表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
194/431

第百九十四話 夏の大戦乱祭編(24) 慢心魔王様

士道部壊滅の危機が訪れた。


晴斗がサキュバスに襲われた瞬間、

士道部の敗北が決まる。


そのため有力者たちは、

晴斗の救出に動くも苦戦を強いられていた。


椿とスザクは、ルシアに敗北しどこかへと連れていかれ、


シェリルとシャルは一進一退の攻防を繰り広げ、


葵はサキュバスと言う肉欲の壁に迫られ、


多くの男子はサキュバスに精気を吸われて脱落し、女子たちが必死の抵抗を見せていた。


そんな救出が難航する中、

晴斗に至っては敗北と合わせて童貞の危機に晒されていた。


サキュバス「はぁはぁ、じゅるっ‥晴斗の弱々しい精気‥美味しそう~♪」


サキュバス「体が弱い分‥生きようとする力は絶大‥極上の精気が取れそうね~♪」


晴斗「うわぁ~!?た、助けてくれ~!?」


サキュバス「クスッ、可愛い~♪これで彼女がいないなんて‥不思議だね~♪」


サキュバス「わたし~♪立候補しようかな~♪」


サキュバス「あぁ~!抜け駆けはだめだよ!」


淫魔に好かれた罪な男。

晴斗は、一人のサキュバスに馬乗りにされ身動きが取れない。



葵も助けに動くのだが、行く手を阻むように三人のサキュバスが前に立つ。


葵「くっ‥やっぱり、例えサキュバスでも女子を斬ることはできない‥。」


サキュバス「じゅる‥相川くんは優しいね~♪」


サキュバス「ねぇねぇ~♪相川く~ん、私たちの○馬になってよ~♪」


サキュバス「うんうん、強い子種は大歓迎だよ♪なんなら、ちょっと精気をくれるだけで、毎日私たちを好き放題できるわよ♪」


葵「っ!?」


さすがサキュバスの発情期、かなり見境がない。その中にはいつも大人しい子でさえも急変するくらいだ。



さすがの葵も、サキュバス相手では手は出せないため突破に苦戦する。


しかも少しでも掴まれれば最後、

一気に精気を吸われ押し倒される。


しかも、シェリルの前で。


葵は、無意識に後ろへ下がると、

三人のサキュバスも一歩一歩近寄る。


そんなピンチのなか、お転婆サキュバスのルビアがクナイを投げながら突っ込んできた。


ルビア「こ~ら~!お前たち何してるんだ~!」


サキュバス「ふぇ!?ルビアちゃん!?うわっ!?」


サキュバス「きゃあっ!?」


サキュバス「うわっ!?ルビアちゃん危ないじゃないの!?」


ルビア「よっと、私の獲物‥じゃなくて、仲間に手は出さないでよ~?」


一瞬本音が漏れるルビアは直ぐに言い直し、

三人のサキュバスの前に立つ。



サキュバス「むう~、でもこれは、サキュバスとしてれっきとした攻撃だよ?」


サキュバス「そうそう、本来サキュバスはルビアちゃん見たいに武闘派じゃないしね‥‥ん?」


サキュバス「‥あっ、る、ルビアちゃん?」


一人のサキュバスが何かに気づくと、

他の二人も何かに気づき、ルビアの後ろを見る。


ルビア「どうしたのみんな?あっ、もしかして、気をそらして攻撃する気だな~?」


サキュバス「そ、そんなことしないよ!?え、えっと‥相川くんが‥。」


ルビア「ふぇ?葵がどうしたの?」


ルビアは後ろを振り向くと、左側頭部にクナイが刺さっていた。


ルビア「‥あっ、」


葵はそのまま前のめりで倒れ込むと、ルビアを押し倒すような感じになり、ルビアと唇を重ねた。


ルビア「‥んっ!?」


サキュバス「はぅ!?」


サキュバス「る、ルビアちゃん!?」


サキュバス「は、はわわ!?」


突然のことに、お転婆なルビアも混乱する。

模造とは言え、クナイの先端は若干本物である。

早く治癒魔法を施さないといけない思いと、突如訪れた葵との接吻に、ルビアの脳内はオーバーヒートしていた。


ルビア「んはっ、あ、ああ、葵!?大丈夫!?」


サキュバス「る、ルビアちゃん!早く治癒魔法を!」


ルビア「そ、そそ、そうだね!」


ルビアはクナイを引き抜き、直ぐに治癒魔法を施した。三人のサキュバスたちも慌てて、サポートに回った。


その頃、

シェリルとシャルの対決では、一進一退の攻防をしていたが、徐々にシェリルはシャルに押され始めていた。


そんな中二人は、葵の騒ぎを聞き付ける。


シャル「おや?なにやら、向こうが騒がしいな?」


シェリル「はぁはぁ、はぁはぁ。葵‥。まさか‥やられたのか。」


シャル「ふむ、女に手をあげないのは見事だが、少し課題であるな。」


シェリル「っ!」


シェリルは晴斗ではなく葵に向け駆け出した。しかし、シャルはそれを許さず前に立ちはだかる。


シャル「ふむ、勝敗より恋人を取るか。」


