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魔王軍物語 ~ ドタバタ会議室 ~  OMOIDEver  作者: じゆう七ON
第1章 元勇者、魔王タロウ誕生

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10/13

10話 新魔王歓迎パーティ計画の会議、その波乱の幕開け 2日目

■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━

魔界タイムズ(朝刊) 第10号

特集:新魔王、まさかの『ペア』制度を導入

――水と油のコンビ、魔界の未来を(つむ)ぐか?

━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■


 魔王城の玉座の間は、まるで嵐が去った後の海辺のように、静寂に包まれていた。昨日の激しい議論の余韻が、まだ空気中に微かに漂っている。しかし、その静けさこそが、新魔王が放つ新たな波乱の前触れであった。新魔王は、対立した幹部たちをあえて『ペア』として組み合わせるという、伝説で必殺の指令を下したのだ。


 この突飛(とっぴ)な発想に、各部門の代表たちは戸惑いを隠せない。華美(かび)を愛するジュエルと気品を重んじるヴァパイア、そして詩的なセイレンの三つ巴。規律の権化(ごんげ)たるガーゴイルと、ドジっ子のコボルト。さらに、歴史のグリモアと、今を生きるオニ。まるで、それぞれの哲学をぶつけ合う異種格闘技戦のようだ。


 魔王軍の未来を占う、この前代未聞の試みは、果たして彼らの間に新たな化学反応を生み出すのだろうか。あるいは、ただ混沌を加速させるだけなのだろうか。虚無ノ議場は、誰もが息をのむような緊張感に満ちていた(と、中立的な立場からはそう報じられている)。魔界の明日を占う、波乱の2日目が今、幕を開ける。


───◎───◎───


朝刊の総評(ドラックス記者)

この『ペア』制度は、幹部たちの潜在能力を引き出す斬新な試みだ。しかし、それぞれの個性が強すぎるだけに、衝突は避けられないだろう。我々は、この実験が吉と出るか、凶と出るか、冷静に、そして公平に報じていく。



◆◇◆━━━━━━━━━━━━◆◇◆



魔王軍物語 ~ ドタバタ会議室 ~

―― 10話 新魔王歓迎パーティ計画の会議、その波乱の幕開け 2日目  ――


 虚無ノ議場は、昨日の喧騒(けんそう)が嘘のように静まり返っていた。太陽の光がステンドグラスを透過(とうか)し、七色の光となって床に降り注いでいる。その光の筋の中を、チリ一つなく、空気は澄み渡っていた。壇上に立つスラポンが、静かに、しかし威厳のある声で口を開く。


「それでは、本日の議題を始めます。新魔王様からのご提案により、本日はペアを組んでの企画提出となります。昨日、意見が対立した皆さんに、あえて協力していただくことで、新たな視点と創造性が生まれると、新魔王様はお考えです」


 スラポンは、手元の書類に目を落とし、冷静にそれぞれのペアを発表する。会議室に張り詰めた空気が流れ、誰もが固唾(かたず)をのんで耳を傾けていた。それぞれの顔には、期待と不安、そして不満が入り混じっていた。


「まずは、ヴァパイア殿、ジュエル殿、セイレン殿のトリオです。次に、ガーゴイル殿とコボルト殿。最後に、グリモア殿とオニ殿のペアとなります。……それぞれのペアで、伝説で必殺のパーティ企画を考案し、発表してください」


 発表されたペアに、ヴァパイアが優雅に扇子(せんす)を広げて不満を口にする。彼女の鋭い視線がジュエルとセイレンに向けられる。まるで、二人の存在そのものが、彼女の品位を汚していると言いたげだった。


「あら、わたくしとこの派手なジュエルと、感傷的(かんしょうてき)なセイレンと、トリオだなんて……品位を疑いますわ。わたくしの美意識が、これほどまでに試されるとは思いませんでしたわ」


 その言葉に、ジュエルが顔を紅潮(こうちょう)させて反発する。彼女の髪飾りが怒りの震えで微かに揺れた。宝石が光を反射し、彼女の感情の高ぶりを表しているかのようだった。


