第百五十話 特別記念話 天下覇道編 4
PV5000回、百五十話記念 二話連続
最強を決める大戦が幕をあける。
詳細は百話、百二十二話、百四十九話をご覧下さい。
一回戦第二試合が始まった間もなくのこと。
エルン「ルシア様‥本来なら味方ですが今回は‥。」
ルシア「あぁ~、そんな講釈はいいわよ。相変わらずエルンは固いわね?」
エルン「け、剣士としての作法ですから。」
ルシア「そんなんじゃ、直人に嫌われちゃうよ?」
エルン「ふぇ!?」
ルシア「はぁ、直人の名前を出すだけで取り乱すとは、剣士の道のりは遠いわね。」
エルン「い、今は、な、ななっ、直人は関係ないじゃないですか!?」
ルシア「クスッ、これじゃあ直人も大変ね。でも、エルンのそれが好きなのかもね。」
エルン「は、はぅ‥///。」
ペースを乱され戦意喪失するエルン。
それを見るなりルシアは、いたずら心に火をつけた。
ルシアは隙だらけのエルンの後ろに回り込み、早速羽交い締めにした。
エルン「ふぇ!?な、何をするのですか!?」
ルシア「ほんとエルンは直人と仲良くなってから可愛くなったわよね?」
エルン「な、何を言って‥ひゃうっ!?」
ルシアはエルンの敏感な尻尾をなで始める。
エルンの体はプルプルと震え始めた。抵抗しようにも‥いつも可愛がられている感覚が甦り、抵抗できなかった。
ルシアは抵抗してこないことを良いことに、とある人に見せつけるように根本から先端まで触り始め、エルンを辱しめる。
エルン「る、ルシア様‥や、やめてください。」
涙目になって懇願するエルン。
それを双眼鏡で覗く一人の男は、鼻血を出して倒れた。
晴斗「お、おい!?どうした直人!?」
直人「‥い、今死んでも‥く、くいなし‥。」
晴斗「は、はい?何言ってるんだよ?」
嫁ラブの直人はリールに引き続き、双眼鏡で見ていた。薄い本であるような恥辱展開に理性が大破していた。
すると、そこへ同じシーンを見ていたリールが笑いながら声をかけてきた。
リール「あはは、あれを見たら耐えられないかもね♪」
晴斗「‥なんかなんとなくわかった気がする。」
晴斗は直人の双眼鏡を取り原因を探し出した。
すると、晴斗は納得。
これには直人に取ってクリティカルな光景であった。
ルシアは次第にスイッチが入り、エルンの尻尾を舐め始めた。
エルン「んんっ!?」
強すぎる快感に思わず手で口を塞ぎ我慢した。
ルシア「クスッ、可愛いくて美味しい尻尾ね♪はむっ♪」
エルン「んんっ!!?はぁはぁ‥お、お許しください。」
ルシア「だーめ♪私と直人‥どっちが気持ちいいかしら??」
エルン「うぅ、い、いじめないでくだひゃい‥。」
ルシア「クスッ‥たまらないわ♪」
M気質のエルンに心を滾らせるルシア様は、徐々にその行為をエスカレートさせる。
終いには服を脱がしにかかった瞬間、審判員に囲まれ反則とみなされ退場させられた。
京骨「何してるんだルシア‥。」
ルシア「あ、あはは~、調子にのり過ぎちゃった~♪」
京骨「全く、サキュバス式の戦い方するなよな?」
ルシア「いや~、性には勝てませんでした。」
マイペースなお姫様にため息をつくも、目の前の可愛い彼女に負けて頭を撫でた。
その後エルンは、少しの間ぐったりしていたが、すぐに意識を集中させ戦場に戻った。
しかし、ここで反則ギリギリの技を使う男がいた。その男が通る度、男性の悲鳴が上がった。
ベリー「全員だらしねぇな。」
男の名はベリー・レリフソン。
春桜学園ガチムチ部の総大将である。
この男と差しで戦って負ければ最後、口には言えないトラウマを植え付けられるそうだ。
男子「く、くそ‥ベリーの兄貴に勝てるわけないだろ。」
男子「もう、十人もやられてるぞ。どうするんだよ。」
高野「ここは俺にお任せを~。」
一般モブが苦戦するなか、高野槇斗があや取りをしながら現れた。その後ろにはクモの巣のように張られた糸に数人の選手たちが吊るされていた。
男子「おぉ!マッキー!やってくれるのか!」
男子「た、助かった~、これでトラウマを植え付けられずに済むぞ!」
高野「うんうん、と言うことでみんな邪魔♪」
高野があや取りをくいっと伸ばすと、まわりの男子たちが一斉に吊るされた。
男子「ぐあっ!?」
男子「な、なんだ!?」
男子「マッキーどういうことだ!?」
高野「うーん、俺が負ければ‥みんなも道連れ‥てきな?」
不気味にも不適に笑う高野は、もし自分が負けたときのことを考えて道連れを考えていた。しかも、勝てば選手たちは吊るされたままリタイヤさせられることができる。結局吊るされた選手たちは負けが確定していた。彼らに待ってる内容はトラウマか、無事に帰るかの二通りに一つだけだった。
当然、吊るされた選手たちは勝利を願った。
高野「さてと、さっさと吊るして終わらせるか。」
ベリー「oh、タカノ?次はお前か?」
