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魔術という名の奇跡を起こす幻

作者: 直マキヤ

代償を支払うというのは形あるものだけではない。奇術師達はその力は代償を支払った後の力その力に合った才があれば世界を征服、破壊することすら可能にしてしまうだろう。

 今日もとても憂鬱だ。なぜこんな太陽が出ている中で外に出ないといけないのか。


「暑い」


「暑いってまだ外に出てないんだよ」


 声をかけてきたのは幼馴染の九重澄香(ここのえすみか)だった。


「暑いものは暑いんだよ。休んじゃだめ?」


「それを言って先週学校行った?」


「行ってないに決まっているじゃん」


「ねえ。なんで目の前に学校があるのに行かないの?途中からでもこればいいのに…」


 未だに僕自身がダラダラしていて玄関で話しているが僕はいまだに靴を履こうとせずに小型扇風機を片手に涼んでいた。これでも僕の家は目の前に学校がありすぐに行けるが暑くて出ていない。


「ねえ。今の季節しってる?」


「夏でしょ。こんなに暑いんだから」


「今の季節は冬なんだよ。それのどこが暑いの!」


 そう、今の季節は冬。でも太陽に触れた瞬間暑いのは変わらない。僕はヴァンパイアか何かかな?


「君の体質は変わらないの?行くのなんて曇りや雨などの太陽が出てないときにしか出ないし。暑いっていっても我慢して行けばいいでしょ」


「それでも暑いもんは暑いし。それに僕は行く意味があるの?」


「それを言われちゃうと。でも意味があるから入れたんじゃないの?」


「そんな意味なんて何もないよ。僕はしたいことができればいい」


「はぁ。行くよそこにある日傘をさしてあげるから行くよ」


 僕はあきらめて靴を履いて小型扇風機を置いて。外に出た。


 澄香がしっかりと傘で僕の身を太陽から隠してくれているおかげで暑くはない、多少。にしてもなんでこの子は僕の面倒なんて見に来るのかな?別にそこは気になるところであっても聞くまででもないか。


「で、今日は何で一段と学校に行かせようとしているの?」


「ねえ、行事しっかり見てる?」


「見てないよ。そんなのを見て何か僕に意味があるの?」


「冬祭りが始まるんだよ。しっかり参加しないと去年は何故かいなかったし。今年こそ一緒に回ろうよ」


「それに今日行く意味なんかあるの?」


「それが、奇術師から招待状が来たみたいだから。内容を今日公開するみたいだよ。そんな面白いイベント興味あるでしょ」


「ふ~ん奇術師ね」


 僕たちは校門を通り抜けた。澄香は学校に入っても日傘をさしてくれている。


「名前も教えてくれてないから今日の発表楽しみにしている人が多いんだよ。今世界を騒がせている奇術師だよ!ここに現れるとかワクワクしない?」


「しない。僕、あれら大っ嫌い本当に憎いあんなマジシャンみたいなことをして、他人に迷惑をかける集団でしょ。それのどこがいいの?」


「普通は一般人からしたら身近に見れるバラエティーやアクション映画の小細工なしを見れるだけで面白いんだよ。この平和の世界で」


「そんなもんか」


「そんなもんだよ」


 僕たちは校舎の中に入り澄香は傘を閉じ傘入れに日傘を入れて、僕は先に靴を上履きに履き替えて後から澄香も履き替えて自分たちのクラスに向かって歩いていく。


「発表っていつするって?」


「朝礼の時に放送で流すって。学校のライブ配信でするみたいだよ」


「それほどまでのものか…。はあ、憂鬱だな」


「憂鬱って歩いて5分も経ってないんだよ」


 そして、教室の前にたどり着き教室の扉が閉まっていたので開こうと自分で開けようとしたら、澄香が開けた。なんで?僕の従者じゃないんだからそこまでしなくていいんだよ。来る途中ですら日傘を一切返してくれなかったし。


