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第二話 少し外れた日常

・・あいつは確か運動はあまり得意じゃなかったはず・・・

それなのにいつも見つからず

それでもって捕まえられず・・・

やっぱり何か・・・

盗み・・・

栗原美紀(じょし)・・・

キーワードはこの二つか・・・

「火炎先生」

「ん!?な、何ですか!?高梨先生」

やっべ何も聞いてなかった

「大丈夫ですか?何か考え事でも・・・」

「ああぁ、いえ、大丈夫です。何でもありませんから。それより俺に何か?」

「あ、そうそう。体育担任の岡本先生が今日風邪で休みなんです。だがら副担任の火炎先生が指導をしてくれると・・・」

へぇー・・・

あの人結構風邪に強いと思ってたのに

「わかりました。俺がやります」

「助かります」


「今日は岡本先生が休みという事で代わりに俺が教える事になった」

場所は校庭

今は十二月

外はとても寒い

「せ、先生!さ、寒いです!」

「しかしそれを感じさせなくするため、そして皆の運動レベルを見る為にまずはトラックを五分間走。笛の音が合図だ。最初から飛ばさず自分のペースで走れよ」

「せ、先生!寒いです!聞いてください!寒いです!」

ガタガタ体を震わせてほざいてる

「寒くないようにしたいなら走れ。走れなくなるまで走れ」

「鬼か!」

「鬼で結構、ドラゴンですから」

といって地面を強く踏みつけた

ドン!

それで地面が揺れた

「くっ・・・化け物!」

「俺を切れさせたいか?その五体バラバラにするぞ」

「せ、先生のいうべき事じゃねぇ・・・」

生徒全員が蒼褪めている

・・よし、だまったな

「とりあえず走れ。それでも寒いなら俺んとこに来い。じゃ、よーい」

ピーーーッ!

その音と同時に生徒たちは渋々と走り出した

「自分のペースだ。あまり早く走るな。そして減速はするな。したくなったら手を挙げて俺の許可を貰え」

本当に鬼のようだ・・・

減速するなて・・・

「せ、先生!?なんで走って・・・しかも最後尾(さいこうび)で・・・」

「喋ると酸素が無くなるぞぉ。俺は去年まで生徒として過ごしたからな。せめて体育くらい生徒の気分に戻ってもいいだろ?」

「は、はぁ・・・」

今じゃもう生徒に戻れねぇからなぁ・・・

少しでも生徒に戻りたい気持ち・・・

わかんねぇだろぅなぁ・・・

「あと三分。ほらほら減速したけりゃ手ぇ挙げな。笑ったりしねぇから」

皆だいぶ疲れてる

減速したいだろうに・・・

てか何でストップウォッチがないのに時間(のこり)がわかるんだ!?

「したとしても笑って生徒がいりゃ俺が神経を潰すから」

「先生のいうべき事じゃねぇよ!」

「それが駄目なら侮辱罪として刑務所に放り込むぞ」

一瞬皆の動きが止まった

そんなにいやか

「か、勘弁してください・・・」

「喋ると酸素がなくなるぞぉ」

って二度目・・・

聞き分けのない・・・

「火炎先生!」

「ん?何ですか?」

校舎口で高梨先生が呼んでいる

むしろ叫んでる・・?

「お電話ですー!」

「わかりました。今行きます。お前ら、少し休憩してな。俺が戻ってきてから続きだ」

「今やっちゃえばいいのに・・・」

「俺が見てないとこでやらせると絶対サボりが現せるからな」

先を読んだのか

でもそんな事容易に想像つくか

そして校舎に向けて走って行った

「あ、ボール置いてったぜ」

「・・コートもあるし・・ドッチでもする?」

「賛成!」


「あ、ドッチボールを始めましたよ。思惑通りですか?」

「・・ま、そうですかね」

別に本当に休んでもいいのに・・・

遊ぶのが好きだな

「ところで、何で一緒に走ってたんですか?」

「やっぱり教師としても、生徒と同じ立場に立つ事によって生徒がどのくらい辛いかとかそんなのがわかると思うんですよ。それでどう改善するかとか対策を考えるんです」

そしてどうすれば面白く楽しめるように出来るか、と

「生徒と同じ立場になって考える、ですか・・・いいですね、そういうの。私もやってみようかな」

「でもこれは体育にしか通じないですよ?たぶん。他の勉学だと教師は教科書通りの事をするしかないですから」

「・・そうですね。すみません」

・・なぜ謝る・・・?

