第一話 再び!
前シリーズまでのソウルオブドラゴンは・・・
この男、火炎龍はある秘密を持っていた
それは己がドラゴンだという事
そして彼は人々の住む世界を魔物やドラゴンから護っていた
彼はその正体を隠し人間として
友もあり、学校へも行き
普通に暮らしていた
しかしそれはいつまでも隠せるものではなかった
人界にての闇龍、ヴァジュラとの戦いになりのそ正体が友にばれてしまったのだ
だが友はそんな龍にも戦いの最中でも心配をしてくれた
それを信頼し彼はどんな姿でもたま戻ってくると誓いヴァジュラと共に黄泉へと落ちた
それから約一年
彼は友らの教師として戻ってきた
「し、質問が・・!」
一人の女生徒が手を挙げた
「質問はあとだ。担任として自己紹介とかもあるだろう?こほん、改めて、俺は火炎龍。今日からお前らの担任として共に時を過ごす。お前らは同い年の教師と思っているだろうが、俺はてめぇらより遥かに年上だ。だからといって敬語はなるべくやめてくれよ?それと俺の担当する教科は日本史、副担当する教科は体育だ。さっき高梨先生がおっしゃった様に俺はこれでも急がしい身。だからあんまりこの学校にはいないかもしれないっつー事を覚えておけ、いいか?」
クラスの生徒は返事をしそれを聞いて龍は頷いた
「よし。じゃ、質問に答えてやろう。質問がある奴は手ぇ挙げな」
するとほぼ全員が手を挙げた
これ全部答えないと駄目なのか・・・?
「・・じゃあ、まず、さっきも手ぇ挙げてた北巳から」
「・・・なんで私の名前を・・・」
「俺がこのクラスの担任になったからだ。てかこの学校にいるやつの名前はほとんど覚えてる」
どんだけ記憶力がいいんだ・・・
超人・・・
「で、質問は?」
「えと・・じゃあ」
じゃあて・・・
聞こうとした事忘れたなこいつ・・・
「火炎先生の年は―――――」
「忘れた」
「早ッ!答えるの早いよ、龍!」
「わかったよ・・・あぁー・・・」
龍は上を眺めたり下を向いたりして考えた
いつ生まれたかを
しかし・・本当に覚えてないのか・・・
「・・お、思い出した。1227歳だ」
「は!?」
生徒が一斉に言った
は!?て・・・
教師に向かって、は!?て・・・
「じゃあお前783年生まれ・・・?」
計算早いな
「そうだ。ちなみに親父は紀元前生まれな」
「どんだけ・・・」
「ドラゴンの平均の寿命は2600年だぞ」
皆顔が蒼い
そんなにびっくりか・・?
「次の質問は?」
蒼くなってるわりにはすばやく手を挙げている
どんな構造・・・
「じゃあ、紀本」
「さっき急がしいって言ってたけど何で?」
「他に仕事があるからに決まっているだろ?」
質問を質問で返すな
ちゃんと答えろ
「他の・・?」
「あぁ。次、仲畑」
「他の仕事って?」
紀本が聞こうとしていた事を仲畑が聞いた
「他にやってるのは・・警察と、喫茶店だな。次、竹内」
「何でそんなに仕事をしてるの?」
「・・何で、か・・・何でだろうな・・・俺に向いてる仕事を探してるのか・・ただ、いろんなモノと触れ合ってみたいのか・・・・俺にもわからん」
わからねぇのかよ・・・
それは知っとけよ・・・
「でも、これだけは言える。俺は、人間として暮らせる環境を探してるんだろう、って・・・たぶんな」
・・女とはこの時の優しくにっこりとした笑顔に惹かれるものだ
それにより女子のほとんどが龍を見つめている
「さて、次の質問は?」
「あの!に・・・」
「人間に対する感情はどうなるのか、だろ?朝原。お前の考えそうな事だ・・・それについてはまだわからない。だが俺としては少しずつ、変えようと思ってる。人を愛し、人に愛されるようにな」