「来たぞ。主人様が」


 うるさ。はぁだから憂鬱になんるんだよ。こんなことが有るから嫌なんだけど。


「うるさいですよ。(まとい)様が煩わしいと思っているのですから黙りなさい」


「纒ばかりずるいだよ。なんでメ・イ・ド・を・侍・ら・せ・て・来・て・羨ましいんだよ」


「当たり前でしょ。纒様は特別な人なんですから。あなたごときに図れるわけないでしょ」


 そう、ここは制服指定の高校のはずなんだ。何故か澄香は俺が登校する時はメイド服を着て登校してくる。これが僕の頭を一番痛くする要因。


「はいはい。そんなのは休憩中にでも聞いていてください。いつもいつも同じことを言わせない」


 後ろから声をかけ、クラスの騒がしさを黙らせる担任の琴吹先生だった。


「それにしても今日は珍しい。日が出ているのに来るなんて。いつもなら来ないのに何かあったのかい?」


「琴吹先生、今日は奇術師についての発表です」


「それのことか。そろそろ時間か。主人…と従者どもは座れ」


「先生それはひどくないですか!俺はこいつに従ってないんですよ。俺にはしっかりと雄介(ゆうすけ)という名前があるですからしっかりと名前で呼んでくださいよ!」


「うるさい。お前らがいつもいつも来ては囲んでいていちいち呼ぶのがだるいんだよ分かれ」


 そういって僕たちは自分の席についていく。で隣なのは澄香。たしか先週席替えあったはずなのに僕の場所は一切変わってないんだ?


 僕は聞くために前の席の者に聞いた。


「ねえ。なんで席変わってないの?先週席替えあったはずだよね?」


「纒。君が思っているほど僕たちは強くなんだよ」


「ねえ。それさいつも言われるけどどうゆうこと?澄香が本当に何したの?」


「それは本人に直接聞いてよ。僕から話したことがばれたら嫌だよ。というか恐ろしい目に合いたくない」


 よーく体を観察すると言葉の後半らへんからまじで震えているのがわかる。まじで何があった?


「それをき・・・」


「おいそこの主人。文句があるなら直接俺に言えっていつも言っているだろ。というかそれは後で聞くから黙って聞け」


 え?なんでそうなるの。僕は隣を向くとこっちを向いているし。とりあえず後から聞きますか。今はあのくそったれのペテン師がここに来る理由を。


[さて、わが校の生徒達も聞いただろうがこの学校だけが行う冬祭りと同じ時期に奇術師から招待が来た。さあ、内容を公開しよう]


 放送で校長がテンション高く話していて、カウントダウンをして0になったと同時にスクリーンに映った。・・・。


「なっが!」


「纒うるさいよ。今はさっさと記録するか目を通しておくんだよ」


 何で僕が叱られるの。にしても長い。しっかり読もうとした時横から突かれた。そちらの方を向くと澄香が紙を差し出していた。僕はそれを受け取り開いて読んだ。


【 親愛なる纒様


 纒様にあんなに無駄が多く長い文章に意味はないので訳したものを書きました。いつ書いたか秘密です。


 神代高校の皆様私は、今を広める奇術師の悲哀だ。この度面白い情報を手に入ったその学校に面白い秘密があるからそれを取りに行こう。

 時期は冬祭り中。


 纒様を愛する澄香より】


 ・・・なんだこれ。ものすごく訳されてる。これ情報この学校にある秘密といつ来るかの時期しか分からないじゃんなんだこれ。僕はそう思い澄香の方を向くとまたもう一枚紙を手渡された。澄香にだけ聞こえるように話しかけた。


「ねえ。なんでこんな回りくどいやり方で渡すの?」


「何でってあんな意味のないものを読みたいの?」


「見ることに意味があるんだよ」


「でも、もう見たんだからいいじゃないですか?ながって言った時にはもう全て見たんでしょ。今から意味を読み解くのも無駄でしょ」


 僕はあきらめて渡された紙を呼んだ。


【 こっちが本題です


 悲哀の奇術師


 水を操ることができる奇術師。何をどうやって水を取り出して操り生み出しているのかは未だに謎に包まれている。そんな人物がこの学校に招待状を出した。その時に一緒にサファイヤの宝石を送ったそうです。本当に遊びのためにこんなことをする意味があるのでしょうか?本当は別の意味があってここに招待状を送ってきたのではないかと思っています。纒様の考察は聞きませんその期間何をするか屋上で話を聞きますので話してくださいね?傘はしっかりと持っていきますので大丈夫です。


 待ってますよ授業後に  】


 …なんで手紙でこんなこと書けるのかな?まあいいや授業後にね。何で僕に聞く必要があるのかな。


[さあ、諸君。見ただろこの学校の冬祭りのイベントが増えた。この時に奇術師を捕まえたものに単位と行きたい場所への推薦を上げよう]


 それを言うとクラスメートは大声で叫び喜んでいた。


「よっしゃーーー。俺が捕まえて学校なんてサボって遊ぶぞー」


「いいや。この僕が捕まえていきたい大学への切符を手に入れんるんだ」


「それは私が手に入れるので。絶対に無理だよ」


 わークラスいっぱいに元気な声が響くー帰ろうかな。そう思ったとたん腕を突かれた。


 澄香に小声で、


「今日は用事が終わるまで返しませんよ」


 その笑顔が少し恐ろしく感じた。何で僕の心で考えていることが分かったんだ?