「何を言っているの、ヴァパイア! わたくしの芸術は、派手さではなく美の結晶よ! あなたのような、いつの時代の遺物か分からない古臭い貴族とは、次元が違うの! 品位、品位って、それしか言えないのかしら!」


 セイレンは、そっと目を閉じ、ヴァパイアの言葉に傷ついたように、胸に手を当てる。彼女の心に、不協和音が鳴り響いているかのようだった。


「ヴァパイア。あなたの言葉は、まるで枯れた花のようね……。私の歌声は、人々の心に、(うつお)いと感動を与えるのに……。あなたの言葉には、何のメロディもないわ……とても悲しい歌……」


 ガーゴイルは、隣でビクビクと体を震わせているコボルトに、威圧的な視線を向ける。その視線は、まるで獲物を狙う猛禽(もうきん)(肉食の鳥)のようだった。隣にいるコボルトの小さな姿が、彼の巨大さを一層際立たせていた。


「何を言っているのだ、新魔王様は! なぜ、この規律を乱すドジっ子と、私を組ませたのだ! 規律が乱れるではないか! 会議室でさえ、いつ何が起きるか……。おい、コボルト、お前は余計なことをするな! 私の視界から消えるなよ!」


 コボルトは、ガーゴイルの威圧感に、体を震わせながらどもるように答える。その小さな手が、震えながらガーゴイルの服の(すそ)を掴んだ。彼の目には、恐怖と、それでも頑張ろうとする小さな勇気が宿っていた。


「あ、あの……! ボ、僕も、ガーゴイルさんと一緒で、大丈夫かなって、不安っす……! いつも転んじゃうし、物を落としちゃうし……ごめんなさいっす……。僕が、ガーゴイルさんの邪魔をしないように、一生懸命頑張るっす!」


 グリモアは、沈黙したままのオニに、困惑した表情で分厚い歴史書を差し出す。その本のページは、彼の知識の深さを物語るように、端が摩耗(まもう)していた。彼の言葉には、過去の英知を今に活かそうという、強い信念が込められていた。


「オニ殿……。歴史とは、過去の出来事から未来を予測する、壮大な物語である。我々が、いかにしてこの難題に挑むか、過去の事例を紐解(ひもと)くべきではないか……? 歴史には、無駄なものなど存在しないのである。この書物には、伝説の英雄たちがどのように困難を乗り越えたかが記されている……」


 オニは、グリモアの言葉に興味がないように、ただ黙って首を振る。彼の目は、歴史書ではなく、遠くの虚空(こくう)を見つめていた。まるで、今この瞬間に起こりうるであろう、見えない敵と戦っているかのようだった。


「……くだらん。……歴史など、ただの紙屑だ。……必要なのは、今、この瞬間を生き抜く力だ。過去は、どうでもいい。今をどう生きるか、それだけだ。お前は紙と語っていろ」


 しかし、議論が始まると、それぞれのペアは意外な化学反応を見せ始めた。ヴァパイア、ジュエル、セイレンは、互いの美意識をぶつけ合いながらも、徐々に一つの案へと集約していく。ガーゴイルは、コボルトの些細なドジを一つ一つ指摘しながらも、そのドジから生まれる新たな視点に気付かされる。グリモアは、オニの無骨(ぶこつ)な実戦論から、歴史がただの記録ではなく、血肉の通った物語であることに気付かされた。


 やがて、それぞれのペアが、自信に満ちた表情で壇上に並ぶ。スラポンが、冷静な声で最初のペアを(うなが)す。


「それでは、ヴァパイア殿、ジュエル殿、セイレン殿のトリオから、発表をお願いします」


 ジュエルが、優雅に身振り手振りを交えながら、誇らしげに語り始める。彼女の身振りはまるで舞踏のようだった。彼女の言葉一つ一つが、聴衆(ちょうしゅう)の心に魔法をかけるかのように響いた。


