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ハッピーエンドを求めて  作者: AiU
四章
47/50

陽は西に沈む

 日が傾いてから時間が経ち、周辺は夕陽の光で朱く染まってきていた。

 最近は雨の降る気配なんてなく、見上げれば視界を遮る雲もない。

 (きっと、今夜もキレイな星空が見えるはず)

 日も良ければ月も輝くだろう。夜に目覚める者がいれば、その美しさに星の煌めきのような笑顔を見せてくれるはず。

 そんなことを考えながらアステリはリムニを見つめていた。

 穏やかに寝息をたてている顔を見ているとこちらまで心が穏やかになるようだ。

 軽く頬に手を触れても身じろぎ一つしない。それほど深く眠りについていた。

 リムニの容態は驚くほど良くなってきている。ほぼ空っぽになっていた魔力臓庫に、想造力(イメージ)ととも少なからず魔力も感じた。

 「これなら、日没が終わるころには……」

 一年も待たされたのだ。期待は膨らむばかりである。

 このまま順調に事が進めば、日が完全に沈み、夜の闇が迎えるタイミングでリムニが夢魔として目覚めるだろう。

 夢魔が生まれる瞬間としてこれ程良い瞬間なんて他にない。そう思えるほどに良い日である。

 「アステリ様」

 聞き慣れた声がしてアステリは振り返る。

 そこには二人のメイドがいた。

 片方は無口だが、機転が利く働き者のアフティ。どんな仕事も粛々とこなせる頼れる存分。

 もう一人は常に自分の近くにおり、支えてくれていたマティ。アステリのことをよく熟知している。

 この双子のメイドにはいつも助けられてきた。

 この世界に来てすぐに拾った3つの命だったが、良い拾い物をしたものだ。

 「どうしたの二人とも?」

 何か問題でも起きたのだろうか。

 マティは少し言い淀みながら話し始めた。

 「……ミティが見つかりません。屋敷の中やリムニ様の離れも捜索しましたがどこにもいませんでした。おそらく、敵の手に落ちたかと……」

 「そう……」

 ミティ、リムニの世話をよく任せており、リムニが一番信用していたメイドだ。

 たまに抜けているところもあったが、それでも懸命に事に取りかかる姿には助けられた。

 「それでマティ、それにアフティ。貴女たちはどうしたいの?」

 「もし、捕まっているのならば助けに行ってやりたいと思っています」

 マティがそう言うと、隣に立っていたアフティもうなずいた。

 「愚妹といえ私たちの妹。やすやすと欠けるわけにはいかないのです」

 「なるほど。姉妹の絆、というわけね」

 そう言われてしまえばアステリは何も言えない。今回の戦いも姉妹愛によるものだ。

 それを否定することはアステリ本人を否定することに他ならない。

 「分かったわ。ミティのために戦うことを許可する。貴女たちの力、存分に振るいなさい」

 「「ありがとうございます」」

 二人同時に頭を下げるメイドたち。あまり顔にはださないが、やはり心配していたようだ。

 「ミティがいなければきっとリムニが悲しむわ。この子が起きたとき、目に映る全てのものが幸せで満ちていなければならない。リムニはたくさん苦しんできたのだから」

 長い長い隠棲生活はとても窮屈であったはずだ。そこからやっと解放させられる。

 (そうして、やっと元の生活に戻れる……)

 辺りで動いているのは時折想造力(イメージ)を運んできてはベッドの上の黒い穴に入っていくティポスくらいのものだ。静かなものだが、着実に事は進んでいる。ずいぶんと想造力(イメージ)を持ってきたものだ。

