第七話 いじめにあっている生徒、牛若丸と弁慶
出し物を決めた日から次週の日
「いじめ?」
「はい。そうなんです」
この先生は喜志島美羽
大学を出てすぐ教師になった新人先生
でもこの学校に来て約一年
「私のクラスの子なんで編入してきた三途川遊絵って子なんですけどね・・・いじめにあってるみたいなんですよ・・・」
影乃遊絵、高三
夏休み明けに編入して来た女子
見た目静かで暗いイメージ
「いじめ、ねぇ・・・」
龍は少し間をおいて喜志島先生に言った
「あなたが担任ならそれを俺が口出しするもんじゃないと思うんですが・・?」
「そうなんですけどね。私じゃたよりないのかと思うんですよ・・・」
「ふぅーん・・・」
たよりないとか関係ないと思うんだけどな
いじめには何か理由がつく可能性がある
何かあるのだろうか・・・?
「その原因とかあるんですか?」
「それが本人に聞いても否定するんですよ。自分はいじめにあってないって・・・」
否定をするとなると・・・
何か弱みを握られてるのかもしれない・・・
「・・・!!」
龍は何かを聞いたようだ
耳を澄ましている
「どうしました?」
「・・この階の女子トイレで小さな悲鳴が・・・」
「まさか!!」
と走り出した喜志島先生
そしてそれを追い越して龍がそこに向かった
「コラぁ!何やってるんだ!」
「げッ!火炎だ・・・てかここ女子便なんだけど」
こいつは喜志島先生のクラスの不良っぽい生徒
そしてその生徒が向いている方にはトイレに座り込んでいる女生徒
きっと突き飛ばされたのだろう
「別に欲情とかしねぇし」
なんかそれ関係無くね?
「それより、お前らなにしてんだ」
「あんたに関係ねぇし。邪魔だよ。どきな」
そういってその不良っぽい(以下略・・は龍に肩をぶつけトイレから出て行った
「傷害罪」
「あ!?」
「お前らがこの女生徒にした事だ。傷、かすかに血のにおいがするな。まぁ、とりあえず、傷害罪として指名手配にしておいてもいいんだぜ!?」
龍は振り向いて女子たちを睨んだ
その目は龍眼になっていた
しかしその色は血に染まったようなドス黒い赤になっていた
「くッ・・・・行くよ!火炎が敵だとかないやしない・・・」
そういってバタバタと女子トイレから出て行った
「俺は敵じゃねぇ・・・」
そう呟きつつ女生徒のほうに振り返った
それと同時に目が元に戻った
「大丈夫か?」
「あ、はい・・・大丈夫、です・・・それよりここ・・・」
「気にすんな。俺は教師だ、一応な。立てるか?」
そういって龍は女生徒に手を差し伸べた
しかしその生徒は手を取らずに立ち上がった
「・・先生、私に関わらない方がいいですよ。さっきの人たちに目をつけられますよ・・・」
それが理由なのだろう
さっき龍の手を取らずに立ち上がった理由は
「大丈夫。俺は人間に負けねぇ」
そりゃあ人龍だからね・・・
「それにいじめなんて小せぇ・・俺は死をかけてのバトルしてるからな」
「・・・でも!」
「大丈夫!何回も言わせんな。名前は?」
龍は女生徒に聞いたが女生徒は黙秘した
警戒してるんだろう
でも龍の目はその警戒すら解いてしまうほど優しい目をしていた
「・・三途川遊絵・・・」
なるほど・・・
こいつがいじめにあっているっていう・・・
まぁ、知ってたけど
この校の生徒の顔と名前はほぼ全員知ってるからな
「三途川、な。俺は火炎龍だ。さっきも言ったが教師だ。よろしくな」
そのあとふと三途川の脚を見た
そこには無数の傷があった
「・・とりあえず、保健室か・・・」
と言って三途川の手を引いた
その龍の手には女生徒では振り払えないほどの力があった
「いたッ・・・ちょッ!痛い!」
「悪ぃな。でもこれくらい力を込めないと振りほどいてどっか行くだろ?三途川は脚に怪我してんだから保健室で治療しなけりゃならん」
その格好のままトイレから出た
が、そこで待っていたのは野次馬たち
「ねぇ。大丈夫だった?」
「その怪我平気?痛くない?」
などと女子が駆けつけた女子もいた
三途川の友達か・・?