「聞いてくださいまし! わたくしとセイレン、そしてヴァパイアのトリオは、究極の美の宴を創り上げますわ! まず、わたくしの技術で、宝石の力を凝縮した特殊なクリスタルを作り、そこにセイレンの美しい歌声を反響させ、音量を増幅させるのです! そして、そのクリスタルの光源で、会場の空にヴァパイア様の気品ある動きを投影しますの! 歌と光と舞が織りなす、伝説で必殺のイリュージョンですわ! これこそ、新時代の芸術よ!」


 次に、ガーゴイルは腕組みをして、隣に立つコボルトを見下ろしながら、厳格な声で語り出す。彼の声は、まるで岩が擦れ合うような重々しい響きだった。彼の背後には、コボルトが(おび)えながらも、誇らしげに立っていた。


「我々とコボルトの案は、心の繋がりを具現化するための、最も重要な土台だ。警備用ゴレームを増設し、パーティ会場の警備を、過去に例を見ないほど強固にする。規律なくして、宴は成り立たないのだ! ……そして、その計画には、コボルトにヒアリングして判明した『不注意』と『不運』がもたらすであろう、あらゆる事態を想定し、万全の態勢を敷く。規律とは、常に不完全な存在を前提として、その上に築かれるものだ!」


 最後に、グリモアが、分厚い魔導書を胸に抱え、静かに口を開く。その隣には、無言で立つオニがいた。二人の間には、一見すると分かり合えないかのような、しかし奇妙に調和した空気が流れていた。グリモアの言葉には、歴史家の知性と、新たな発見への興奮がにじみ出ていた。


「我々とオニ殿は、新魔王様の歴史の始まりを、魔界全土に刻むことを提案する。巨大な魔導書を創造し、そこに新魔王様の即位の儀式と、我らの誓いを書き込むのだ。この魔導書は、急な臨戦時には、新魔王様の強大な魔力を受け、皆を守る結界の中心となり、我々の結束を示す証となるだろう。……これは、ただの記録ではなく、未来を築くための指針である」


 それぞれの発表が終わり、会議室は再び静まり返る。スラポンは、深く感銘を受けた表情で、静かに頷く。彼の目には、この会議の成功を確信した、満足げな光が宿っていた。


「……素晴らしい。どれも、新魔王様が(おっしゃ)った『心を繋ぐ』という理念を、それぞれのやり方で具現化しています。……まさか、これほどまでのアイデアが出てくるとは……。この会議は、成功ですぽん!」


 その時、会議室の扉が、ゆっくりと、しかし確実に開き、新魔王が姿を現した。彼の足音は、会議室の床板(ゆかいた)を震わせる。その存在感だけで、場の空気は一変した。まるで、凍てついた氷の中に、熱い炎が灯ったかのようだった。


「――静まれ」


 その一言が、会議室に響き渡った瞬間、空間から全ての音が消え失せた。五感から余計な情報が消え去り、ただ新魔王の存在だけが、そこに満ちていた。誰もが、息をのむことさえ忘れ、直立不動となる。新魔王は、ゆっくりと歩みを進め、三組の企画書を眺める。


「……伝説で必殺のパーティとは、それぞれの個性がぶつかり合い、そして調和することから生まれる。品位、芸術、安全、そして歴史。すべてが揃って、初めて真の宴となるのだ」


 新魔王の言葉に、スラポンは深く頭を垂れ、その場でひれ伏す。彼の表情には、新魔王への絶対的な忠誠心と敬意が表れていた。


「……新魔王様のお言葉、誠にごもっともでございます。それぞれのアイデアを統合し、最高のパーティを作り上げてみせます」


 ヴァパイアは、静かに頷き、トリオの企画書を広げた。その表情には、満足げな笑みが浮かんでいる。彼女は、自らの美的センスが認められたことに、密かな喜びを感じていた。


「素晴らしい御言葉でございますわ。ですが、わたくしの品位ある舞踏は、このイリュージョンの華を咲かせるでしょう。ジュエル、セイレン、わたくしがこの案を完璧に完成させて差し上げますわ。この案を、より完璧なものにするために、あなたたちの力を貸してちょうだい」