 もはや他に邪魔をする障害もない。

 あと数時間後の未来を夢想してアステリは逸る気持ちを抑えるために息を吐いた。

 だが、そんなひとときの幸せの余韻は、激しい怒号と衝撃によって打ち砕かれる。

 「おっじゃまするぜー!」

 大きく張り上げた声の主は扉を派手に殴り飛ばして現れた。破片があちこちに散乱していく様子をアステリたちは呆然と見ていた。

 侵入者、というよりは襲撃者は揚々と進んで行き、アステリたちの前で立ち止まる。

 「やられた借りを返しに来たぜ」

 「貴方……」

 派手な登場にアステリは呆れていると、さらに二人の人物が続いてきた。

 「ちょっとアレス、待ってください! 一人で先走り過ぎです!」

 「扉を壊すのも良くはないね。まるで僕たちが乱暴者みたいじゃないか」

 「ココロもマモルも遅いんだよ。時間が無いって言ってるだろ」

 「いや、こういうところはまず探索してアイテム回収しないと」

 「……それ、ゲームの話ですよねマモル」

 現れるやいなや、ざわざわと盛り上がる三人組。昨日屋敷を訪れたアレス、ココロ、マモルの三人はすでに想造武具(イメポン)を具現化させており、屋敷の中のティポスたちと戦ってここまで来たのだろう。

 三人の勢いに置いてきぼりなりそうなアステリたちだったが、その空気に割り込むようにマティが前へ出る。

 「ずいぶんと騒がしいお客様たちですね。お呼び立てした覚えはありませんでしたが?」

 「ふん、おあつらえ向きだぜ」

 アレスが不敵に笑う。すでに高揚しているようで、いつでも飛びかかってきそうな雰囲気だった。

 「呼ばれるまでもなく来てやったさ。昨日は散々いろんなものを頂いたからな。もらってばかりじゃあ悪いからこっちからもお返しさせてもらうぜ」

 「……それはそれはご丁寧に」

 苦虫を噛んだかのようにマティは嫌そうな顔を浮かべる。

 その隙にココロがリムニの方へと目を向けていた。

 「マモル、アレス。どうやらすでにかなりの量の想造力(イメージ)が集められているみたいです。すぐにあの魔方陣を止めないとニフタ村の人たちが危険です」

 神の偶像(ギフト)であるココロが想造力(イメージ)を感じとったようだ。

 「なるほど。こちらの思惑はすでに知っているようね」

 やり取りを見ていたアステリが面白がるように言う。

 「私達の計画は当たり前だけど私達しか知らないはず。ということはどういうことかしらね。――――ねぇ、ミティ?」

 「え?」

 驚いた様子でマティとアフティはアステリの視線の先を追いかける。

 屋上の出入口となっている場所、その陰に隠れるようにしていたミティがそこにいた。

 「ミティ、アナタ、そこで何をしているの?」

 「お姉さま……。わたしは……」

 ばつの悪そうな顔を浮かべるミティ。どう言ったらいいか言葉を探しているように見えた。

 「ミティ」

 口を開こうとしないミティに、アステリは諭すように語りかける。

 「言うべきことがあるならはっきり言いなさい。誰かに促されるんじゃない。自分の意志で、堂々と胸を張って言うの。それが、私に仕えるメイドの在り方よ」

 「アステリお嬢様……」

 ミティは一瞬方を震わすが、意を決して陰から出てくるとアレスたち横に立ち、アステリと対峙した。

 「お嬢様、これ以上ニフタ村の村人を犠牲にするのはお止めください。リムニ様は、いつか村の人たちと会うのを楽しみしていました。このままリムニ様が目覚めてもきっと悲しまれます」