 朝礼の終了のチャイムが鳴ったのと同時に大きな音が教室に響いた。


「お前ら浮かれるのはいいが冬祭りまでまだ2週間あるんだぞ、それに一切準備してないし決まってない。浮かれるにもまだ早いぞ。まあ、次は普通に授業だ。落ち着きをもって…いけないか。まあいいや他のクラスには迷惑をかけるなよ」


 そうして琴吹先生は教室から出て行った。そうして、先生が出ていくと同時にクラスメートの男たちが僕の場所に駆け寄ってきた。


「よし。纒お前に冬祭りの企画を通してもらいたい案があるんだ」


 雄介が僕に紙を渡そうとした時に僕が手に取ろうとした瞬間、澄香が割り込みその紙を奪い取った。取られた雄介は絶望した顔をしていた。


「なあ、何を渡そうとして何を企画した?」


「あ、あ、あ、やべえ。お前ら逃げるぞ!お前たち何故俺を掴むやめろ俺はまだ死にたくない」


「は?」


 奪い取った澄香の方を向くと満遍ない笑顔がとても恐ろしく感じた。にしても何を提案しようとした?


「なあ、澄香内容だけでも教えてくれよ」


「メ…グッハ」


「おい、澄香。雄介をそのまま殴りつけたら死ぬぞやめろ」


 めを言い始めた瞬間に腹を思いっきり殴り気絶させたぞ。これ問題案件だと思うけど。


「纒様大丈夫です。なんの問題もありません。後処理は任せてください」


「ねえ。そうゆうことを言っているわけではなくてね。この学校いじめの防止政策のための教室の天井に監視カメラがあって大丈夫なの?」


「それはなんの問題もありませんので。纒様に迷惑をかけることはありません」


「なあ、さっきめ・・・」


 チャイムが鳴った。


「その話は後でお願いします」


「ああ」


 クラスメートたちは席についていくが雄介だけは床に放置されていた。


「ちょお前らこいつここに放置するなよ!」


 先生が入ってきた。


「やあ!生徒よおとなしく待っていてくれて悲しいよ。うん?ここに真面目ではない生徒がいるではないか」


 入ってきてそうそう言う言葉がそれか?


 先生は雄介を担いだ。


「何で気絶しているかは知らないけど。いい教材が手に入ったから実験しようか。あれ?今日はいるなんて珍しいな何かあったか?」


「失意先生今日は九重がしっかりと連れてきてくれました。それに今日招待状の話の日だったので」


「そうか。今日はその日だったか。報告ご苦労代表」


「失意先生は何をしていたんですか?」


 失意先生は悩み、そして指を鳴らすと後ろのスクリーンに映した。


「今日はトラップを仕掛けたんだ」


「ちょっと待ってくださいいつですか!」


「確か静かな時にやったよ。いつもなら騒がしいのに静かだったから不思議に思ったけど気にせずに仕掛けさせてもらったよ。今回はそれにかかったやつは治療費と欲しい単位にプラスしてあげる」


