3.夫婦の会合
「あなた! 国王陛下に隠している愛妾がいるんではなくて!?」
「いるわけないだろう! ……そんな疑問が出てくるなんて、もしかして王妃殿下に……」
「あの麗しく、国王陛下を一途に愛していらっしゃる王妃殿下にそんなものがいるはずないでしょう!」
メリーの投げた果実が、宰相の頭に当たり、割れて落ちた。
それから二人は真剣に話し合った。
「……そうか、あのクソ親子のせいで王妃殿下は国王陛下の愛を信じられなくなってしまったのか」
「あのクソ親子がどんな手を使って国王夫妻に閨を調べているのか……気持ちが悪いな」
「えぇ。でも、お二人の障害を取り除くには、調べるしかないわね……」
「あ」
「なにか?」
「その、先日国王陛下があのクソ親子の息のかかった商会から買い物をしていた」
「なんでわざわざあのクソ親子の息のかかった商会で買い物するのよ」
「仕方ないだろう。権力を使ってきたし、父親のほうは国王陛下には王妃の座を狙っている様子なんてみせないからな。それを夫婦の寝室に飾っていたはずだ」
「いったいなにを買ったのよ」
「……夫婦円満の像だ」
「それね。早速クソ親子の実情とともに国王陛下にその像の廃棄を奏上してきて」
「もちろんだ。王妃殿下へのフォローは任せたぞ」
数日後、クソ親子たちは不運な事故に巻き込まれ、死亡した。