 「あら、私を差し置いてリムニを語るなんて、ずいぶんと偉くなったものね」

 「お嬢様……」

 「ふふふ、冗談よ。そんな不満そうな顔をするものじゃないわ」

 からかうようにアステリは笑い、そして深く息を吐いた。

 「貴女の考えは分かったわミティ。リムニのことを想ってくれていることは姉として感謝するわ」

 「アステリ様……! じゃあ……!」

 「だけど」

 アステリは目を細めてミティを鋭く見据える。

 「主に逆らった罰は受けてもらわないとね。今からそれが楽しみだわ」

 「……うへぇ」

 恍惚な表情を浮かべるアステリとは対象的にミティはげんなりしていた。

 裏切りの代償は大きそうだ。

 「そろそろいいか?」

 アレスがやり取りを打ち切らせるように間に入った。

 「何度も言うけど時間がないんだ。 話が終わらないなら通してもらうぞ」

 「まぁ待ちなさいって。そっちの二人はどうな の? 完全に部外者って感じじゃない?」

 「僕たちの場合は、ティポスがここにいるってことだからね」

 「世界の守護翼として、ティポスの対処にあたります!」

 「やる気十分って感じね。 よろしい」

 ここにいる者すべてに戦う理由がある。

 大切なものを守るため。

 使命をまっとうするため。

 そして、やられた借りを返すため。

 理由はまちまちであり、命を懸けるに値するのかはわからない。

 しかし、誰一人臆することなくこの場に立っていた。

 「なら、私たちも歓迎してあげるわ。見果てぬ悪夢に魂まで(いざな)ってあげる!」

 アステリの手に長い爪、そして背中にコウモリのような羽が具現化される。かつては魔力を使っていたが、永夢の魔方陣にかなりの量を使っているのでほとんど想造力(イメージ)で生成されていた。

