第百九十三話 夏の大戦乱祭編(23) サキュバスの本領
男子の花園の一つ淫魔ことサキュバス。
そのエロエロなフェロモンにやられ、多種族婚約総合ランキングで、第三位に入る強豪である。
ちなみに第一位は、けも耳族こと獣人族。
第二位はエルフ族である。
そして今、淫魔界第三皇女であるルシアが、
サキュバスを率いて士道部にトドメを刺そうとしていた。
その前に、少し時を戻して、
女の子たちに揉みくちゃにされている、ディノと豆太のほのぼの回をどうぞ。
スザクに居場所を特定され、逆に襲撃を受け捕まったディノと豆太。他の男たちは容赦なく叩きのめされ、頼みの綱の孔真は、麗羅の元に連れていかれた。
豆太とディノは、手足と口を縛られ自由が効かない状態にされ、女の子たちに囲まれていた。
女子「はぁはぁ、豆太くんが怯えてる~♪可愛い~♪」
女子「そうそう、性的に食べるかもしれないけど、別に取って食おうなんて思ってないから安心して~♪」
豆太「んんっ~!んんっ~!?」
早速フルスロットルの女子たちを目の前にして、豆太は可愛く唸ることしかできなかった。
その後は、耳やら尻尾、ポッぺや手足、体の隅々までさわり倒されるのだった。
そして兄のディノは、そんな豆太の姿を目にしながら、サキュバスであるルビア率いる女の子たちに弄ばれていた。
ルビア「あはは~♪ディノくんったら、弟を見ながら興奮してる~♪変態だね~♪」
ディノ「うぅ、ふぅ~ふぅ~。」
実際ルビアが、かなり際どい事をして、ディノを反応させているだけなのだが、
これに味を占めたルビアは、言葉巧みに責め立てる。
ルビア「本当は、"あっくん"に初めてをあげたかったけど‥この際ディノくんでもいいかな~?」
ディノ「ふぅふぅ‥(そ、そんな!?こ、こんなところでするの!?)」
ディノの純粋な心を弄ぶかのように、
ルビアは挑発しながら誘惑する。
がしかし、ここで運悪くルシアたちの攻撃が始まると、女子たちはサキュバスから二人を守るような陣形で構えた。
ルビア「あちゃ~、これはやばいかな~。このままだと、二人が吸い殺されちゃうかも。」
女子「こ、これは二人を独占するための戦いですね!」
女子「豆太くんの貞操は私たちが守るよ!」
女子陣営の戦い目的が、
完全に変わってしまったのだった。
そして視点を元に戻す。
晴斗「くっ、そうだった‥。サキュバスの姿が見えなかったから忘れてたけど‥大半が連合軍にいるんだったな。」
ルシア「クスッ、私たちを忘れるなんて"半兵衛"の二つ名も形無しね♪」
晴斗「うぐっ、俺もまだまだ、だね‥でも、わざわざ出てきてくれて手間が省けたよ。」
一瞬マウントを取られ追い詰められたが、裏を返して考え始めると、口元を緩ませて笑みを浮かべる。
しかし、ルシアからして見れば、はったりの様に見えているため余裕の姿勢は崩さなかった。
ルシア「あら?一体何を狙ってるのかしら?」
晴斗「さぁ‥それは教えられないな。」
晴斗は刀を構えて攻勢の姿勢を見せつける。
しかし実際は策などはない。
ここまで予想外の連発に晴斗は予測をやめ、統率に集中していた。そのため、ここは策を捨て臨機応変に対処しようと思っていた。
ルシア「クスッ、体が弱いのに歯向かう姿勢‥たまらないわね。さすが、淫魔の中でも人気のある男ね♪」
晴斗「っ、な、何を言っているんだ!?」
ルシア「あら?知らないの?晴斗は淫魔の中でも上位に入るくらいの人気なのよ?」
晴斗「‥は、はぁ!?」
ルシア「だからね~。この際みんなの相手をしてほしいな~って、」
後方のサキュバスたちは、舌なめずりをして淫靡な動きをする。
晴斗「あ、相手って‥む、無理言うな!?し、死んでしまうよ!?」
シェリル「そ、そうだぞ!それに性行為は校則違反ではないか!」
葵「確かに、校則には不純異性行為は禁止とあるけど‥今思うけど、これはどこまで許されるんだ?実際、シェリルとキス‥ごふっ!?」
何か言いかけたようだが、シェリルの口封じが決まり、二人に何かあった様ではあるが、これ以上の漏洩は阻止された。
シャル「全く、不純異性行為禁止も録に分からぬとは‥仕方ないの。この校則は遊びでの行為は禁止にすると言う意味だ。実際はサキュバスの様に性を食べないと生きていけぬ者は、特別にキスやドレインタッチで共有できるようになっている。もちろん恋愛についても同じだが、学園内での完全なる淫行は禁止となっている。まあ破ってるのが多いようだがな。」
シェリル「そ、そうだったのか‥。じゃあ‥葵としても‥ごくり。」
シャルの親切な解説に希望を持ち、卑猥で淫靡な想像をするくっころ騎士様であった。
晴斗「おーい!なに感心してるんだ!?確かにシャルの言う通りだけど‥こ、こんなの相手にできるわけないだろ!?」
ルシア「あ~もう~、うるさいな?早く京骨とイチャイチャしたいんだから早く終わらせるわよ!みんな!やってしまいなさい!」