シェリル「っ!そこを退くんだ!」


シャル「いやなのだ。それに、騎士として試合を放棄するのはどうかと思うが?」


シェリル「うぐっ‥、くっ、」


力の差を思い知らされたシェリルは、

思うように踏み込めないでいた。


シャル「ふっふっ、この優越感‥たまらないのだ!ぬはは!」


突然いつものシャルの様に笑い出すと、

妖艶お姉さんの体が一変、徐々に体が小さくなっていった。


シャルは目をつぶって高笑いをしていたため、小さくなったことに気づいていない。

シェリルは、無言でシャルの前に立った。


シェリル「じーー。」


シャル「ぬはは!ん?あれ?どうしてシェリルが大きくなっているのだ?」


シェリル「‥ごくり。」


目の前には、先程までカリスマ溢れるお姉さんだった、可愛い幼女がいる。

シェリルは、辺りをキョロキョロと確認して、誰も見ていないことを確認するとシャルに抱きついた。


シェリル「か、可愛い~♪」


シャル「ぬわっ!?」


シェリル「よしよし~♪こうして近くで見るとシャルちゃん可愛い~♪」


シャル「こ、こら!?離さぬか!?」


シェリル「はぁはぁ、ふにふにほっぺに、さらさらな黒髪~♪」


シャル「ぬわぁ~!?や、やめるのだ~!」


普通では見せない、紅薔薇隊の隊長様は、

無類の可愛いもの好きであった。


戦力外まで力を失ったシャルは、なんとも無様に揉みくちゃにされたのだった。



その様子を(てん)から見ていた上杉校長は、

魔紅軍大将シャル・フォルトを戦闘不能と判定し、魔紅軍脱落の令を下した。


こうして士道部はかなりの戦力を失うことになるも、ギリギリのところで命拾いをするのだった。


その頃、

晴斗はズボンまでも剥がされ、性的に喰われる寸前であった。



更に一方で、微食会と対峙している魔紅軍は、ルイと微食会幹部の無双に蹂躙され、ほぼ壊滅していた。


リフィル「あちゃ~‥シャルちゃんが取られちゃったか~。」


エニカ「ふぅ‥決闘の決着は着かなかったわね。」


リフィル「まあ、仕方ないよね♪また、機会があれば決着をつけようね♪」


エニカ「そうだな。」


二人は健闘を称え握手を交わした。


その頃激戦区では、悔しさを噛み締めていた。


京骨「あぁ~、ムリムリ!強すぎるよ~、」


小頼「あ、あはは‥ここまでやられるとは思わなかったね。」


継丸「ね、姉さん‥ごめんない。僕が弱いばかりに‥。」


小頼「だ、大丈夫だよ継丸くん♪負けたのは継丸くんが悪い訳じゃないからね?」


継丸「うぅ、姐さん‥。」


小頼が慰めているとルイが近寄ってきた。


ルイ「‥‥小頼。」


小頼「あ、ルイちゃん♪やっぱり時期学園最強の力はすごいね~♪」


ルイ「‥っ‥怒らないの?」



本当の戦場しか知らないルイに取って、敗者が勝者に対して、ひねくれる光景を幾度も見てきた。

そのため、せっかくできた友だちと決別したくない想いで声をかけたのだ。


だが、実際はひねくれる所か、小頼はルイを褒め称え称賛した。それは、嘘偽りのない、心からの言葉であった。

そのため、ルイは少し驚き不思議な質問をしたのだった。


小頼「ふぇ?あ、あはは♪勝負に負けたのは悔しいけど、こんなことで怒らないよ~♪」


ルイ「‥‥‥どうして?」


小頼「それはだって、これは勝負でもお祭りだよ?負けても楽しまないと♪」


ルイ「‥ルイは‥それがわからない‥。勝負に負けたら‥悔しい。」


この打ち明けに小頼は、ルイの胸の内のモヤモヤを悟った。


小頼「確かに負ければ悔しいよ。でも、それは時期にルイちゃんも分かる日が来るよ♪」


小頼はルイの頭をポンポンと優しく叩いた。


ルイは片目をつぶり頷いた。

その姿は可愛い小動物の様であった。


小頼「ふへ~♪かわいい~♪」


小頼はそのままルイに抱きつき、なで回したのだった。



そして、磔場こと船着き場では、


桜華「ふぇ~!!?シャルちゃん負けたの!?」


エルン「そ、そのようだな。」


リール「もしかしたら、小さい姿に戻ってやられたとか~♪」


桜華「ま、まさかそんな‥‥でも‥う、うーん、あ、あり得ますね‥。」


エルン「もしそうなら、調子に乗って魔力を使い果たしたかもな。」


シャルの敗因を想像する桜華とエルンは、

苦笑いをしながら納得するのであった。


三人の美女たちが話している中、磔にされている二人はと言うと‥。


桃馬「うぅ、こんな終わり方‥あんまりだ。」


直人「‥‥分かる‥気持ちは凄く分かるよ‥だけど‥。」


二人のまわりにカラスが飛び交う中、

悲惨な敗北を味わう桃馬に、何かを言いかけた直人は、表情暗く頷いたのであった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