それは親父のように・・・
という事だろう
彼の父はドラゴンでも母に愛されていたから
龍は時計を見た
「・・えー、じゃあ質問はもう終わりだ。他にまだあったら俺のところに来い。HRあと残り十分。静かに過ごせ」
椅子に座った
そしてそこに函崎や瑠奈が来た
「お前、どうやって戻ってきたんだ!?」
「あぁ・・親父がな、「お前にはまだ親しくしてくれる友がいる。まだその命を落としてはいけない。生きろ。そしてお前の友を護り通すのだ」って・・竜界に送り帰された」
「へぇ・・いいお父さんじゃない」
・・まぁ、な・・・
自慢できるいい親だよ
あれが、最後の父親らしい行動だもんな・・・
「・・あぁ、ありがとう・・・」
その時の顔はとても悲しそうで
でも明るく喜びを表していた
「・・・・てか、お前。この一年何してたんだ?」
「竜界に戻った後はとりあえず竜王を倒しに、だな」
「何で?」
・・興味津々、だな・・・
目が少し輝いてる・・・
「竜王ってのは竜界の王、現竜王は名を石刃龍と言った。そいつが竜界の民を騙しこの人界に攻撃を仕掛けていた。親父もその一人だ。だから殺す勢いでそいつを倒して位の剥奪、授かった名の剥奪をした。そして二度とこの人界に来れない様ここと竜界を繋ぐ扉は封印した。それで今は俺が竜王として存在している。そして現在の竜界は俺の代理を立ててる」
「そ、そうか・・封印とかってどれくらいかかったんだ?」
「一週間もかからなかった」
多分・・・
五日くらいか・・・
「じゃあその後は何してたんだよ」
「・・ちょっと・・人捜しをな」
「人捜し?」
龍の家族は三人・・・
そう思っているようだ
「あぁ・・今、妹を探してんだ」
「妹!?お前妹がいたのか!?」
「あぁ、まぁな」
皆の顔が蒼い
きっとドラゴンの妹を想像したのだろう
「と言っても血は繋がってない。妹は俺が15の時にお袋が拾った子だからな」
「へぇー・・・・ってじゃあ死んでんじゃないのか!?」
周りの生徒が振り向き坂野を見た
でけぇ声で言うからだ
「馬鹿。そんな事大声で言うんじゃない。・・・死んじゃいないよ・・今も生きてる・・・」
「なんじゃそら・・・」
「で、そのためにある奴らと戦ってんだ」
「ある奴ら・・?」
それを聞こうとした時
ブー、ブー・・ブー、ブー・・・
龍の携帯が鳴った
「先生が携帯・・・」
瑠奈が喋ろうとした時
龍が手を挙げそれを止めた
「俺だ・・・・・あぁ・・・・あぁ・・だが早くねぇか?まだ朝だぞ・・・・・あぁ・・・・とにかく急ぐ。わかった・・じゃ」
龍は電話を切りポケットに戻した
「わりぃな。用事が出来た。高梨先生に伝えといてくれ」
そう言いながら窓へと歩き
窓を開けた
「え!?ちょ、どこに――――」
「俺が戦ってるある奴らは、妖や物の怪、魑魅魍魎なんかと呼ばれる存在・・・簡単にいやぁ、妖怪だ」
「妖怪・・!?」
「ふふ・・・」
龍は窓から飛んだ
そして学校の外壁を蹴って
そのまま家の屋根の上を走った
向かった先は喫茶店
喫茶、太陽だ
ちなみに龍はここに住んでいる
「ただいま」
「あ、お帰りなさい、マスター」
「ん。で、お前か。その依頼人は」
龍が視線を向けたのはカウンターの端あたり
そこにいたのは一人の少女
見た目でいうと中学生くらいだ
「あ、あの・・ここに来れば怪異な事でも解決してくれるって・・・」
「・・お前どんな事流した」
「でも本当じゃないですか、マスター」
いつの間に・・・
うちは探偵かよ・・・
「・・・まぁ、いい・・名前は?」
