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第百二十四話 一歩の歩み

一時は神輿役に不満を漏らしていた桃馬であったが、シークレットの存在を知ると掌を返したかのように神輿役に飛び付いた。

学園四割近くの女子の期待を裏切り、シャルが仕込んだ神輿役に助けられたのだった。


そして放課後の校門付近より。


憲明「何はともあれ、神輿役があったお陰で助かったな?」


桃馬「うぐっ、それよりこのバカ社長をどうしてやろうか。」


小頼「ふえーん!あの企画は白紙にしたんだから許してよ~。」


主犯の小頼はす巻きにされてジェルドに担がれている。


桃馬「うるさいな?危うく俺は公衆の面前で辱しめを受けるところだったんだぞ‥白紙だけで許すとでも?」


小頼「そ、そんな‥じゃあ、どうしたら許してくれるの?。」


桃馬「そうだな、盗撮禁止だ。」


小頼「ぬわ!?それだけは~ジェルドと桃馬の写真が売れなくなるのは痛いよ!」


桃馬「‥まだ撮ってたんだな。」


小頼「なっ!?謀ったな!?」


更に墓穴を掘る小頼に徐々に立場が悪くなる。


桃馬「‥それじゃあ、小頼商会を(たた)むか、要求を全て呑むか。どっちがいい?」


小頼「うぐっ、よ、要求を方で‥。」


桃馬「‥憲明録音は?」


憲明「ばっちりだ。」


憲明はこっそりスマホで今のやり取りを録音していた。


小頼「うぅ、まさかこんな形で終わるとは~。」


醜いやり取りの横ではジェルドの妹エルゼに戯れる桜華とリフィルがいた。


桜華「はぅ~♪エルゼちゃんの頬っぺたふにふにだね~♪」


リフィル「耳ももふもふで良い匂い~♪すぅすぅ~♪」


エルゼ「わふぅ~♪」


ご機嫌のエルゼは尻尾をブンブン振っている。


その様子にギールの弟の豆太は、じーっと見つめていた。


あぁ‥エルゼちゃん‥可愛い‥。


小さな狼に恋する小狸は、羨ましそうに見つめていた。


ギール「ん?ふーん、豆太?」


豆太「ふぇ!?ひゃい!?」


ギール「エルゼが気になるんなら声をかけて来いよ?」


豆太「ぼ、僕には無理ですよ‥。よ、弱い狸ですから‥。」


ギール「弱くても良いだろ?エルゼはそんなこと気にしない子だぞ?」


豆太「うぅ‥でも。」


不安な表情で"もじもじ"する男の娘ショタに、ギールの心を鷲掴みになった。


か、可愛い‥うぅ、弟じゃなかったら‥お、襲ってたかもしれない。


ギールの理性に黄色信号が点滅する。


シャル「見てられないの~、豆太!余と来るのだ!」


見かねたシャルは豆太の手を取りエルゼの元へ向かう。


豆太「ふぇ!?シャルお姉ちゃんどこに!?」


シャル「エルゼの所に決まっているのだ!」


豆太「ふぇぇ!?ま、待ってよ!?いきなりそんな!?」


少し抵抗するも、ズルズルと引っ張られる。


シャル「エルゼよ、ちょっと良いか?」


エルゼ「わふぅ?シャルお姉ちゃんどうしました?」


リフィル「シャルちゃんも触りたい?」


シャル「余はいいのだ。それより豆太とエルゼを触れ会わせてほしいのだ。」


豆太「シャルお姉ちゃん!?」


瞬時に事の次第を理解した桜華とリフィルは笑顔でエルゼの権利を豆太に譲った。


シャル「ほら豆太?いくのだ。」


桜華「頑張って豆太くん!」

リフィル「男を見せるときだよ♪」


豆太「うぅ///」


エルゼ「豆太先輩?」


目の前には無防備な"もふもふ"が豆太を見つめている。

豆太は赤面しつつ近寄った。


