第百話 特別記念話 天下覇道編 1
ここは信潟県最大級の競技場ビッグバンスタジアム。
年に一回あるかないか、
特別な祝いの時に開かれる祭り。
武と魔法、全ての力を出し尽くし最強を決める大祭。
信潟県天下覇道祭。
春桜学園、並びに異世界の住人、一般人など信潟県県民がこぞって集まった。
スタジアム中央では畏こくも"安明天皇"こと鷹菊宮良仁様並びに、春桜学園、上杉 成陰校長、首相中田栄角、信潟県のラスボス小林幸恵らが開会式に出席した。
安明天皇が席を立ちマイクの前に立つと、会場の者たちは起立しお言葉を待つ。
天皇「朕、此度の素晴らしき良き日に、天下覇道祭を開催できたこと、誠に嬉しく思う。故に、参加者の方々は正々堂々と戦ってもらいたい。皆の健闘を祈る。」
挨拶を終え一礼すると豪快な花火が打ち上がり、会場は拍手と歓声が響き渡る。
上杉「陛下に続いて恐れながら申し上げる。早速選手の入場といたしましょう。映果くん、思う存分語られよ。」
映果「はい!それではここからは春桜学園二年五組亀田映果が放送権を一任させてもらいます!まずはこの男の入場だ!!」
貴族の身分でありながらも庶民の味方をする。アニメの主人公見たいなモテ男。
藤原志道!
おっと!今日はなんと三人の姫と一緒だ!見せびらかしてるのか!
志道「映果の野郎‥。」
ジャンヌ「こら!映果!人聞きの悪いことを言うでない!」
アンジェリカ「そうだぞ!余計なことを言うな!」
アリシア「あはは‥恥ずかしい。」
金髪長髪のエルフ、D胸部
ジャンヌ・フィルシー
銀髪長髪のダークエルフ E胸部
アンジェリカ・シルフィード
赤髪長髪の人間 E胸部
アリシア・ダグリネス
以上が彼女たちの簡単なプロフィールです。
ジャンヌ&アンジェリカ「映果!」
アリシア「映果ちゃん!」
会場は歓喜し拍手喝采である。
映果は四人を無視して進行を進める。
さて、続きましてこいつらだ!
謎に満ちた春桜学園大組織"微食会"の十人、
迫り来る相手は三十秒でで十分、春桜学園三剣聖の一人。
渡邉蒼喜
無意識こそ危険な物はない破壊帝
近藤尚弥
ツッコミのパシンは象も殺す。千手
本間孝
不義足る邪魔な者には毒を盛る。毒裁臥
藤井尚真
悪霊と怨霊の天敵、死神の大鎌で多くの悪霊と怨霊を刈りまくった、冥王
茂野天
その頭脳は微食のためにある。微食会唯一の魔法適応者。魔候盧
星野仁
こいつに銃を持たして戦えば確実に相手は死ぬ。銃王。
大西雷音
まさにチート、自分で描いた絵を具現化させるマッドアーティスト。
坪谷勇二郎
武器は不要、己の強さはその拳にあり、拳王。
番場誠太
微食会の頭目として噂され、一番謎深いポーカーフェイサー。
高野槇斗
おおっと!
あの美女は誰だ!?
微食会十人が入場すると、その後方で赤髪の美女がいた。
えっと、ただいま情報が入りました。
彼女はリブル公国の姫君、エニカ・リブル様です!
エニカ「へぇ~♪下から見るとすごいわね♪」
渡邉「こりゃ凄いな。サッカー選手の気持ちがわかる気がする。」
近藤「玉蹴り‥。」
本間「うーん、お前の玉を蹴ってやろ‥いやいや、うそうそ。」
番場「うわぁ‥相変わらず二人は意味深だな。」
何やら一部でいつもの下ネタで盛り上がってるようだが、大丈夫か微食会!
さて、お次は誰だ!
それから多彩な選手らが入場してくる。
一時間後
未だに歓声が鳴り止む気配はない。
むしろ増している。
いやはや、良いことだ。
そして、いよいよ大看板の出番である。
さぁさぁ、会場の熱も最高潮!
まだまだ続きますよ~♪
えーっと、次は‥おぉ!
春桜学園生徒会長、新潟時奈と
風紀委員長、聖籠忍だ!
そしてその後方には学園最強の武人、本田忠成
学園のくノ一聖母、四風御影だ!
おや?四人しか出てない‥見たいですね。
これは意外です。
しかし、後続には我らが二年生が入場してきます!
大妖怪がしゃどくろの末裔、湯沢京骨と最愛の彼女"ルシア"の入場だ!
