プロローグ〜『FATE RING』と いうモノ〜
今からおよそ五千年の昔――「心揺るがすもの」の名を与えられた、意思を持つ無生物が創り出された。
それらの存在を知る者はごく僅かだったが、そのごく一部の人々は『FATE RING――運命決定の輪』と呼んでいた。
それから二千年の時をかけて、それ――仮にリングと呼ぶことにしよう――は 遂に生物を支配し、この小さな島に集まった。そう、リングは意思を持つだけでなく、他の意思をも飲み込むほどの力を持っているのだ。島が東西に分かたれたのは、その時であるともいわれている。リングのあまりにも強大な力で、島までも引き裂かれてしまったのだと。
真偽のほどは 未だ 定かではない。
ただ、はっきりと言えるのは、リングは今でも存在しているということ。
歴史からも隠され、伝説からも隠され、知る者がほとんどいなくなった今でも、リングは復活の時を 待ち続けていた。
二十年以上前に ノートに書いていたものが発掘されたので、投稿してみました。
最近の自分の作品以上に とても拙いのは自覚しているのですが、年を食ってしまった今の感性では書けないものなので、これはこれで残しておきたいと思った次第です。