豆太「え、エルゼ‥ちゃん‥ぼ、僕も‥え、えっと‥もふもふ‥してもいいかな?」


エルゼ「わふぅ~♪良いですよ♪」


破壊力のある笑顔に豆太は暴走しそうになるが、ギリギリの理性で何とか踏み止まった。


エルゼは無防備にも後ろを振り向き、尻尾と耳を動かしている。


豆太「ゴクリ、じゃあ‥いくよ。」


もふっ。


エルゼ「はうっ♪」


豆太「はわわ!?ご、ごめん痛かった!?」


緊張のあまりエルゼの敏感な尻尾の先端に触れた豆狸くんは、エルゼの色っぽい声に驚き動揺した。


エルゼ「うぅん♪痛くないよ~♪」


豆太「そ、そう?じゃあ‥。」


もふもふ。


エルゼ「ひゃうん♪はぁはぁ。」


これが、エルゼちゃんの毛並み‥すごいもふもふだ~♪


二匹の愛らしい光景に微笑む外野。

スマホを取り出して写真を撮る者が多く現れた。

しかし、エルゼと豆太は気にも留めずに楽しんでいた。


桜華「か、可愛い~!」

リフィル「はぁはぁ、た、たまらないですね♪」

シャル「うむうむ!これで良いのだ!」


若干、桜華とリフィルが触れている時よりエルゼの声がエロく聞こえるのは置いといて、ギールとディノは微笑んだ。


ディノ「よかった、これで少しは豆太も前に進めるでしょうね。」


ギール「そうだな。これでエルゼがクールで少し男前だったら‥良いんだけどな。」


ディノ「に、兄さん?もしかして‥性癖漏らしました?」


ギール「‥ふぅ、ディノ‥墓場まで持っていけよ。」


ディノ「‥はい。」


性癖を思わず漏らしたギールは、低い声でディノに忠告した。



桃馬「はぁ、それより‥神輿役をどうするかだな。」

ジェルド「当日休むとか?」

桃馬「そうなると、祭りに行けないだろ?」

ジェルド「それもそうか‥。」

憲明「神輿役は提出されてるし、もう逃げ場はない。取りあえずシークレットを回避できただけラッキーと考えた方がいいよ。」

桃馬「そうだけど‥うーん、仕方ないか。」


神輿役には

藤原志道

ジレン

スザク・ザングリード

微食会半数

聖籠忍

湯沢京骨

など


そう言えば京骨とルシアの二人、部室に来なかったけど‥もしかして、集会みたいなのが合ったかな‥。まあ、明日誰かに聞いてみよう。



その頃

二年三組では‥。


守護役勢が集まっていた。


晴斗「えーっと、戦力外の俺が言うのはあれだけど、今年の目標は三十分以上神輿の暴走を防ぐぞ!」


三組男子「おぉぉぉ!!」


三条晴斗の号令に三組男子たちは熱を焚き付け狂気的に士気を高めていた。


奏太「まだ先の話だってのに、今から熱を焚き付けてどうするんだよ。」


海洋「本番で冷めなきゃ良いけどな。」


直人「‥確かにみんな帝都の一件から若干暴走気味だからな。下手したら本番前にオーバーヒートするかもな。」


奏太「どうする?今のうちに消化するか?」


海洋「そりゃいい、正気に戻してやるチャンスだな。」


直人「やめておけ、ここで怪我させたら元も子もないよ。」


三人が話していると目の前に微弱の炸裂弾が投げ込まれた。


直人&海洋&奏太「んっ?」


気づいた頃には、時すでにおすし(遅し)。

炸裂弾が爆発し、三人を撒き込んだ。


直人「ぷはっ‥。」

奏太「‥あいつら~。」

海洋「少しその熱を冷まさせてやるか。」



その後二年三組で大乱闘が起きたことは‥一部だけの秘密であった。



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