表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/3

魔王と青年~人間side~

 魔族への憎しみ、抑えられなかった憎悪。

 後の後悔、消えた日常。


 人間side 〜幸せの終わり、終わらぬ連鎖〜


 人間と魔族は均等を保っていた、そう、表向きには。

 しかし人間にも魔族にも悪いヤツは居るもので、人間の中には優しき魔王では抑えきれなかった魔族の手によって家族を殺され、魔族に憎しみを抱いている者も少なくはなかった


「今回来るのは魔王の娘で、殺してしまおうって話になってるらしいぜ」


 村人の耳に届いた悲しい現実、しかし魔族に憎しみを抱いている一人であった村人はその情報を嬉々として他の村人たちに伝えた。

 それが間違いとも知らずに――。


 少女の謁見風景は気品あふれるもので、決して人々が恨んでいる魔族とは思えなかった

 だが、恨みをぶつけなければ済まない。楽になれないからと人々は少女を殺した。


 その後、遠足気分で少女の死体を持っていった騎士たちが命からがら村に逃げ込んできた。

 宣戦布告の言葉とともに。



 騎士に魔王が涙していたことも聞いたその時、村人たちは思ったはずだ。


『これでは憎い魔族と同じじゃないか』と。けれどもう遅い、引き返せないのだ。


 その果実を選んで食べたのは人間。


 甘い果実を齧れば楽園を追われるのは昔からの決まりごと。


 勇者を召喚し、魔王に勝ったのちも平和ボケしていた村人達は戦争中の地獄絵図に耐えられなかった様で幻聴や吐き気に襲われ不眠を患う者も少なくはない。

 人間とさして変わらない魔王を倒した勇者は精神的に滅入ってしまい元の世界など忘れて酒に溺れているとか。


 そして魔王が倒され、魔族を虐げて喜んでいる者たちにも……幸せの終わる足音が忍び寄っていた。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