 ジュエルは、ヴァパイアの言葉に高揚し、華麗なターンを決める。彼女の胸のクリスタルが、激しい光を放ち始めた。彼女は、この企画が、自分の芸術を証明する最高の舞台だと信じていた。


「あら、ヴァパイア。何を言うのよ! 私たちのアイデアは、わたくしの美の結晶に他ならないわ! 新魔王様も仰った通り、これは、私と、あなたの、そしてセイレンの心が繋がった、伝説で必殺の芸術なのよ! ねえ、見て! このクリスタルは、わたくしの魂そのものよ! あ、ちょっと、キラキラしすぎちゃったかしら! うふふ!」


 ジュエルが身に着けていたクリスタルが、強烈に輝き、会議室に虹色の光が乱反射する。その光にコボルトが目を回してよろめき、持っていた書類をばらまいた。


 ガーゴイルは、ばらまかれた書類と、キラキラと輝くジュエルを交互に見て、額に青筋を立てて目を赤く光らせる。その瞳の奥には、憤怒(ふんぬ)の炎が燃え盛っていた。彼の怒りは、ジュエルの無責任な行動が、築き上げた規律を揺るがすことへの、強い憤りだった。


「何を言っているのだ、ジュエル! それで本当にいいと思っているのか!? 今、お前が放った光で、コボルトが転倒し、会議の書類が散乱したではないか! 規律とは、予測不能な事故にも対処できる強固さがあってこそ成り立つものだ! お前のその無責任な行動は、伝説で必殺の宴の安全を、根本から揺るがすものだ! 分かっているのか!」


 ヴァパイアは、ガーゴイルの言葉に(うなず)き、冷静に扇子(せんす)を揺らす。彼女は、ジュエルの軽率な行動を軽蔑するように、冷たい視線を投げかけた。彼女の言葉は、まるで鋭い氷の刃のように、ジュエルの高揚した感情を切り裂いた。


「あら、ガーゴイルの言う通りですわね。ジュエル、そのように軽率では、品位が損なわれますわ。それに、この壮大な計画には、莫大な予算が必要になるでしょう。財政部門のミミックが、この計画に首を縦に振ってくれるかどうか……。そこが、この宴の最大の難関かと存じます。どんなに素晴らしい計画も、お金が無ければ、ただの夢物語ですからね」


 会議室に、再び重苦しい空気が流れ始めた。新魔王は、そんな幹部たちの様子を満足げに眺め、深い笑みを浮かべた。彼の目には、この新たな課題を乗り越えることで、魔王軍がさらに強固な組織になるという確信が宿っていた。


「――伝説で必殺の宴は、二日にしてならず……。次は、財政部門のミミックに、予算の査定を依頼しようではないか」


 こうして、新魔王歓迎パーティ計画は、壮大な計画と、それを(はば)む現実という新たな課題を残して、その第二歩を終えたのであった。



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魔界タイムズ(夕刊) 第10号

速報:新魔王歓迎パーティ、新たな波乱の兆し!

――「予算問題」が浮上、ミミックは笑うか?

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 新魔王の提案による「ペア制度」から、伝説で必殺の企画案が次々と生まれた(気がした)。


ヴァパイア、ジュエル、セイレンは美を追求したイリュージョン、ガーゴイルとコボルトは規律に基づいた安全計画、グリモアとオニは歴史を刻む壮大な儀式をそれぞれ発表。


しかし、その華々しい企画の裏で、ヴァパイアが指摘した「予算問題」が、新たな火種として浮上した。


莫大な費用が予想されるこれらの計画に、守銭奴のミミックは果たしてどのような裁定を下すのか。魔界の宴の行方は、いよいよ複雑な様相を(てい)してきた。


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夕刊の総評(ドラックス記者)

