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6.夫婦の会合
「あなた! 国王陛下に、子を早くなすようお伝えください!」
「突然なんだ。陛下も陛下なりにタイミングを計っていてだな」
「どうせ、王妃殿下を独り占めしたいとかその程度のお思いでしょう!」
「うっ」
言葉に詰まる宰相に、メイド長は言い募ります。
「王妃殿下は、ご実家から圧力をかけられておいでです。そして、子をなさないと側妃を娶る必要性もそのうち出てくるのではないですか?」
「それまでに子ができればよいだろう」
「授かり物なのですよ! しかも、年齢を重ねると子をなしにくくなるというのに! まったく、殿方と言ったら、考えが安易でございます!」
プリプリするメイド長に圧倒された宰相は答える。
「へ、陛下にはきちんと想いを伝えた上で王妃殿下と相談するように伝えておく」
その翌年、王妃殿下は懐妊し、王子殿下をご出産なさったのでした。
「宰相。友人夫婦の話なのだが、早く次の子が欲しいのだが、妻が……」