第百四十九話 特別記念話 天下覇道編 3
PV5000回、百五十話記念 二話連続投稿
最強を決める大戦が再び幕が上がる。
詳細は百話、百二十二話をご覧下さい。
あらすじ、
天下一覇道祭一回戦
第一試合から白熱した激戦を繰り広げ、
準決勝進出枠が五人のはずが四人となった。
準決勝進出
藤原志道
アンジェリカ・シルフィード
四風椿
スザク・ザングリード
激戦の一回戦第一試合が終わって早々に第二試合が始まろうとしていた。
メインカード
ベリー・レリフソン
高野槇斗
番場誠太
坪谷勇二郎
湯沢京骨
ルシア・シフェルム
燕奏太
エルン
ルイ・リーフ
朱季楓
などである。
映果「さあさあ、第一試合に続き、第二試合が早くも始まろうとしています!ここもかなりの優勝候補が揃っています!番場誠太と燕奏太、ルイと楓先輩など、ここも激戦が期待されると思います!それでは開始!」
映果の合図で銅鑼が高らかに鳴り響いた。
一試合に続いて大乱戦になるなか、注目の番場誠太と燕奏太、ルイと楓は期待通りぶつかった。
奏太&番場「拳式二式!阿修羅!」
二人は攻撃特化の拳式二式"阿修羅"をぶつけ合った。
その近くでは、ルイと楓が対峙していた。
楓「なるほどな~?可愛い顔して中身は鬼神ね。奏太より楽しめそうだな。」
ルイ「‥ルイはご飯のために戦う。ただそれだけ‥邪魔するなら‥倒す。」
おっとりとした表情から一転、鬼神の様な目付きへと変わり殺気を飛ばした。
久々に身の毛がよだつような感覚に楓は喜んだ。
楓「い、いいね‥鬼の私をここまで気迫で押してくるとはな‥。」
ルイ「‥参る。」
楓「っ!」
ルイは槍戟を構えると、楓でもやっと追えるくらいの速さで迫った。
辛うじて一撃目は避けれたが、二撃目で槍戟の束が楓の腹部を捉えられ飛ばされた。
楓「はぁはぁ、くっ‥強い‥。」
無敗と言われた朱季楓でも、ここに来てルイ・リーフと言う強敵に苦戦をしていた。
エロかっこいい着物にはダメージが入り、気になるところが見えそうで見えない状態であった。しかし、楓は恥じらいどころか邪魔な部分を破き姉御肌を出した。エロいはずなのに、むしろかっこいいが勝った奇跡の瞬間であった。
ルイ「‥まだやる?」
恐怖を駆り立てるような感じでジリジリと迫った。
楓「あぁ、やるさ‥ここで負けたら奏太に示しがつかないからな!」
楓は右足を力強く踏み込むと、地が割れ破片が跳ね上がった。
楓「拳式奥義、"鬼天叢雲"!」
楓は青白のオーラを纏うと腰を低く落とした。
少しルイとの距離が離れているにも関わらず、正拳突きの構えをした。
ルイ「っ‥。」
先程の雑で乱れた気が統一され、静かな殺気がルイを襲った。しかし、ルイは前に出た。
十メートル、五メートル、三メートルと、二人の距離が縮まる。
ルイは自分の間合いと楓の間合いのギリギリで立ち止まり構えた。
二人の戦いは強者の戦いへ発展した。
寸分の判断で決着がつく、
例えるなら迷い、焦り、集中、微量な心の乱れ一つで勝敗が決する。
そんな状況のなか、先手に動いたのはルイであった。
ルイは楓を薙ぎ払うように槍戟振るう。
しかし、楓は先程の強さとは全く違く、意図も簡単に槍戟を掴み、自分の方へ引き寄せ正拳突きを仕掛けた。
だが、ルイは"慣性の法則"に習い力に逆らわず引っ張られ、高い身体能力を持ってひらりと交わした。
しかし、楓は逃さずルイの美脚を掴み地面に叩きつけた。
ルイ「くはっ!」
勢いよく叩きつけられたルイは思わず声を上げた。その様子に微食会とエニカは唖然とした。
エニカ「ル、ルイ!?」
渡邉「‥さすが朱季先輩だな。」
近藤「っ!」
思わず近藤は身を乗り出して乱入しようとした。