 最初こそ違和感があったが、今となっては想造力(イメージ)のほうがしっくりきていた。

 マティとアフティも想造武具(イメポン)を具現化する。フレイルと三節棍。どちらも扱いが難しい玄人向けの武器だ。

 「お嬢様の手を煩わせるまでもありません。あなた方の相手は私たちで十分です」

 マティが手を上げると、アフティもうなずいて手を上げる。手の甲に埋められた赤い宝石が輝く。

 「「ティポスたちよ!」」

 赤い光に導かれて無数のティポスがどこからともなく集まる。一瞬のうちにアレスたちは囲まれてしまった。

 「多勢に無勢。二度も我らの屋敷を踏み荒らした罪をその身で償っていただきましょう」

 昨日と同じ状況だ。

 ティポスたちの相手をしながらアステリたちと戦い、結局は押し負けてしまった。

 ティポス一体はそれほど強くなくても、常に周囲を警戒するのは体力と精神力を消費する。このままでは昨日の二の舞だろう。

 「おあつらえ向きだぜ」

 だが、この危機的状況にアレスは待っていましたと言わんばかりに笑った。

 「キッポ!」

 アレスが名前を呼ぶと、物陰に潜んでいたミーニアたちが顔を出した。その手にある小弓をティポスたちに向ける。

 「オイラたちの力を見せるぞみんな。放てー!」

 キッポの合図にミーニアたちは矢を放つ。威力は低いが、その正確な弓捌きが確実にティポスたちを射抜いていく。

 確実にティポスは減っていった。

 「お得意のティポスラッシュはこれで封じたぞ」

 「まさかミーニア族が眠っていなかったとは……。はっ!?」

 矢に気を取られていたマティのもとへココロの玉が飛んできた。なんとかフレイルの持ち手で受け止めるが、大きく弾き飛ばされる。

 「昨日のようにはいきませんよ。勝負です!」

 「くっ!?」

 「マティ!」

 すぐさまアフティが追いかけるが、それをマモルが妨害する。

 「僕もやられっぱなしなのは悔しいからね。相手になってもらうよ」

 「……負けない」

 三節棍と盾の打ち付け合いをしながら、アフティとマモルも行ってしまった。

 残されたのはアステリ、アレス、そしてミティである。

 「じゃあ、お前も行ってくれ。キッポと協力してミーニアたちの護衛だ」

 「……本当に一人でやる気なのか?」

 「当たり前だ。そのためにここへオレは来たんだからな」

 「……わかった」

 それ以上言わず、ミティも行ってしまった。

 これでとうとう残されたのはアステリとアレスだけとなった。周りではすでに戦闘が始まっている。

 「さて、待たせたな。これで舞台は整ったってとこだな」

 アレスは軽く跳んだり手首を回したりして準備運動をしている。

 その姿は昨日とは何も変わりはしていない。

 「……あれだけ一方的にやられてもまだ懲りていないの? それともちょっとマゾなのかしら?」

 「まぞ? よく分かんないがバカにされてるのは感じるぜ」

 アレスは想造武具(イメポン)であるグローブをアステリへ向ける。

 やはり何も変化は感じられない。

 そもそもたった一日でどうにかできるはずもないのだ。

 (それなのに、ずいぶんと自信あるようで……)

 虚勢か、はたまた気でも狂ったか。どちらにせよ、アレスは立ち向かうことに一切の不安を抱いてはいなかった。

 「……いいわ。純然たる悪魔の強さを知ってなお、我が前に立つその勇気を称えて、再び絶望の悪夢に沈めてあげるわ!」

 「そんなもん、オレが握り潰してやるよ!」

 沈む夕陽が彼らの戦いを朱く彩っていた。



 鋭い爪の軌跡が三日月の形をなぞり、目の前を過ぎさっていく。少しでも判断が遅れていれば深手は免れない一撃だろう。

 それをアレスはかろうじて避ける。

 実際は度重なる連続攻撃に耐えることが厳しくなり、押された衝撃のまま後ろに跳んだだけだ。

 それでも空振りの隙を見逃さず、後ろ足で踏ん張りつつすぐさまグローブを振るうが容易く防がれてしまう。

 「まだまだァ!」

 先ほどのお返しと言わんばかりにグローブを振るい続ける。守ってばかりでは相手を倒すことはできない。

 なんとか隙をついて反撃を試みてはいるが、然したる効果は無さそうだ。

 「……解せないわね」

 突きだされたグローブを片腕で受け止めながら、アステリは不思議そうな顔をした。

 「何がだ」

 「たしかに昨日のアナタは連戦の後だった。リムニ、そしてミティと戦った後だから体力も想造力(イメージ)も消耗していたはず」

 「なんだ、ようやくオレが万全じゃなかったことに気がついたのか?」

 「バカね。アナタがベストコンディションだったとしても私の足下にも及ばないわよ」

 「そうかよ……」

 実際、アレスもそれくらいの力量差は感じていた。

 どれほど強がろうと、想造力(イメージ)が少し使えるだけの人間では純正の夢魔に敵うはずもない。

 昨日はアステリが遊んでいたのと、アレスが必死の戦闘センスでギリギリ食らいついていただけだ。

 「だから、ね!」

 「おわっ!?」

 アステリが拳を振るう。

 避けることもできない速度の拳を、アレスは腕を交差させてなんとか受ける。

 衝撃で後ろに跳んだが大したダメージではない。

 「ほら、わりと強く殴ったはずなのに耐えきるじゃない。昨日のアナタなら腕の骨が砕けきっていたはずなのに」

 「……おっかねーヤツだぜ」

 「そのおっかねーヤツの攻撃を防ぐアナタも大概ってことよ。それだけじゃない。戦いを始めた直後よりも想造力(イメージ)が増してきている。いったいアナタ、何をしているの?」

 「ナイショだ」

 「あっそう」

 そっけ無い返事にアステリは訝しい視線を向けてくるが、アレスはそれどころではなかった。

 「くそ……もう少しで何か掴めそうなんだがな……」

 魔神の想造力(イメージ)を自身の想造核(イメージコア)に取り込み、アレスは急成長を遂げている。

 だが、それでもまだ途中なのだ。

 ()()()()といえるような想造力(イメージ)を馴染ませるのは容易なことではない。それが魔神と呼ばれるような存在の想造力(イメージ)ならばなおさらだ。

 「ぐっ……!?」

 そして、時折流れてくる強い衝撃がアレスを苦しませていた。

 (あと、何回耐えれば落ち着くか……)

