表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
270/431

第二百七十話 漫画と現実

一時は生命の危機にさらされた

佐渡桃馬と両津直人であったが、


結局ルルーによる、

重い冗談であったと、会場の生徒たちが認識すると、その場の難は逃れた。


桃馬は、桜華への隠れ二股の疑惑が晴れ、

桜華と全生徒への見せしめは避けられた。


しかし、直人に至っては、

全生徒への見せしめは回避したものの、

大きな十字架を背負うことになった。



そして、時刻は十三時十分

特別ライブのやり直しは見事大成功を収めると、ちょうど昼時のタイミングで生徒たちは闘技場を後にして、各自で昼食を取り始めた。


ちなみに、豆太とディノは片付けの応援が入り、

駆り出されてしまいました。



一方、

異種交流会とユキツバキはと言うと、

女子たちを控え室に残し、男子たちは昼飯調達ついでに重罪人のギールを連行していた。


京骨「ほんと、一時はどうなるかと思ったな?」


桃馬「はぁ、完全にルルーさんのあの話し、絶対に直人の事なのに‥まさか、俺に振ってくるとは、寿命が縮んだよ。」


憲明「あはは、それにしても、ルルーさんはどうして直人の事を知ってたんだろうな?」


京骨「っ。」


話を振ったとは言え、

憲明の疑問点に京骨は声を詰まらせた。


桃馬「まあ、差し詰め桜華たちの誰かが喋ったんだろ?」


憲明「うーん、確かにそれしかないよな。例え直人を襲おうにも顔がわからないと襲えないしな。」


桃馬「そうそう、それに直人は、色々とリーチがかかっているし、盛り上がりのネタには良いだろうしな。」


憲明「あはは、そうなると直人が一番生きた心地をしなかっただろうな♪」


京骨「‥ははっ‥だろうな。」


実際、桜華たちが直人の話をしたかは分からないが、取りあえず京骨は、直人の既成事実から離れたようで安堵した。


ルルーと直人の関係を知る京骨は、

あの重い冗談が嘘ではなく、本当の事を嘘っぽく話していた物だと思っていた。それはルシアや相川葵、シェリルも同じ事であった。


更には、人によっては感じかたが違ったらしく。


弟をからかうような楽しみを感じた、

京骨‥。


上級サキュバス特有の独占欲を感じた、

ルシア‥。


勝手に生命の手綱を握られたと感じた、

葵とシェリル‥。


本来嬉しいはずの展開ではあるが、

皮肉にも、直人の人生を心配するのだった。




そして話しに戻り、


ライブの話で夢中になる三人の後方には、

ライブが終わるまで、十八禁レベルの放置プレイを受けていたギールは、未だに正気を保ちながら、嫌々ジェルドにリードを引っ張られていた。


ジェルド「ほら!ちんたら歩くなこの駄犬!」


ギール「ちっ、うっせぇ。誰がお前の歩幅で歩くかよ。」


ジェルド「ほぅ?ユキツバキの三人と小頼たちの裸を見た罪人の癖に、言うじゃないか!」


ギール「くっ!」


反抗的なギールに、

ジェルドはリードを強く引っ張った。

それはまるで、囚われの女騎士様を強引に引っ張るかのようであった。


憲明「それにしても、あの二匹を見ていると‥なんか、いけない気がしてくるな。」


桃馬「そうか?いつもの光景に見えるけど。(あぁ、可愛い‥、反抗的なギールに、天狗になったジェルド‥うぅ、もふりたい‥。)」


表面的には呆れて流している桃馬であるが、

内心は駄犬ながらも可愛い二匹にぞっこんであった。


ギール「くっ、ジェルドてめぇ‥、後で覚えておけよ。」


ジェルド「ふっ、負け犬の言葉を覚えているほど暇じゃないんでね。」


ギール「くっ‥(言い返せない‥。確かに裸を見てしまったのは事実だけど‥‥それでも、ジェルドにリードを持たれるのは屈辱だ。)」



普通の人が見たら誤解される、

イケメンけもみみ男子のやり取りに、

物陰から一匹の女の子と一人の女子が覗いていた。


ココロ「はわわっ!?す、すす、凄くエロいです///」


小頼「いや~♪ココロちゃんは運がいいね♪ジェルドとギールの公開お散歩プレイが見れて~♪」


ココロ「し、しし、白黒犬遊譚(しろくろけんゆうたん)白継(しらつぐ)君と黒江(くろえ)君みたいです!ま、まさか、現実にあのシーンが起きるなんて‥。同族にリードを持たれることは"屈辱"を意味すると言うのに、あ、あんなに大胆に‥、しかも、人前で‥わふぅ~//。」



※白黒犬遊譚とは、

約一年前に作者"よりより"こと長岡小頼が手掛けBL界を沸かせた薄い本である。

詳しくは、

第二百三十三話 夢の対面より



六割近くノンフィクションである白黒犬遊譚のベースは、ギールとジェルド、桃馬のやり取りを参考に作られているため、例え漫画のような展開でも、三人いや、二匹でも絡めばリアル白黒犬遊譚の完成である。


そのため腐女子モード全快のココロは、

本来ならあり得ない光景に感動し、尻尾を"ブンブン"と振り回していた。


ココロ「ど、同人誌なら‥こ、このまま白継君‥じゃなくて、ジェルドさんが‥くろ‥え‥じゃなくて、ギールさんを、お、おおっ、押し倒して、冬馬君の株を落とすシーン‥ヘッヘッヘッ♪。」


同人誌と現実がごちゃ混ぜになるくらいの興奮に、小頼は思わず嬉しくなった。


小頼「よく覚えてるねココロちゃん♪作者として嬉しいよ♪でも、その展開は作り物だから難しいと思うよ?」


ココロ「そ、そそ、それでも!ジェルドさんが、黒江君の首にリードを巻いて引っ張るなんて‥普通では見られません!」


小頼「あはは♪ココロちゃんったら、完全に同人誌と現実がぐちゃぐちゃになってるね♪」


ココロ「わふっ!?そ、そそ、そうでした!えっと、白継君と黒江君が同人誌で‥ジェルドさんとえっと‥あっギールさんが現実ですね!」


一瞬ギールの名前を忘れるほどの興奮に、

小頼は、ますますココロの純粋な心に惹かれていく。


小頼「もう~ココロちゃんは可愛いね~♪わしわし~♪」


ココロ「わふぅ~♪小頼しゃ~ん♪」


素直で純粋すぎるココロは、

気が合う小頼にそのままもふられるのであった。


しかし気がつけば、

二匹の美男子と三人の男たちを見失ってしまっい、頃合いと見た小頼は、仕方なく控え室に戻ろうとすることにした。


すると、そこへ一年生の小京加茂(こまちかも)とジェルドの妹のエルゼが偶然にも出会うのだった。








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