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第百七話 帝都ノ変(15) 家族と激震

帝都ノ変もいよいよ大詰め。

亜種族側では徳川家時の要請により親王派の大軍勢が加わった。


対する連合軍は結界の中で鋭気を養い。

各地で決起した義勇軍も帝都へと向かっていた。


そして、両津界人は極秘部隊として軍門に加わったアイシュ、リヴァルとリタ、リルを組ませて本陣奇襲隊をこっそり編成した。



リタ「界人さんも思い切ったことをしますね?」

リル「まさか、相手を味方にするとは‥しかも養子って‥。」


界人「共存共栄のためだ。それに救える命は救わないとな。」


リル「それにしても‥亜種族の幹部をこうして見ると私たちとあまり変わりませんね?」

リタ「確かに‥ジーー。」


アイシュ「な、なんだ?私の胸がどうかしたのか?」


リタ「この世は不平等ですね。」

リル「姉さん、今は胸はなくても需要はあります。」

リタ「リル‥巨乳は私たちの敵だよ。これは万物や森羅万象‥どんな時代が来ても変わらないわ。」

リル「姉さん、胸がない方が体は軽いし動きやすいです。特に変な視線もなし、(よこしま)な男も寄ってこないから安全です。」


界人「‥スカルとハイドは?」


リル「あう‥そうでした。胸がなくても需要があるなら、逆に寄って来ますよね。」


アイシュ「ち、父上‥わ、私たちはどう反応すれば‥。」


界人「‥コメントに困るな。だけど、二人は養子ではないが娘のように可愛がってきたからな。妹だと思って仲良くしてくれ。」


アイシュ「仲良く‥ですか。しかし、敵視されてる気がしますが。」


界人「‥持たないものの嫉妬かな。」


気を使ってあえて小声で話したのだが、

嫉妬に燃えるリタに聞こえていたみたいで‥。

炎系弱魔法"ヒバナ"を唱える。


界人「あっちっ!?」


リル「か、界人さん!?ウォーターショット!」


リルは慌てて水魔法を放つが、高圧洗浄器並の威力があるウォーターショットを誤って放ってしまい。界人はその威力に負け壁に激突した。


アイシュ「ち、父上!?」

リル「はわわ!?ご、こめんなさい!?」



リヴァル「はぁ‥何してるのやら。」

稲荷「クスッ、両津家では当たり前よ♪リヴァルも早くなれると良いわね♪」

リヴァル「っ!な、撫でるな!?」

稲荷「むう、直人でも嫌がらないのに‥素直じゃないのね?」


リヴァル「な、直人って誰だよ?」

稲荷「私の可愛い弟でもあり、お父様の実の息子よ。」

リヴァル「‥本家の子息か。父上がああなら‥子も子かもしれないな。」


稲荷「それはどうかしらね~♪」

リヴァル「ふっ、だがいいのか?俺がそいつの兄になるなら自然と俺はそいつの長男になる。嫌な顔しないか?」

稲荷「うーん、混乱はすると思うけど、今まで直人が背負ってきた負担も減るだろうし、私は良いと思うわ♪」

リヴァル「背負って来た‥か。どうせ変な守護正義を掲げてるんだろ?」


稲荷「正解♪リヴァルには直人のブレーキになってほしいのよ♪」

リヴァル「‥はぁ、どんだけ生真面目なんだよ。まあこの戦いで生きてたら面倒見てやるよ。」

稲荷「クスッ、きっと気に入るわよ♪」


少しほのぼのしい会話を楽しむ頃、

兄の景勝が訪ねてきた。


景勝「界人~?いるか?」


界人「いってて‥ん?景勝?」

景勝「おっ、いたいた。総理に例の件話してきたぞ。」

界人「おぉ、ありがとう。」

景勝「それでだ、幹部の二人にも事の次第を聞きたいと言っている。」


界人「そうか‥ちなみにシルバー陛下には言ってないよな?」


景勝「もちろんだ。亜種族に対する遺恨の根は、早々に消えるものじゃないからな。」


界人「よし‥それなら総理にはここに来てもらおう。帝都ではまだスパイがいる可能性もある。ここで(かくま)ったと(おとやけ)に出れば混乱を招く可能性もあるから、警界官を配置して会談の場を設けよう。」


景勝「うん、それはいい。だが会場は目立たないようにこじんまりとおこなうぞ。」


界人「わかってる。徳川が証拠を隠蔽(いんぺち)される前に、二人から情報を得て家宅捜査に踏み込む‥例え内閣が崩れようとも"この件"に関わった奴ら全員を捕まえ二度と空を拝めないようにする。」