それぞれの企画は、確かに素晴らしいものだった。しかし、金がなければ何も始まらない。この会議は、理想と現実の狭間(はざま)を浮き彫りにした。ミミックの動向が、今後の魔王軍の行方を左右するだろう。我々は、その真実を報じ続ける。



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魔界名言解説コーナー


今週の名言ピックアップ&解説


───◎───◎───


発言者:ガーゴイル


発言:「規律とは、常に不完全な存在を前提として、その上に築かれるものだ!」


詳細解説:ガーゴイルが、コボルトのドジを通じて悟った、真の規律のあり方を示した言葉。単なる規則の遵守(じゅんしゅ)ではなく、不測の事態にも対応できる柔軟性と強固さを持つことこそ、本物の規律であると説いている。この発言は、彼の規律に対する深い洞察と、コボルトとの協力を通じた成長を象徴している。


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発言者:ジュエル


発言:「何を言っているの、ヴァパイア! わたくしの芸術は、派手さではなく美の結晶よ! あなたのような古臭い貴族とは、次元が違うの!」


詳細解説:貴族のヴァパイアに真っ向から反発し、自身の美意識の高さを主張した、ジュエルらしい一言。派手さと美しさは別物であるという、ジュエルの哲学が凝縮されている。この言葉は、外見の華やかさだけでなく、内面の美を追求する彼女の芸術家としての誇りを表している。


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発言者:オニ


発言:「……くだらん。……歴史など、ただの紙屑だ。……必要なのは、今、この瞬間を生き抜く力だ」


詳細解説:グリモアの歴史観に対し、オニが放った実戦主義者の魂の叫び。過去の知識よりも、今を生き抜くための力が重要であるという、彼の信念を端的に表している。この発言は、過去を振り返るよりも、未来を切り開く行動を重んじる彼の生き様を象徴している。



◆◇◆━━━━━━━━━━━━◆◇◆



魔界タイムズ特別調査:市民アンケート


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Q. 新魔王の『ペア』制度についてどう思いますか?


回答率  選択肢

45%  水と油から新たな化学反応が生まれるかも

30%  人間関係がより複雑になりそう

15%  ただの新魔王の気まぐれでは?

10%  わからない


───◎───◎───


Q. 一番共感した発言は?


支持率  発言者

35%  ガーゴイル「規律とは、常に不完全な……」

25%  オニ「……くだらん。……歴史など、……」

20%  ヴァパイア「あら、わたくしとこの派……」

15%  ジュエル「わたくしの芸術は、派手さ……」

5%  コボルト「あ、あの……ボ、僕も、ガ……」


───◎───◎───


市民の声(抜粋)


ゴブリン族・21歳「僕も、誰かとペアを組んで、いいことしたいっす! コボルトくん、頑張れっす!」


スライム族・12歳「ペア制度って、ちょっとドキドキするなぁ。ぬるっと誰かの隣にいたいなぁ。ヌメヌメさんと組みたいです」


オーク族・28歳「結局、拳が一番だ! タッグマッチで最強のペアを決めてえ! ガルドと組んで、最強の警備ペアになろうぜ!」


亡霊族・年齢不詳「ペア……? ああ、それは魂の繋がりを確かめる儀式のようなものですね。でも、誰も私の隣には来てくれないんですよ……。だって、私、すごく寒いんですもの」



◆◇◆━━━━━━━━━━━━◆◇◆



『魔界なんでも相談室』 ~読者の声に、魔王軍エリートたちがお答えします~


質問①:どうすれば、仕事でドジばかりしてしまう私でも、周りに認められますか?(コボルト族・20歳)


コボルトの回答:

「あ、あの、僕も、毎日ドジばっかりしちゃうっす……! でも、ガーゴイルさんが、僕のドジも、役に立つって言ってくれたっす! だから、諦めないで、自分のできることを、一生懸命やれば、きっと誰かが見ててくれるっす!」


ガーゴイルの回答:

「何を言っているのだ? ドジは、無能の証ではない。それは、規律がまだ不十分であることの、何よりの証拠だ。ドジをすることで、どんな不測の事態が起こり得るか、我々に教えてくれているのだ。そのドジを恐れるな。むしろ、そのドジから学び、規律を強固にするのだ!」


