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第五章 サイレントマジョリティって奴か?

それさ、うるさい奴がポイント入れてるだけで、ほんとに面白いって思ってくれてる人は何もしてないんじゃないか?


最中に妹子の彼氏にダブルピースで電話させたので、目の前に飛んできた定家くん。藤原氏だ。

はじめは怒り狂っていたが聡太がなりなんとす作者である事を話すと何となく納得してくれた。さすが文学の士の影響力は違う。かつて奥さん同士を交換したり妻の姉妹と痴態を繰り広げまくった谷崎潤一郎大先生たちのおぼしめしに違いない。


古典の人気作と推理ものの違いを愚痴ると親身になって話を聞いてくれた。だが少数だが見てくれる人はいるのだ、PVの数値が嘘でないのであれば。ただポイントを入れてくれないだけで。


「定家いい奴だなお前。妹子お前さ、こいつと別れて俺と付き合えよ」


「分かった!」


「いいのかよ!」


逆にちょっと怖くなった。


「無茶苦茶悔しいけど、なりなんとす作家の先生なら仕方ねえや。未練はあるけど涙を飲んで我慢するわ」


「おめえは男だな!」


藤原定家の株が上がった。彼も何百年も後の世で再評価されるとは思っていなかっただろう。


「というかここまで言ってポイントを入れてくれない人は人間じゃなくね?」


株の上がったその定家が言った。そんな事はないだろう。


「いやさ、全部クローラのロボットかAI学習のための探索なんじゃないの?」


当然見たら最低でも2ポイントは入れるのが人間の当然の行いなのは当たり前の事だ。それが入らないならこのPVは全部機械がやっているのだ。


「ここまでコケにされてポイントを入れないなんて人でなくば馬鹿の所業だ。

気付かなかったのか。

よほどの馬鹿しか、この文書をスルーする事が出来ないという事を。真っ当な人間にならばそれは分かる。分からないということは馬鹿かAIだ。そんなクズのような存在しかこのジャンルには残っていないのか?違うだろ?お前らはクズじゃない!」


「定家お前ほんとにいい奴だな、こんなゴミカス屑作家の俺のために、そこまで言ってくれるのかよ」


「いや、お前の為だけじゃねえよ。この先このなりなんとすという文筆家の為の居場所が、この国の希望となるかうんこ製造機になるか、その為の指標として言っているんだ」


「でけーこというじゃねえか。口先ばっかりにならねーといいがな」


「式いつにする? 定家くんずっと引き伸ばしてずるずる曖昧な事ばっかだったから、聡太は違うよね?」


「そうだな、よし。じゃあ明日式場を予約しようか!」


「やったあ!」


幸福な結末、妹子は人生の伴侶をゲットした。

略奪愛だった。


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