景勝「ああ、国家特別法に基づく甘くない司法によって裁く。」

界人「権力と金では解決できない‥完全なる審判。」


景勝&界人「最終信農審判(さいしゅうしんのうしんぱん)。」


最終信農審判

別名、ラストシンアグリカルジャッジ


一般司法では裏工作が練られやすく、力のある者を裁く時には、権力と金が動くため、無罪や減刑など不平等な裁判が頻繁に行われる。


異世界と共存共栄のこの時代。

そんな不等司法では、悪人が自由に蔓延(はびこ)る汚い国に成り下がる。

それを阻止するため、中田栄角は畏こくも安明天皇に協力を求めた。


異世界と日本国、いや、世界の平和を願った。

平和の最後の砦。司法を越え嘘偽りなしの大審判。それが‥。

"最終信農審判"である。


真実をさらけ出し、嘘を語り罪から逃げようとするならば、即死刑が確定する。

外部の工作員、協力者も同罪である。


真の悪を徹底的に裁く。

悪の処刑場である。


有罪になれば死刑あるいは無期懲役。

財産と地位も没収である。


平和を保つには、皮肉にも一つの危険な抑止力が必要である。


天皇「中田。この国の司法はもはや崩れている。この"審判"で世界平和の道しるべとなることを期待する。」


中田「お任せください。この中田栄角。身命をとして世界平和に尽力致します。」



世界平和の生き血をすすり、私腹を肥やす"逆賊"に、安明天皇は憤りを感じ大いなる勅命を下していたのだった。




その頃、

そんな法を作られたことも知らぬ影の権力者はと言うと‥。

シャル派であるリヴァル、アイシュの二名の討ち取りの報告を待っていた。


徳川「まだ‥あの二人の首は取れないのか?」

魔人「も、申し訳ございません。まだ何も‥。」


徳川は苛立ちから扇子を投げつけた。


徳川「何をちんたらしておるのだ!早く見つけ出して殺せ!」

魔人「は、はい!」


徳川「ふっ‥使えぬ奴らだ。」


?1「まあ、良いではないか。ここまでシャル派の力を削げば‥我らに逆らう派閥はもうない。」


?2「その通り‥ゲドゥルムを亡き者にしただけでも大きい‥。」


徳川「‥案外早かったですな四星将(しせいしょう)殿。」


?3「ウホッ、帝都陥落に何を手こずっているのか。」


?4「シャル派の連中は結界も壊せんとはな。」


四人の亜種族は徐々に姿を現すと、親王派の大軍勢が姿を現せた。

そこには、同盟を結んだのだろうか。

妖魔、魔族の姿もあった。



※キャラ紹介

四星将

純血上級亜種族。


?1

深紅ノ血を浴びたような赤髪に、

堂々たる風貌とアンカー髭が特徴。

亜種族切手の最強魔術士。

グリード・マドリード


?2

前髪で目を隠し、美しい青髪が惹き付けられ、

エロゲ主人公見たいに、表情が読み取りにくい青年。

神速の暗殺者

スカラ・ジャック


?3

亜種族獣人種

猿の様でゴリラに見えるこの獣人。

破壊力は亜種族一を誇る。

一撃粉砕王

ゴリ・ゴリポン


?4

白黒髪に目は瞳は黄色で白い部分は黒と言う。

ザッ・ボス感が強く。

二メートルをも越える太刀を持ち、

迫り来る敵を一振りで十人以上を切り捨てる豪傑。

シシキ・ジューク



役者は再び揃った。



ゴリ「ウホッ‥面倒だ。一撃で破壊してやろう。」


シシキ「‥お手並み拝見だな。もし壊れなかったら‥一応シャル派には謝ろう。」


スカラ「なぜ謝る必要がある?」


グリード「‥時間が立つほど相手に有利だ。ゴリやれ。」


ゴリ「ウッホッ!行ってくるぜ!」


単身勢いよく結界に飛びかかる。

ゴリは渾身の一撃で結界を拳を見舞った。

拳は結界を破り、ガラスのように破片が散らばった。

すると結界は徐々に消え始めた。


シシキ「ちっ、やっぱりシャル派は役立たずだったな。」


徳川「‥さすが、四星将ですな。」


シシキ「‥ふっ、うるせぇよ。」


徳川「‥えっ?」


シシキは、太刀を持ち変え徳川の首を跳ねた。

何が起きたのかわからない顔をしたまま、地面に徳川の首が転がった。


シシキ「輪を乱すたぬきの声は好かん。」


スカラ「うわぁ~、先越されちゃったな‥このたぬきは僕が殺したかったのに。」


グリード「‥誰がやるかはどうでも良い。この戦を終わらせてやる。」


最終決戦の幕は斬って落とされた。

結界を壊され動揺する連合軍に襲いかかる大軍勢。共存世界最後の生命線‥果たしてその行方は如何に。

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