詰め替え用
男は、「何か不満か?」と言いたげな顔で、何も言わず女を見ていた。
「アナタのそういうところが嫌いなの。優しいことばを、かけてくれてもいいでしょ?」
女は、フンっと鼻を鳴らしてキッチンまで早足に行くと、棚にならんだ四角いパッケージの中から一つを手に取って、箱裏の説明書きを読み始めた。
「これでいいワ。」
箱のプラスチック包装を剥がし、ふたを開けて長さ10センチほどで棒状の黒く光る中身を取り出すと、男の背後に回って首の後ろの黒い棒を差し替えた。
彼女がゴミ箱に捨てた箱にはこう書いてある。
「詰め替え用性格パック・お徳用 別タイプ2本セット やさしさ極&超強引」




