1.宰相side
「はぁ……」
我が国の国王陛下が大きなため息をついた。色気と共に。イケメン王子ランキング第一位、優しい国王ランキング第一位の素晴らしき国王に仕えることのできる幸運を噛み締めながら、国王陛下の悩みを晴らす一助となれるかと思い、声をかける。
「先ほどからため息をついておいでですが、何かございましたか?」
「あぁ……。僕の友人夫婦の話なのだが、聞いてくれるか?」
国王陛下の友人夫婦といえば、我が国の国防を担う辺境伯夫妻、帝国の皇帝陛下夫婦と、我が国に多大な影響を与える面々だ。そんな面々の夫婦問題……それはこの国の宰相たるこの私ごときが聞いてもいいものなのだろうか。いや、我が国のためにも聞かねばならぬ。そう意を決して、問いかけた。
「国王陛下の友人夫婦のお話ですか……私ごときが何かお役に立てばお聞かせ願いましょう」
「友人夫婦は結婚二年目なのだが、その夫婦関係は悪くないと思うのだが……」
結婚二年目……そんなご友人はいただろうか。結婚二年目といえば、我が国の国王陛下ご夫妻……。まさか!? 確かに、政略結婚といえども、お互いを尊重しあっている国王陛下ご夫婦の夫婦仲は良好だ。もっとも、お互い想い合っているのははたから見ていて明確だ。
「わるくないと思っていらっしゃるが、気になる点がおありなのですね?」
「そうだ。その、妻に想いを伝えているものの、反応が芳しくないというか……もちろん、我々は政略結婚。妻からの愛を乞うことができるとは思っていないのだが、悪くは思っていないはずなのだが、愛を乞う言葉に対して、困ったように笑うものの返事を返してくれないんだ……結婚当初は返してくれていたのに」
国王陛下! 我々と言ってしまっておいでです。しかし、あの王妃殿下が国王陛下の愛の言葉に何も返さないとは……。両片思いのような状況で、見ていてニヨニヨしてしまうあのお二人の関係がそんな風になってしまっているとは……。
「国王陛下。我が妻は王妃殿下専属のメイド長。しっかりと話を聞いて参ります。女性の意見というものは重要かと思いますので」
「そうか! 助かる! 期待しているぞ!」
そう言った国王陛下は納得した様子で執務にお戻りになられた。まったく、国王陛下に愛されておきながらお心を悩ませるなんて……妻にはしっかりと話を聞かねば!