ジュエルの回答:

「あら、質問が芸術的で美しいわ! ドジこそ、美の可能性を秘めているのよ! あなたが転んだその瞬間、それは重力に逆らえない、(はかな)くも美しい芸術の一瞬なのですわ! そのドジを、恐れず、むしろ美しく見せるように努力しなさい! わたくしが、最高のポーズを指南して差し上げますわ!」


グリモアの回答:

「……歴史を紐解けば、ドジを繰り返した英雄は、多く存在するのである。彼らは、失敗から学び、やがて歴史に名を刻む偉大な存在へと変貌した。ドジとは、成長の過程にすぎない。ただ、同じドジを繰り返す愚行は避けるべきである」



◆◇◆━━━━━━━━━━━━◆◇◆



投稿コーナー「魔界の伝言板(匿名希望の叫び)」


魔界の戯言 ~ 貴様らに下す絶対命令 ~


担当:冥界の帝王「(くだらん……。くだらん投稿ばかりだ……。だが、)貴様らの質問に答えてやろう。この私にひざまずき、感謝するがいい!」


投稿:魔界で一番強いのは誰ですか?

担当:愚問だな。この魔界の頂点に立つのは、この私しかいない。


投稿:僕のドジが役に立つって、ガーゴイルさんが言ってくれました!

担当:ガーゴイルは愚かだな。弱者に価値などない。


投稿:歴史なんてくだらないって、オニさんが言ってました。

担当:ほう……。オニは、まあ、見どころがある。


投稿:ジュエルさんのクリスタル、すごくきれいです!

担当:くだらん!光など、この闇の前では無力だ。


投稿:セイレンさんの歌声は癒されますか?

担当:甘ったるい歌など、吐き気がする。


投稿:ヴァパイアさんは高貴で美しいですね。

担当:貴様は見る目がある。私に劣るが、まあ、許してやろう。


投稿:アックマさんのデータ分析、すごいです。

担当:機械に頼るなど、弱者のやることだ。


投稿:ドラゴマックスさんの武勇伝、もっと聞きたいです。

担当:過去の栄光にすがる老兵など、私にとっては〇△□。


投稿:人間界にいる元勇者って、どんな感じですか?

担当:人間のことなど、この私が知る必要はない。


投稿:ミミックさん、予算を厳しくしないでください。

担当:貴様、私に命令する気か? 〇△□。



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キャラクターカード


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カードNo.041 / レアリティ:【R】


【規律の再定義者】 ガーゴイル


所属部門:【防衛部門代表】


性格:【頑固で生真面目。威厳を重んじる。ドジっ子のコボルトとの交流を通じて、規律に対する新たな視点を獲得した。】


今回のエピソード:【コボルトとのペアリングに反発するも、彼のドジから規律の新たな側面を学び、より深い洞察力を見せた。】


能力値:【HP: 80、MP: 40、攻撃力: 75、防御力: 85、魔法攻撃力: 20、魔法防御力: 40】


特殊能力:【不測の事態への対応:コボルトのドジから学んだ経験を活かし、どんな不測の事態にも迅速かつ論理的に対応できる。これにより、防衛計画の精度が飛躍的に向上する。】