「あ、うん。大丈夫だよ・・・ありがとう・・・」
と三途川は返事をする
が、それは嘘だ
大丈夫なわけがない
脚を擦り剥いて血が出ている
痛いはずだ
「いいからお前らは教室に戻れ。これは見せ物じゃない。それにもうチャイムがなるぞ!」
と龍が言ったと同時にチャイムがなった
そして生徒たちは教室に退散して行った
さらに三途川も・・・
「ってお前は保健室行きだ!」
と襟を引っつかみ持ち上げた
「私も授業に出ないと・・・」
「その前に保健室で応急処置だ。大丈夫、二十分もあれば戻れる」
「でも二十分は・・・」
そんなに授業に出たいか
作者は絶対嫌だな・・・
「言う事を聞かないなら仕方ないな・・・」
と手を緩めた
それを機に三途川は歩き出そうとする
「では、教室に向かいますので・・・」
が、龍は再び腕をつかむと引っ張り
「ヒャッ!」
「よっと!」
そしてお姫様抱っこ
「な、何を・・!」
「言う事を聞かないなら強制連行だ」
「強制って・・・!?」
そしてダッシュ!
保健室まで約80mの道のりを約5秒でゴール
「失礼しまーす、って誰もいない・・・今休みか・・?」
「じゃあ私は・・・」
「処置なら俺が出来る。大人しく座れ」
と龍は保健室のベッドを指差した
三途川は拒否しようとしたが
龍の目はとても穏やかで優しそうで、安心できる感じがした
そのせいか三途川も警戒心を持ったままではあるがベッドに座った
そして二、三分
「よし。処置できた、っと。保険の先生いないからすぐ終わったな」
いたらきっとなぜか聞かれたろうからな
「よし。じゃあ教室に戻っていいぞ。俺は少し片付けすっか」
しかしあれほど戻りたがっていた教室に戻ろうとしない
「ん?どうした?三途川。もう戻っていいんだぞ?」
龍は片付けをしながら言った
「・・・何で・・・」
「ん?何だ?」
「・・何で、先生は私にそんなに気を使うんですか?」
突然の質問
龍は驚いた
「下心でも?・・私は、もう・・・・・死にたい・・・」
もちろん下心は無いがな・・・
「・・・・いじめ、あってんだろ?放っとけるかよ。それに、俺もさ。似たようなことあったんだ。1000年以上も前の話だけど」
「似たような・・?」
「ま、『いじめ』なんかよりももっとひでぇ事だけどな・・・・・俺の場合はさ、これ。ドラゴンの力があるからさ、人間に嫌われてたんだ」
そう言いながら龍は龍腕を見せた
三途川はそれを見て、そして黙って龍の話を聞いていた
「だから俺は生死をかけた逃亡生活になった。両親を家において・・・・・・寂しかった・・・・・誰も俺の気持ちをわかってくれなかったからな・・・・それでも、生きていてよかったと思うよ」
「・・なんで・・?」
「・・・俺と同じ運命の奴に出会えた。一緒に戦ってくれる仲間がいた。・・友達が出来た・・・・これだけ幸せなことは無い」
「幸せ・・・」
「お前にはいないか?大切な、友達がさ」
三途川はその言葉をきいて
目を見開いた
そして考えた
「・・いる・・・・・とても大切な、友達・・・」
「その友達の悲しむ顔なんて見たいか?」
「・・・見たくない・・・」
と脚を抱えて、涙目で言った
「・・・・じゃあさ。死にたいなんて言うな。その友達が悲しむぞ」
三途川はその体勢のまま頷いた
「よし!」
それと同時に片付けが終わった
「・・一つ、お前に面白い話しをしてやろう」
「?」
龍は三途川と同じくベッドに座った
そして話しを始めた
「お前は武蔵坊弁慶と牛若丸の話を知ってるか?」
「・・うん。京都のある橋で牛若丸と弁慶が戦う話しですよね」
「そう。でもそれはちょっと違う。話しはまだあるんだ」
「まだ?」
「あぁ、っつっても少し前のだけどな。
・・・牛若丸、幼少の頃の源義経はある時、町を歩いていた。
