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第百二十六話 姑の罠

楽しい一夜はあっという間に終わろうとしていた。


雪穂率いる女性陣は少し広い蒼紫の部屋を占拠したため、寝床は男女で分けることになった。


その頃男三人は‥。


蒼紫「へぇ~、もう神輿突撃祭りか。今年は何処を壊されるかな?」


桃馬「呑気なこと言ってる場合かよ‥。相手は妖怪になった直人もいるんだよ?確実に無事ではいられないだろうな。」


蒼紫「おぉ!(なお)が妖怪になった話は聞いてるよ。それでどんな感じになったんだ?」


桃馬「えっと、妖人(あやと)って言う種で、見た目は人と変わらないんだけど、前の戦では鬼の角と狐の尻尾が生えたよ。」


蒼紫「おぉそれはすごいな!それなら俺も‥魔族か妖怪‥それとも人として生きるか。そろそろ決めないとだめかもな。」


蒼紫はシノンと結ばれてからずっと悩んでいた。人間のままでは確実にシノンより先に死ぬ。内心は人間として生涯を終えたい気持ち、共に長く生きて生涯を終えたい気持ち、二つに一つの究極選択。


もはやこれは一種の社会問題とも言えよう。


景勝「‥蒼紫、決めるのは蒼紫自信だ。父さんは蒼紫の人生を応援する。自分の信じた道を歩めばいいさ。」


蒼紫「信じた道‥。‥俺は大切なエルガとシノンと共に生きたい。そして立派な国王になって異世界の平和に貢献したいです。」


景勝「うむ、よく言った蒼紫。でも一つだけ絶対に忘れるなよ。権力は見えない凶器だ、使い方次第で核兵器に匹敵する危険な物になる。権力に飲み込まれて自分を見失うなよ?歴史の過ちは全て、権力による暴走から来るのだからな。」