「ど、どうも・・あたし、北沢中学三年の猪原伊南美です」
「うむ。俺はここの店長、火炎龍だ。よろしく」
「・・・あの・・不思議に思わないんですか?」
龍は何がという顔をして猪原を見た
「えと・・あたし・・・中学生なんですけど・・・」
「あぁ、その事・・・北沢中学なら知ってる。今日は開校記念日で休みなんだろ?で、依頼の内容は?」
納得したように首を動かした
そしてうつむいて話し始めた
「・・最近・・あたしの友達がちょっと変で・・・」
「変、というと?」
「・・えと・・・春、夏に入るちょっと前。あたし達は買い物でにデパートに行ったんです・・・それで帰ってからお互いに買ったものを見せ合った時に買った覚えの無い物が交ざってて・・どうやら友達が万引きをしたようで・・・」
「・・万引き・・それなら警察に言ったほうが・・・」
俺もだけど・・・
しかし猪原は首を横に振った
「・・それから一週間くらいしてからまた友達と会ったんですけどその時・・もう夏初めだっていうのに長袖で皮のような手袋もしてて・・・それに暑そうだったので彼女の袖を捲くろうとしたらすごく怒って・・変だったんです・・・」
龍はそれを聞いて考えた
犯人でも考えているのだろうか
「・・その友達、名前は?」
「鷹三沢高校の栗原美紀です」
その名前は聞き覚えがあった
それは龍のクラスの生徒だからだ
「今度そいつと会うのはいつだ?」
「今度の土曜・・・」
・・四日後か・・・
何とかなりそうだな
「・・了解だ。何とかしよう。・・それで報酬は・・・」
といって紙に何か書き始めた
流れからいうと報酬のリストアップだろう
「・・こんなもんか・・・今度その栗原と会った時それが治ってたらまたここに来てここに書いてある物を報酬として持ってきな」
「・・・わかりました」
「頼んだぜ」
猪原を見送ったあと龍の携帯が鳴った
「もしもし」
『おぉ、火炎くんかい?』
「署長。お久しぶりです。何か用が?」
龍は一度警察に顔を出し復帰したがその署長と話をするのは約一年ぶりだ
『あぁ、そうなんだよ。実は万引き犯についてなんだが・・・』
「・・・・はぁ!?その春からの万引き犯がまだ捕まらない!?」
『面目無いがそうなんだ・・だが数日前にまた出没してな、その時制服だけは特定出来たんだ』
制服・・・
という事は学生か・・?
『それで頼みなんだがその学校に潜入してほしいんだ』
はやり学生か・・・
「てか俺他の仕事が急がしいんだが・・・」
『しかし君ほどの適任はいないんだよ・・・頼めないかね』
むぅ・・・
まぁ、学校のほうは抜ける可能性があるとはいってるし・・・
この喫茶もこいつがいれば何とかなる・・・かな
「わかった。やりましょう」
『おぉ!承知してくれるかね!』
「それで犯人はどこの?」
『あぁ、その生徒なんだが・・鷹三沢高校の生徒だそうだ』
「!!」
何・・!?
うちの学校の生徒だと!?
「・・ちょうど今日からその学校の教師として就職したとこだ・・・大丈夫ですよ・・・」
『助かるよ、火炎くん。では、頼んだぞ』
「承知」
龍は電話を切り
ため息をついた
「・・どうしました?マスター。ため息なんかついて」
「ちょっと、な・・うちの生徒に万引き犯がいるようだ・・・」
「そうですか・・・・さっきの話と合わせると栗原さんがそうかもですねぇ」
「栗原が・・・」
あいつがそんな事を・・?
「そんな事考えるより早く戻ったほうがいいんじゃないですか?マスター」
「あぁ、そうだ。じゃ、店頼んだぞ!」
「はぁい」
店のドアを開け地を蹴り
再び屋根の上を走って学校に向かった
第一話 終