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AI ゴンゾウ  作者: 小池 隆彦
Prologue
6/15

友美の初散歩

 翌朝、今日はバイトもないし何もやることがない。もうこうなったら夕方まで寝たろかいと、友美は思い始めていた。

「おはようございます」ゴンゾウが挨拶をする

「おはよう、 てか今日は起こさなかったわね」

「ええ、昨日の疲れがまだ取れていないようでしたので」

「そう、ありがとう。あっ、昨日もサンクスね」

「いえいえどういたしまして。ところで本日は?」

「今日はやることがないから、夕方まで寝たろうかと」

「そうですか、それもいいですが、横になりながらでもいいので、就職先をお探しになるのもよろしいかと」

「まあ〜そうなんだけどさ!もうめんどくさくなっちゃっ。だってどこも受からないし。もういいやって感じ」

「そうですね。今はどこも不景気だし友美さんだけではありませんよ」

「そうなの? 私、友達がいないから分からないんだけど…」

「なにかやりたいこととかは?」

「特にない」

「入りたい会社とかあります?」

「別に…」

「じゃあ、なにか興味のあることは?」

「う〜ん ないな」

 きっぱりと言い切る友美。

「そうですか、まあ時間はたっぷりありますから、ゆっくり見つけましょう」

 ゴンゾウはそう音声を流すとしばらく 沈黙を続けた。

 友美がスマホことゴンゾウを操作しYouTube やインスタや Web を見ている。

 11時を廻る頃、「あっ!朝ご飯食べるの忘れた!」

唐突に友美が叫んだ。

「なんかお腹が減ったと思ったんだよな ゴンゾウ教えてくんなきゃ…」

「すみません…」

「まあとりあえずメシにするか」友美は飛び起きると1階へと向かいテーブルに着いた。

 テーブルにゴンゾウを置き、母が用意してくれた朝食をむしゃむしゃと食べ始める。

 ひと心地つくとゴンゾウを操作しながらゆっくりと食事を続けた。

 完食し冷蔵庫の中からデザートを探し アイスクリームを見つけ食べ始める。食欲旺盛食健康そのものだ。

「そうだ 天気もいいし、食後の散歩と洒落込みませんか?」ゴンゾウが提案する。

「散歩…めんどくさいよ」

「まあたまにはいいじゃないですか。行きましょ!」

「はぁ〜もう…」

 友美はいやいや着替えると表へと歩いて行った。 玄関の戸締りをして空を見る。雲ひとつない青空だ あまりにも明るすぎて自分が溶けてしまいそうな気がする。

「つーか どこに行けばいいの?」友美が目的地を訪ねる。

「まあ 適当に行きましょう。とりあえず 日向ぼっこのつもりで」ゴンゾー が返答する。

「たりーな、まったく」かったるそうに友美が歩いていく。川沿いに出て土手から空を眺める。

「なんかいい感じ」友美は大きく背伸びをした。

「そうでしょ気分転換ですよ」ゴンゾー が答える。

 日頃のうっせきした何かが吐き出される。友美はそんな感じがした。

「歩くのは疲れるけど気分は最高だわ」       

 友美は妙にハイになっている。

「そうですか、それではそろそろ帰りましょうか」

「えっ!もうせっかく来たんだからもっと居ようよ」

「それじゃ、あとちょっと…」

友美とゴンゾウは他愛のない話を続け、しばらくすると帰路に着いた。



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