「その内容はなんですか?」


「焦らない。それを今から見せる」


 その映像に流れたのは学校の床に仕掛けた失意先生の姿だった。そして、ネズミを罠の場所に投げつけた。今回は投げるのか~。


 その瞬間ネズミは動かなくなりいきなり地面を食い始めた。その後は吐くまでく言い続けその後の回収されたネズミは意識が無かった。


「こんな感じに認識の誘導と誤解させるための機械。引っかかるとあんな感じになるから気を付けた方がいいね」


 失意先生はスクリーンを片付け教卓の上に雄介を置いた。


「今回やるのは気絶した者を強制的に起こすやり方を伝種しよう」


「必要なものはただ一つ己の手があれば行けるけど。ない場合は奇術師にでも願ったら?まあ奇術師なんて今のある種の流行みたいだけど基礎を知らないと何もできないからね」


 失意先生は雄介の頭に手の平を載せてその後に手から雷が現れて刺激した。その瞬間雄介は起きた。



「あれ、俺はなんで教卓の上に寝てんだ?…っげ失意先生の授業で気絶したとか最悪。先生何かしましたか?」


「今回は珍しく気絶していたからそれから覚ます方法を伝授してあげた」


「・・・申し訳ございませんでした。次からこのようなことがないようにしたいので今日の仕掛けの内容をもう一度教えていただけませんか」


「まあ仕方ないな。終わった後に最後にもう一度映してあげよう」


 雄介はその後自分の席に着いた。


「さて、今の中で疑問に思ったことが有っただろう。なかったらそれはそれでやばいやつだがな。ハハハ」


「それは笑い事ではありません。奇術師のアイデンティティが消えてしまします」


「それもそうだな。まああんな奴らを直接見たことがないから判断できないが大抵のことは科学でどうにかなるからな」


「で、どうやって。あんなことができるんですか?」


「そんなの魔力を操ればいいだろ」


 いきなり失意先生に向かって廊下からチョークが飛んできた。失意先生はチョークを掴み空に書き始めた。


「はぁ。校長先生に叱られたので解説します。ここはいつもの私の実験室です。はいなのでバーチャル世界です。はあ何でネタバレしないといけないのか。なので雄介君はいまだに気絶しています。あのチョークは校長先生が監視カメラでしっかり監視しているのででたらめを教えようとしたのでチョークを投げただけです。なぜ廊下から出てきたって?そんなの人の錯覚です。いつも同じ場所から出ていますよ。まあこれ以上長くいると人に悪影響が出るので終わります」


 そして、失意先生はもう一度指を鳴らした。目を開けると先ほどまで席に座っていたはずの雄介が教卓の上に寝ていた。


「はい。では今から授業をしません。もう満足したので知りたいことを聞いてください。何でもいいのでこの技術に聞いてもいいですし、テストについてや今の内心点についても教えてあげます。それにこのクラス未だに決まってないようだし。それを今から決めないと。代表仕切って」


「分かりました。では冬祭りの出し物についてやっと2つまで絞ることができましたが、新たに奇術師の情報が出たので追加したい内容を提案してもいいです。挙手してください」


「奇術師に関する出し物をしたいです」


「サーカスしたい」


「奇術師を捕まえるために出し物はなしで」


 どんどん案が出ていくがまとまりなどない。そして僕は見ているだけで勝手に進んでいく。


 最後の2択まで絞られた。


・メイド喫茶


・奇術師を捕まえる


 ・・・?これどんな感じに割れてるの?