久しく見た父親の真面目な姿に、二人の子は胸を打たれた。


蒼紫「はい、肝に命じます!」


桃馬「兄さんが国王‥。で、でもそれじゃあ佐渡家の跡継ぎはどうなるの?」


蒼紫「すまない‥それは桃馬が継いでくれ。」


桃馬「お、俺が佐渡家を‥いいの?」


蒼紫「あぁ、父さんもいいよな?」


景勝「二人が良ければそれでいい。俺としては、俺の代で終わらせても良いんだが。」


親父と今後の話をするのは久々だ。

でも、まさか親父が兄さんと俺を第一優先に考え、由緒ある佐渡家を畳む覚悟であったとは驚きだった。


桃馬「親父‥畳むなんて言うなよ。俺も兄さんと同じく‥桜華と共に生きて異世界と現実世界の平和のために貢献したい。兄さんが異世界なら俺はこの世界で戦います!」


景勝「桃馬‥うむ、よく言ってくれた。父さんは嬉しいぞ。」


祭りの話から段々スケールは大きくなり未来の話へと発展した。

結果的にはスムーズに話が進み二人の今後の人生の方針が定まった。


そして話をもとに戻そうとするのだが‥。


蒼紫「そう言えばさっきまでなんの話をしてたんだっけ??」


景勝「えっ?蒼紫が魔族として生きるか、人間のままで生きるかの話だろ?」


桃馬「そうそう、そこから今後の方針に発展したんだよ。」


蒼紫「‥うーん、何か忘れてる気がする。」


景勝「まあ、すぐに思い出すだろう。さっ、布団敷くぞ~。」


蒼紫&桃馬「おぉ~!」


残念なことに神輿突撃祭りの件は、完全に飛んでしまっていた。


その頃

占拠された蒼紫の部屋では‥。


雪穂「クスッ♪息子たちのお嫁さんと寝れるなんて幸せね♪」


エルガ「今日はありがとうございます、突然押し掛けてしまったのに、ここまで良くしてもらいまして。」


雪穂「良いのですよ♪それより‥ジュル‥、エルガ様の健康的な褐色肌とエルフ耳‥そしてチート級のスタイル‥蒼紫には勿体ないわ‥。」


徐々に目の色を変える元騎士様。

畏こくも皇女であるエルガを襲おうとしていた。


エルガ「お、お母様?」


そんな事も知らないエルガは様子のおかしい雪穂を心配して近寄ると、もっふもふのシノンが慣れたように割り込んできた。


シノン「わふぅ~♪お母様もっともふもふしてくだしゃい♪」


おねだりする仔犬のように尻尾と耳をピコピコ動かす。


雪穂「クスッ♪シノンちゃんは甘えん坊ね♪よ~しよし♪」


シノン「わふぅ~ん♪」


楽しそうに戯れる(しゅうとめ)はとても上機嫌である。

そんな様子を桜華は警戒しながら見ていた。


桃馬にまだ触られたことないところを色々触られ快感を教え込まれた桜華は、もう一度してほしい感情といつ襲われるか分からない恐怖の感情に支配されていた。


そのせいか、桜華の体は無意識にもじもじとさせていた。


雪穂は片目を開き、熟していく桜華の様子を見て喜んだ。


なんと雪穂は桜華とエルガの夕飯の中に媚薬を仕込んでいたのだ。

ちなみに、シノンはもふり用なので使うことはない。


媚薬は夫と息子にばれないように少量にしていたため、ダークエルフのエルガには、まだ効果がないようだ。しかし、桜華が効いていることで今夜のおかずは確定した。


雪穂は念のため逃げられないように会話を始める。


雪穂「桜華ちゃんとエルガちゃんは初対面だけど、仲良くなれたかしら?」


エルガ「はい、夕食時に色々とお話ができました。」


桜華「は、はい!わ、私も異世界のお話が聞けて楽しかったです。」


雪穂「クスッ、それはよかったわ♪それと‥こんな時に聞くのはあれだけど‥二人はもう夜の営みはしたかしら?」


エルガ「い、いえ、それはまだ‥。」


桜華「わ、私も‥まだ‥//。」


雪穂「クスッ‥それはいいわね♪シノンちゃんはどう?」


シノン「わふぅ~♪たくさんです~♪(もふもふです。)」


雪穂「まあ♪可愛いわね♪」


エルガ「た、沢山だと‥。し、シノンはそんなに可愛がられていたのか‥。」


桜華「す、すごい‥き、緊張しないのですか?」


シノン「全然♪だって気持ちいいから~くぅん♪」


注、シノンはもふもふの事を言っています。


エルガ「‥あの戦い以来、蒼紫は私にキスどころか襲おうともしない‥可愛さが足りないのか。」


桜華「わ、私も手は繋ぎますけど‥キスとかはまだ‥。むしろ、ジェルドとギールの方が進んでるような。」


二人は要らぬ誤解をしてしまった。

夜の営みをするには、シノン見たいにもふもふで可愛くないとだめなのだと‥。


シノン「蒼紫様のテクニックはとても気持ちが良いですよ~♪」


注、テクニック=もふもふです。



エルガ「そ、そうか‥ふむぅ、よ、よし!私もシノンを見習ってお願いしてみよう!」


桜華「わ、私も!」


雪穂「待ちなさい二人とも?気持ちはわかるけど今日はだめよ?」


エルガ「な、なぜですか?」


桜華「はぅ‥そうですよ。」


雪穂「二人は初めてなら少し準備してからでも良いでしょ?」


エルガ&桜華「準備?」


雪穂「そうよ♪男を本気にさせるには声や反応、色々あるのよ♪」


エルガ「そ、そうなのですか?」


桜華「でも、シノンさん見たいに甘えれば‥。」


雪穂「シノンちゃんはシノンちゃんよ♪二人には二人に見合った武器で勝負しなさい。」


エルガ「申し訳ありません。おっしゃってる意味が分からないのですが?」


桜華「ぶ、武器ってなんですか?」


雪穂「クスッ‥それを教えるためにここを占拠したのよ♪」


その後まんまと雪穂の罠にかかった三人は、

夜の営みを教え込まれたのだった。




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