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第二百五十六話 夜明けと淫夢

時刻は四時四十五分。


長い夜は終わり、

今日も日の光が空を明るく照らし始める。



血で染まった学園内は、警察機構の元で綺麗に片付けられたが、戦闘による傷は完全に消しきれてはいなかった。


一部の生徒は朝早くからトレーニングなどに励み、一部では後片付けの準備をしていた。



あと、変わったとすれば‥。


微食会の坪谷、茂野、藤井を除く男たちが、

昨夜中にエニカとルイに捕まり、本館屋上から吊るされた件や。


茂みから"何者"かに精気を吸い取られ干からびた燕奏太を始めとする、十数名の男子生徒が同じように発見された。



とまあ、外で変わったことはこのくらいである。


精気を搾り取られた件は、ライブの熱で暴走したサキュバス生徒による物だと断定している。

しかも、その被害者の八割がサキュバスを彼女にしている命知らずの男たちであった。


しかし、奏太に至っては師匠にして恋人である朱季楓との決闘に負けた罰として、ただ○されていただけであった。



一方建物内の変化は凄まじく、

イベントがかなり多いため一部だけ紹介。


道場では性欲を暴走させたエルンとリールにより、両津直人は過去最大の瀕死状態となり、我に返ったエルンとリールに再び看病を受けていた。



更に、対面側の別棟美術室では、エニカとルイの手から逃れた、藤井、坪谷、茂野の三人は、捕虜にした退魔士ラグラ・ノーヴァを連れ込み息を潜めていた。


一方、ルイとエニカは

昨夜、近藤を吊し上げる前にラシュリーナを託され、未だ、寄宿舎にておやすみ中である。



そして、エルゼと仲が戻らず(へこ)んだ犬神は、一人悲しくエルゼが寝ているベッドの下で寝ていた。


などなど、昨夜の学園内では、ピンからキリまでイベントが発生していたのだった。



そんな頃、異種交流会の部室では‥。

未だみんなが寝静まっている空間で、

ショタ化したギールを襲う桃馬がいた。


ギール「んんっ‥と、桃馬‥い、妹の前でこんな‥わふっ‥。」


桃馬「ふっ、そう恥ずかしがるなよ‥。シールちゃんには、もうこんな事されてるのは、ばれてるんだろ?」


気持ちの良い頭と耳を撫でられ、更にはショタ化して敏感になった尻尾を触られ、手で口を塞ぎながら声を漏らす。


ギール「ひゃうっ‥ひ、ひっぽ‥わふぅ。」



これに興奮した桃馬は、

ギールの耳元で焦らすかの様に(ささ)く。


桃馬「ふっふっ、やっぱりギールは可愛いな‥。少し俺に攻められただけで簡単に落ちてしまんだからな~?」


ギール「はぁはぁ‥と、桃馬‥ゆ、許してくれ‥。今は‥ダメだから‥はぁはぁ。」


頬を赤らめ何かを隠すかの様に、

妹を優しく抱き締める。


すると、ちょっとした刺激に反応したのか、

可愛い黒髪の"けもみみ"幼女が目を覚ます。


シール「‥わふぅ‥‥んんっ‥おにい‥ちゃん?」


ギール「っ!?し、シール‥。」


シール「わふぅ‥お兄ちゃんが‥あの時のお兄ちゃん見たい‥、わふぅ~。」


幼いギールの姿を見て安心するシールは、寝ぼけていた事もあり、甘えるように抱きつくと再び眠りについた。


ギール「‥わふぅ。危なかった‥。」


桃馬「ふ~ん、シールちゃんに情けないお兄ちゃんの姿を見せられなくて残念だな。」


ギール「ば、ばか‥そ、そんな事‥ゆ、許されるはずがないだろ‥んんっ!?」


桃馬「‥テントを張った下半身を妹に向けて、俺にばれないようにするお兄ちゃんが‥それを言うか?」


桃馬はギールの"さらもふ"な尻尾を乱暴に掴むと、ギールの体を大きく跳ねさせた。


ギール「はぁはぁ‥た、たのむ‥桃馬‥今日だけは‥ゆるひへくりぇ‥。」


桃馬「‥だめだ‥。これは‥お前の躾なんだからな‥はむっ。」


ギール「くひゅん!?」


ピンと反り立つコリコリとした耳を甘噛みし、

尻尾と上半身のトリプル責めを始める。


桃馬「はむはむ‥。へろっ。」


ギール「きゅぅ~ん///」


完全に襲われているギールは、為す術もなく蹂躙される。更にヒートアップした桃馬が下半身に手を伸ばし、ショタギールに見合った大きさの"何か"に触れる。


ギール「はぁはぁ‥ひぅん、お、お願い‥で、出ちゃうから‥。」