言葉:【規律とは、常に不完全な存在を前提として、その上に築かれるものだ!】


弱点:【真面目すぎるがゆえに、ユーモアや軽薄さを理解するのが苦手。また、怒ると目が赤く光るため、周りを威圧してしまう。】


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カードNo.042 / レアリティ:【N】


【希望のドジっ子】 コボルト


所属部門:【庶務部門】


性格:【おっちょこちょいで不器用だが、真面目で素直。ガーゴイルの威圧にもひるまず、自身の不安を正直に伝えた。】


今回のエピソード:【ガーゴイルとのペアリングに不安を感じながらも、そのドジが結果的にガーゴイルの規律に対する考えを深めるきっかけとなった。】


能力値:【HP: 15、MP: 10、攻撃力: 5、防御力: 10、魔法攻撃力: 5、魔法防御力: 5】


特殊能力:【奇跡のドジ:彼のドジは、時に周囲に予期せぬ混乱をもたらすが、それが結果的に新しい発見や解決策につながることがある。】


言葉:【あ、あの……! ボ、僕も、ガーゴイルさんと一緒で、大丈夫かなって、不安っす……!】


弱点:【極度の不器用さと不運により、常に何かを落としたり、つまずいたりしてしまう。周囲の威圧に弱く、すぐにどもってしまう。】


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カードNo.043 / レアリティ:【R】


【高貴な舞踏家】 ヴァパイア


所属部門:【貴族代表】


性格:【上品で皮肉屋。エリート意識が強い。ジュエルやセイレンとは意見が対立するも、最終的には共通の目標に向かって協力した。】


今回のエピソード:【ジュエル、セイレンとトリオを組まされ不満を漏らすも、美のイリュージョンを提案。最終的には、その計画の現実的な課題として「予算問題」を指摘し、議論を新たな段階へと進めた。】


能力値:【HP: 60、MP: 90、攻撃力: 30、防御力: 50、魔法攻撃力: 80、魔法防御力: 70】


特殊能力:【現実的視点:どんなに壮大な計画でも、その裏にある現実的な課題(特に金銭面)を的確に見抜くことができる。これにより、計画の実行可能性を高める。】


言葉:【あら、わたくしとこの派手なジュエルと、感傷的なセイレンと、トリオだなんて……品位を疑いますわ】


弱点:【貴族としての品位にこだわりすぎるあまり、新しい価値観やユーモアを軽蔑してしまうことがある。】


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カードNo.044 / レアリティ:【R】


【孤高の実戦主義者】 オニ


所属部門:【魔界特殊警備部門隊長】


性格:【規律よりも実戦を重んじる一匹狼。戦場では無類の強さを誇るが、普段は静かで穏やか。過去の歴史よりも、今を生き抜く力を重視する。】


今回のエピソード:【歴史を語るグリモアに対し、歴史はただの紙屑であると一蹴。しかし、グリモアとの協力を通じて、彼の実戦論が壮大な歴史の一部となることを示した。】


能力値:【HP: 85、MP: 50、攻撃力: 90、防御力: 80、魔法攻撃力: 20、魔法防御力: 30】


特殊能力:【絶対の『今』:過去や未来に囚われることなく、今、この瞬間の状況を的確に判断し、最適な行動を取ることができる。これにより、どんな窮地でも生き残る力を発揮する。】


言葉:【……くだらん。……歴史など、ただの紙屑だ。……必要なのは、今、この瞬間を生き抜く力だ】


弱点:【過去の教訓や、未来への展望を軽視する傾向があるため、長期的な計画や戦略を立てるのが苦手。】


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カードNo.045 / レアリティ:【R】


【美の伝道師】 ジュエル


所属部門:【美術戦術顧問】


性格:【高貴ナルシスト・美にこだわる。感情豊かで、詩的な表現を好む。】


今回のエピソード:【ヴァパイア、セイレンと協力し、歌声と光と舞が織りなす究極の美のイリュージョンを提案。高揚のあまり、胸のクリスタルを輝かせ、会議を一時混乱させた。】


能力値:【HP: 40、MP: 80、攻撃力: 20、防御力: 50、魔法攻撃力: 70、魔法防御力: 60】


特殊能力:【芸術的解釈:どんな出来事も、自分にとって都合の良い芸術的な物語として再解釈する。これにより、自身の精神状態を常に最高に保つ。】


言葉:【あら、ヴァパイア。何を言うのよ! 私たちのアイデアは、わたくしの美の結晶に他ならないわ!】


弱点:【美しいものに気を取られやすく、周囲の現実的な問題を見落としがち。また、ナルシストな性格が、時に場の雰囲気を乱してしまう。】


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