「纒どっちがいい?お前の結果次第で全て決まる」


「纒もちろんメイド喫茶よな。お前には隣に最高のメイドがいるが関係ないかもしれないが俺たちはその夢をかなえたいだから入れてくれ」


「纒もちろん奇術師を捕まえるよな?捕まえれば行きたい場所にどこにでも推薦してくれんだぜ」


 なんで女子がメイド喫茶に入れているのかは分からないが。でも、僕が奇術師を捕まえる手助けをすることに協力は絶対に無い。


「僕は喫茶店でいいよ。僕が適当に作ってお前らが勝手にまわしとけばいいよ」


「なのでメイド喫茶ではなくて喫茶店に決まりました。文句はある場合は自分で金を出してください」


 これ僕のせいなのかな?でも冬祭りなんて好きなように遊んでればいいだろ。


 そして、チャイムが鳴った。


「これで終わりだ。出資者に感謝してやるんだぞ」


 そして出ていく失意先生。まじでこの授業はいつ来てもなんの授業なんだ?生物のはずなのに」


 そして、時間は流れていく今日のすべての授業が終わった。


 クラス代表が声をかけた。


「欲しいものはクラスの書き込み場に書いとけ纒が勝手に判断して買ってくれる」


 クラスメートの大半は教室から出ていき残ったのは3人だけだった。


 一人はいまだに帰りの支度をしていた。も一人はその場でゲームをしており。残りの一人は。


「なあ何でメイド喫茶にしてくれなかっただよ。メイド姿で接客してほしかったのに」


「未だに言っているのお前だけどぞ。勝手にやっているからその時に着ているかは澄香の気分次第だろ。いつも恰好違うし」

「は?お前幼馴染だろ。何で知らないんだよ」

「いつも一緒にいるわけではないのに」

「え?学校でいつも一緒に登校しているのに?登校してないところ見たことないけど」

「お前頭イったか。まあ、そうだな。こんなに一緒に行く必要性が分からないんだよな、でも居るから一緒に行っているだけ」


 雄介は呆れながら部活があるから行くと言って教室から出て行った。


「何だったんだ?はぁ行かないといけないのか」


 僕は教室から出て屋上に向かって歩いていく、道中で人とは一切会わなかった。そうなるように時間を遅らせたんだけど。


 屋上に向かって行く階段を上ろうとすると後ろから声をかけられた。僕はその声で振り返るとそこにいたのは担任の琴吹先生だった。


「屋上なんかに用があるのか?纒」

「呼ばれたから」

「そうか、で誰に呼ばれた?屋上は先生の許可がないと行ってはならないはずだ」

「知らないけどなぜか呼ばれた。今何かやってるの?」

「ん?知っていて行こうとしたわけではないのか?」

「何かあるの?」

「奇術師についての対策についての会議を今しているんだ。関係者以外立ち入らないように見張っているからな」

「そうですか。じゃあ僕は帰ります」


 僕は下に降りようとした時に琴吹先生に言われた。


「君は何でここにいるの?意味を持とうとも持ちもせずに何を目指して生きているの?」


 僕はその言葉に返すことはなく僕は階段を下りていき下駄箱まで向かって行くと何故か屋上で待っているはずの澄香がいた。


「なんでいるのかな?会議しているんじゃなかったの?」

「会議しているなんて知らなかったよ。まあ家で話そうか」


 僕は言葉を返すことなく気になることはあったが気にせずに靴に履き替えて日傘を手にとりさそうとした時に横からいきなり奪われた。そして、奪ったやつが日傘をさした。


「行きましょうか。纒様」


 僕は返事をすることなく出ていく。そして何事もなく家に辿り着いた。鍵を開けて扉に手をかけて開いた。玄関で靴を脱ぎ居間に向かって歩き一人用の椅子に座り、澄香はソファに座った。


「で?何が言いたい?」

「何が言いたいって。殺すんでしょ奇術師」

「お前は何を言っているんだ?僕がそんな大層な存在に見えるか?」

「見えますともあなた様が居るから奇術師なる存在が出てきたんですから」


 何が言いたいんだ?でもそんな話のために話すことが必要か?


 ため息を吐きながら言った。


「僕に何に成って欲しいの?」

「あなた様がなりたい姿になってもらいたいだけです」

「答えになってない。それに僕がいつ冬祭りに出るといった?」

「出ないですか?奇術師が出るのに?」

「面倒だからな。僕は家にいるよ」

「そうですか」


 澄香は返事をして居間からキッチンに向かった。


「なんで帰らない?」

「何でってあなた様のお世話のために決まっているではないですか」

「…帰れよ。君が居ても邪魔なだけだ。ここは僕の家だ君がすることはない」

「そうですか」


 がっかりした姿をしながらまたソファに座った。


「帰れよ」

「いやです。今日はあなた様が寝るまで帰りません」


 僕は呆れてしまった。なんでこんなメイドいやつを上げてしまったんだ。

 椅子から立ち上がり自分の部屋に行こうとした時。澄香が邪魔をした。


「何で邪魔をする?」

「部屋に戻ってするんでしょ。ならわたくしに対してやってくださいよ。思春期何だし私相手にしてください」

「・・・・・そのために自分の部屋に行かないといけない?お前がいると知っていてやるものか?」

「だって纒様の部屋に入れないですから」

「そうゆう風に作ったからな。だから帰れ僕は仕事のために戻るんだ。今の邪魔をするな」

「分かりました何かあったら呼んでください。キッチンで料理しているので何かあったら来たください」


 僕は2階に上がり自分の部屋に入った。


 目の前にいたのは先ほどいた澄香に似た女性だった。


「だれ?」

「誰でしょうね?それにしても良く無表情で対応できるものね。私ってそんなにメイド服で登校して行ったけ?覚えてないわ」

「そんなことはいい。奇術師についての情報は?」


 紙を渡された。


【悲哀で悲しみを映す奇術師

・水を使うと情報は全て偽り本当は水によって使われた偽りの姿。水を使っているのに使ってないってそりゃあ鏡の性質を合わせればいい。本来の力の使い方を誤解しており強敵ではない