その日の手持ちは護身用の刀一本。
そして牛若丸は五条橋で武蔵坊弁慶と出会った。
その時弁慶は47本もの武器を奪っていた。
弁慶が使うのは薙刀だ。
牛若丸は弁慶の悪行を知っていた。
しかし彼は戦おうとしなかった。
でも、弁慶は刀を奪うため戦いを挑んだ。
牛若丸は負けた。
その護身刀を奪われた。
牛若丸は悔しい思いを知った。
そして彼は修行を始めたんだ。
その悔しい思いをバネに。
薙刀を使う部下との修行の日々・・・
そして牛若丸はある戦闘方法を覚えた。
その方法と共に牛若丸はまた弁慶のいる五条橋へと向かった。
今度は下駄を履き、持ち物は羽衣と、篠笛。
その時の弁慶の奪った武器は99本。
牛若丸の『笛』で100本目。
弁慶はそれが武器だと思い再び挑んだ。
しかし、牛若丸は戦わなかった・・・
彼は笛を吹きながら身軽に弁慶の周りを跳び回った。
牛若丸が覚えた戦闘方法は回避行動。
弁慶の攻撃は一撃は重いがその分動きは遅い、だから回避しやすい。
そして回避しつつ下駄で蹴る。
笛は自分の居場所を教えるための物。
自ら位置を教え、その方に振り返る間に一撃を入れるのが牛若丸の戦闘だ。
一撃は小さいがそれは確かにダメージになる。
さらに牛若丸が動き回り弁慶の動きを攻撃に絞り体力を落としていった。
さっきも言ったが弁慶の一撃は重い、それは他の奴より体力を使う。
牛若丸は戦闘の修行と共に体力増加の修行もしていた。
そして彼は弁慶を倒す事に成功したんだ」
※ちなみにこの話しの人物名と場所以外はフィクションで実際にそうだったかはわからない
「これが俺の知ってる弁慶と牛若丸の五条橋の乱だ」
「・・・そんな話が・・・」
「んで、俺が何を言いたいかと言うと。戦闘でも戦い方がたくさんあるって事だ」
「どういう事?」
頭にはてなが浮かんでいる
そりゃそうだ
「戦闘ではだいたい、ていうかほとんどが弁慶みたいな戦い方を使用する。でも、種類を分ければ、弁慶のような接近戦や牛若丸のような回避行動の戦い方、遠くや敵の死界からの狙撃、設置して敵の動きを止め攻撃するための罠、といろいろ方法がある。いじめもそうだ。直接面と向かって『やめろ』と言う方法、いじめから逃げる方法、友達と常に行動していじめられないようにする方法、といろいろある。三途川には面と向かう方法をとってほしい」
「私には出来ないよ・・・」
また涙目になった
そしたら龍は三途川の前に立ち肩をつかんだ
そして言った
「いざとなれば俺が味方につく。俺だけじゃない、お前の担任や生徒会長、お前の友人だって・・・それに俺は、お前なら出来ると信じてる。無責任だけどさ、大丈夫だよ、お前なら」
そういうと三途川は安心したのか気が緩み、涙を流した
「・・・ありがとう、先生・・・」
そして龍の胸で泣いた
今まであった事、辛かった事、嬉しかった事・・・
三途川は泣きながら龍に話した
そして龍はそれを頷きながら全部聞いた
それから一時間目の授業が終わった頃、三途川は泣き止んだ
三途川は俯いたまま言った
「・・・ごめんなさい、先生・・・私・・・」
「大丈夫、気にすんな。それよりどうする?目が赤いままじゃ教室に戻れないだろ?」
「・・・・少し、ここで寝ます・・・」
それを聞いた龍は彼女の顔を覗き込んだ
きっとあまり寝れていないのだろう
とても眠そうな顔だった
「わかった。先生には俺から言っておこう」
「ありがとう、ございます・・・」
そう言った途端、三途川は座ったまま眠りについた
それを龍はベッドに横にさせ毛布をかぶせ保健室から出て行った
あまり寝れてない原因はいじめだな
泣ける場所が無くていつも夜中に自室で泣いているのだろう
それによって寝る時間が取れない・・・
「ひでぇ話だ・・・」