藤井「なっ、待て近藤!?乱入はルール違反だぞ!」
近藤「それでも構うものか!やっぱりルイの苦しむ姿は俺は見たくはない!」
藤井「そんなのみんな同じだ!だがここで水を差せばルイが恥をかくぞ!」
渡邉「そうだ、とにかくルイを信じろ。微食会最強だぞ?」
エニカ「そ、そうです!ルイは強い子です!今のは転んだ様なものです!」
茂野「い、いや~、それは‥。」
本間「無理があるな。」
さすがの無理ある話しにツッコむ二人であるが、取りあえず過保護な近藤の押さえつけには成功した。
叩きつけられたルイは、少しふらつきながら立ち上がるも、大事は無さそうであった。
ルイ「‥いてて。油断した。」
楓「‥あまり効いてないようだな。」
ルイ「うん、少し驚いたけど大事はない。」
マイペースなルイは、槍戟を持たず楓と同じ拳式奥義"鬼天叢雲"の構えを見よう見まねで構えた。
楓「‥ほう、その構えは鬼天叢雲の真似かな?可愛いことをするのはいいが、素人に極められるほど簡単じゃないぞ?」
ルイ「そうかな?よっと‥すぅ~はぁ~、っ!」
息を整え楓同様に右足を勢いよく踏み込んだ。
すると、青白ではなく、深紅のオーラが現れルイに纏った。
楓「っ!」
外野微食会「っ!?」
ルイは見よう見まねで拳式奥義をマスターした。
ここで外伝小話
実はルイは武術の天才で、基本自分の技に忠実ではあるが、相手の技を直ぐに真似できるチート級の天才である。しかし、他の一面はからっきしで、しかもマイペースな分、何もできないのです。そのため、普通の日では仔犬のように大人しくちやほやされるそうです。
楓「こ、これは驚いたね‥。まさかこんな天才とはな。」
ルイ「‥これで対等。いくよ。」
そう言うと直ぐに攻撃を仕掛けた。
二人の攻防はほぼ互角、誰が勝っても不思議ではなかった。
一方で番場と奏太も殴り殴られの繰り返しであった。
番場「はぁはぁ、やっぱり‥対等でやりあうなら奏太だな。だが、はぁはぁ、勝つのは俺だ。」
奏太「はぁはぁ、楓姉さんが同じ場で戦ってるんだ。負けれるかよ‥。」
ダメージ量では奏太が大きく、ふらふらな状態であった。原因は拳式三式"不動"のカウンター技のもらいすぎであった。
番場「‥そうか、なら綺麗に決めやてやるよ。負けても誇れるこの技でな。」
番場は拳式五式"千手"の構えを見せた。
ここに来ての千手は奏太に取っても番場に取ってもきつい技であった。
対処できる体力のない奏太、そして、"千手"を出せば立てなくなることを分かっている番場。
死なばもろともの様に、今回も番場は相討ちを決めたのだ。
勝敗よりも力を出し尽くす。それが番場なりの美学でもあった。
奏太「‥今回も俺の負けか。壁は高いな。」
番場「引き分けだっつぅ~の!」
容赦のない一撃は激しい衝撃波と共に決まった。
大半の選手たちは吹き飛ばされ、足並みが大きく乱された。
映果「な、なんと言う衝撃波だ!戦場の多くの選手たちが吹き飛んだ!」
楓「っ!奏太‥!?」
ルイ「‥っ!?」
衝撃波が止むと、その中心には燕奏太、番場誠太が大の字で倒れていた。
映果「おおっと!番場誠太、燕奏太がダウン!今回も熱いライバル対決は引き分けのようだ!」
楓「‥奏太。」
楓は奏太が負けたことに気を取られ隙を見せてしまった。
ルイはこの勝機を逃さすが懐へ潜り込み渾身の正拳突きを仕掛けると、突如試合終了の銅鑼が鳴り響いた。
映果「ここで試合終了~!」
楓「っ!?」
ルイ「えっ?」
ルイは寸前のところで腕を止めた。
二人の決着が着く前に、準決勝進出の五人が決まったようだ。
楓とルイ、あと三人は誰なのか。
ここで視点を変えて時間を戻す。
次話へ続く