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【プロットタイプ】苦手で嫌い。でも知らないで

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


上手い回答が出来ない人間なので、感想欄閉じてます。

これは読者様の問題ではなく、私の問題。


詳しく知りたい方は代表作の『作品と作者の注意点』に書いてあります。


注意事項2

好きも嫌いも、自分の中でねじ曲げられると思ってるんですよ。

この世の中には、『好き』と『嫌い』という単語がある。正反対な言葉。決して混じり得ないだろう言葉。ただ私の中ではこの二つの言葉が偶にどろりと溶け合って、違いが分からなくなる事がある。一種の自己暗示、洗脳によって。


今日の夕飯は瑠衣が作ったトマト煮だった。ダマを残したトマトの欠片と、鶏肉、じゃがいも、キノコ類。その他諸々を一口大に切って、圧力鍋に掛けたひと品。

作った瑠衣に対して口が裂けても言わないが、トマト煮が昔から得意ではない。ケチャップも、ミートソースも好物の一つであるが、どうしてもトマトスープ系統の食べ物が苦手である。あの口に残る酸味が、煮崩れたトマトが、昔からあまり得意ではない。

母も私の苦手を承知でたまに作っていた。文句を言うなら食べなくて良い。文句を言わないなら出しても問題は無い。という我が家の論理で、私も黙々と食べていた事を思い出す。

「どうした。食わないのか?」

珍しく瑠衣から声が掛かった。探る様な視線を感じ、私は慌てて、スプーンを手に取る。

「食べるよ」

作られたトマト煮は母が作ったあの味よく似ていた。違いと言えば、切り方ぐらいだろうか? 恐らく同じレシピを参考にして作ったのだろう。

トマト特有のあの酸味。噛み締めても甘くはならず、口に残る。もう一口。やはりトマトの味がする。食べても食べても、其れは変わらない。

段々と負の連鎖反応が脳裏に起こり始めたので、私が好きなCMを思い返す。あれにもトマトが使われていた。大きな鍋の中にハヤシライスのスープが出来上がっていて、その中に切られたトマトが入れられる。子供達が楽しそうに『完熟トマト』と歌いながら、鍋を掻き回す。

幸せな光景。皆が笑顔で、嬉しそうで、出来上がった料理を食べていく。

そうすると、苦手だったトマト煮が段々と受け入れられる様になる。鶏肉の奥深くまで染み付いたあのトマトの酸味が甘露に変わる。噛めば噛む程に解れていく。

いつしか私の脳内に浮かんでいた『嫌い』という単語が消えてなくなり、『好き』という単語に置きかわった。

「美味いか?」

「美味しいよ」

瑠衣は知らない。私がトマト煮が苦手な事を。あのトマト特有の酸味が受け入れられない事を。受け入れる為に、苦手な想像をかき消して、口に運んでいる事を。貴方は生涯知る必要はない。

自分が作ったもの『不味そう』、『美味しくない』、『材料無駄にして』と言われるのが嫌なのは、私がよくよく分かってるから。

我が家の『ご最も』な鉄の掟。

嫌なら食わなくて良い。自分で作れ。

文句言わないなら、出しても良い。

全くもってご最も。反論の余地もありません。

だからいつの日か、何の前触れもなく、並ぶ様になりました。


ちなみに、自分で作ったものを誰かに食べてもらうなんておこがましいこと考えません。

家族以外でも色々言われたので。

自分で口に入れるのは大丈夫。


好き嫌い、あるじゃないですか。

あれって自己暗示次第でどうにでもなるよな。

と思いながら、食べた話。


トマト煮が苦手なんです。

なんでって聞かれても分かりません。

ただ苦手なんです。

強いていうならば、あの独特の酸味。

口の中で消え無いあの酸味。

あとクトゥルフ。


だから苦手な物を人から出された時、食べる時は、今まで見てきた好きな事象を思い出しながら食べます。

食レポ上手い人とか、誰かが美味しそうに食べてるCMとか。


意外とこれ、効果があって、友達が苦手な人物を私がルンルンで食べてる時、ちょっと興味持って食べたら美味しかったなんてあります。


だから、心から好きとか、嫌いとか、『私の中では』あってないようなもの。

自分の暗示次第で、好き勝手に変わってしまうもの。

だと思います。


だから瑠衣は鏡花が嫌い食べ物を知らないまま、死んでいくと思います。

傷つけたくなんて平気で誤魔化すよね。それもまた人間。

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