龍は走り次のクラスの先生に三途川は休む事を言った
そして担任の喜志島先生にも言い、そして三途川から聞いた事をすべて話した
「・・そんな事が・・・」
「俺は一応アドバイスをしました。それを三途川が実行するかどうか、それはあいつしだいです。俺らはこれ以上手出しをしないほうがいい。明日の放課後まで様子を見て、それから決めましょう。とりあえず今日は放課後に屋上に来てください。そこなら帰りもよく見える」
「・・・・そうですね。わかりました。ありがとうございました」
「いえいえ。それじゃあ」
「はい」
そして喜志島先生と別れ、次の授業の準備にかかった
その日の放課後
「来ましたか」
「火炎先生。三途川さんはもう帰りましたか?」
「まだ。出てないみたいです」
龍の耳では三途川は今下駄箱で靴を履き替えている
「・・今、学校から出ます」
「・・・・誰か一緒にいますか?」
龍は聴覚に集中した
・・・今は、誰もいない・・か
「今は一人ですね・・・」
「そうですか・・・」
とりあえず今は大丈夫だ
しかし校門付近に近づいたとき
「・・あ!」
「どうしました!?」
「あの三人組が・・・」
その言葉を聞いて喜志島先生は校門を見た
「!!」
その先にはカバンを持つようにと三途川にカバンを押し付けている三人組がいた
「・・どうする、三途川・・・」
それを二人を見守っていた
拒否するかを
そして
「わ、私は、あなたたちの玩具ではありません!やめてください!」
その声は校庭に響いた
はっきり聞こえた
三途川の、拒否する言葉が
そして三途川は走り去った
「・・これで、明日あの三人組が手を出さなければ」
「安心できますね」
「でも、人生そんなに易々とは進まない・・・・明日、また同じように見てみましょう」
「そうですね、火炎先生。放課後にまた」
龍は頷きドアに近づいた
その時
「龍!」
「うわっ!びっくりした・・・どうした?瑠奈」
「あ、喜志島先生。どうも・・・・・あ、龍、手伝って。裏の校門に来て!」
「わかった」
と言うと龍は瑠奈をお姫様だっこで抱きかかえた
「ちょッ!龍!」
「いいだろ?この方が速い。じっとしててください、お姫様」
その言葉で瑠奈は顔を赤くさせた
しかし龍はお構いなしだ
「じゃあ先生、また明日」
「さようなら、先生」
「は、はい、さようなら」
と言って屋上から学校裏に跳んだ
「キャーーーッ!!」
「大丈夫。お前は俺が絶対守る!」
「・・龍!」
瑠奈の抱きつく力が増した
そしてドーーンッ!!と言う音と王子に足が地に着いた
そしてそこから校門近くに走った
「あ、炎!って櫻井。どうしたんだ?」
「あぁ・・・さっき屋上からダイブしてそのまま走ってきたからな。まだ空中にいるような感覚なんだろう。ほら瑠奈。もう地上だぞ」
「・・え、あ、うん・・・」
瑠奈は気がつくと龍から離れた
「・・で、なんだ?俺の手伝いが必要なのか?」
「あぁ、そうそう。これなんだけどさ・・・」
と言って坂野が指したのは大きな木材
その木材が横になって置いてあった
「この状態だと縦横1mで奥行き3mだな、お前から見て。これをここまでトラックで運んでもらったんだけどここから教室までどう持って行こうか・・・」
「・・・これならやろうと思えば・・厚さ1cmで縦3m、横1mの板が100枚ほど出来るな。ここで伐ってくか?」
「出来るのか?」
「おうよ。やってほしいならこの木材から離れな。そして俺の向いている方からどきな」
そして龍は刀を二本取り出した
「こいつらは亜刀『斬切舞』、そして亜刀『獣牙爪』。そっちも人きり用の刀さ。でも、芯がぶれずに思った通りに切れる刀。この二本の刀はこういう細かで繊細な作業に向いてる。・・・よし、いくぞ!まずは半分!!」
斬ッ!!!