「でも、そう思うってことはちゃんと生徒の事を考えているという事です。そういう人はいい教師になれますし、俺はそういう人好きですよ」

・・どっちの言葉にか赤くなった

教師でも赤くなるんだな・・・

「あ、ありがとうございます・・・」

「あー・・てか敬語やめてくれません?俺はあんま・・・」

「でも同職者ですし・・尊敬できる教師としては敬語でないと・・・」

そういうもんなんか?

めんどくせぇなぁ・・・

てか俺今日からなんだけどな・・・

「俺としては敬語はあんま好きじゃないですから」

「でも火炎先生だって敬語・・・」

「これは目上の人を敬ってるんですよ」

「でもそれなら火炎先生のほうが年は遥かに上じゃないですか」

・・自分の年・・・

忘れてた・・・

「そうですね。んー・・じゃあ友達として敬語をやめるってのは?」

「と、友達ですか・・・・でも職場ですし・・・」

「あー・・確かに付き合ってるとか思わせると仕事がし辛くなるか・・・」

いやいや

はずかしいからだろ

・・・多分

「じゃあこうして二人だけの時とか」

「二人だけ!?」

「・・そんな驚くことは・・・」

「す、すみません・・・」

やっぱはずかしいのかな・・・※龍の心の言葉

・・わかってたのか・・・?※ナレーター

「じゃあ・・・」

「あの・・なんで敬語をやめさせようと・・・」

「・・なんか・・俺としては友達みたいに話し合える人が職場にもほしいんですよ」

うーん・・・

じゃあどうするか・・・

「あ、あの・・・・い、いいですよ・・・ふ、二人の時なら・・・」

「そう。ありがとな、高梨さん(・・)

「さん!?」

そんなに驚かんでも・・・

傷つくわぁ・・・

ちょっとからかって見るか・・・

「紫苑って呼び捨てのほうがいいか?」

「呼び捨て!?」

・・あ、頭から煙・・いや湯気か・・・?

ちょっと度が過ぎたか・・・

「わ、私をいじメないで!」

「いや、いじめる気は・・・あぁ、その・・ごめんなさい・・・」

軽く涙目だ・・・

わりぃ事したな・・・

「そうだ!今度うちの喫茶店に寄ってよ。なんか詫びるから」

「・・そうさせてもらう」

ははは

と乾いた笑いをしたら

「っと着いたか」

てか入り口から結構遠いな・・・

ガラガラガラ・・・

「あ、火炎先生。電話鳴ってますよ」

「はい。高梨先生から聞いてます」

話してきた先生は秋野かなた、女性

高一の担任

運動が良く

昔は小学校の体育の先生をしていたとか

「・・高梨先生、頭から煙出てますが・・・」

「き、気にしないでください!」

「そうですか・・・」

やっぱ気になるよな・・・

あの煙・・・

「もしもし」

『あ、龍君?』

「伯父さん・・職場に電話しないでっていったのに・・・・何?」

『あぁ、いやね。僕に娘がいること知ってるだろ?』

・・あぁ・・・

確か、火炎香苗

今年で二十になるのか

『その香苗が結婚するんだ。それで・・・・・・』

「・・・わりぃ、俺には無理だわ。他の人に頼め。香苗(むすめ)さんの友達とか」

ガチャリ・・・

ひでぇきり方だな・・・

「あの、火炎先生・・今の切り方は・・・」

「だってあんま知らない人が結婚するのにスピーチしてくれとかいうもんですから・・・」

「あー、それは無理ですね」

・・校舎に戻ってらもう四分くらい立つのか・・・

「俺そろそろ戻りますわ」

「あ、すみません。時間とらせちゃって・・・」

「いやいや。気にしないでください」

とその言葉を残して校庭へと走った

「・・瞬間移動(テレポート)・・?」

「いきなり消えたわね・・・」

いや走り去ったんだけど・・・

まぁ、いいか・・・


第二話 終

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