京骨「‥あのばか。」
ルシア「学園の生徒たちは映果の解説を避けて通れないようね。」
京骨「ったく、終わったときが楽しみだな。」
さあ、続いては四天王の登場だ。
こいつを怒らせたら誰に止められない。
仏のような優しき心の裏では鬼を宿し、鬼仏と称された異常人。
両津直人!
体は貧弱、されど千里先を見通す天才。"半兵衛"の二つ名を持つ眠れるもやし。三条晴斗!
直人「もやしって酷い呼び方だな‥。」
晴斗「異常人もまた、酷いな。」
エルン「こら映果!直人に異常人とはなんだ!せめて異端児と言うんだ!」
リール「エルン?たぶんフォローになってないよ。」
おっと、ここで直人の花嫁の登場だ!
ちなみに、二人を傷つけたら直人がキレるから気を付けろ!
直人「いらん情報言うな!?」
さぁさぁ、歩いた歩いた。
さて次は‥おぉ!春桜学園三剣聖の二人がお出ましだ!
立ち向かう者敵なし‥とは言い切れないが、さしでやるならこの男であろう。剣聖"相川葵"!
そしてもう一人、一度剣を抜けば美しく舞う薔薇のごとく、屈強な男でも太刀打ちできない強きワルキューレ紅薔薇騎士。剣聖"シェリル・フェンリル"!
葵「本気で出るのかシェリル?今なら抜けられるぞ?」
シェリル「ふっ、バカを言うな。ワルキューレとしてここで引いては一生後悔する。それに"毎日葵と相手では剣術が育たないからな"。」
葵「まあ確かに、異世界ではシェリルの相手になれるのは少ないからな。」
シェリル「そう言うことだ。(私のバカ!私はただ葵と共に戦いたいだけなのに~、何強がってるのよ!)」
堂々と振る舞うその姿は騎士の鑑だ。
しかし、勘の良い映果は見逃さなかった。騎士系乙女のツンデレ法則は、強がりと見栄っ張りである。
おぉっと!渾身の不器用ツンデレがからぶったぁ!
シェリル「なっ!人聞きの悪いこと言うな!?」
赤面する騎士様に会場は盛り上がる。
直人「愛されてるな葵~♪」
葵「ふっ、シェリルはこうでないとな。特に、ツンデレサインがまた可愛い。」
直人「前にもツンデレサインについて聞いたけど、本当に葵を引き合いに出したな。」
葵「だろ?分かる人にしかわからない仕草だ。それで一人になった時いつも落ち込んでるんだよな‥可愛すぎる。」
直人「本当、葵とシェリルは良い見本だな。」
葵「直人だって良い見本だよ。あんなに可愛い二人を嫁にしてるんだからな。」
直人「まあな、俺には勿体ないくらいだよ。」
葵「俺も同じく‥。」
直人&葵「あはは!」
二人は楽しげに笑った。
さあ、可愛らしいワルキューレの次は。
春桜学園の猛犬 、狙った獲物は逃がさない。
その自慢の脚力と豪力で全てを喰らう。
さあ、狩の始まりだ!
白髪もふもふ美男子!二つ名は駄犬!
ジェルド・ヴラント!
ジェルド「駄犬言うな!?それを言って良いのは桃馬だけだ!」
ちょっと、何言ってるのかわからないですが、
もう一匹登場してきました!
漆黒の狼は白狼をも喰らう。
桃馬の狼は一匹で充分。
自称"従順たる忠犬"
桃馬の駄犬、ギール・フォルト!
ギール「ふっ、駄犬と言われただけで怒るとは‥器が小さいなジェルド?」
ジェルド「ギール‥お前も何が従順たる忠犬だ?大人しくシャルに飼われちまえよ。」
ギール「残念だがシャルは俺の妹だ。そんな程度で俺が動揺するとでも?」
二人の間で見えない火花が散る。
そんな時、乱入者が現れる。
シャル「ぬはは!面白い余興なのだ!」
ディノ「シャル様お待ち下さい!」
豆太「ま、待ってよ二人とも~。」
家で留守番をしていたはずの妹と弟たちが会場に現れた。動揺しないと言ってまもなく、動揺し始めた。
ギール「なっ!?シャル!?それにディノ、豆太まで!?どうしてここに!?」
おおっと!
ここでギールの兄弟たちの入場だ!
小さいながらも秘めたる力は天下一。
眠れる獅子とはまさに彼女のこと。
シャル・フォルト!
スライムの前で打撃はもはや皆無。
愛らしい男の娘フェイスは弟の豆太と一二を争う男と女の天敵。
ディノ・フォルト!