・そこにいてそこにいないそんな不可能を可能にできる奇術師

・君の悲しみを奪った者の一人偽りの悲しみを使うもの】


「調べた感じこんなだと思うよ。相性は最悪もう目の前の現象をやられているんだから」

「やろうと思えばできるが欠点があるな」

「欠点?。というかあなたの偽りの悲しみって何なんですか?」

「嘘でさえも悲しみは悲しみ深ければ慈愛に変わるだから偽りでありながら本当になっていく」

「そんなところですか。これからどうするんですか?キッチンにいるあれ処理するの」

「そんなことをしても意味なんてないしする必要あるのか?冬祭りまで何もしないでその時になったら行くよ」

「分かりました。もう寝るの?」

「寝るよいつまでも無垢でいるのはつらい」


 僕は無垢の魔術を解いた。その瞬間黒い髪から青の髪に変わった。


「いつ見ても青の髪だね。塗装しても青から変わらない色をして怖いわ」

「そんなこと思ってもないだろ。それじゃあ。俺は寝るその日になったら起こしてくれ。学校に行くことはない」

「了解。下の子どうするのよ」


 俺はぐっすりとベットに入り眠った。


「はぁ、もう寝ちゃった。欠点については教えてくれなかった、はぐらかされちゃった」


 纒が眠ったのを見た女性は纒が寝ているベットに座り纒の顔に触れた。


「なんでこんなことになったんだろうね。もう平穏はなくなってからどれくらいたったしまったのでしょうか。いつまでこんなことを続けることになるのかね。残ったものがあれだけになった時は困ったよね。たまたますぐに取り戻せたのがあれでよかった。それ以外だった最悪だった。いつまでたっても終わりは来ない旅を終わらせたいけど私にはもうできない。お姉ちゃんに力があればよかったけど何もなくてごめんね。■■」


 女性は涙を流しながら纒の顔を優しく触れていた。


 


 俺は眠りから覚めるとそこにはもう誰もいなかった。俺は確認をして検索していただろう機械に触れ瞬間モニターに文字が流れた。


【 今日 12月23日 冬祭りの始まり


 偽りから抜けろよそんな簡単なことすら忘れたか?そんな場所でいたいほど弱ったのか自分は


 今日の日付と謎の文章がつづられており俺はその意味は分からないけど心のどこかでは忘れてはいけないことだと理解していた。


「ああ、俺はここを乗り越えないといけないのか。こんな平和な世界で生きて壊されず終われると思っていたのに」


 俺は感傷に浸って自分の部屋と認識している場所から出て行った。


 リビングに向かって歩くといきなり玄関の扉が開いたそこにいたのは澄香だった。


「もう、纒様あれから一度も来ないなんて酷いですよ。ずっと待っていたの」


 澄香が怒っているのは行動から分かっていたが俺に返す言葉が分からず返すことができなかった。


「纒様?どうしました。何か問題があるのでしたら私が排除しましょうか?」

「いらない。するべきことは自分でなす。他人に任せてできるものなど甘えでしかないから」

「いえ、そんなことはないですよ。人は助け合ってこそ生きていけるのですから」


 俺は階段を下りながら言い放った。


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「どうゆうことですか?言っている意味が分かりません。同じ人なのではないのではないですか?」


 俺はその問いに返すことはしない。リビングの扉を開けて澄香は気づき上がろうとしたが俺は止めた。


「澄香することはないそこで待っていて」

「う~わかりました」


 俺はリビングに入り肩掛け鞄を手に取り自分の肩にかけた。そして玄関に向かった。


「これで準備はできた」

「纒様そちらの荷物は何でしょうか?」

「自分の私用の物だから気にしなくていい。これは自分が持っていたいと願うものだから」

「かしこまりました。日傘をさしますの少々お待ちください」


 俺は靴を履き終えるころに澄香は日傘をさし終えており俺は素直に日傘に入り学校に向かって歩き出した。

 目の前の学校は学生でに賑わっていた。始まる直前の準備で忙しくしている者もいれば暇を持て余して居る学生もいた。そして学校に入ると放送の声が聞こえたり指示の声が聞こえたが気にせずに自分の教室に向かって歩いていく。


