平凡の日常の危機の予感
私は小さい頃から何不自由なく生きてきた。
というより、周りからはかなり甘やかされてきたとは自覚している。成績優秀、スポーツは万能とまではいかないがそこそこできる方だ。
そして見た目はと言うと、日本人とロシア人のハーフで昔からわいいとよく言われてきた。そう言われるのが嬉しくて誰にでも愛想良く接していた。
でも、それが通じるのは小学校までだった。
中学生になり、最初の方ははそれなりに楽しく過ごしていた。
学校も慣れ始めた頃、1人の男子が話しかけてきた。
「朝日奈さん昼休みちょっといいかな?話したいことがあるんだけど、、、」
そう言ってきたのは、クラスというより学年で結構有名な暁 斗真くんだ。
彼はバスケ部で1年で唯一のレギュラーらしい。それだけでなく、アイドル級にイケメンで学年問わずファンが多い。
「?いいよ、」
私がそう答えるとありがとうと一言いいいつも話しているグループに戻って行った。
「あかりん、やるじゃん!」
そう言って後ろから抱きついてきたのは七瀬 そら、私の親友だ。
「、、、ちがうって」
「そらが考えてるようなことじゃないと思うよ」
第一、彼とは数回しか話したことがない。
そんな事を思っていると、
「あかりんは鈍感だな〜」
「暁くん結構あかりんの事気にしてたんだよ〜!」
初めて知った事実だった、
「っで、告られたらどうするの?」
そらは、興奮気味で聞いてきた。
私としては、好きでもない相手と付き合う気は無い。
ましてや、あんまり仲良くもない人とは絶対無い。
「ないと思うけど、もし告られたら断るよ!」
「え〜もったいない!あんなイケメンそうあないよ?」
「どんなにイケメンでも、数回話したい程度の人と付き合ったりはしないよ〜」
「上手くいくわけないし!」
そうこう話している間に授業開始のチャイムがなった。