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第百八十四話 夏の大戦乱祭編(15) 危険分子

影の正体である、

土佐清一が補導されると戦局は再び動いた。


元の姿に戻り覚醒したシャル様は、

部隊を再編し二年六組への攻撃を再開。


相川葵率いる士道部は一旦本陣へ退却。


船着き場では佐渡桃馬と両津直人が、シャル様の豊満な胸に顔を(うず)めた罪として、敵味方関係なく制裁を受けることになり、二人仲良く磔にされていた。


特に直人の場合は首に色魔(しきま)など、手痛いことを書かれた看板を下げられていた。


更には妖怪になって逃げられないように、孔真から札を貼られ、鎖で縛られると言う完全に拘束、いや、封印されていた。


そんな情けない二人の(そば)には、三人の美女たちが見守っていた。


桜華「不可抗力でも男子の皆さんは厳しいですね‥。」


エルン「‥た、確かに‥直人はともかく、桃馬でも容赦ないのには驚きだな。」


リール「あ、あはは‥でも、これもらしくていいよね♪」


エルン「うーん‥まあ確かに。」


桜華「‥磔にされている二人に取っては皮肉ですね。」


二人を助けようにも、恋に厳しい男子たちに"助けてはならない"と釘を刺されているため、彼女たちは見上げて見守ることしかできなかった。


一見功労者に対して酷い扱いだと思うところだが、これに関しては良い裁きであった。


理由としては、リールを傷つけた薩摩良盛が逃亡する中で直人を野に放てば、見境なく暴走し探し出すに違いな。

そうなれば、大戦乱祭どころではない。


もはや地獄と化すだろう。


直人に至っては、ほとぼりが冷めるまでずっとこのままである。




その頃、

微食会の戦況はと言うと、優戦地と苦戦地で分かれていた。


優戦地である、

士道部第三部隊との交戦では、一部土佐側による離反はあったが、四天王奏太、相撲部の二人の幹部を討ち取り、高田海洋率いる部隊はやむ無く陣を後退させた。


士道部の敗因は、土佐が相手にしていた茂野天を相手する者がいなかったからであった。



一方で、まさかの苦戦している、

渡邉蒼喜、近藤尚弥、本間孝の部隊はと言うと、


初戦は大優勢に持ち越し、一時はスザクが率いていた士道部すらも蹴散らし進軍していた。


しかし、ある男の出現により戦局が変わった。


それはとある男子の、"アァァーーツ!"っと言う、何かを掴まれた様な、けたたましい奇声が戦場に響いたことから始まった。


微食会の男たちは恐る恐る声がした方を見ると、


そこには、純粋闘志(じゅんすいとうし)の証と称した"白いブリーフ"一丁(いっちょう)姿のガチムチ部がいた。


恐らく犠牲者だろうか、ガチムチ部"主将"ベリー・レリフソン通称兄貴が、犠牲者の背中に片足を乗せ勝利のポーズを決めている。


これにより、ほとんどの微食会男子の士気は低迷し、一歩、また一歩と後退していった。


しかし、後退しても次々と襲われる同士たち、掴まれば最後、抵抗して勝てない限り、永久に残る屈辱を味わうことになる。



微食会男子「申し上げます!前線部隊がガチムチ部により被害多数!」


渡邉「く、ベリーの野郎‥。」


近藤「‥二条、三条はともかく‥あいつが敵にまわるのは男子に取って‥最悪だな。」


本間「もうここは近藤が行くしかないな。」


近藤「おい、なんで俺なんだよ?」


本間「いつも取っ組み合ってるだろ??」


近藤「それはベリーがオフの時な。てか、丸腰で戦闘モードのベリーと渡り合えるのは‥えっと‥海洋か、せいっちゃん(番場)くらいだよ。」


超危険と思われていた部隊も、更に危険なチート級男子の出現に三人の幹部たちも動揺する。


だが、そんなチート級のガチムチ部にも弱点はある。


それは女子には手を出さないと言う鉄の掟がある。しかし、ガチムチ部はブリーフ一枚だけのガチムチの変態集団のため、女子たちは本能からか近寄ろうとしない。


例え近寄ったとしても、鍛え抜かれた肉体美に惚れ込んだ変態女子であろう。


結局女子ですら倒せないのが現状である。




渡邉「取りあえず昼まで耐えるしかない。これを耐えれれば‥お裾分け作戦でガチムチ部には悪いが退場してもらうことができる。」


本間「そうだなそれがいい。‥十二時まで‥あと三十分か。」


二人は申し訳なさそうな顔で近藤を見た。


近藤「‥うぐっ、わかったよ‥。行きますよ、時間稼ぎをすればいいんだろ!」


こうして微食会随一の怪力男が、

勝利への時間稼ぎのため出陣した。





その頃、微食会本陣では。


総大将である"清楚で可憐な赤髪美女"エニカ姫と微食会幹部で、お裾分け作戦の準備をしていた。


エニカ「あ、あの‥こ、これを‥本当に混ぜるのですか?」


エニカは気が引けた表情で、右手にコーラ、左手にミルクティーを持っていた。


目の前の大きな鍋には、市販の醤油ラーメンのスープが入っている。


大西「気持ちはわかるけど、これは微食会創設に伝わる禁断の飲み物だから‥。」


星野「これを飲んだ者は‥その不味さのあまりトラウマを植え付けられ‥そして倒れ込む。」


坪谷「微食会特製"午後の毒物"だな。」


三人は手慣れた手つきで、スポーツドリンクやコーヒーなどを放り込んだ。


ルイ「‥これは‥食べ物じゃない‥。」


さすがの食いしん坊のルイでも、

これを食べ物認定はしなかった。


星野「さあ、エニカも‥。」


エニカ「うっ、うぅん‥。」


鍋の中で色んな物が配合された液体には、炭酸も入り"シュワシュワ"と音を立てている。


色も異様に濁り、言葉にならない物であった。


エニカは、目を閉じてコーラとミルクティーを注いだ。



これにより、禁断の微食会特製午後の毒物は完成した。


そして早速本陣の全員で、坪谷が手掛けた支給された水筒と瓜二つの物に"午後の毒物"を入れた。



注意、

飲み物は粗末にしないようにしましょう。

また毒物と称してますが、ここでは不味いの上位互換です。




星野「よ、よーし、あとは、混ざらないように運ぶだけだな。」


‥‥‥。


星野発言にまわりは肝心な部分に気づく。


大西「‥どうやって運ぶんだ?」


坪谷「‥すぅ~、う~ん、」


星野「‥考えてなかったな。」


エニカ「ふぇ!?まさかのノープランですか!?」


肝心な輸送について何も考えていなかったが、

坪谷が打開策を提示した。


坪谷「仕方ない‥数人で変装して運ぶか。」


大西「‥うぐっ‥や、やむ終えないか。」


星野「‥そ、それなら、誰が行くんだ?」


坪谷「そりゃ‥まあ‥俺たち三人と数人で行きたいけど、念のため一人は残したいな。」


大西「な、なら、俺と星野でいくよ。」


星野「まあ、その方が無難だな。」


エニカ「うぅ、二人とも気を付けてね。」


こうして、大西と星野はお裾分け作戦のため数人の仲間と共に輸送を開始した。




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