第五幕
「さて。そろそろ帰る?」
「そうですね」
「縁もたけなわではありますが」
それぞれお会計もすんで。
お店をでて、駅に向かう私と朔先輩と、反対方向になる鈴さんとはそろそろ別れるところで。
「で。なにしてんの?」
朔先輩がふりかえった。
私たちもふりかえると、三人いた。
「え。あ」
朔先輩が同じ制服の方に近づいていかれて。
「で。なんで二人もいるの? 途中から増えてたからどういうメンツ? ってなったんだけど」
「えーと……」
「言いたいことある?」
「すみません!」
がばっと頭をさげて。
私たちもそれぞれむかった。
「どうしてここに? びっくりした」
「ロードワークはどうしたんですか」
鈴さんの彼氏さん抜けてきたの?
「俺は呼ばれてきた」
「本当にそう答えるんだ」
「どういうこと?」
「僕が呼んだんです」
「え。ちょっとまって。その辺詳しく」
朔先輩が私の横にするっと来た。
「そもそもなんでいるの?」
「説明すると長くなるので、割愛させてください。僕と先輩が最初いて、このお店にはいってから、彼を呼びました」
「そうでしたね。あとから合流されていたから、少しだけ安心しました」
「俺は別に後を追ったとかそういうことはしてない」
……。
答えでた。
頭を抱える朔先輩の彼氏さんに、ため息をつく朔先輩。
ああ。朔先輩の彼氏さんが主犯と。
「ごめんね。二人とも。こいつにはちゃんと言って聞かせるから。で。絶対二人に近づけさせないから」
「構いません。もちろん驚きはしましたが……。今日とても楽しかったので」
「はい。私も楽しかったです。またお時間がありましたら、こんな風に会いたいです。もちろん。私たち三人だけで」
鈴さんがにっこり笑って、彼氏さんの方にむいて。
「一緒に帰る日が減るかもしれないけれど、いいですか」
「ああ。りんが楽しいのが一番だ。りんのこと、お願いします」
私と朔先輩の方をみて、一礼された。
……りん?
「私の事、そう呼ぶんです。正しい読みはすずだといったのですが、りんのほうがいいと言われて」
困ったように笑う鈴さんに、朔先輩がぎゅーと抱きつかれた。
「え。かわいい。彼氏君だけの呼び名ってことでしょ? んーかわいい」
「ふふふ。ありがとうございます」
「おい。あんまりくっつくな。外だぞ」
「えー。いいじゃん」
引きはがす彼氏さんに不満そうな態度だけど、私たちには笑顔で。
「二人とも。ありがと。彼氏君がそれぞれ迎えに来てるみたいだから、ここで解散しよっか。また連絡するねー」
「ほんとごめんな。失礼します」
すっと踵を返す朔先輩の後と慌てて追いかける彼氏さんは終始申し訳なさそうに男性陣に頭をさげていかれた。
「さて。私たちも帰りましょうか。絢さん。ありがとうございました。また」
「うん。またね」
彼氏さんは一礼だけして、鈴さんと帰っていかれた。
残ったのは私たち。
……二人ともお話されるんだろうか。
「……怒ってる?」