サキュバス「は~い♪」
晴斗に続き、ディノと豆太を狙うサキュバスたちが燕の様なスピードで突撃をする。
女子たちは果敢に奮戦する中、
手を出そうにも出せない、男子たちはバタバタと精気を吸われ倒れていく。
その頃、ルシアに撃たれたスザクは‥。
淫気にやられ椿を押し倒していた。
椿「す、スザク!?な、何してるの!?離してよ!」
スザク「はぁはぁ、椿‥はぁはぁ。」
まるで獣の様なスザクの行動に、
椿は変な期待をしてしまう。
椿「え、えっとスザク?い、嫌じゃないけど‥その‥と、時と場所を‥ね?」
少し顔を赤く染めながら訴えると、
なんとスザクが自力で淫気を振りほどいた。
スザク「っ!はぁはぁ‥はぁはぁ‥あ、危なかった。」
椿「ふえっ?」
スザク「すまん、椿‥もう少しで襲うところだった。椿が必死で声をかけてくれなかったら‥取り返しのつかないことになっていたよ。」
まさかの正気に戻った理由が、
単なるその場しのぎの呼び掛けであった。
淫靡で激しい恋愛イベントのチャンスを逃した椿は、その場にうずくまってしまった。
スザク「つ、椿!?ど、どうした急にうずくまって!?や、やっぱり嫌だったか?」
椿「べ、別に‥嫌じゃないけど‥。」
ここでくっころ系のツンデレイベント到来である。果たしてスザクは気持ちを汲めるだろうか。
スザク「そ、そうか、ふぅ、よかった~、嫌われたかと思ったよ。」
椿「‥‥唐変木。」
残念、鈍感で唐変木なスザクには、難しかったようだ。
ルシア「おや~?今日も私の淫気を自力で押さえ込むとは、相変わらずスザクもやるね~♪」
スザク「‥おいルシア!やっぱりお前の仕業か!椿の前で淫気を流すなって何度言えばわかるんだ!」
椿「えっ?」
ルシア「クスッ、だってそんなの‥見るに耐えないからに決まってるでしょ!この鈍感唐変木!」
スザク「っ!な、なんだと!?お、俺は椿が好きだ!こうも伝えているのに何が足りないんだ!」
ルシア「全然足りな~い!」
ここに来てスザクに対する不満をぶちまける。
ルシア「好き好きなんて、誰でも言えるんだよ!スザクの問題は椿の心を汲めてないことよ!」
椿「うんうん。」
椿も頷いて訴えかける。
スザク「うぐっ。そ、そんなこと‥今は関係ないだろ!ごふっ!?」
痛いところを突かれて話を逸らそうとすると、
ルシアの華麗な回し蹴りが襲う。
スザクはそのまま撃沈した。
ルシア「全く、この学園の重要な男子たちは鈍感ばっかりね。」
椿「全くです。でも、スザクらしくて私は好きかな。」
ルシア「椿も甘いわね~?」
椿「‥ふっ、それはどうかな?」
ルシア「実際そうだよ~♪。」
椿「いや、私が言った意味はそうじゃないさ。」
ルシア「ふえっ?じゃあどういう意味?」
椿「ルシアも甘いってことだよ♪」
椿が指パッチンをすると、
ルシアの体に電撃が走った。
ルシア「ほげっ☆」
電撃のような物を食らったルシアは、
その場に倒れ込んだ。
椿「全く、今は戦闘だと言うのに‥緊張感がないぞ。」
途中から恋バナが始まり戦いから反れていたが、 椿は冷静に小さな術式をルシアに仕込んでいたため、これをタイミングよく作動させ、忍らしくルシアを倒した。
しかし、ほっとするのも束の間。
総大将の晴斗がサキュバスに捕まり、
敗北の危機にさらされていた。
椿は急いで助けに向かおうとするが‥。
突如、触手の様な物が椿を襲う。
椿「くっ、な、なんだこれは!?」
手足を拘束され、身動きが取れなくなった。
すると、後ろから何者かに胸を鷲掴みにされる。
椿「なっ!な、なにをする!?くひん!?。」
ルシア「も~、不意打ちなんてひどいわ~♪」
椿「る、ルシア‥くっ、倒しきれなかったか‥。」
ルシア「クスッ、あんな威力じゃマッサージだよ~♪」
ルシアは嘲笑うかのように答えると、
モデル顔負けの椿の胸を嫌らしく揉みしだく。
椿「‥んんっ、くっ‥」
ルシア「おやおや~?言葉数が減ったね~♪」
椿「ぅ、うるさい‥くひっん!?」
ルシアはエロエロなくノ一衣装に手を入れ、
可愛く尖った何かを触り出す。
ルシア「クスッ、上に下着をつけないなんて‥くノ一の正装ってエロすぎるよね?」
椿「くふっ‥んあっ‥や、やめろ‥。」
ルシア「いいね~♪その反応~♪椿ちゃんもサキュバスになろうよ~♪そうすればスザクと毎日イチャイチャできるよ~♪」
ルシアの誘惑に椿は少し悩むも、直ぐに否定した。
椿「わ、私は‥サキュバスには‥な、ならない‥。」
ルシア「むぅ、強情だな~。でも‥椿ちゃんは、ここまでだよ♪この戦いが終わるまで私のおもちゃになりなさい♪」
椿「っ!ふ、ふざけるな‥、わ、私はルシアのおもちゃでは‥くひぃ~ん♪」
ルシア「ほらほら~♪体は素直なんだから、お口も素直になろうね♪みんな~、私は離脱するから、好きにやってなさい。」
ルシアはそう言い残すと魔空間を開き、椿と気絶したスザクを連れどこかへと去っていった。