高野「あぁ、早いとこ終わらせようか。」
絶対的に対峙することがない二人。そして今、夢の対決が始まった。
ベリーは無駄のない俊足で高野の後ろに回り込む。これは後ろからイチモツを掴みあげるガチムチ部の秘伝の技"がっぽい"の構えだ。
しかし、行動を読んでいた高野は、張り巡らした糸を使ってベリーを捕らえる。
高野「危ないな~?でも、読み通りだけどね?」
ベリー「oh、shit!迂闊だった!おぉう!食い込むぜ!」
どのように縛り吊るされているのかと言う件は置いておいて、悔しがってるのか、喜んでるのか、わからない男だ。
それ故、高野のは警戒していた。
例え完全に吊るしたとしても、目を離せば瞬時に抜け出して攻撃を仕掛けてくると感じていたのだ。
高野「演技はいいから、早く抜け出したらどうだ?」
そう言いながら、強く締め上げる。
しかし、これが逆効果を招いた。
ベリー「oh!この感じた歪みねぇぜ!」
ボディービルダーの様に筋肉を限界まで膨らませ糸を断ち切った。
すると、先程とは比べ物にならないくらいのスピードで、高野に迫り腹部に重い拳を食らわせる。
高野「かはっ!!?」
高野は勢いよく飛ばされ壁にめり込んだ。
ベリー・レリフソン最終形態
"ストリート"型である。
高野はそのまま戦闘不能、縛られた男たちは絶望した。
ベリーは直ぐにストリート型を戻し、縛られているだらしない男たちに制裁を加えた。
そして最後の視点、坪谷勇二郎と湯沢京骨は何かともどかしい戦いをしていた。
坪谷「ふーん、やれやれ‥まさかここまでやるとはね?」
京骨「はぁはぁ‥、はぁはぁ、そ、そろそろ‥お前も絵に頼らず戦ったらどうだ。」
坪谷「そうしたいけど俺は武芸よりも、こういった魔法系の戦闘が合ってるんでね。実際、俺の作品は悉く破壊されてるし、魔力的にも手の力的にも限界近いよ?」
京骨「はぁはぁ、俺にはそうは見えないけどな。」
坪谷「見た目が全てじゃないよ。まあ、八割は見た目らしいけどな。」
口ではかなりきつそうなことを言っているが、見た目はそうでもない様に見える。
しかし、坪谷の言い分も本当である。
絵にした物を具現化させるには、その大きさや性能にも比例して魔力が消耗される。
今回の試合はルール上の関係もあり、それほど強い物は出せず中途半端な物を大量生産した結果、手は腱鞘炎になり、魔力はほとんど残ってなかった。
対する京骨は、多勢に無勢と強くも弱くもない絵の魔獣に苦戦しボロボロであった。
本来"がしゃどくろ"になれば造作もないのだが問題は大きすぎると言う難点があり、変身しようにもできなかったのだ。
会場は盛り上がっているに対して、二人に至っては全力を出せないでいた。
坪谷「さてと、俺もこれで最後だ‥。最後は今ある力をすべて込めよう!行け!」
坪谷はありったけの魔力を注ぎ、"京骨"を出した。
京骨「っ!お、俺だと!?」
坪谷「はぁはぁ、この世で一番の敵‥己自信ということだ。」
京骨「‥ふっ、搾りかすみたいな魔力で作られた俺に負けるなど‥あり得るか‥ごほっ!?。」
しかし、かなり強かった。
むしろこいつは、京骨の皮を被った別人である。京骨はうずくまった顔をあげると、"京骨"は刀を抜いていた。
京骨「っ!」
坪谷「っ!こ、こら!刀は抜くな!?」
どうやら坪谷自信の魔力が尽きたことにより、制御できないようだ。
"京骨"は無言で刀を振り下ろした。
するとそこへ、一筋の光が横切った。
"京骨"は上半身と下半身を斬られ霧の様に消えた。京骨と坪谷が光の先を見ると、先程までルシアに可愛がられていたエルンがいた。
エルン「ふぅ、危ないところでしたね。坪谷殿、召還術を使うときは魔力の使いすぎには気を付けてくださいよ?それと京骨も慢心はダメですよ?」
坪谷「あ、あぁ‥悪い。」
京骨「ふぅ‥完全に油断した。」
本来反則ものではあるが、審判員からは死人が出るようなことであるとは思っておらずこの件はスルーとなった。
しかし、坪谷にはこれ以上戦える力はなく自ら降参宣言をした。
そして、まもなく番場と奏太の激しい衝撃波が襲い多くの選手が脱落した。
そして残ったのが、楓、ルイに続き
湯沢京骨
エルン、
ベリー・レリフソン
であった。
映果「さぁ、見事準決勝進出を決めたのは、この五人だ!!」
今回の残りは五人。
その面々は新たな波乱を導くような選手ばかりであった。
微食会は五人連続敗戦。
準決勝候補も次々と敗戦する波乱の展開。
第三試合は更に激しくなるだろう。
直人「‥エルンが勝った‥。なら、俺も勝たなければな。」
近藤「微食会の名に懸けて俺が勝利をもたらそう。」
本間「この面子はついてねぇな~。」
忠成「最強の武、我はこれを極め姫を守る矛となろう。」
忍「僕の美しい武で、会場を盛り上げようぞ!」
続く。
次回、第二百話記念
あるいは、PV7500記念でお会いしましょう