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魔王、極悪国家の領主令息に転生す。~闇魔法で人族を支配するつもりが、名君扱いされる~  作者: タジリユウ@6作品書籍化


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第53話 条件


「ゼノン様、こちらで問題ないと思われます」


「そうか。それではアデレア国へ送ってくれ」


「承知しました」


 アデレア国の兵士を退けた翌日。いつも通り我の屋敷でのんびりと起床し、ユルグ、ミラ、セレネと今後のことについて話し合う。


 今回の件についてアデレア国へ書状を送る。どうせあちらは自分たちが勝利し、ミラを連れ戻せる未来しか見ていなかったから敗戦した時のことなど考えていなかっただろう。そのため、早々にこちらから落としどころを伝えてやる。


 もちろん我も勝利することしか考えていなかったので、すでに条件をまとめてあった。だが聖剣だけはこちらも想定していなかったので、その処遇についてだけ追記してから書状を送る。


 放っておくとあの国は周辺国を巻き込んでまた面倒ごとを起こしてきそうだからな。


「はたしてアデレア国がこの条件を受け入れるでしょうか……?」


「間違いなく受け入れるでしょう。ゼノン様の偉大さを十分に理解したでしょうし、あちらの権威が落ちないようにわざわざ配慮もしております。これすらも受け入れられないようでしたら滅びた方がいいでしょうね」


「みんなゼノン様の力に驚いていたから大丈夫だと思います!」


 セレネは相変わらず無邪気であるな。だがまあミラの言う通り、間違いなくこちらの要求はのむだろう。あちらからしたら、実質的にはミラがカルヴァドス領に残る以外の不利益は受けないのだからな。


 ユルグに確認したところ、敗戦した場合は賠償金の支払いか領土の割譲を要求する場合がほとんどらしいが、あえて我はそのどちらも要求していない。こちらからの要求はいくつかあるが、まずは一番の目的であった同胞である魔族の保護である。


 魔族は人族の敵という認識であるため名目上は魔族の研究のためとしてあるが、実質的には同胞へ危害を与えることなくこちらに引き渡すことと、集落などを発見した場合などの情報をすべてこちらに引き渡すという要求だ。これについてはアデレア国に実質的な不利益などはないだろうから問題なく条件をのむだろう。


「あえて国を滅ぼさずに戦力として使うとは、さすがゼノン様ですね」


「今後は敵が増える可能性も多いから念のためだ」


 次に今後カルヴァドス領に何かあった場合はアデレア国が助力するという要求である。そこまで大きな国ではないが、一国の力というのはそこそこ大きい。今後はこのラドム国や他の国を相手にする可能性もあることだし、別の場所から睨みをきかせることができるのは存外大きい。こちらも現状ではアデレア国に大きな不利益はないだろう。


 聖剣については所有権はアデレア国にあるが、こちらへ貸し出しているという認識にしろと伝える。これはいわゆる人質の意味合いを持っている。


「魔王の生まれ変われとして扱われていた件についての訂正を求めないのでしょうか?」


「その件については好きにしろと伝えてある。今後カルヴァドス領に協力する以上、向こうも適当な言い訳を考えるだろう」


 ユルグの言うことはもっともだが、実際のところほぼそれが正解のようなものだ。


 どうせ向こうは自国の体裁を守るために適当なことをでっちあげるだろう。もしかすると敗戦のことすらも自国の者へまともに伝えない可能性がある。そういったごまかしや言い訳はあちらの方が得意そうだし、適当に任せるとしよう。


「……あのアルテリアという勇者の孫をカルヴァドス領へ呼び寄せるのですね?」


「ゼノン様に不敬な態度を取っていた女ですよね。ミラ様と私がいれば必要ないと思いますけれど……」


 もうひとつ加えた条件として、勇者の孫であるアルテリアとその者がいる孤児院の者たちが望むのであればカルヴァドス領へ連れてくるようにとも伝えてある。とはいえ、この状況ではアデレア国が断る事を許さないような気もするので、こちらに来たあとで望むならアデレア国へ戻してやってもいい。


 ミラとセレネはあの者にそれほど良い感情を持っていないようだが、我の死後に同胞を助けようとしてくれたあの勇者への義理は果たしておくとしよう。


「あの者たちがそれを是とするのならばな。むろん我が本当に信用しているのはミラとセレネだけだ。2人がやめた方がいいというのならば撤回するぞ?」


「……ゼノン様! いえ、すべてはゼノン様の御心のままに!」


「はい、私も大丈夫です!」


 不満そうな表情を浮かべていた2人だが、我がそう言うと満面の笑みを浮かべて我の考えを肯定してくれる。本当に良き仲間を持ったものだ。


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