「そろそろにぎやかになってきましたね。私たちのデートも楽しみましょうね」

「俺はすることが有るから無理だ。そのことに対して雪が降るまでに終わらさせていくよ」

「分かりました。クラスメートと楽しんでいるので用が終わったら待っていますね」


 下駄箱までたどり着き澄香は日傘を閉じて傘立てに入れて靴を履いたまま教室に向かって歩いて行った。


 教室の扉を開くと準備の声が聞こえてきて扉の開く音で数人がこちらに気が付く。


「纒!やっと主人が来たよ。お前何やっていたんだよ俺たちに全て任せやがってちゃんと後からサービスしてくれよ」


 そして、声をかけた人は厨房に入って行った。そして接客する人が来た。


「纒がすることはないから回っていていいよ。それに、終わり後のパーティ楽しみにしているからね」


 俺はうなずき教室の扉を閉める前に。


「澄香楽しんでおいで。ここでの思いは消えないほどの」

「分かりました?楽しんでまいります」


 扉を閉めて俺は屋上に向かって歩いていき。屋上手前の階段に足を乗せようとした時に話しかけてきたのが失意先生だった。


「何か用ですか。失意先生僕はするべきことをなすので邪魔はなしですよ」

「そうかい。まあ君が覚悟を決めて歩むなら先生からいうことはないよ。それに待っている者もいるから」


 失意先生は消えていた。俺は屋上の扉を開いた。


 そこには屋上にポツンとある小屋だった。屋上に学生の姿はなかった。俺はその小屋に近づいていきドアノブに手をかけて中に入ったその中にいたのは。


 悲しい顔の仮面した者だった。多分だがここ居るのは生徒会長なんだと思う。手には水を出してこちらを向かずに下に顔を向けたまま話しかけてきた。


「何か用かい?ここは奇術師用の対策部隊の本部だよ。まだ始まっても無いのに収集をかけた覚えはないよ。纒君」

「こっちを見ているものだよ。でここからどうするのだい?何を盗みにいや殺しに来たのだい。嘘付きの涙(フェイテア)さん」

「…君は誰だい?」

「先ほど名前を言ったじゃないですか。俺は纒と」


 目の前の嘘付きの涙(フェイテア)はいきなり地面からツララが現れそれは自分めがけて飛んできたが俺はそれを躱してこう言った。


「自分が何者から生まれたのも忘れたのか罪人よ」

「何をしようがこれは私の力それ以外の何にでもないそれが機能し続けるなら僕は僕で遊び続けるだけだ!」


 目の前の嘘付きの涙(フェイテア)はいきなり水をこの小屋全体を包み始めた。自分に体触れると別の何かを見えた。


「ねえ。君はいつまでここにいてくれるの?」

「いつまででもいて上げるここが僕の理想の世界である限り」

「分かった。私が纒君の理想の世界を維持するように頑張るからいなくならないでよ!」


 幼いころに約束した記憶だった。が俺はこの記録を持っていない。だからすぐに偽物だと分かる、ここで情に流されたら一生この世界に囚われの存在として生きるのだろう。だがそれは許されることはない。俺は唱えた。


「ここにありし理想の刃を開放し道を切り開く」


 その言葉を詠み終えると俺の手には長杖を右手に握っておりそれを目の前の者たちの幻に向かって振り下ろした。

 昔の記憶は薄れていき先ほどまでにいた場所に戻っていた。嘘付きの涙(フェイテア)は拍手をしていた。


「良く出てこれた。その杖は何だい?気になるものを持っているね」

「さあ。ここからが俺が相手をするよここからは記憶の僕ではなく記録の僕だ」


 嘘付きの涙(フェイテア)は指を鳴らして水を操り僕の心臓に向かって水を向けるが僕はそれを掴むそのことに嘘付きの涙(フェイテア)は驚いているのが分かるがそんなことはどうだっていい。


「何故掴める?!水は液体だ何故そんな芸当ができる!」

「さあな。それは自分が良く知っているだろ嘘付きの涙(フェイテア)この力を僕が知らないわけがないだろ」


 嘘付きの涙(フェイテア)は舌打ちをしながらも次は指を鳴らすこともせずに俺に向かってくる水と後ろに円型の水を嘘付きの涙(フェイテア)の背後に用意していた。僕は長杖を振るい向かってくる水すべてを弾いた。


「そんな物聞かないのに技をつかってくれたな!」

「誰がこれを技といった?振りは動作をしただけで僕に勝てる技でもあるのかい」

「現は幻の泡沫ここにあるのは泡のようにはじけていく幻想の世界」


 いきなり詠みだした。それはどこで知った?まあそれよりも世界が崩れてきているもうここも長くはないのか。この記憶に残る思い出は感じるだけで悲しくなっていくどうしてこうなってしまったのだろうか。もう振り返る時間はもうない。そして泡が流れてく。


 僕は泡に触れないようにしていたが目の前から大量の泡が来て長杖が触れると消えた。そして体が触れると自分はまた過去を見た。


「何で澄香ちゃんはこんなことをしているの?」

「纒君のどこかに行かないようにするために」

「そうなの?いつもありがとうね!ずっと一緒に居ようね」


 僕はその記憶を長杖で振り払ったと思ったらまた別の記憶が流れ始めた。


「なんでお前たちは澄香をいじめるんだ!」

「は?そんなのウザいからに決まっているだろ」

「僕はそんな君たちを許さない!」


 それに向かって行く幼い何かはぼこぼこにされても立ち向かって行く。

 先ほどと同じように長杖で振り払ったがまた別の記憶が流れようとした瞬間心臓の当たりが痛みを感じた。


「澄香をいじめる者が居たらすぐに教えてね俺がいつでも守ってあげるから」

「いやだ!もう纒の傷着いた姿もう見たくない」

「俺も澄香が傷ついた姿を見たくないから」


 これはどうしたものか。このまま追っても殺されるな仕方ないかこんな空間の相手に相手をするのはあれしかない。


 長杖の持ち方を杖を握る持ち方から剣を握る形に切り替えた。その瞬間長杖から刀に変わり上から振り下ろした。


 そして、あの小屋に出てきて目の前にいた嘘付きの涙(フェイテア)は真っ二つにされていた。が前から声がする。


「どうやって抜けた?あれは結構特殊な泡のはずだけ」

「切り裂いてきた。それを知ってるはずだろ?それが常識だ」

「それはないだろ。お前がなんで世界の断ちを使える?知っていても使えるわけないだろ!」

「それにこたえる必要はないだろ嘘付きの涙(フェイテア)