桃馬「嫌なら逃げてもいいんだよ?」


ギール「はぁはぁ‥ばかぁ‥出来ないって‥分かってるくせに‥わふぅん‥。」


桃馬「ほらほら、このままだと‥最愛の妹を汚しちゃうよ?」


ギール「はぁはぁ‥いやぁ‥それだけは‥ゆるひへぇ~、僕を‥いじめないれぇ~。」


ビクビクと反り立つ"何か"が、

更に熱を持ち始める。


桃馬「ほらほら、俺の犬なら無様に大切な妹を汚してしまえ!」


ギール「わふぅ~いやだ、ゆるしてくれぇ~!」


ギールの叫びと共に"何か"から"何か"が発射すると目の前が真っ白になった。





すると同時に、

ギールは目を覚まし、

勢いよく上半身を起き上げた。


ギール「っ!?はぁはぁ‥はぁはぁ‥!?。」


まず最初に左右をキョロキョロ見渡し確認すると、両サイドには熟睡している桃馬と(けが)れのない妹のシールが寝ていた。


時計を見ると五時二十分を差し、

ギールの脳裏にへばりついている、

淫夢‥いや、悪夢とも言える光景が、夢であった事に一安心するのであった。



ここで小話

ギールが淫夢を見た原因なのですが、

昨晩外でサキュバスと男子生徒がイチャイチャしていたことにより淫気が発生。それが風に乗ってギールを汚染し、今ギールにとって一番興奮する夢を見せられていたのです。


結果、最低なドM犬です。



すると、異変に気づいたシールが寝ぼけながら目を覚ます。


シール「わふぅ‥お兄ちゃん‥どうひたの??」


シールを目を擦りながら、

息を荒げて汗をかいている兄に声をかける。


ギール「っ、あ、ご、ごめんシール‥起こしちゃったね。な、何でもないから、まだ寝てなさい。」


夢の中だとは言え、

鮮明に残る妹を汚してしまった記憶。


悲痛な罪悪感がギールを襲い、

抑えられない動揺が漏れる。



シール「わふぅ‥お散歩‥行きたいです。」


ギール「えっ?さ、散歩??」


シール「わふぅ‥こくり。」


まだ寝ぼけているのか、

それとも犬としての本能からか、

シールは少し眠そうな顔をしながら頷いた。


まあ、今の時間なら人目も着かないだろうし、

このくらいのシールお願いなら叶えられるか。


重度レベルのシスコンは、

愛する妹のために一肌脱ぐことを決意する


ギール「よ、よし、じゃあ早速行こうか。でも、学園内を歩くだけだよ?」


シール「わふぅ~♪お兄ちゃんとお散歩~。わふぅ~。」


二人が静かに部室を出ていくと、

ディノと豆太を除く男たちが上半身を起こす。


京骨「‥ひどい寝言だったな。」


憲明「‥途切れ途切れだったけど、間違いなく桃馬とシールちゃん絡みの寝言だったな。」


ジェルド「あいつ‥シールちゃんと再開して何に目覚めやがったんだ。」


京骨「‥妹に見られながら、桃馬に責められる‥夢を見てたとか?」


桃馬「京骨それ以上言うな‥、俺が悪人みたいになるだろうが、」


京骨「桃馬は‥ギールの前では悪人だろうが?」


桃馬「うっせ、ばか。」


ひそひそレベルの会話に、

ディノと豆太は依然目を覚まさない。


憲明「てか、ディノと豆太はぐっすり寝てるけど‥まさか日頃からあんな寝言を聞かされてるのかな?」


京骨「まさか、それより願望が夢に出るとは愉快(ゆかい)なやつだ。それなら何回夢で桃馬に○されたのか気になるな‥いや、その逆もあるか。」


桃馬「おい京骨‥そろそろ、その愉快な口を閉じろ‥。」


いつもの桃馬の弄りが始まると、

桃馬は笑みを浮かべながら刀に手を伸ばす。



ジェルド「‥まぁまぁ、それより二人を行かせていいのか?下手に見られたら面倒だぞ?」


桃馬「た、確かにな‥。(みのり)さんの面子(めんつ)を潰さないためにも、俺たちでガードするしかないよな。」


京骨「‥はぁ、ただの早朝散歩に俺たちも捲き込まれるとはな。」


憲明「そう言うな。二人の事情を知っている以上、シールちゃんの願いを見て見ぬふりはできないだろ?」


京骨「‥それもそうだな。あの兄妹に花を持たせるのも‥悪くないか。」


桃馬「はぁ、そんじゃ、早速後を追うぞ。」


こうして桃馬たちは、静かにギールとシールの後を追うのであった。




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