その愛くるしい生き物は国宝に指定すべき、手を出せば全国のもふもふファン‥いや、全てを敵に回すだろう!
天変奇術化狸豆太・フォルト!
ディノ「す、すみません、母上から気晴らしにどうかと誘われて‥。」
豆太「はわわ!シャルお姉ちゃん、ディノ兄さん早く戻りましょうよ。」
シャル「いやじゃ!余も戦うのだ!」
ディノ「そんなわがまま言わないでください!」
ギール「だめだシャル。お前は手加減できないだろ?」
シャル「そのくらいできるのだ!なめるでない!」
ギールはため息をついた。
これっ!と決めたシャルの前で、何を言っても無駄であることはわかっている。母さんが連れてきた理由も恐らくこれが狙いであろう。
ギール「わかった‥その代わり本気出すなよ?祝いの席に死人を出すわけにはいかないからな。」
シャル「そんな席にしばき合いとは物騒な席なのだ。」
ギール「それ‥言ったらおしまいだから、口閉じておけ。」
シャル「わかったのだ。」
さあ!残りもあとわずか!
さて次は‥おおっと!なんということだ!
一人の男が可憐なエルフに首枷をかけられているぞ!
まるで愛の枷にでも縛られているようだ!
まさか、最愛のリフィルに浮気でもしたのか!
村上憲明!
リフィル「クスッ♪もう~憲明ったら~♪目を離すと直ぐ浮気するんだから~♪」
憲明「誤解だってリフィル~!あと、浮気はしてないぞ~!」
リフィル「クスッ♪じゃあ、ライブ前のスカーレットお姉様となに話してたのかな?」
憲明「あいや、それは‥‥リフィルの誕生日プレゼントの相談してたんだよ。」
リフィル「ふえっ?」
憲明「ごめん‥やっぱり、サプライズはよくなかったな。リフィルの本当に欲しいものじゃなきゃ意味ないよな。」
リフィル「‥ばか、そんなの‥これで充分よ。」
憲明「うわっ、んんっ!?」
リフィルは首枷を引っ張り寄せ、大胆にも公衆の面前で憲明と接吻した。
会場は熱狂し今日一番の大歓声が起きた。
もはや大取りの盛り上がりに、最後に残された二人は入場口で機会を伺っていた。
桃馬「やるな‥あの二人。」
桜華「ごくり、リフィルちゃん大胆です。わ、私たちもしなきゃだめかな?」
桃馬「べ、別に‥み、見せつけるものじゃないからな。しなくていいだろ。」
桜華「そ、そそ、そうだよね♪あはは‥うぅ。」
誰もいない、誰も見ていない
二人だけの空間。
想う気持ちは同じだが、互いに遠慮し合って前に進めない。
だが、もどかしい気持ちが自然と体を動かしたのだろう。
二人の手が徐々に近づき、手の甲が当たる。
一瞬離れはしたが、桃馬は意を決して桜華の手を握った。
二人は声すら出せないくらい緊張していた。
次第に二人は見つめ合い顔を近寄らせ。
接吻を交わした。
入場口に暖かな風が吹き込み。
贅沢にも三秒くらい交わすとゆっくりと離す。
桃馬「あはは、や、やっぱり慣れないものだな♪」
桜華「でも‥こう言うのも悪くないですね♪」
二人は吹っ切れたのか、入場口が足を踏み出した。
さぁ、これが最後の出場者だ!
男だけにモテる人生から一発逆転。
吹かぬ春風吹いて遅咲きの桃花が咲き誇る。
九死一生、名も無き生き様を詩う男!
佐渡桃馬!
そして、
桜の聖霊にして、
春を告げ、始まりを告げるヒロイン。
裏では龍桜、桜華様とうたわれる春桜学園ラスボス。
柿崎桜華!
桜華「ら、ラスボスって‥映果ちゃん今日調子良いね。」
こうして三百人も越える参加者が揃うと、
上杉校長が立ち上がり競技場の注意に入った。
ごほん、それでは競技場の注意を申し上げる。此度の競技は男女混合五十人一組の総当たり戦とする。
反則行為は殺傷行為、競技委員会に認められた武器以外の使用。大魔法の禁止。
そして勝敗について、一回戦は各組の勝者五人が準決勝へ進出とする。
準決勝は一回戦の勝者五人をランダムに振り分け、
十人一組で各組勝者二人が決勝へ進出する。
決勝については、最後まで立っていたものが優勝である。
以上。
普段あいまみえない者たちが火花を散らす夢の対決。真の強者らが力を尽くす一世一代の晴れ舞台が始まる。
続。
次回、PV3500回あるいは、百五十話でお会いしましょう。