友美の朝食
10時頃起きだすと大きなあくびをし、眠い目をこすりながら1階のバスルームへと向かった。歯を磨きながら鏡を見ると顔が若干 むくれている。台所に行くといつものように友美の朝食が用意されていて父はすでに会社へと、母はパートへと向かったようだ。テーブルにつき朝食を食べようとした瞬間2階から大きな音が鳴る。
スマホが鳴っている、何だろうバイト先からか知美は自室に戻るとスマホを確認した。
「すみません、私も同行したかったもんですから…」
「はぁ?それだけ。別に家の中なら問題ないじゃん!」
「まあ、そうなんですけど。当面はなるべくお近くにと思いまして」
「もうしょうがないな…」友美は スマホ いやゴンゾウを手に取ると、再び1階へと向かった。
友美が再びテーブルに座り朝食を食べる。
「毎朝朝食を作り、お仕事行かれるんですね、お母様は」テーブルの上に置かれたゴンゾウが喋る。
まあね、あまり美味しくないけどね。
「……」
「そろそろバイトに行くか!でもだるいな〜休んじゃおうか?」
「……」
「休んじゃお〜」
友美がゴンゾウを手に取り、バイト先へ連絡を入れようと番号を押すがつながらない。
「あれ?おかしいな」
電話がつながらない、あれ?あれ?といぶかる友美。
「あ、あの〜今日は25日過ぎの繁忙期。シフトはきちんと守ったほうが…」
「はぁ?だからなによ!私は休みたいの!」
怒った友美はゴンゾウを放り投げたいと思ったが、壊れたら困るのは自分自身だとかろうじて思いとどまった。
「あんたさ、人が電話をしようとしてる時に邪魔するのはやめなさいよ!」
「まあまあ、お怒りはごもっともですが まずは落ち着いて…」
「たっく、なによ!」
怒り心頭の友美だが、まあ今日は出勤した方がいいと思い始めた。
「しょうがない、行くか…」
友美はしぶしぶと部屋へ戻り着替えを始めた。