 言わばドーピングのように短期間で力を得ようとする行為だ。何のリスクも無いはずもない。

 『アレスよ、耐えておるか?』

 体の内側から直接頭に声が響いてくる。

 (魔神か……)

 『どうやらだいぶ苦しんでおるようだな。その小さな(なり)で我がチカラを取り込もうなど土台無理な話であったか。今からでも解放してやろうか?』

 (いらん心配はしなくていい。それよりも母さんの結界はまだ破れないのか?)

 『ふむ、存外強固でな。幾重にも張られておる。遠隔で永続的にこれほどの結界を造り出すなぞ、さすがと言わずにはいられんな』

 (魔神様とも呼ばれるやつがずいぶん弱気じゃないか)

 『フハハハ、言うてくれるな。だが、だいぶ解ってきたぞ。この結界の用途がな。しばしの間、せいぜい死なぬよう耐えるのだな』

 そう言うと魔神の気配は遠のいていった。

 (魔神のやつ、何か掴んだようだが……)

 現状、アレスにはほとんど何も分かってはいない。

 できることは魔神の想造力(イメージ)とアステリの猛攻に耐えることだけだ。

 「……やっぱりアナタ、何か取り込んだわね」

 アステリはアレスを、というよりは、その後ろを見つめるようにしていた。

 「この辺に野良悪魔がいたなんて話は聞いたことがなかったけど、よくそんなの見つけたわね」

 「分かるのか?」

 「いいえ、ぜんぜん。まぁ、私に気づかれないほどの小さな悪魔なんでしょう。その程度のチカラを身につけたところでたかが知れるわ」

 「……そうかよ」

 実際は魔神と呼ばれるような存在だが。

 住みかであるミーニア族の集落に結界を張っていたせいとはいえ、まったく気づかれないとは。

 (魔神が正しいのかアステリが正しいのか。悪魔の順列なんか分かんないな)

 悪魔の理なんて、人間のアレスが知るよしもない。

 「でも……それでも、アナタの想造力(イメージ)が急激に強くなっているのは分かる……」

 「な、なんだよ」

 アステリの目が細くなる。まるで獲物を狙う猛獣のように。

 「いいわ。アナタに栄誉なことをさせてあげる」

 アステリは羽を広げると、猛スピードで突っ込んできた。先ほどまでとは比べものにならない。

 ほとんど一瞬で目の前に現れるような速さだ。

 「く――――!?」

 「遅いわ!」

 ガードに入ろうとしたグローブを器用に払い、アステリの拳が土手っ腹に突き刺さる。

 「が、ぐっ……!?」

 衝撃と痛みど意識が遠のく。気絶だけはしないようにと歯をくいしばって耐える。

 「よっと」

 倒れかかった体をアステリに肩で担ぎ上げられる。

 「あ?」

 「まぁ、落ち着きなさい」

 パタパタとアステリはアレスを担いだまま低空を飛んでいく。向かった先はリムニが眠るベッド。

 「お、お前、何するつもり、だ?」

 「まあまあまあ」

 ベッドの上ではティポスの使う黒い穴が不気味に渦を巻いている。

 「アナタの想造力(イメージ)が増していっているのは事実。そして、その想造力(イメージ)はリムニの目覚めを早める良い(かて)となる。じゃあ、やることは一つじゃない」

 アステリは振りかぶると、黒い渦へ向かってアレスを放り投げた。

 「ちくしょおおぉぉぉ!」

 抵抗する間もなく、アレスは渦へと吸い込まれていってしまった。

 「リムニの糧となれることを誇りに思うといいわ。それじゃあ、おやすみなさい」

 吸い込まれて行きながらも、意識が途切れるその瞬間まで、アステリの笑い声が頭に残っていた。

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