という音がした瞬間
板が五十枚出来上がった
「すっげ・・・」
「一瞬・・・刀二本で・・・」
「でも・・・・後ろの方の壁と木も似たような状況になっている・・・」
しまった・・・
やりすぎた・・・
「この刀正確なのはいいけど・・・斬撃の止まり所を知らないからなぁ・・・・前にやったときは駐車された車のスライスが出来上がったことあったな。ちなみにこうやった場所から30mほど先」
・・・死人は出てないよね・・・
「誰もいなかったからよかったけど・・・」
誰も死んでないのね・・・
よかった・・・
「よし。残り半分、どうする?10×10の縦3mを50出来るけど」
「うん、それでゴー!」
「了解!!」
斬ッ!!!
「・・またしても一振りで・・・」
「しかも縦も横も伐れてる・・・」
どんな早業・・・
ちなみに亜刀『斬切舞』は一振りで切り傷が10くらいできる
つまり亜刀『斬切舞』を振れば今の木材で幅10cmの板が出来る
「うし。じゃあみんなもう帰れ。あとは俺がやっておく」
「いいのか?」
「あぁ。もう6時だからな。教師としては生徒を家に帰す義務があるからな。さっさと帰れ!」
ひどいな・・・
教師でも・・・
「なら一度教室に行くか」
「あぁ、大丈夫・・・・今取って来た」
「速ッ!!」
その速さ
裏門から教室までの距離108m
かかった秒数往復17秒
片道約8秒
「つーわけだ。帰れ!」
「わかったよ。じゃあな」
「明日遅刻すんなよ!」
そしてその場の生徒全員が帰った
「・・よしッ!運ぶか」
「龍!」
「・・・やっぱりまだいたか・・・瑠奈・・・」
においで気付いてたようだ
「どうして残った?」
「・・て、手伝おうと思って」
はい嘘ぉ・・・
心臓の音はぜんぜん違うからな
「・・・じゃ手伝ってもらおうかな。そしたら早く一緒に帰れるからな」
と龍は悪戯っぽく一緒にを強調して言った
すると真赤になった
「なッ!何を!!」
「冗談だ。ほらそれ、その木の板5枚運んでくれ」
「・・そ、それだけでいいの?龍はそんなに持ってるのに・・・」
龍は残りの木の板45枚と柱50本
結構な重さだ
「ヨユーだよ。瑠奈も一緒に持ち運べるぞ」
「・・馬鹿力・・・」
「まぁ、これでも人龍だからな。人並み以上、ドラゴン未満って感じかな」
「そっか・・・」
そんな感じで教室に運ぶ二人
「・・よっと・・・ここでいいかな」
「うん、いいと思うよ」
木材を置いたのは一番後ろ
壁際だ
ここなら授業の邪魔にはならないはずだ
「さってっと。帰るか」
「うん!」
二人はカバンを持ち
「行くぞ」
「はぁい!」
買い物をして
「若い夫婦だね。いくつだい?」
「まだ高校生ですよ。それにこんなかわいい子俺には持ったいない」
「お似合いだよ。そら、この鯵を二匹、まけてやらぁ!」
「ありがとうございます」
魚屋から離れて行った
「顔が真っ赤だぞ?」
「だって・・・」
そして家に向かう帰路についた
第七話 終