惑していた。
銀髪ポニーテールのリーゼ。
金髪ストレートロングのアクス。
普通ならクールでかっこいいのだが、
発情するとこうも積極的になるとは、
今まで、かなりの禁欲を強いられて来たのだの思うのであった。
そして、この時の憲明はまだ知らない。
後にリフィルよりも体を求められ‥。
サキュバス並みの性欲に呑み込まれ‥。
しまいには、リフィルがいる前でも、
普通に弄ばれ、バレるか分からないプレイを強要されるのであった。
しかし、リフィルのいた異世界では、
従者は主の"者"であり、例え主の婚約者でも然りである
一通り話が終わると、
身の危険を感じた憲明は、
このまま家に帰ろうとするのだが、
色々とお預けの空気の状態で、そう易々と帰す程、三人のエルフたちは甘くはなかった。
三人のエルフたちは、
帰ろうとする憲明の背後を再び襲い、
再びお休みしていた部屋へと連れていかれるのであった。
ちなみに、
憲明の両親には、リフィルから二日ほど借りると伝えられ、両親は大喜びで息子の身柄を譲渡するのであった。