 嘘付きの涙(フェイテア)は次に水を手に持ち俺に向けて見せてきた。その水に俺の姿が映っており俺は一瞬にして閉じ込められ。が、同じように刀を振りおろし出てきた。


「おかしいだろ。お前の意識だけを吸い出して何で体が動かせるんだよ!」


 僕は一歩ずつ嘘付きの涙(フェイテア)に向かって歩き出し嘘付きの涙(フェイテア)は僕が進む度に後退していく。怯えの顔をしているのが分かるが嘘なんだろう。


 僕が刀の範囲に入った瞬間刀を振り下ろすがそこにあったのは水の固まりだった。後方から声が聞こえたのと同時に僕の心臓を貫かれた。


「お前のもう負けだ!心臓がなければ動ける人間はいねえだろ」

「どこからでもなく映す物はすべてが本物ならいいけど嘘付きの涙(フェイテア)は君はいくつの涙を流した?」

「僕が涙を流すわけないだろ!」


 僕は涙を流してた。それに共鳴するかのように刀の刀身が青く染まりだしそれを床に指すと地面からひびが出てきた。


「お前それはやめろ!」


 嘘付きの涙(フェイテア)僕に向かって水で攻撃するが間に合わず世界が割れた。


 今まであった存在は荒廃した学校に変わっていた。この小屋もボロボロでいたるところが腐っていた。


嘘付きの涙(フェイテア)僕の力返してもらおうか」


 嘘付きの涙(フェイテア)はおれに触れられる前に包丁を出しておれに向かって刺してこようとしたが僕はそれを冷静に刀で弾き嘘付きの涙(フェイテア)の仮面を奪い取った。その顔は僕の友達と言っていた記憶がある雄介だったかこれは嘘なのか本当なのかはどっちでもいいが体の否定が強い。だが関係ない。


 僕は目の前の存在下に向かって言った。


「返してもらうぞ僕の感情を」


「やめてくれ。俺は死にたくなっていない一生生きて遊んでいたい。もう誰からも縛られずにあんな平和の世界でいたかったのになんでお前はあんな残酷なことができるんだよ!あの世界にいた友達…いや幼馴染を裏切るのか!」

「そんなのは今の僕にはどうだっていいことだ。僕には僕のすることにあの方以外に必要な物は存在しない。ただこの感情だけは守ってしまった結果こんな化け物を君たちがつくったんだろ」

「嘘だ嘘だあの世界にいた君はそんな存在じゃなかっただろ。あんな優しかった君は何だったんだよ!」

「無くなった後に手に入れた無垢の感情によって普通の人の生活はできるようにしていただけだ。本当の僕はいていないものだ。それじゃさよなら偽りの創造者嘘付きの涙(フェイテア)

「いやだいやだおれはしにたくな・・・」


 僕は刀を振り下ろして体を真っ二つにした。その後青い塊が僕の中に入って行った。


 僕は力の回収を終えて偽りの感情を手に入れると事ができた。


 これでいいんだ。僕は近くに合った水たまりから覗くと僕は涙を流していた。悲しくないはずなのに何で泣いているんだろう僕は戻っていくはずなのに。


「いるんだろ。電気信号(メライア)

「何だ。ばれているのか。今回も面白い物を見せてもらったいいものだったよ。今回は僕も参加できて楽しかったし。それにしても何で泣いているんだい?君はあんなことで泣く存在ではないはずだろ。まあいいまた会おうね」

「逃がすわけないだろ」


 僕は無から刀を取り出して抜刀した。目の前の存在は真っ二つに横に斬れたがすぐに離れた場所が電気によってくっ付いていた。


「なんて酷い帰ろうとしただけなのに。まあいいよ今回は来てくれただけで楽しかったし。次の講演までのお楽しみください奇術師たちの幻のような本物の演劇に感動してください魔術師様」


 電気信号(メライア)は姿を消した。僕は今はどうしようとかと月を眺めて次について考えていた。


少年...天音は止まることはない払った代償を取り戻し感情を手に入れると同時に解らないものを失っていく身体は覚えているが自分自身は何も解らない壊れた存在に変化していってしまうのだろうか。

約束をした少女は壊れた世界で何を思ったのか・・・。

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